外を歩く気もおれる寒波の日、美国から戻りホテルの銭湯につかった余裕で、ニコンF3HP+MD4に標準レンズだけつけて運河街へ。
後ろを振り返ると、強い風が街の雪をビルの高さまで舞いあげて、街路に沿って生き物のように走り抜けてゆく。
寒波がくるというのは、こういうことか・・・。
空気は、びんびんに冷えている。
背中のホッカイロが、効いているのか・・・。
そんな光景を背にして運河沿いの倉庫群に向かう。
おおっ!、西からの風が倉庫群の屋根の雪を舞あげている。
そんな光景に、しばらく立ち尽くしていた。
これこそ撮らなきゃ・・・。
そのうちにフィルムがお終いになる。
フィルム交換!。
酷寒の中手袋を外し、素手で凍てついたボタンを操作しフィルムの入れ替えをする。
こんな時に限ってフィルムの先端がスプロケットに容易に入らなかったりして・・・。
練習して慣れる必要がありそうだ。これがフィルム機材の宿命だ。
こんなときデジタル機材の方が便利だが、それをいってちゃフィルム機材は使いこなせない。
フィルムを入れ替えたばかりだから、その辺のなんの変哲もないストリートでも・・・・。
後日、現像から上がってきたネガをみたら、オオッ!、デジタルでは撮れない光の写り方やボケ方に感心する。
トライXは街の光を捕まえ情緒的にぼかしてくれる。
こんな情緒的な空気はフィルムでしか撮れない。
しばらく撮影に没頭していた。
といったってホテルから運河への道を往復しただけなんだが。
さて夜10時までやっているコロンビア珈琲で夕飯を食べて、再度ホテルの銭湯に駆け込もう。
2021年3月2日 小樽市花園
NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X
現像:写真弘社