△ジョナ・ヘックス(Jonah Hex 2010年 アメリカ)
昔から、
顔に深い傷のある主人公っていうのは一種のジャンルなんだけど、
旗本退屈男にしても柳生十兵衛にしても丹下左膳にしても、
たいがい、心根が好くて、見てくれも悪くない。
ところが、この作品はそうじゃないんだよなあ。
ジョシュ・ブローリンは、
たしかに実物はアクが強いけども、
こうまで醜くする必要があったんだろか?とおもっちゃう。
あんまり正視できないのは、主人公としてどうよ。
そりゃあ、死者と話ができたり、蘇らせたりできるっていう、
尋常でない能力を身につけちゃうくらいだから、
よほどの傷を負わないと駄目かもしれないけど、
もうすこしなんとかできたんじゃないのかと。
それと、
ミーガン・フォックスの印象がやけに薄いとおもったら、
全体を通じてそんなに出てないんだね。
娼婦っていうのは彼女にはもってこいの役どころなんだから、
もうすこし脚本を考えればよかったんじゃないかな。
原作のはちゃめちゃぶりと今回の作品とが比較されてるけど、
これについてはぼくは原作をまったく知らないから、
なんともいえない。
まあ、西部劇という世界を逸脱しないようにしながら、
かなり破天荒なものにしたいという制作者側の意図は買うけど、
グロさのただよう派手な怪奇西部劇って感じになってるだけなのが、辛い。