テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名画から、“かご”が囁く ~

2022-12-21 22:17:48 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゆやすみィ~とつにゅうゥ?」

「がるる!ぐるがーるる~!」(←訳:虎です!年末モードだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 12月も下旬になって、

 学生さんたちは冬休みに入ったのでしょうか。

 そろそろ年越しの準備をしなくちゃね~とため息しつつ、

 さあ、読書タイムもしっかり確保して、

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 名画のかごを編む ――

 

 

 著者は佐々木麗子(ささき・れいこ)さん、

 2022年11月に発行されました。

 『かご作りから画家の暮らしや時代背景に思いをめぐらす』

 と、日本語副題が付されています。

 

「かッ、かごォ??」

「ぐるがる……ぐる!」(←訳:文字通り……かご!)

 

 御本の表紙になっているのは、

 はい、あらためて説明する必要はありませんよね。

 ヨハネス・フェルメールさん作

 『牛乳を注ぐ女』(1660年)。

 

 この名画の主役は、

 もちろん牛乳を注いでいる女性ですが、

 彼女より手前の、

 思いっ切り目立つ場所に描かれているのは、

 そう、かごです。

 

「ぱんかごォ、でスねッ!」

「がっるるるぐるる!」(←訳:キッチンの必需品!)

 

 著者・佐々木さんがこの御本で紹介しているのは、

 名画に登場する様々なかごたち。

 

 フェルメールさんの作品以外にも、

 

 ピーテル・ブリューゲル(父)さんの

 『謝肉祭と四旬節の喧嘩』(1559年)

 

 カラヴァッジョさんの『果物かごを持つ少年』(1595年頃)

 

 ジャン=フランソワ・ミレーさんの『晩鐘』(1557~1559年)

 

 エドゥアール・マネさんの『草上の昼食』(1863年)

 

 など、“かごが描き入れられた絵画”17作品が取り上げられ、

 作品の背景、

 かごに関する解説が掲載されています。

 

「かたちィ~いろいろッ!」

「ぐるるがる!」(←訳:素材も色々!)

 

 フェルメールさんのかごの素材は、藤。

 ミレーさんのかごは、

 クズと、ワラ、イグサなどが使われています。

 紅藤、アケビ、フトイや

 クルミの皮を利用したかごもありますよ。

 

 御本の後半部分には、

 《かごの作り方》のページがありますから、

 腕に覚えあるモノ作り好きな方々は

 チャレンジしてみるのもいいですね♫

 

「どのォかごがァ、いいかなァ~」

「がるるぐる?」(←訳:これはどう?)

 

 かごの存在感が際立っているのは、

 サルバドール・ダリさんの

 『パンかご(恥辱よりは死を!』(1945年)と

 『パンかご』(1926年)。

 

 ダリさんらしくない、とも見える写実的な、

 パンとパンかごを描いた静物画……

 1945年に制作された『パンかご』は

 ダリさんの妻・ガラさんが特に気に入り、

 生涯手放さなかった作品なのだと解説されていて、

 なんだか胸を打たれますね。

 ガラさんは、

 世に知られた派手なシュルレアリスムの大作絵画よりも、

 素朴な小品を選んだ……

 

「うむゥ! いんしょうゥ、かわッちゃうゥのでス!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:不思議なダリ夫妻!)

 

 数百年、

 画布の中央に、

 或いは片隅に、ひっそりと。

 

 アート好きさん&かごマニアさんは必読の一冊です。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ コミックで、文章で、『三国志』世界を ~

2022-12-20 22:05:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いつのまにかァ~まふゆゥ??」

「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!霜柱だ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今季初?の霜柱をザクザクと踏むたび、

 暖冬の方がいいんだけどな~とボヤいた朝でした……

 家に帰り着いて身体が温まったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 横山光輝で読む三国志 ――

 

 

 著者は渡邉義浩(わたなべ・よしひろ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 

 前回記事では、最終回を迎えて話題となった

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』について

 お喋りいたしました。

 『鎌倉殿…』が『吾妻』などの史書や

 『平家物語』他の作品をベースに

 描かれた作品だとするなら、

 古代の中国大陸の戦乱を物語の基盤とした『三国志』を、

 大長編コミック作品に昇華させたのは、

 横山光輝(よこやま・みつてる)さん!

 

「じゃいあんとォ~ろぼッ!」

「ぐるがるる!」(←訳:鉄人28号!)

 

 横山光輝さん(1934~2004)の作風は、

 『伊賀の影丸』『伊賀の忍者 赤影』『鉄人28号』

 『ジャイアントロボ(初期のみ小沢さとるさんと共作)』

 『バビル2世』『魔法使いサリー』『コメットさん』と、

 少年もの、SFもの、少女もの等々、

 とても幅が広いのですけれども、

 代表作として挙げねばならないのは、やはり

 『三国志』ですね。

 

 1971年から1987年にかけ、

 雑誌に掲載された横山さん版『三国志』は、全60巻。

 

 文庫や愛蔵版では全20巻になる

 長大な歴史ロマンコミックは、

 原著『三国志』、

 原作小説の吉川英治さん版『三国志』とも異なる

 独自のアレンジを加えたもので、

 絶大な支持を得ています。

 

「めいばめんッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:名セリフずらり!)

 

 著者・渡邉さんは、

 横山さん版『三国志』から、

 物語の転換点となるシーンや、

 重要な意味を持つシーン、

 これぞ全編を通しての華!

 と言いたくなるシーンをピックアップし、

 その背景を詳しく解説してゆきます。

 

 例えば、

 あの有名な『赤壁の戦い』――

 諸葛亮孔明さんによる10万本の矢を集める奇策、

 東風が吹くことを読む場面には、

 

   『三国志演義』、

   吉川英治さん版『三国志』に比べると、

   横山さん版『三国志』では、

   魔術を使う諸葛亮像が否定され、

   人智による天象予測となっている。

 

 と、キャプションが付されています。

 

 つまり、

 魔術ではなく知力を揮う孔明さん、

 という横山さんの造形は、

 とても現代的な解釈であるのだと

 示唆しているんですね。

 

「じだいィごとにィ~じわじわッ」

「ぐるがるるるぐる!」(←訳:変化してゆく物語!)

 

 ネタバレ回避のため、

 これ以上のお喋りは控えますが、

 コミックの『三国志』ファンの御方も、

 文章での『三国志』を愛好する方々にも、

 楽しめる一冊です。

 

 本文中には

 写真や地図といった図版資料も収録されていて、

 私ネーさが、おお!と感激したのは、

 220ページの『関羽像』。

 数多い関羽像の中でも

 美しいと評判の像だそうですよ。

 

「おッとこまえェでスゥ!」

「がるるっるぐる!」(←訳:美丈夫って感じ!)

 

 年末年始の読書タイムに、

 『三国志』ファンの皆さま、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 海から吹く風 (&大河ドラマ雑感) ~

2022-12-19 22:01:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おめでとうゥ~あるぜんちんッ!」

「がるる!ぐっるが~る!」(←訳:虎です!メッシさ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2022W杯決勝……すごかったわ!

 M-1グランプリ……スゴかったわね!

 でも、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』最終話も凄かった!

 という訳で、本日の読書タイムは、

 ドラマの出演者さん&スタッフさんに感謝の拍手を送りつつ、

 さあ、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 幻の鎌倉執権三浦氏 ――

 

 

 著者は鈴木かほる さん、2022年7月に発行されました。

 『関白九条道家凋落の裏側』と副題が付されています。

 

 (『鎌倉殿の13人』最終話を録画したけど、

  まだ見てないのよ、という御方はご注意ください。

  今回の読書タイムにはネタバレが含まれています)

 

 はい、見事に、見事なまでに

 昨夜12月19日の『鎌倉殿の13人』は

 最終話に相応しい内容でしたね。

 いまも謎に包まれている執権・義時さんの死因を、

 ああいう風に描くとは……!

 

「さみしィ~おわかれェでしたでス!」

「ぐるがっる!」(←訳:衝撃だった!)

 

 ドラマの中で、

 義時さんの死因に大きく係わっていたのが、

 親友・三浦義村さん。

 

 私ネーさ、最終回の放送を観る前に

 この御本を読み終えていたのですが、

 あらためて腑に落ちました……

 義村さんが抱える

 義時さんへの羨望、嫉妬、渇望、猛執……

 

 俺も小四郎義時の如く在りたい。

 しかし……。

 

「たかいィ~かべェでスゥ!」

「がるるるるる!」(←訳:超えられぬ壁!)

 

 フィクションであるドラマに比べ、

 現実世界はどうだったのでしょうか。

 

 著者・鈴木さんは、

 粛々と解き明かしてゆきます。

 

 平家滅亡後の日本各地で

 三浦一族がいかに強大な存在となっていったのかを。

 

 京都の政界で有力貴族に接近し、

 芸能者さんたちを取り込み、

 仏教界を味方につけて、

 列島の津々浦々に

 三浦家と和田家の所領を増やし、

 貿易で巨益を上げ。

 

 もしかしたら、

 平相国清盛さん亡き後、

 いちばん良い目を見たのは

 北条一族ではなく三浦一族ではなかろうか、

 という勢いで、

 ぐんぐんのし上がってゆく、んですけれども。

 

「なぜかァ、おいつけないィ?」

「ぐるるるるるがる~」(←訳:敵わないんだよね~)

 

 裕福になっても、官位を貰っても、なにか違う。

 小四郎義時には追い付けぬ、と

 現実世界の義村さんは考えたのかもしれません。

 ドラマの中の“コウモリをまとった男“平六の

 思考をなぞるかのように。

 

 何をどうしても追いつけぬのなら、

 親友といえども、

 いっそ――

 

「むむむッ! だめでスよゥ!」

「がるぐる~!」(←訳:暗殺反対~!)

 

 真実は不明なれど。

 

 義時さんが急な”病”で没してのちも、

 義村さん率いる三浦一族は

 執権にはなれませんでした。

 

 御本の題名の通り、

 執権の位までもう数歩の位置までにじり寄ったのに、

 運が、

 あと一歩を後押ししてくれる運が、なかった……

 

 つまり、

 三浦一族は、天に守られていなかった……

 

「ちいさいけれど、おおきなァ~ちがいィ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:決定的な違い!)

 

 執権になれなかった男・義村さんと、

 一族の行く末。

 

 ドラマ『鎌倉殿の13人』ファンの方々に、

 歴史好きな活字マニアさんに、

 激おすすめの一冊です。

 

 お正月あたり、

 スピンオフ作品とか放送されないかな?

 筋肉自慢の義村さん、

 泰時さんや鶴丸くん、朝時くんと、

 また会えたらいいな~なんて思いながら、

 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

 

 ちなみに、『鎌倉殿』作中で

 私ネーさの好きな登場人物さんは、

 蒲殿こと源範頼さん、

 トキューサこと北条時房さんでした。

 蒲殿の退場シーンは悲しかったわ……

 ただ、最後まで場を掻き回しまくっていたトキューサさんは

 まだまだ健在ですから、

 もしもドラマの後日譚があるとしたら……

「でばんッでスよゥ~!」

「がるぐぅるる!」(←訳:蹴鞠チャンプ!)

 

 

 (追記/三谷さんがドラマ終幕の参考にした

  クリスティーさんの作品というのは……?

  ちょっとこれから本棚を探索してみま~す)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 毎日を、編む。~

2022-12-18 22:00:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こんやはァ、かまくらどのォ~さいしゅうゥかいィッ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!M1にW杯決勝!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、

 M-1の決勝と、W杯決勝戦、ビッグサイトではコミケと、

 話題にこと欠かないな日曜日ですが、

 さあ、読書タイムも断固決行ですよ。

 本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪

  

 

 

 ―― 編めば編むほどわたしはわたしになっていった ――

 

 

 著者は三國万里子(みくに・まりこ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 ハンドニットのデザイナーとして知られる著者・三國さんの、

 初エッセイ集です。

 

「ちくちくゥ、でスねッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:繊細にチクチク!)

 

 御本の表紙写真中央のお人形さんは、

 ええ、ステキな花模様を編み込んだ

 紺色のニットを着ています。

 これは、もちろん、三國さんが編んだもの。

 

 お人形さんの頬の色と、

 ニットに編み込まれた赤い毛糸の色が

 互いに引き立てあっているようで、

 眺めている私たちも嬉しくなってしまいます。

 

「おにあいィ~でスねッ!」

「がるるる!」(←訳:お美しい!)

 

 この御本には、

 三國さんの子ども時代のお話、

 家族旅行の思い出、

 妹さんとケンカしたこと、

 “好きなひと”と出会って、

 幼い息子さんがインフルエンザに罹り……と、

 身の周りの出来事を綴ったエッセイが

 収録されています。

 

 その中でも、やはり、

 硬質とさえいえる

 まばゆい光が感じられるのは、

 ”編む“こと、

 ”作る“ことが描かれている作品でしょうか。

 

 『うさろうさん』は、

 或る骨董市で見つけた

 くたびれたうさぎのぬいぐるみ、のお話。

 

 1910年頃、

 日本で製造され、

 英国に輸出されて、

 そしてまた日本に戻ってきたぬいぐるみは、

 ええ、本当に”くたびれた”状態でしたが……

 

「おねがいィでス!」

「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:直してあげてください!)

 

 解けかかっている刺繍を留め直し、

 裂けた生地を縫い繕ってってゆけば、

 ぬいぐるみは、

 三國さんの手の中で

 生気を取り戻してゆく。

 

 一方、『小さいセーターを編む話』は、

 題名の通り、

 イベントで展示販売することになった

 お人形サイズのスキーセーター制作のエピソードです。

 

 出来上がりは……かわいい。

 かなりかわいい。

 でも、まだ足りない。終わっていない。

 セーターとセットになった

 小さい帽子がなくては。

 

「うひゃッ♪ ますますゥ~」

「がるるぐっるぅる!」(←訳:可愛くなっちゃう!)

 

 編めば編むほど、

 読めば読むほどに、

 行間からやわらかく立ち昇る

 三國さんの“作る姿勢”。

 

 このエッセイ集を読むだけでも

 充分以上に楽しいのですが、

 三國さんの編み物の書籍や、

 ニットの聖地と呼ばれる土地への旅行記なども

 おすすめですよ。

 

 編み物好き!

 エッセイも好き!という活字マニアさんは、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ そこは “美味しい“ 展覧会 ~

2022-12-17 22:02:21 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 くいしんぼうゥ、あつまろうゥ~!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!食欲UP~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 寒さに手足も縮こまりがちな12月の週末は、

 読書タイムをちょちょいっとサボって、

 背筋がシャンと伸びそうなアートの世界にお出掛けしましょう。

 さあ、↓こちらを、どうぞ~♪

  

 

 

 ―― 英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート ――

 

 

 東京・新宿のSOMPO美術館にて、

 会期は2022年11月5日~2023年1月15日

 (年末年始の12/29~1/4と月曜日は休館、ただし1/9は開館)、

 『The Royal Botanic Gardens,Kew 

  Botanical Arts and the Development of Delicious Food』

 と英語題名が、

 『食を彩る植物のものがたり』と日本語副題が付されています。

 

「わふゥ! みずみずしィ~!」

「ぐるがる!」(←訳:風味絶佳!)

  

 《植物画》といえば、

 世界中に知られる

 ルドゥーテさんが描いた“花の女王”たるバラや、

 百合の花……とは限りませんよね。

 

 薬効がある有用植物、

 おいしい実がなる植物たちも、

 人気の題材です。

 

 この展覧会では、

 英国キュー王立植物園の協力のもと、

 食用となる植物を細密に描写した

 ボタニカル・アート(植物画)を中心に、

 ティーセット、カトラリーなどの

 資料類も展示されますよ。

 

「いちごッ!」

「がるるる!」(←訳:お茶の木!)

  

「ざくろにィ、とうもろこしィ~!」

「ぐるるがる!」(←訳:お豆にカブ!)

 

 イギリスの伝統的なスイーツを再現レシピで紹介、

 19世紀のテーブル・セッティングも再現、

 また、

 学芸員さんによる

 閉館後のギャラリー・トーク(要予約)等、

 イベント好きな方々にも愉しめる

 美味し~い企画展へ、

 ぜひ、お出掛けしてみてくださいな♫

 

 

 

   では、ここで、旨い!なオマケ画像も、じゃじゃん!

   

   『不二家』さんの

   《LOOK 一粒の贅匠 タルトタタン》は、

   はい、いちばん↑上の画像の、

   展覧会チラシでも主役級の存在感をみせる

   リンゴ……のお菓子がテーマ!

   「よわびィでェ、じィ~ッくりィ……!」

   「がるるるるる!」(←訳:焼き上げよう!)

   植物が恵んでくれる”美味”に感謝しながら、

   皆さま、どうか穏やかな休日を♪

   

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ ニンジャ、やってます? ~

2022-12-16 22:00:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 くもがくれッ、どろろォ~んッ!」

「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!まきびし!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 日本が世界に誇る文化のひとつ、

 それは……忍者?

 いやそれ文化と違うわ!とツッコミを入れつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 忍者に結婚は難しい ――

 

 

 著者は横関大(よこぜき・だい)さん、

 2022年5月に発行されました。

 『Marriage is difficult for a ninja』と英語題名が付されています。

 

 忍者――おそるべき知識と体術を駆使し、

 お殿さまの命令一下、

 危地難局へ飛び込んでゆく彼らを

 現代風に表現するなら、

 諜報員、エージェント、といったところですね。

 

「うむむゥ! ざんねんながらァ~…」

「ぐるるがるぐるる!」(←訳:過去の存在だけど!)

 

 忍者が職業として成り立っていたのは、

 戦国時代から江戸初期まで、

 その後は絶滅……

 

 したんでしょうか、本当に?

 

「ふァ?」

「がるっ?」

 

 現代の日本、東京の片すみで。

 

 草刈悟郎(くさかり・ごろう)さんは、

 郵便局にお勤めの、

 ごくフツウの日本人男性、に見えますが。

 

 実は、伊賀忍者さんだったりして。

 

「ふあァ??」

「ぐるる!!」

 

 そう、実は。

 

 戦がなかった江戸時代と

 混乱の維新~明治期を忍者の一族は生き延び、

 往時の技術を保ったまま、

 21世紀の社会でもその能力を活かして

 諜報活動を続けていたのでした。

 

 悟郎さんも、もちろん現役の忍者ですから、

 いつ何時ミッションが命じられても

 行動に移れるよう、

 覚悟を決めている……ので、す……が……。

 

「あれれッ? どうしたのでスかッ?」

「がるぐるるるるがるぐる!」(←訳:顔色さえないよ吾郎さん!)

 

 悟郎さんの目下の悩み、それは。

 

 ああ、結婚でミスったかも。

 一般の女性じゃなくて、

 おなじ業界の、つまり同じ忍者一族の女性と

 結婚しておけばよかったのかなぁ~…。

 家に帰ると、

 空気が冷え切っていて、いたたまれない……。

 

「えッとォ、それはァ~」

「ぐるがるるるるぐる?」(←訳:忍者ならではの悩み?)

 

 でも、実は。

 

 ええ、またしても、実は。

 

 悟郎さん、知らなかったのでした。

 

 悟郎さんの結婚相手、蛍(ほたる)さん。

 

 彼女もまた、忍者であることを。

 それも、伊賀とはあまり仲がよろしくない、

 まあハッキリ言っちゃうと昔々から敵対関係にある

 甲賀の忍者であることを。

 

「だッ、だいじょぶゥなのでスかッ?」

「がるるぐぅるるる~!」(←訳:大丈夫じゃないよ~!)

 

 互いに相手の素性を知らず、

 いまにも離婚が現実になりそうな

 悟郎さんと蛍さん夫妻。

 鬱々とした二人の暮らしの真ん中へ、

 突然ドン!と降って湧いたのは。

 

 政治がらみの、大事件?

 

「こんなときこそォ、にんじゃッ!」

「ぐるがるる!」(←訳:出番だよね!)

 

 現代日本を忍者さんたちが奔走する

 コミカルで、ちょっとシリアスな

 悟郎さんと蛍さんのラブストーリーは、

 破滅に向かうのか、それとも……?

 

 《ルパンの娘》シリーズファンの方々に、

 アクション好きで忍者好き!な活字マニアさんに

 おすすめの一冊ですよ。

 年末年始の読書に

 エンタメ作品を探している御方も、ぜひ~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《家》は、ときに温かく、ときに怖ろしく ~

2022-12-15 22:01:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふらんすゥ、きましたでスゥ!」

「がるる!ふるるがる~!(←訳:虎です!祝決勝進出~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2022W杯の決勝カードは、アルゼンチン×フランス!

 メッシさんはその手に優勝杯を掲げることになるのか、

 それとも……と想いを巡らせつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 怖い家 ――

 

 

 著者は沖田瑞穂(おきた・みずほ)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『伝承、怪談、ホラーの中の家の神話学』

 と副題が付されています。

 

 前回記事で御紹介しました

 『ドイツの家と町並み』は、

 建築への敬愛が滲む”建てものの本”でしたが、

 今回は……

 

「こッ、こわいィ~のでスかッ」

「ぐるるるぅ!」(←訳:ガクブルぅ!)

 

 《怖い家》とは、

 いったいどんな《家》でしょうか。

 

 いえ、その前に、著者・沖田さんは、

 御本冒頭の『はじめに』で問いかけています。

 

   《人々にとって、家とは何なのか》

 

 そう、この世には、

 人を守ってくれる温かい家もあろう、

 また反対に、

 人を恐ろしい目に遭わせる家もあろう――

 

「あッたかいィ~ほうがァいいィでスゥ!」

「がるるるぐるるぅ!」(←訳:怖いのはヤダよぅ!)

 

 本文中で、沖田さんは

 さまざまな《怖い家》の例を挙げています。

 

 たとえば、

 『マヨヒガ(迷い家)』。

 

 山奥の、黒い門の立派な家には、

 牛や馬がたくさんいて、

 室内には膳椀が並び、火鉢の炭は熱を持ち、

 けれど、だぁれもいない……人の気配がありません。

 迷い込んだ訪問者は怖くなって逃げ帰るも、

 或る日、富を授ける椀がひとつ流れてきた……

 

 一読したところでは、

 訪問者に富貴をもたらす幸運の家、

 とも見えるものの、

 『マヨヒガ』の真意はどこにあったのか、

 と考え始めると、

 底知れぬ何かと向き合っているような……?

 

「やッ、やぱりィ~」

「ぐるるがるる!」(←訳:背中に冷や汗!)

 

 さらに、

 沖田さんの指摘によって

 ハッとさせられたもうひとつの《怖い家》は、

 『ラピュタ』。

 

 世界各地に見出される

 ”空中都市”の伝説や物語の中で、

 私たちがよく知っているのは、

 もちろん宮崎駿さんの作品『天空の城ラピュタ』ですね。

 

 『ラピュタ』の空に浮かぶ都市島も

 《怖い家》である、と沖田さんは分析します。

 

 莫大な金銀財宝と、

 無敵のロボット兵を有し、

 地上の国々を支配したラピュタ。

 

 が、そこに”幸福”はあったのかというなら、

 王の子孫・ムスカの末路がすべてを語っている……。

 

「うううゥ、こわいィ~おうちにはァ……」

「がるぐる!」(←訳:接近厳禁!)

 

 屋根があって壁があって、

 雨風をしのげるだけの存在、ではない《家》。

 

 そこは、あたたかな、安心できる空間なのか。

 荒天から、寒さから、夜の闇から、

 住む者を護ってくれるのか。

 

 古代の神話、

 文学や、絵画、映画等から探る

 《家》とヒトの神話学を、

 建築好きさんも歴史好きさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ ドイツの町並みに、熱視線! ~

2022-12-14 22:00:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひがしのォそらにィ~ちゅうもくゥ!」

「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!流れ星カモン!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日12月14日夜は、双子座流星群がピークに!

 寒~い中での天体観測に臨む方々は

 充分に厚着してくださいね。

 観測はパスして読書タイム優先!という御方は、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― ドイツの家と町並み図鑑 ――

 

 

 著者は久保田由希(くぼた・ゆき)さん、

 チカ・キーツマンさん、

 2022年11月に発行されました。

 日本にはあまり知られていない

 ドイツの住宅を紹介してくれる《図鑑》ですよ。

 

「おやッ? おはつにィおめにかかりィますがァ~…」

「ぐるるがるるる?」(←訳:どこか懐かしい?)

 

 宮殿、美術館や博物館など有名な建築ではないのに、

 どこか既視感があるような

 ドイツの町並み……。

 

 いったいどこで見かけたのかといえば、

 ええ、一部の活字マニアさんには

 心当たりがあるかもしれません。

 

 思い起こされるのは、画家・東山魁夷さんが描いた

 ドイツの風景……!

 

 東山さんの作品は書籍の装画に使われていたり、

 画集にも収録されているので、

 見覚えがあるのも道理、ですね。

 

 しかし、

 御本巻末の、著者・久保田さんによる『おわりに』から

 私たちは意外な事実を知ることになります。

 ちょっと引用させていただきますと――

 

  《じつは、本書のように

   ドイツ全国の身近な建築を

   幅広く取り上げた一般向けの本を、

   私はドイツで見たことがありません》

 

「むむむゥ!」

「がるるるる?」(←訳:そうなんだ?)

 

 そんな本があればいいのにと、

 ずっと願っていました、という

 久保田さん&キーツマンさん。

 

 建築好きなおふたりが見つけ出し、

 写真撮影もご自身で行ったという

 美しい『ドイツの家と町並み』には、

 情熱と愛情が溢れています。

 

 個性的だなぁ!と感心させられる

 茅葺屋根の家々。

 

 中世の趣きを伝える

 ギーベルハウスの正面(ファサード)と塔。

 

 19世紀のユーゲントシュティール建築は

 曲線的な装飾が目を惹き、

 20世紀前半の表現主義建築は直線的。

 

 バルト海沿岸には、

 海岸保養地建築と呼ばれる

 リゾート地独特の建物も。

 

「たのしィ~♪」

「ぐるるがる!」(←訳:多彩で多様!)

 

 ドイツの風土、

 地域ごとの湿度や日照時間、

 吹く風の強ささえ、

 そっと訴えかけてくる建物たちが発する

 “温かみ”。

 

 建築の図鑑、ではありますが、

 写真集でもあるこの御本は、

 アート好きな方々にもおすすめですよ。

 著者の久保田さんとキーツマンさんに

 心からの拍手を送りつつ、

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

「ぞくへんッ、ありィかなッ?」

「がるるぐるる~!」(←訳:あるといいな~!)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 狩人、標的を見出す? ~

2022-12-13 22:00:11 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 さッ、さッ、さみゅゥ~いッ!」

「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!今日は凍える~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい、寒いときには室内に籠もりましょう。

 風邪を引かぬよう、あったかくして、

 ホッカイロなどをお腹や腰にペタンと貼ったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの海外作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― ファイナル・ツイスト ――

 

 

 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、

 原著は2021年に、

 画像の日本語版は2022年6月に発行されました。

 英語原題は『THE FINAL TWIST』、

 《コルター・ショウ》シリーズの第3作です。

 

「さまよえるゥ~たんていィさんッ!」

「ぐるるるがるぐるる!」(←訳:事務所がないなんて!)

 

 大抵の探偵さんは

 ビルの一室にオフィスを構えたり、

 或いは自宅の一部を仕事場にする形であったり、

 何らかの”基地(ベース)“を持っているものです。

 

 が、出版社さんいわく

 “流浪の名探偵“であるショウさん、

 隠れ家はあっても、

 看板を掲げたオフィスなど御免とばかり、

 今日もヤマハのバイクを駆って、

 《事件》の現場へ。

 

「こんかいィのォ、じけんはァ~…」

「ぐるぅがるぅぐる!」(←訳:メチャクチャ厄介!)

 

 今、ショウさんが向き合おうとしているのは、

 他人の身に起きた事件ではなく、

 自分自身にかかわる事件です。

 

 ショウさんの父、アシュトンさん。

 

 アシュトンさんの亡骸を

 ショウさんが山中で発見したのは、

 もう何年も昔――16歳の頃のこと。

 

 16歳のショウさんと、

 現在の、懸賞金ハンターとしての経験を積んだ

 ショウさんの眼とでは、

 見えるもの、映るものが異なります。

 

 あのとき、

 本当は何が起こったのか――

 

「もしかしてェ……?」

「がるるぐる!」(←訳:巨大な陰謀!)

 

 父・アシュトンを殺めたのは、誰なのか。

 

 推理し、

 調査をし、

 父が遺した文書を分析し、

 ショウさんが辿り着いた結論は……

 

 一枚の書類。

 

「たッたァいちまいのォ、しょるいィなのにィ!」

「ぐるるるがるる?」(←訳:争奪戦が始まる?)

 

 社会に大きな影響を与えかねない

 一枚の書類。

 

 書類を追って、

 父の死の真相を追って、

 ショウさんが動き出します。

 

「あわわッ! あくしょんッ?」

「がるるるるるる!」(←訳:サスペンスフル!)

 

 著者・ディーヴァーさんの

 《リンカーン・ライム》シリーズとは真逆に、

 バイクで走り、格闘し、

 銃撃戦もあれば逮捕されもしたり、と

 アクション要素がグッと高い《コルター・ショウ》シリーズ、

 巻末の訳者・池田真紀子さんの『あとがき』によれば、

 ドラマ化のプロジェクトが着々と進んでいるそうです。

 

 パワフルなアクションストーリーを探してます!

 という活字マニアさんには

 激おすすめの一冊ですので、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 座して最終話を待つ? ~

2022-12-12 21:35:13 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あまみだいィ~ッ!」

「がるる!ぐっるるるる~!」(←訳:虎です!カッコいいぞ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 とうとう残りあと一回となった

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、

 いやもう昨日11日放送の第47回に感激しちゃいましたので、

 本日の読書タイムは、さあ、こちらを、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 鎌倉殿の13人 完全読本 ――

 

 

 『おとなのデジタルTVナビ』特別編集NIKKO MOOKは

 2021年12月に発行されました。

 表紙のお写真は……若い!

 《黒執権》と畏怖される義時さんではなく、

 伊豆の小豪族の次男坊・小四郎くんですね。

 

「なつかしのォ~こしろうゥくんッ!」

「ぐるるる!」(←訳:米蔵の頃!)

 

 このMOOKは、およそ1年前に刊行されたものなので、

 ドラマ前半部分に登場する人物の紹介、

 ストーリーダイジェストは第1回~20回まで、

 と、掲載内容は“完全”ではありません。

 

 とはいえ、あらためて、

 脚本の三谷幸喜さん、

 音楽のエバン・コールさん、

 チーフ演出の吉田照幸さんのコメントなどを読み返すと、

 感慨深いものがあります……

 

「つみかさねてェ~きたのでス!」

「がるるるる!」(←訳:コツコツと!)

 

 流人の、源頼朝さん。

 野心など持ち合わせていない小四郎くん。

 恋まっしぐらな政子さん。

 

 頼朝さんと政子さんの物語は、

 多くの作家さんが描いていますけれど、

 弟・小四郎義時くんと、

 源家の兄弟たちの詳細に

 これほど迫った映像作品は、

 殆ど無いように思います。

 

 日本史上のスーパースター・義経さんの存在は特別で、

 その輝きの前には

 頼朝さんの御威光も色あせて見える……。

 

 そこを、脚本家・三谷さんは放っておかず、

 脇役さんたちを主演級に引っ張り上げて、

 一方で頼朝さんに軽やかさを加味して、

 通説とは異なる《鎌倉》を

 こつこつ組み立てていった――

 そのクライマックスが、

 政子さんの演説!

 

 などと考えたりしてみましたが、

 さて、どうなんでしょう……?

 

 三谷さん、次週の第48回・最終話で、

 視聴者さんの予想や期待を、

 どっかーん!

 と引っくり返しに来るのか?

 

「ありうるゥ!」

「ぐるるる!」(←訳:やりそう!)

 

 『鎌倉殿の13人』に取材したガイドブックは、

 NHK出版をはじめ、

 この産経出版、TVガイドMOOK、るるぶ他、

 いくつもの出版社さんから刊行されています。

 

 また、今日12月12日には

 『鎌倉殿の13人 メモリアルブック』も

 発売されますので、

 ファンの方々は、ぜひ、本屋さんで

 チェックしてみてくださいね~♪

 

「さいしゅうかいィ、おみのがしィなくゥ!」

「がるるるぐるるがるる!」(←訳:一年間の感謝とともに!)

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする