パリのルーブル博物館に置かれてある彫刻ミロのビーナスの裸像をみて、興奮のあまり抱きついたという話を、私は聞いたことがない。もちろん後ろから見ると見え隠れする尻など色っぽくつくられているが、そもそも色気というのは、生きている人間の世界の話であって表現の世界の概念ではない。
だからこのブログも、私が描いた裸婦の人体デッサンは、色気が皆無。そもそも即物的に観察して描くから、色気までは手が回らないし、仮に興奮しながら描けたら、その人はすこぶる天才だ。こちらは凡人なので即物的に、それでも医学の人体図鑑よりは美しくという意識で描いてる。
ところでPoserという3DCGフィギャアソフトがある。昔これで少し遊んだが、ランドスケープのスケール感を出すのにフィギャの存在は便利だった。
最近、ふと思い出してブログで使い出したが不具合続出。直近の画像でみると、下記図1画像の左は3月25日、右は4月5日の画像だ。
左の画像は、ロールスロイスと呼ばれる最近話題の体位を車のエンブレムにしちゃおうと考えた。そうなるとPoserで人体をつくりランドスケープソフトVUEに読み込みテクスチャーを設定すればシルバーのエンブレムができるはずだ。車はロールスロイス・ファントムVにしよう。
だが最新OSに対応したこれらのソフトでは、で・き・な・い!。これじゃ、着ぐるみだ!。顔が何でシルバーの金属にならないのだ・・・。
調べるとPoserとVUEの開発企業とがコラボレーションし、Poserの人物の質感をVUEに反映できる変換ソフトを開発するという余計なお世話をしてくれた。それでも胴体は、シルバーメタリックに変換できたが、頭はどうしたんだ?。つまり顔や髪はテクスチャーが違うから、頭、髪、胴体とバラバラにして読み込みテクスチャーを設定しろ!、ということか。そんな猟奇的な趣味はない。
右の画像のくっつけっこは、京都市内の午後の公園にでかければ容易に撮影できるが、写真じゃ子供達の肖像権を犯す。だから3DCGのフィギャーにした。結果は洋服の質感が今ひとつだしデザインが古くさい。しかもよくみると破れている。
こうしたバグはPoserで、よくある話だ。
もう一つ、フィギャーソフトで写真のような色気がだせるのかとする実験をしたことがある。結論は無理。昔作ったフィギャーソフトの3DCGを図2、図3であげたが、3DCG画像で色気を感じるには、かなりの想像力が必要だということもわかった。まあフィギャーソフトで、美しく作ることはできても、色事は無理ですねというのが、私の理解です。
図1. ドローイング412.小説:小樽の翆341.ロールスロイス3月25日/ドローイング423,小説:小樽の翆352.くっつけっこ
図2. 3DCGの作例
図3. 3DCGの作例
Poserというソフトはフィギャーマニアの間で結構多用されている。
WEBサイトをみたら、女子高校生の裸婦フィギャー(今はない)を取り込んで、彼女のいないオタク族が「じゃあ寒いからパンツをはかせましょうね」なんてやってた。ああっ、寂しい人達!。見えないモノを組み込むのはデータが重くなるだけだから私はしないけど。早く彼女でも、つくりなさいよ、今は小学生で初体験だよーー。
そんなわけで、このブログも官能小説とカテゴライズしておきながら、まったく色気がない小説だし、バーチャル3DCGとは、そういうものなのでしょう。
図4. ブログ:ヴァーチャルアイランド・プログラム6.2009年1月8日
そんなことをしていてもう一つ気づいた事がある。
10年以上前の3DCG制作の元データを、知らないうちに喪失していた。あるのはプログにアップさせた一部の画像だけ。さらに古くからストックした撮影画像も、100枚ぐらいはパソコンで読みこめなかった。ああっ!、パソコンは保存のきかない世界だ。正確に言えば、保存するのにコストがかかり、人間側が面倒だから整理しちゃえ!、といった動機でデータを捨ててゆくのでしょう。
つまり人間が感心を持っている数年位が保存限度。それ以上は保存していなくても、本人が忘れているのだから特に不便はない。スマホに至っては、もっと短いかもしれない。写真は人生のアーカイブというが、その過去の記録を人間は知らないうちに捨てているし、捨てる以前に私達の記憶から消えている。思い出という言葉は既に死語。
3DCG画像を整理しながら写真の整理もしていた。
1枚だけリアルな画像をアップ。広島焼だが、画素数が1234万画素(実行800万画素)と小さく、ボディは大きく、そして2年前に処分したFUJI FINEPIX S5proにニコンの標準ズームレンズで撮影。
今見てもおろし大根の白や背景のボケ方など、FUJI のデジタル色とニッコールレンズは大変綺麗だ。だがFUJIのフィルムモードがある時からものすごく目障りになってきた。それにボディがフルサイズでないのに大きすぎるし、後継機種も出ないし、ニコンのレンズはボケ方が綺麗で優れものだったが、使用頻度が高い焦点距離135mmまで僅かに届かなかったし、どうせニコンで私が使えるボディはないし、だから思い切りよく処分してしまった。こういう機材を今でも平然使っている人間がいたら、その一貫したポリシーに敬服する。
最後に話が転んだところで明日からは、小樽・積丹半島の画像を予定している。
図:Fuji FinepixS5Pro、AF-S DX Nikkor16-85mmf/3.5-5.6ED VR