◇モネ・ゲーム (2012年 アメリカ 90分)
原題 GAMBIT
staff 監督/マイケル・ホフマン 脚本/ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
撮影/フロリアン・バルハウス 美術/スチュアート・クレイグ 音楽/ロルフ・ケント
cast コリン・ファース キャメロン・ディアス アラン・リックマン トム・コートネイ
◇『泥棒貴族』のリメイク
モネの『積みわら』の連作は30点ほどが確認されてるそうだ。
にしても、
ジヴェルニーの近くの畑の積みわらを描いたときには、
まさか、映画の題材になるとは、モネもおもってなかったろう。
けど、
映画の中身からいけば、別にモネでなくてもいいし、
印象派の絵である必要もなく、たとえばロダンの彫刻でもいいわけで、
だから、原題も『GAMBIT』つまり『先手』とされたのね。
それと、
「なるほど」
と、おもったことがある。
最初に書かれた脚本は、どうやら日本が舞台だったらしい。
後に、コーエン兄弟が書き直すことになったんだけど、
その残り滓が、途中で登場する得体の知れない日本人なんだー。
ちょっと驚いたのは、
ほんとにサヴォイホテルで撮影されてることで、
その値段の高さや気どりぶりが皮肉られてるってのに、
よくまあ許可したもんだなと。
ていうか、
こういうコメディに気軽に応じるだけの余裕があるってことなのかな?
もうひとつ驚いたことは、
小品として手軽に撮られてるような印象ながら、
実に10年以上もすったもんだしたあげく、撮影されたらしい。
監督も変わり、脚本家も変わり、出演者も変わったみたいなんだけど、
その中で、
コリン・ファースだけは途中で名前が出てからずっと残ったみたいだから、
かれのコメディ演技はやっぱり定評があるんだろね。