「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふゆやすみィ~とつにゅうゥ?」
「がるる!ぐるがーるる~!」(←訳:虎です!年末モードだ!)
こんにちは、ネーさです。
12月も下旬になって、
学生さんたちは冬休みに入ったのでしょうか。
そろそろ年越しの準備をしなくちゃね~とため息しつつ、
さあ、読書タイムもしっかり確保して、
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 名画のかごを編む ――
著者は佐々木麗子(ささき・れいこ)さん、
2022年11月に発行されました。
『かご作りから画家の暮らしや時代背景に思いをめぐらす』
と、日本語副題が付されています。
「かッ、かごォ??」
「ぐるがる……ぐる!」(←訳:文字通り……かご!)
御本の表紙になっているのは、
はい、あらためて説明する必要はありませんよね。
ヨハネス・フェルメールさん作
『牛乳を注ぐ女』(1660年)。
この名画の主役は、
もちろん牛乳を注いでいる女性ですが、
彼女より手前の、
思いっ切り目立つ場所に描かれているのは、
そう、かごです。
「ぱんかごォ、でスねッ!」
「がっるるるぐるる!」(←訳:キッチンの必需品!)
著者・佐々木さんがこの御本で紹介しているのは、
名画に登場する様々なかごたち。
フェルメールさんの作品以外にも、
ピーテル・ブリューゲル(父)さんの
『謝肉祭と四旬節の喧嘩』(1559年)
カラヴァッジョさんの『果物かごを持つ少年』(1595年頃)
ジャン=フランソワ・ミレーさんの『晩鐘』(1557~1559年)
エドゥアール・マネさんの『草上の昼食』(1863年)
など、“かごが描き入れられた絵画”17作品が取り上げられ、
作品の背景、
かごに関する解説が掲載されています。
「かたちィ~いろいろッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:素材も色々!)
フェルメールさんのかごの素材は、藤。
ミレーさんのかごは、
クズと、ワラ、イグサなどが使われています。
紅藤、アケビ、フトイや
クルミの皮を利用したかごもありますよ。
御本の後半部分には、
《かごの作り方》のページがありますから、
腕に覚えあるモノ作り好きな方々は
チャレンジしてみるのもいいですね♫
「どのォかごがァ、いいかなァ~」
「がるるぐる?」(←訳:これはどう?)
かごの存在感が際立っているのは、
サルバドール・ダリさんの
『パンかご(恥辱よりは死を!』(1945年)と
『パンかご』(1926年)。
ダリさんらしくない、とも見える写実的な、
パンとパンかごを描いた静物画……
1945年に制作された『パンかご』は
ダリさんの妻・ガラさんが特に気に入り、
生涯手放さなかった作品なのだと解説されていて、
なんだか胸を打たれますね。
ガラさんは、
世に知られた派手なシュルレアリスムの大作絵画よりも、
素朴な小品を選んだ……
「うむゥ! いんしょうゥ、かわッちゃうゥのでス!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:不思議なダリ夫妻!)
数百年、
画布の中央に、
或いは片隅に、ひっそりと。
アート好きさん&かごマニアさんは必読の一冊です。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪