フィルム機材を持ち出して夜の雪の街の散策だ。
待ち望んでいた撮影チャンスだ。
だがニコンF3のファインダーを見てもピントがわかりにくい。
暗いのか、接眼部が曇っているのか。
こういうときオートフォーカスだって。
それ違うな!、オートフォーカスは大粒の雪にピントを合わせてくれる。
「小説:小樽の翆」で取り上げたあたりから歩き始め、入船町、花園と、比較的狭いところにある私だけが意味を持つ街だ。
そんな街歩きでフィルム機材固有の光とボケを捕まえたい。
フィルムはISO1600増感現像を前提で、レンズの開放絞りを活用し、時としてネガをみれば街は建築模型のようだ。
なんでもピントを合わせなきゃ、という気力は寒さで失せている。
ピントも怪しく、手振れしている、寒いけど、撮っておこうとする意欲で十分だ。
ザクッ、ザクッと凍結し始めた雪を踏みしめる感触も久しぶりだ。
そんな散策は楽しいけど、外を歩けるのは2時間が限度かな。
気温は零下。
コンビニで珈琲、車が湯気を立てている。
今晩は、うみのやでヒレカツ定食だな。
2021年3月1日、2日 小樽市花園、入舟町
NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X
現像:写真弘社