テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

歌麿さんの、もうひとつの顔。

2018-08-21 22:14:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 けッしょうせんまでェ、よくがんばッたのでス!」
「がるる!ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!皆さんお疲れさま!)

 こんにちは、ネーさです。
 あまり野球は見ない私ですが、
 今日はね、農業高校の野球部員さんたちに、
 いえ、夏も冬も頑張り切った学生さんたちに
 拍手を送りたくなりましたよ。
 それにマネージャーさんや、試合を運営するスタッフさんたちも、
 お疲れさまでしたー!
 激闘を終え、わずかなりと休養が取れそうな日には、
 さあ、体育会系の高校生さんも
 こちらの御本で読書タイムを、どうぞ~♪
 
  


 
 ―― 歌麿 《画本虫撰》《百千鳥狂歌合》《潮干のつと》 ――



 著者は菊池庸介(きくち・ようすけ)さん、
 2018年5月に発行されました。
 浮世絵師として知られる
 喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ)さん(1753?~1806)の
 “もうひとつの顔”を明らかにするユニークなアート本です!
 
「これはァ、ほんとにィ~びッくりィ~♪」
「ぐるるがっるるぅ!」(←訳:予想外だったよぅ!)

 どんな画題にも、
 どんな企画にも意気軒昂と挑戦する
 畏れ知らずの画師さん――

 といえば、多くの方々が連想するのは
 画狂人・北斎さん、でしょうか。

「でもォ、ちがうゥのでス!」
「がるるるぐるー!」(←訳:ここにもいたー!)

 ええ、北斎さんだけじゃなかったんです。
 ここに、もうひとり、
 歌麿さんという、途轍もない画師さんがいました。

 喜多川歌麿さんの代表作とされるのは、
 《大首絵》と称される数々の美人画などの
 人物画なのですけれども、
 そもそも、歌麿さんの名を高めた契機となったのが、
 
  《画本虫撰(えほんむしえらみ)》

  《百千鳥狂歌合(ももちどりきょうかあわせ)》

  《潮干(しおひ)のつと》

 という、狂歌絵本三部作だったのでした。

「あはァ! かわいいィ~♪」
「ぐるる!」(←訳:細密だ!)

 虫たちを主人公とする《虫撰》、
 さまざまな鳥たちが描かれた《百千鳥》、
 そして貝類をテーマとする《潮干》――

 正統派の植物図譜とは
 やや趣きが異なるものの、
 制作当時はまだ若き新人だった歌麿さんの
 心構えがずっしり籠った細密画は、
 非常に鮮烈です。

 特に、この御本の本文36~37ページの
 蛇(ながむし)を題としたトカゲとヘビの画なんて
 リアリズムそのもの!

 かと思ったら一転、
 66ページには
 木兎(みゝづく)が樹にちょこんととまっている画があって、
 これは……トトロ?

「ととろだァ!」
「がっるる!」(←訳:そっくり!)

 猛禽類――ワシやタカの画っていうのは、
 大勢の画師さんたちが描いていますけど、
 こういった木兎、
 フクロウ(75ページ)って、
 狩野派の画師さんたちもあまり描いてないんじゃないかしら?

「とッてもォ~めずらしィかもッ!」
「ぐるっるる!」(←訳:稀少っぽい!)

 歌麿さんの描写力、
 高い技術と構成力、
 また、
 この三部作をプロデュースした版元・蔦谷重三郎さんの慧眼、
 作品の良さを見逃さなかった江戸のアートマニアさんたち、
 三者三様に、
 
  さすが!

 と感服するしかありませんが、
 出来れば、見てみたいものですね、
 美術館に所蔵されている本物の《虫撰》《百千鳥》を!

「えどじだいのォ、いんさつぎじゅつゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:拝見熱望です!)

 巻末の、
 編者・菊池さんによる
 狂歌絵本の歴史についての解説文も必読の一冊、
 アート好きさん、
 江戸文化マニアさんにおすすめですよ。
 本屋さんで、図書館で、
 皆さま、ぜひ手に取ってみてくださいな♪
 
 
 
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古き佳き、きびしさ。

2018-08-20 22:16:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あれれッ? せみのォこえェがッ??」
「がるる!ぐるるるるる~?」(←訳:虎です!聴こえないよ~?)

 こんにちは、ネーさです。
 涼しい風が吹いたと思ったら、
 急に蝉の声が聴こえなくなってしまいました。
 もう本格的に秋なのかなぁ?と疑いつつ、
 本日はTwitterコミックをお休みし、
 ↓こちらの御本で、さあ、読書タイムを、どうぞ~♪

  



       ―― ホワイト・コテージの殺人 ――



 著者はマージェリー・アリンガムさん、
 原著は1928年に、画像の日本語版は2018年6月に発行されました。
 英語原題は『The White Cottage Mystery』、
 “古き佳き時代の名作”と呼びたい長編ミステリ作品です。

「むかァ~しィなのでェ~」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:テンポが違うねえ!)

 物語の主な舞台は、
 作品が書かれた当時と同じく、
 1920年代の英国南部。

 電話は(ある程度)普及しているし、
 田舎の道路でも車が盛んに行き来しているし、
 鉄道網もしっかりしたものだし、
 あまり現代と変わらないように見えますが。

 ゆったりした、
 牧歌的とさえいえる空気は、
 クラシカルなミステリ特有のものでしょうか。

「でもォ、ゆだんしちゃだめェなのでス!」
「がるるぐるるがるるるる!」(←訳:事件は時代を選ばないよ!)

 そうね、
 事件は時代や国を選ばない……かもしれませんが、
 物語の主人公に選ばれちゃったのは、
 ジェリー・チャロナーくん。

 1920年代初頭の、
 或る秋の夕刻のことでした。

 青年ジェリーくんが車を駆り、
 英国ケント州の
 小さな村へとさしかかったところで、
 美しい女性に出会ったのです。

「てにもつゥ、おもそうッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:見過ごせません!)

 重たげな手荷物と困っている様子の娘さんを、
 英国紳士たるもの、
 放っておけませんよね。

 ジェリーくんは彼女を車に同乗させ、
 半マイル先だという自宅へ
 送ってゆきますが……

「それがァ、じけんげんばッ!」
「がるるぐる!」(←訳:白い家です!)

 《白亜荘(ホワイトコテージ》の名の通り、
 生垣に囲まれた愛らしい白塗りの家、
 その前でジェリーくんは彼女を降ろします。

 なぜか名残惜しくて、
 もっと一緒にいたかったけれど、
 彼女と別れて間もなく。

 散弾銃の銃声が!

「ゆうがたァなのにィ~!」
「ぐるるがるぐるぅ!」(←訳:狩猟はダメでしょ!)

 ホワイトコテージで何が起きたのか。

 御本の題名が題名ですから、
 何が起きたのかは明らかにせよ、
 誰が?
 なぜ?
 どうやって?

 ジェリーくんは
 著名な捜査官である父W・T・チャロナーさんとともに
 謎の解明に取り組み……

 いえ、本当は、
 車に乗せた美しい娘さんが気になって気になって、
 仕方ないんです。

「どうかァ、かのじょがァ~…」
「がるぐぅがるるるるるるる!」(←訳:犯人じゃありませんように!)

 牧歌的なテンポで、
 ユーモアを織り交ぜつつ、
 それでいて、ときにはハッとさせられるほど厳しく、
 謎の本質に迫るチャロナー警部。

 読了後は
 チャロナー警部を大好きになってしまこと間違いなし!
 でもミステリマニアさんの間では論争必至?な快作を、
 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

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まだまだチャレンジ・新作です♪

2018-08-19 22:11:10 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 しんさくゥ~はッぴょうゥしましたでス!」
「がるる!ぐるるるるがるるる!」(←訳:虎です!ミニサイズですけど!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日は、読書タイムをお休みしまして、
 Twitterのコミックを更新してみました♪

  

 前回の作品の、オマケ編……という感じなので、
 コマ数を少な目に仕上げています。
 次回は、もうちょっと情報量多め、の予定でおりますので、

 こちら

 ↑から、覗いてみてくださいね~♫

 
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建てて、造って、また建てて。

2018-08-18 22:00:07 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 とりかえェ~なくちゃッ♫」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!秋だもんね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ東京・多摩地域では
 急に秋めいた風が吹き始めました。
 真夏用のタオルケットを薄手の掛布団に替えたら、
 さあ、週末ですよ。
 本日は読書……をさくさくっとサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



    ――― 東京150年 ―都市とたてもの、ひと ――



 東京・小金井市の江戸東京たてもの園にて、
 会期は2018年7付き24日~2019年1月20日
 (月曜休園、ただし月曜が祝休日の場合は翌日休園、10/1は開園
  12/25~1/1の年末年始は休園)、
 『TOKYO 150 YEARS The City Building and People』
 と英語題名が付されています。

「とうきょうのォ、、ふしめのォとしィ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:生まれて150年!)

  

 現在、東京・両国の江戸東京博物館で開催中の
 企画展『東京150年』と連動して、
 小金井市の江戸東京たてもの園でも
 東京誕生150年を記念する展示が行われています。

 東京に建てられたさまざまな建造物を通して
 都市の変遷を紹介し、
 東京の景観や暮らしの変化を辿る――

 お江戸の昔に比べれば、
 ずいぶんと変貌しちゃいましたから、
 辿る甲斐もありそうだわぁ~…。

「おおきくゥなッたしィ~!」
「がるるぐっるる?」(←訳:便利になったし?)

 明治の東京を描いた版画、
 鹿鳴館の名残りの装飾部品、
 東京タワーを撮ったポスター作品……と
 出展作品多数ある中で、
 私ネーさが、おおお!と感激したのは。 
 
  

 ↑上の画像から、お分かりでしょうか?

 下側の、ごくごく小さい写真なんですけど、
 『東京案内パンフレット《帝国ホテル》』
 ですって!

「げんえきィじだいのォ、ていこくほてるゥ!」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:ライトさんの傑作!)

 飾りものではなく、
 実際に稼働している、
 いちばん輝いていた頃の帝国ホテル……
 全館に照明が灯っていて、
 なんと晴れやかな姿でしょう!
 こんな写真資料が残っていたんですね。
 
「いきいきィ~してるゥのでス!」
「がるぐるるる!」(←訳:呼吸してるよ!)

 建築マニアさんに激おすすめの特別展は、
 2019年1月までの長期に渡る展示です。
 博物館HPのイベントスケジュールも御参照の上、
 お出掛けになってくださいね~♪




    では、少しだけ涼しくなった晩夏のオマケ画像は……
   
    『モロゾフ』さんの
    アイスクリームバー、っていうのかしら、
    正式名称は不明ですが、
   「おいしィ~ッ♪」
   「ぐぅるるがる!」(←訳:チョコが美味!)
    おやつで栄養補給したら、
    ええ、私ネーさはマンガ制作をガンバらねば!
    週明けには新作を発表……できるかなぁ~…
    皆さまは、夏風邪に注意して
    どうか穏やかな休日を♫


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尾根の空から。

2018-08-17 22:11:45 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 むむッ! ネーさがァ、おちこんでまスゥ!」
「がるる!ぐっるるがるるる!」(←訳:虎です!がっくり来てるよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、もう落ち込みまくってます……
 私ネーさの大大大好きなサッカー選手さんが
 移籍することになってしまいました……
 ああ、悲し過ぎて寂し過ぎて目の前が真っ暗ですが、
 こんな時こそ読書に活路を求めましょう。
 という訳で、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



      ―― 日航機123便墜落 最後の証言 ――



 著者は堀越豊裕(ほりこし・とよひろ)さん、2018年7月に発行されました。
 前回記事と同様にノンフィクションジャンルの作品ですが、
 題名からもお分かりのように、
 主題となっているのは、
 日航ジャンボ機墜落事故――

「もうゥ、さんじゅうさんねんもォまえッ??」
「ぐるっるる……」(←訳:夏だったよね……)

 航空史上でも稀な、悲惨な出来事は、
 その衝撃が強かったせいでしょうか、
 いまなお関連書籍が
 幾種も刊行され続けている点からも明らかですけれど、
 私ネーさが驚かされたのは、
 ……撃墜説??
 そ、それって??

「じこじゃァないのッ??」
「がるぐる?」(←訳:事件なの?)

 事故か?
 事件だったのか?
 あの日、いったい何が起きたのか?

 著者・堀越さんは共同通信社に勤めておられたという
 記者さんです。

 米国での特派員生活も長く、
 航空機事故についての知識を有している堀越さんは、
 記者さんらしいアプローチで
 日航機123便墜落事故の調査に
 取り組みました。

 それはつまり、
 多くの人の話を聞く、ということ。

「ふむふむゥ!
 しゅざいのォ、きそォ、なのでス!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:聞けば分かるかも!)

 御本の内容は、
 冒頭の『プロローグ』を経て、

 第一章『御巣鷹という磁場』
 第二章『米紙にもたらされたリーク』
 第三章『ボーイング社の苦衷』
 第四章『消えない撃墜説を検証する』
 第五章『墜落は避けられなかったか』
 第六章『スクープ記者たちの三十三年』、
 
 そして『あとがき』から構成されています。

 いわゆる撃墜説、誤射説に関して言及されているのは
 第四章に於いて。

 著者・堀越さんはこの第四章でも、
 “聞く姿勢”に徹します。

 相手がどんな突拍子もない説を展開しようと、
 まずは聞く。
 耳を傾ける。
 一笑に付してはいけない。
 正否を判断するのは、
 聞いた後でいいのだから。

「れいせいィにィ!」
「がるる!」(←訳:謙虚に!)

 技術的なデータ、検証も、
 堀越さんは疎かにしません。
 日航機のケースだけでなく、
 他の事故のデータ、
 米国連邦航空局の資料に当たり、
 調査委員たちに会い、
 他者の記者さんたちにも会って
 話を聞く――

 どこに、
 誰の話の中に、
 真実はあるのだろう?

「はてしないィぎもんッ!」
「ぐるがる……!」(←訳:霧は深い……!)

 堀越さんが得た結論を、
 ここには敢えて記しません。
 
 結論云々よりもむしろ、
 読み終えてのち、
 こころに残るのは
 喪われてしまった命への無念、
 寂寂たる想い――

 けれど、この出来事を決して忘れぬためにも、
 皆さまどうか、
 ぜひ、一読を。
 
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― 《顔》と、歩む旅路 ―

2018-08-16 22:07:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ながれぼしィ~みえませんでス!」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!どこなのお星さま!)

 こんにちは、ネーさです。
 ペルセウス座流星群はいまがピーク!……の筈なのですが、
 ここ東京・多摩地域では曇りがちな夜が続き、
 流星の影も形もなくてガッカリ……していたところで、
 はい、素敵な一冊とめぐり会いましたよ♪
 本日の読書タイムは、読み手にパワーをチャージしてくれる
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



         ―― 顔に魅せられた人生 ――



 著者は辻一弘(つじ・かずひろ)さん、構成は福原顕志(ふくはら・けんし)さん、
 2018年7月に発行されました。
 『特殊メイクから現代アートへ』と副題が付されています。

「あッ! このォおかたはァ~!」
「ぐるるーがるるる!」(←訳:オスカー受賞者の!)

 ええ、そうです、
 辻さんの御名前にピンと来なくても、
 今年2018年のアカデミー賞授賞式上、
 『Oscar goes to Darkest Hour!』の声とともに
 メイクアップ&ヘアスタイリング部門の受賞者となった辻一弘さん――

 この御本は、辻さんの半生記であり、
 人生観と、特殊メイク技術や
 ハリウッドへの思いについても語ったノンフィクション作品です。

「ちゃーちるゥさんのォ、めいくゥ!」
「がるるぐるっるるる!」(←訳:あれは凄かったよう!)

 日本での題名『ウィンストン・チャーチル』、
 英語原題は『Darkest Hour』。

 初めて映画のポスターや画像を目にしたときは、
 そりゃもうビックリしましたよね。

 俳優ゲイリー・オールドマンさんのお顔が、
 政治家ウィンストン・チャーチルさんの
 プクッとした特徴ある丸顔になってる?!?
 んまあ、やるもんだわ!
 え? メイクを担当したのは日本人ですって?
 おお! やるもんだー!!

 ……と、外野席の私たちが口にするのは
 簡単なことですけれど、
 当事者たる辻さんにとっては、
 簡単どころかひどく険しい茨の道、
 ときとしてまさにDarkestな、
 いくたびも苦い失望を味わったすえの、
 ようやくの快挙であり、成果でした。

「にほんにィ、うまれてェ~」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:アメリカでお仕事!)

 京都に生まれた辻さん、
 漠然と“何かを作る仕事に就きたい”と想い描いていましたが、
 高校に通っていた或る日、
 一枚の写真を雑誌に見つけます。

 役者さんが、リンカーン大統領になってる?

「ふァいッ! とくしゅめいくゥ、でスねッ!」
「がるるるるるぐるるがる!」(←訳:似てない顔を激似に加工!)

 そのリンカーンのメイクをしたのは、
 ディック・スミスさんという
 特殊メイク界の第一人者さんでした。

 感銘を受けた若き辻さんは、
 藁にもすがる思いで手紙を書きます。
 すると……

 なんと、お返事が!

「わほうゥ! うれしィ~♪」
「ぐるるがるぅる~♫」(←訳:小躍りしちゃう~♫)

 こうして、海を隔ててつながった一筋の糸。

 糸を頼りに、
 辻さんは学び、模索し、
 東京に住まいを移して映画や映像の仕事をした後、
 念願かなって米国で、
 ハリウッドでお仕事をする機会を得ます。

 日本で独自に開発し、持ち込んだ技術や手法は
 いまやハリウッドのスタンダードとなるほど、といいますから
 辻さんの能力がどれほど高みをゆくものなのか、
 とにかく感嘆するしかありませんが。

 映画の都ハリウッドは、
 Darkestな都でもあるようで。

「にんげんがァ~ふくざつゥ!」
「がるるるぐるるがるるる!」(←訳:役者さんたちもフクザツ!)

 功成り名遂げた……けれど。

 辻さんは映画界から離れ、
 現代アートの世界へ飛び込む決心をしました。
 アートの世界で、《顔》を造る。
 かつて魅了されたリンカーン大統領の顔を、
 こころも新たに、造ってみよう――

 その決意、情熱は報われ、
 現代アートの世界に迎え入れられた辻さんのもとに、
 2016年春、
 思いもよらぬことが起こります。

「むゥ??」
「ぐるっ?」

 俳優ゲイリー・オールドマンさんからの、連絡。

 その内容は―― もちろん!

「わううゥ! どきどきィ!」
「がるぐる!」(←訳:ワクワク!)

 長い、暗がりの中を往く、
 辻さんのひとり旅。

 いえ、俳優さんや、
 偉大なる師匠ディック・スミスさんとの二人三脚、
 誰かと手をたずさえながらの、
 それでもやはり、孤独な旅路。

 師ディックさんに捧げられたこの御本、
 映画好きさんにはもう絶対おすすめの労作です!
 活字マニアの皆さまも、
 どうか、ぜひ♪
 

 
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~ キースさんの足跡 ~

2018-08-15 21:45:04 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 はちがつゥ、はんぶゥ~んッきましたでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!15日だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月も半分が過ぎようとしている今日15日――
 平和の意味を改めて考えたい本日は、
 読書タイムをちょっとオフにして、
 こちらの展覧会情報を、さあ、どうぞ~!

  


       ―― POP,MUSIC & STREET
            OMOTESANDO,THE STREET
            KEITH HERING LOVED ――


 東京・渋谷区神宮前の表参道ヒルズ 本館B3F スペース オーにて、
 会期は2018年8月9日~8月19日(会期中無休)、
 『キース・ヘリングが愛した街 表参道』
 と日本語題名が付されています。

「ことしはァ、きねんのとしィ、なのでス!」
「ぐーるるるるがっる!」(←訳:キースさんにとって!)
  
  

 キース・ヘリングさん(1958~1990)。

 そう、キースさんが生まれて60年を記念して、
 表参道ヒルズでは特別展が開催されています。

 31歳の若さで世を去ったキースさんの
 アーティストとしての活動期間は
 わずか10年とちょっと……
 短い、とても短すぎる10年余でした。

 その短すぎる10年の間に、
 キースさんは商業目的の作品制作だけでなく、
 核放棄、反アパルトヘイト、エイズ予防、
 LGBTのカミングアウトを促す
 ナショナルカミングアウトデーの運動等にも
 取り組んでいます。

「ぴーすふるゥ、あーとォ!」
「がーるるぐるるるがる!」(←訳:アートはみんなのもの!)

  

 キースさん、たびたび来日し、
 路上にドローイングしたり、
 《ポップショップ東京》を青山に開店したりと、
 表参道近辺は彼にとって
 馴染み深い街でした。

 この展覧会では、
 オリジナルポスター作品、
 来日時の秘蔵写真、
 キースさんが手がけたレコードジャケットなどが
 展示されます。

「とうきょうゥではァ、はつこうかいィ!」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:今も色褪せてないね!)

 現在も、ユニコロのTシャツに
 作品が使われることもあって
 多くの人に知られ、
 愛されているキースさんとキースさんの作品――

 入場無料の展覧会ですので、
 表参道ヒルズ近くにお出掛け予定の方々は、
 どうか、ぜひ覗いてみてくださいね♪


 


    さて、ここでオマケ画像を……フゥ~ッ!
   
    『明治』さんの
    《エッセルスーパーカップ カフェオレ&クッキー》で
    フーフー言いながらも
    暑い午後を乗り切りましょう。
   「くちどけェ、すッきりィ~!」
   「がるるぐっるる!」(←訳:頭脳もスッキリ!)
    クリーム成分控えめのラクトアイスなので、
    重たいアイスクリームはちょっと……という御方にも
    おすすめですよ。
    おやつタイムに、パクリ!と。


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クラシカル、かつ新鮮な短篇を。

2018-08-14 22:12:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおッ♪ むしのォこえェ~きこえましたでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!秋到来かも!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝は秋の虫がリルリルと歌っていたりして、
 やったわ!涼しい日が来るのね!
 と喜んだのも束の間のことでした……
 まだまだ暑さ&渋滞が続くお盆休みの今日も、
 Twitterコミックは小休止して、
 さあ、↓こちらの御本で読書タイムを、どうぞ~♫
 
  



             ―― 赤い猫 ――



 著者は仁木悦子(にき・えつこ)さん、2018年5月に発行されました。
 『ミステリ短篇傑作選』と副題が付されています。

 前回記事では青池保子さんによる
 “本格ミステリ”コミックを御紹介しましたが、
 はい、今回も小説のミステリ作品ですよ。

 著者・仁木さん(1928~1986)は、
 かの江戸川乱歩さんに
 “日本のクリスティ”と評された作家さんですから――

「おすみつきィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:ハズレなし!)

 この御本のいちばん初めに収録されている
 表題作品であり、
 推理作家協会賞を受賞している仁木さんの代表作
 『赤い猫』は、
 1980年に発表された短編です。

 物語の始まるキッカケは……

 ヒロインさんが失業しちゃったこと、でした。

「あちゃッ!」
「がるっ!」(←訳:やばっ!)

 沼手多佳子(ぬまで・たかこ)さんの勤め先は、
 小さな印刷会社。

 その会社が倒産してしまい、
 必死に次の仕事口を探している多佳子さんですが、
 世の中は不況です。
 両親がなく、
 都内に家もない一人暮らしの若い女性には、
 世間ってヤツは冷たくて……。

「ふァ~…」
「ぐる~…」

 と、そんなところへ。

 或る新聞広告が目に飛び込んできましたよ。

  《話相手の女性求む。住込・年齢30歳まで・高給優遇。》

「ほわァ? はなしィあいてェ??」
「がるるぐるがる!」(←訳:珍しい求人だね!)

 話相手?
 外国の推理小説にはそういう職業のひとも出てくるけれど、
 日本ではあまり聞いたことないわね?
 でも……
 様子を見に行くくらいなら、いいわよね?

 そう考えた多佳子さん、
 面接に出かけていったものの、
 競争率は高そうだ、たぶん駄目ね、と
 諦めていたのに。

「きましたでス! さいようのォ、つうちィ~!」
「ぐっるがぅる!」(←訳:やったじゃん!)

 意外にも採用が決まり、
 多佳子さんは晴れて、
 大林郁(おおばやし・いく)さんの話相手と
 なったのでした。

 以来、多佳子さんは
 車椅子の老婦人・郁さんに付き添い、
 身の周りのさまざまな用事や、
 本の朗読などもつとめ、
 広い御屋敷での生活にも慣れてゆくうち。

 無愛想な郁さんが、
 実は鋭利な知性の持ち主であると分かりました。

「もしかしてッ?」
「がるるるぐるる?」(←訳:車椅子の名探偵?)

 自由には動けぬ身ながら、
 郁さんが解き明かしてゆくのは、
 かつて多佳子さんを見舞った悲劇の謎。

 プロの調査員ではない、
 もちろん公的な捜査をする訳でもない、
 多佳子さんの記憶と
 わずかな証言だけをもとに、
 はたして郁さんは真実に辿り着けるのか――

「むむむッ! なんもんッ!」
「ぐるる!」(←訳:超難関!)

 ミステリ好きさんに激おすすめの
 この表題作品を筆頭に、
 洗練された短篇9作品からなる本文と、
 日下三蔵さんによる解説も必読の一冊、
 活字マニアの皆さま、
 どうかぜひ、一読を♪
 


 
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中世にも科捜研?

2018-08-13 22:04:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううッ! もうしょのォつぎはァ~」
「がるる!ぐるるがるぅ!」(←訳:虎です!雷雲が来たぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日もTwitterコミックを小休止して、
 じゃあちょっとショッピングにでも♪と思っていたら、
 雷と雨が午後になってドーン!と。
 こうなっては仕方ありません、
 オトナしく自宅で読書タイムを愉しむことにして、
 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~!
 
  



          ―― ケルン市警 オド 3 ――



 著者は青池保子(あおいけ・やすこ)さん、2018年7月に発行されました。
 中世を背景にした人気の漫画《修道士ファルコ》シリーズからのスピンオフ、
 《ケルン市警 オド》も第3巻目となりましたね。

「むかしィむかしィのォ、どいつゥ~♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:大都市ケルン!)

 14世紀の、ケルン――

 といっても、私たちがイメージする現代ドイツのケルンとは、
 ずいぶんと違いがあるようです。

 古代ローマの属領のひとつだった頃から
 規模の大きな町ではありましたが、
 中世になると、
 ライン川を使っての交易が栄え、
 ドイツ地方でも有数の商工業都市へと変化します。

 しかも、政治力の強さは半端じゃありません。

 13世紀末には大司教を追放し、
 自治権を獲得!

「ひえッ! ついほうゥ???」
「がるるるる!」(←訳:チカラ技だ!)

 そうして自由都市になったケルンは、
 豪商・都市貴族・富裕層からなる
 市参事会によって運営されてゆくことになりました。

 ……この参事会がね、
 つまりはクセ者なのよね。

「おかねもちィのォ、あつまりィ!」
「ぐるるるがーるー!」(←訳:トラブルメーカー!)

 お金のあるところ、トラブルはつきもの。
 ましてや、権力だの、相続だの、遺恨だの、
 怪しい要素が絡んできたら。

 オド市警の出番になっちゃう次第です。

「きょうのォ、よびだしィはァ~…わッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:大事件だよう!)

 ケルンでも最もお金持ちの部類なのでしょう、
 エフナー家が毎年主催する
 当主の誕生パーティーは
 それはもう大規模です。

 5日間ぶっ通しで、
 招待客は500人、
 40頭の牛と30頭の羊、
 50頭の豚の料理を振る舞う豪勢な宴会は、
 あんまり派手なので罰金を科せられるほど、
 でしたが……

 今年は中止?

「ふァ? ちゅゥしィ??」
「ぐる??」(←訳:なぜ??)

 中止の理由は、もちろん“事件”です。

 オド市警こと
 オドアケル・ショルツさんが出向いた先は、
 エフナー家のお屋敷。

 そこで、一族の重要人物のひとりが……!

「あわわゥ! ひじょうゥじたいィなのでスッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:オドさん助けて!)

 ネタバレになってしまうので
 これ以上は書けませんが、
 人間関係を探り、
 医学情報を参考にし、
 古資料を漁って事件解明に挑む様子は
 まさに本格サスペンスミステリ!

「あくにんッ、つかまえてェくだいィ!」
「ぐるがるるぐるるる~!」(←訳:早く続きを読みたい~!)

 オド市警の双肩が担う、ケルン市の平和は
 このまま保たれるのか――?

 読み終わるや次巻刊行が待ち遠しくなるこの御本、
 歴史マンガ好きな方々には
 激おすすめですよ。
 お盆休みはマンガだ!という活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
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~ 真夏の北欧アート ~

2018-08-12 22:17:10 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 ざんしょおみまいィ~もうしあげェまスゥ!」
「がるる!ぐるぅる!」(←訳:虎です!あちゅい!)

 こんにちは、ネーさです。
 次作が仕上がるまでTwitterのコミックは
 小休止することにしまして、
 ついでに読書もちょこっとサボり、
 お盆休み中の本日は、
 展覧会情報をお送りいたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



  ―― フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア ――



 東京・目黒区の目黒美術館にて、
 会期は2018年7月14日~9月6日(月曜休館)、
 『Power of Ceramics : Modernism in Finnish Applied Arts』
 と英語題名が付されています。

「ほわわッ♪ ふぃんらんどォ~!」
「ぐるるーるがる!」(←訳:北欧アートだね!)

  

 北欧の陶芸――
 というと、なんといっても大人気なのは、
 スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンさんの作品でしょうか。
 それに、
 スウェーデン語系フィンランド人のトーベ・ヤンソンさんも
 《ムーミン》シリーズが陶磁器になっていて、
 やはり大好評よね。

「ふァいッ! いろあいィ、さいこうゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:質感も極上!)

 かようにクオリティの高い北欧の陶芸品ですが、
 これまで日本に紹介されてきたのは主に
 プロダクト・デザインでした。

「でもォ、ほかにもォ、ありまスゥ!」
「ぐーるるがるぐる!」(←訳:アートな作品がね!)
 
  

 この展覧会では、
 フィンランド陶芸の黎明期から、
 最盛期ともいえる1950~60年代までを、
 名作と共に辿ります。

 2019年は、《日本・フィンランド外交関係樹立100周年》。
 100周年を記念する企画展へ、
 北欧ファンの皆さま、
 アート好きな方々は、ぜひ、お出掛けを♫




    では、ここでお盆休みスペシャルなオマケ画像も!
   
    暑いとなぜか食べたくなってくる『干し梅』を
    大胆不敵にも食べ比べてみましたよ♪
    まず、↓こちらは……
   「ふァみりィーまーとのォ、ほしうめェ!」
   
    そして、↓こちらは……
   「がるるぐるるるる!」(←訳:セブンイレブンの!)
   
    同じ“甘い干し梅”でも
    けっこう味わいが違います。
    ファミリーマートさんはジューシーで、
    セブンイレブンさんはドライフルーツに近いかしら?
    甘さはファミマさんの方が強くて、
    セブンさんの方はあっさり?
   「もふゥ! りょうほうゥともォおいしくッてェ~」
   「ぐるるるるぅる!」(←訳:食べ過ぎちゃう!)
    塩分摂り過ぎにならないよう
    充分に注意しながら、
    ミネラルウォーターや
    炭酸水(シュガーフリー)等といっしょに
    おやつタイムを楽しんでくださいね♪


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