札幌のベーヤンのオフィスで昼から飲もうという話になった。
桜の季節だから本来なら外で宴会というわけだが、今はそうはゆかない。
緊急事態宣言後といえ、大量の感染者をだした薄野へ飲みに出かける気分ではない。
アチキは札幌の百貨店に立ち寄って、ローストビーフとサラダを調達し、ポルトガルワインでも・・・、
店員「あっそれ、うち置いてないですぅー・・・」
見かけ倒しの百貨店のワインセラーだ。百貨店は、何でも揃えてますと公言する割には、旨いワインを知らないんだ。どうせ大衆が飲むし味なんかわからんから、WEBでワインの大御所がオススメしたワインを揃えておけば用が足りると思っているから始末が悪い。
そうしたオススメワインを飲んで旨いと一般大衆がツイートするもんだから、我も我もとなり、百貨店は労少なくして利益をえる構造だ。大衆文化というのは、そういうものなんだろう。これには、つきあいきれない。
しょうがないから大きな酒屋に出向いたら一番安いリーノヴェルテが手に入った。
ベーヤンの広告代理店は、都心から少し外れた路地裏にあり、戦前の建物と思われる古い建物を、小ぎれいにデザインして使っている。
ベーヤン「こんな商売だから、いつ干されるかわからんじゃん。だから設備に投資したくないよね」
それがベーヤンの口癖だ。
事務所の玄関を入ると、いきなり会議室があり、カッシーナの家具で設えた大テーブルが眼に入る。マチマチの椅子もカッシーナだ。壁には実用的なAV機器がそろっている。ここでスタッフ達とCFをチェックするのだろう。ときにはプレゼンテーションの場にもなる。床に多数のアート作品が梱包をほどかないまま転がっている。
アチキは、壁の後ろの書庫が並ぶ無粋な空間に眼が行く。これまでに作成したCFビデオなどが本棚にたくさん詰まっている。そして何かの撮影で使った小道具が混沌さに拍車をかけている。
ベーヤン「焼き豚に、蒸し鶏に、酢の物とか、俺がいろいろとつくった。酒もあるよ」
そういって冷蔵庫から洋物のウィスキー取り出してきた。食材を並べて宴会の準備ができた」
「ここで飲むのもなかなかいいじゃん」
ベーヤン「感染の心配がないからね」(笑)
時間を気にしない昼からの札幌の宴が始まった。
・・・
お家飲みとは、ライフスタイルが変わったようだ。