◎コールドマウンテン(2003年 アメリカ 155分)
原題 Cold Mountain
staff 原作/チャールズ・フレイジャー『コールドマウンテン』
監督・脚本/アンソニー・ミンゲラ
製作/シドニー・ポラック ウィリアム・ホーバーグ アルバート・バーガー ロン・ヤークサ
撮影/ジョン・シール 美術/ダンテ・フェレッティ
音楽/ガブリエル・ヤレド 衣装デザイン/アン・ロス
cast ジュード・ロウ ニコール・キッドマン レニー・ゼルウィガー ナタリー・ポートマン
◎1864年7月30日、クレーターの戦い
ぼろぼろに傷つきながらも故郷をめざしていくという話は、
それがいつの時代のどんな人間を扱ったものでも、感動的だ。
ましてや、故郷に許嫁がいて、
それもたった一度だけ口づけを交わした彼女が待っててくれるとなったら、
そりゃもう帰るしかないよね。
で、この映画だ。
南北戦争の中でも激戦地で知られる、バージニア州ピーターズバーグ。
そこで起こったクレーターの戦いに参加したジュード・ロウが、
故郷コールドマウンテンで待っているニコール・キッドマンのもとへ帰ろうとする。
途中、ジュード・ロウは、ナタリー・ポートマンなどに出会い、そして別れるんだけど、
それは、たった一度だけキスしたニコール・キッドマンが忘れられないからで、
ニコール・キッドマンにしてもレニー・ゼルウィガーたちに励まされながら、
ジュード・ロウに再会するまでは歯を食いしばって生きようとする。
ただ、それだけの話だけど、どうやら実話らしい。
ジュード・ロウが演じたのはW・P・インマンという青年で、
実際に南北戦争中、アメリカ連合国軍の兵士で、2度脱走したんだと。
で、この青年の兄弟の曾孫が、息子に話してきかせ、
その息子がみずから筆をとって小説化したのが原作になったんだとか。
「へ~」
てな話だ。
映画の成立過程はさておき、ジョン・シールのカメラは見事だ。
悲惨きわまりないはずのクレーターの戦いすら、流れるように美しい。
戦いからしてそうなんだから、
コールドマウンテンにいたる旅の風景や、故郷の自然が美しくないはずがない。
くわえて、
これでもかってくらい登場する豪華なキャストの演技と表情も見事に撮られてる。
歴史を背景にした恋愛映画は、
その筋立てが納得できるだけの映像がなくちゃ、やっぱり話になんないもんね。