喫茶 輪

コーヒーカップの耳

文庫本

2010-02-08 16:33:02 | 日記

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店にある、本立ての一つである。ここから本を出して読む人はあまりない。

ところが今日、工事現場から見えた一人の職人さんが、よりにもよって文庫本を取り出され

た。

Cimg0455すぐに元に戻されるだろうと思ったが、食事中も手元に置き、食後もま

た読みふけっておられた。『町工場巡礼の旅』(小関智弘・中公文庫)という職人さんの世界を

書いた本である。小関さんは、旋盤工をしながら小説を書き、また町工場(まちこうば)からの

ルポルタージュをドラマチックに書き続けた人である。

現場を離れた今も、各地の町工場を訪ねたり、講演、執筆などに忙しくしておられる。小説を

書かれるだけに文章は読みやすい。 わたしの尊敬する作家である。

実はこの小関さんは、わたしが昔出した詩集『コーヒーカップの耳』を朝日新聞全国版の書評

欄に書いて下さった人である。杉山平一氏の紹介だった。実に誠実な人で、わたしが出す手

紙にもていねいな返事を下さる人なのだ。

その小関さんの本を夢中で読んでおられるお客様があってうれしかった。

神戸新聞夕刊随想欄、「ひとびとの跫音」と題して、詩人の季村敏夫さんが書いている。

ー(略)震災をめぐる[記憶・歴史・表現]フォーラムのメンバーのひとりである寺田匡宏は、普

遍的な映像作品を提示した。地震の時に胎内にいた子どもの震災の記憶である。生まれて

いないので、記憶などあるはずがない。ところが、地震のことを体験したかのように語りだ

す。なぜか。(略)-

 ここに出てくる寺田さんとは何年か前に2度ばかり面識がある。なかなか個性的で好感のも

てる青年であった。「輪」にも見えたことがある。やはり活躍しておられるのだ。良かった。

明日9日(火)の「輪」の日替わり定食は

「うどん・おにぎり」セット(780円)です。

よろしくおねがいいたします。

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