列車が小樽駅に到着する直前に見える街の路地が気になっていた。
それは国道5号線から嵐山通を海に向かい、ほどなく左手に、これはいかにもという路地があった。
1棟の大きな民家に多数の小さな飲み屋が集積している路地である。
ぅオッ、凄い!、昭和のランドスケープだ。
画像をみたら、フィルムが大変綺麗に写し撮っていた。
すごい!、フィルムのトライ-XとニコンF3の露出計がドンピシャで合っている。
もちろんコロナ禍で多くの店は閉まっていた。
それでも通路を設けるためにかき分けられた雪が、家の軒先まであるなんていかにも雪国ではないか。
ここまでくると感染なんか怖がるようでは、来れない飲み屋ばかりだ。
地酒専門店をWEBサイトで引くと、「店主が急病により12月16日以降休業しています」とあった。
ついにコロナにあたっちまったか?。
あたっても不思議はない、きわどさがこの路地に漂う。
だか、このランドスケープの路地ぐらいは撮影しておきたい。
そうしておかないと、さっさとビルに建て変わってしまう可能性が大きい。
意を決して路地を乱写し通り過ぎた。
そんな路地を徘徊していると、身体も冷えてくる。
私は、通り過ぎつつ乱写し、おでん屋ふじりんへ向かった。
調べると我が母校の先輩であり、居酒屋探訪家兼グラフィックデザイナーの太田和彦さんもきていたらしい。
多分彼は、朝倉教授か高山教授に教わっていたのだろう。
私も教わったけど・・・。そんな話は、どうでもいいか。
増毛の酒「鬼ごろし」で旬のニシンの刺身とおでんで夕飯だ。
今は9時で閉店は、むしろありがたい。
早く帰れて、ホテルの銭湯にもう一度行けるからだ。
感染症のライフスタイルも、そんなに悪いモノではない。
明日も早いから、ホテルの銭湯で暖まり、早々に寝てしまおう。
2021年3月2日、3日 小樽市花園
NikonF3HP+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X
フィルム現像:写真弘社