リュウ君とのお茶話は続いている。
「前にも尋ねたと思うけど、プロポーズをしたときってVIGIはどんな感じだったの?」
リュウ「うーーん、画像がどこかにあったな・・・」
そういってリュウ君はスマホの過去画像を探している。
リュウ「あった!、これだよ!!」
「うーーーん、化粧は皆無で痩せ衰えて髪は縮れまるで大貧民だよ!。こんな時にプロポーズしたの?」
リュウ「そうだよ。大貧民の時に!!、ちゅうかこれが処女だったときズラ」
「フィリピンじゃ化粧もしないでプロポーズするんだ。よく決断したね」
リュウ「僕も最初は、大貧民からプロポーズされるとはおもってなかったよ。でもこれじゃまぎれもなく薄汚れた大貧民だよね。あーーつ、僕の人生も終わりかって思った。画家のゴーギャンの嫁だって最初は、こんな感じだったズラ」
「うーーん」
リュウ「それが日本人憧れの処女だよ。日本人だったらいらんわ!、になるよ!!。それからだよね。ボロ屋からアパートに引っ越しをさせて、生活の支援をして、少しずつ整えて・・・、そして次第に綺麗になっていった。女って不思議な生き物だって感じたズラ」
「それがタカラジェンヌみたいな男装が似合いそうな麗人に変身するわけだ」
リュウ「そりゃ、僕もびっくりしたズラ。磨けば光る。そこが処女の不思議なところだねぇーーー」
「日本じゃ、大貧民では相手に失礼だから磨いてから差し出す。既に男の十人切り後に・・・・」
リュウ「そこが、感性や生活習慣の違いだろうね」
「それでタカラジェンヌに変身して子供を産んだ」
リュウ「だから子供は美人になるよ」
「変身の面白さだね。そこが人生の醍醐味かぁーー」
リュウ「そういうことズラ」
そんなたわいない話で日も暮れた。
リュウ君も夜のフェリーで青森へ戻っていった。
・・・
小樽も今年は冬が長かった。
まれにみる豪雪に見舞われた事もあった。
そんな冬がようやく通り過ぎた。
山々が淡い緑に色づき始めた。