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沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

ハリーポッターのテーマ(死)

2012-02-19 | ハリー・ポッター

ハリーポッター・シリーズの作者ローリングJ.K.Rowlingは、作品の中で「死」をテーマにしている。

不老不死の石、死の秘宝、分霊箱という死に関わる魔術を取り上げて、ヴォルデモートの考え方と、ダンブルドアやハリーとの考え方の違いを通して、読者の子供たちに死について伝えようとしている。

■不老不死の石 Philosopher's stone

第1話Harry Potter and the Philosopher's stoneは「ハリーポッターと賢者の石」と訳されているが、賢者の石とは、錬金術や不老不死の石のこと。

ヴォルデモートVoldermortは、ハリーの持つ不老不死の石を求めるが失敗し、ダンブルドアDumbledore校長は、「整理された心を持つ人にとっては、死は次の大きな冒険にすぎない。不老不死の石は素晴らしいものではない。After all,to the well-organized mind,death is but the next great adventure.You know,the Stone was really not such a wonderful thing.」と、石を破壊した。


■死の秘宝 Deathly Hallows

最終の第7話Harry Potter and the Deathly Hallowsは「ハリーポッターと死の秘宝」。死の秘宝とは、死神The DeathがペベレルPeverell3兄弟にそれぞれ与えた秘宝で、1)ニワトコの杖(最強の杖)the Elder Wand(Unbeatable Wand)、2)蘇りの石the Resurrection Stone、3)透明マントthe Cloak of Invisibility。

物語の秘宝は年月を経て散逸したが、この3つを集めた者は、「死を制する者Master of Death」になれるという伝説がある。Conqueror.Whichever term you prefer.

透明マントと蘇りの石(ダンブルドアから相続)を所有していたハリーは、マルフォイ家でドラコから杖を奪った時点で、偶然ニワトコの杖の所有権を取得し、ヴォルデモートとの戦いでも死なない「死を制する者」となっていた。

しかし、禁じられた森での戦いで「自分は死ななければならないことI must die,I must end.」を知り、戦い直前にハリーは蘇りの石を捨て、ヴォルデモートに殺される。結果的には分霊箱が死にハリーは生き延びたが、「Accident.」というヴォルデモートに対し、「母リリーのように仲間のために死ぬ用意ができていた。I've done what my mother did.」という。

■分霊箱 Horcrux

自分の霊魂を別の物体に分散させる闇の魔法で、本体が滅んでも分霊箱があれば死なない。在学中にヴォルデモート(Tom Riddle)はスラグホーンSlughorn教授から聞き出す。ただし分霊箱を作るためには誰かを殺さなければならなく、ボルデモートは7人も殺して分霊箱を7つ作っていた。

ヴォルデモートは、不老不死の石を求め、6つの分霊箱(7つ目は偶然)を作り出して安全な場所に隠し、最終話では自分の杖が効かなくなると、最強の杖を求めるなど、死から逃れるためあらゆる魔術を駆使している姿が浮かび上がる。 

一方、リリー、ダンブルドア、ハリーは「愛する者や皆のために自分の命を犠牲」にする。そしてダンブルドアやハリー達は分霊箱がどこにあるのか探し出し、ひとつずつ壊していく。

■天寿を全うすること

透明マントをもらったイグノタスIgnotusは、マントを被ることで死神の目を避け、透明マントを脱いだ時に死を友として迎えることができた。ハリーは、すべてが終わった後のダンブルドアとの会話で、「祖先のIgnotusのように自然に死を迎えることa natural deathができるんですね。」と語っている。

最強の杖をダンブルドアの墓に戻し、蘇りの石も森に捨てて、再び死を制する者にはなろうとはしない。

■命を大事にすること

ハリーポッターは敵との戦いで、殺人呪文Avada Kedavraをかけられても、「殺人呪文で対抗したら殺人者になるから。」と、気絶呪文Stupefyや武装解除呪文Expelliarmusで応酬した。そして、ヴォルデモートにさえも改心するようラストチャンスを与えている。

ヴォルデモートとの戦いで死ななかったのは、リリーの自己犠牲の防御呪文が効いていたため。ハリーの血を奪って蘇生したヴォルデモートにもリリーの防御呪文が効いていたが、ハリーにかけた殺人呪文を跳ね返され自爆した。リリーの防御呪文は、他者から身を守ることはできても、自分でかけた殺人呪文には効き目がなかったようだ。

*********ハリーポッターの記事一覧***********

ハリーポッターのテーマ「死」

ハリーポッターシリーズ原語全7巻のまとめ

第7話ハリーポッター原作と映画の違い「死の秘宝 PART2」

第7話ハリーポッター原作と映画の違い「死の秘宝 PART1」

第6話ハリーポッター原作と映画の違い「謎のプリンス」

第5話ハリーポッター原作と映画の違い「不死鳥の騎士団」

第4話ハリーポッター原作と映画の違い「炎のゴブレット」

第3話ハリーポッター原作と映画の違い「アズカバンの囚人」

第2話ハリーポッター原作と映画の違い「秘密の部屋」

第1話ハリーポッター原作と映画の違い「賢者の石」

 


ハリーポッター原作と映画の違い「死の秘宝 PART2」

2012-02-12 | ハリー・ポッター

ハリーポッターシリーズ第七話(最終話)「死の秘宝Part2」Harry Potter and the Deathly Hallows(Part2)の映画(DVD)を見ました。

最終話は、今までの謎をわかりやすく表現するために、若干変えているところがあります。原作(英語)と映画を比べて異なるところを、part1に引き続き、少し紹介します。

■GoblinゴブリンとGryfindorグリフィンドールの剣

Hufflepuffハップルパフのgolden cup がHorcrux分霊箱だと知ったHarryハリー達は、GringottsグリンゴッツのBellatrixベラトリックスの金庫に入るため、ゴブリンのGriphookグリフックに交渉する。ゴブリンはグリフィンドールの剣と引き換えに金庫まで案内する約束をする。

ゴブリンが剣をほしがる理由について映画では詳しい説明はないが、原作では、グリフィンドールの剣はゴブリンのRagnukが持っていたものがGodric Gryfindorに取られたもので、もともとはゴブリンの財産なのだとグリフックが話している。この「所有権」という考えは、Elder Wandにも共通する。

■ドラゴンに乗って脱出はハリー

カップを手にしたものの金庫に侵入したことが発覚し絶体絶命の状況で、金庫を守るため鎖につながれていたドラゴンを逆に利用して脱出を図るシーンがある。映画ではHermioneハーマイオニーが発案するが、原作ではハリーがRelashio!で足枷を外し、ハーマイオニーから"Harry,what are you doing?"と聞かれている。この機転はハリーよりハーマイオニーの方が似合っており、映画の方が分かりやすい。

■Arianaアリアナ、Aberforthアバーフォース、Dumbledoreダンブルドア

ダンブルドアの妹アリアナが病気になり死んだ理由、父がアズカバンに収容されたこと、弟アバーフォースが不死鳥の騎士団の一員でありながら兄ダンブルドアを憎んでいる理由は、映画では紹介されないが、原作にはアバーフォース、ダンブルドアそれぞれが説明している。

■ The lost diadem of Ravenclaw レーベンクローの失われたティアラ

ホグワーツ校に隠された分霊箱はレーベンクローに関するものに違いないと、レーベンクローの生徒たちに心当たりを尋ねる。映画では、LunaルナがハリーをGrey Lady灰色のレディに逢わせるが、原作ではレーベンクローの生徒であるChoが案内しようとするのをGinnyジニーが阻止しルナに案内させる。そして、グリフィンドールのゴーストである首なしニックからレーベンクローのゴーストである灰色のレディを居場所を聞き出す。

■Draco Malfoyドラコ マルフォイ とHarry Potterハリー ポッター

ドラコはハリーを何度か助けている。マルフォイ家の地下に幽閉されたハリーを、ハリーと認めなかったところは映画も原作も同じだが、the Room of Requirement必要の部屋でCrabbeがハリーを倒そうとするのを2度も止めていることは原作にはあるが映画には出てこない。それもあって、ハリーはドラコを救出している。

■CrabbeとGoyleが逆

必要の部屋でハリー達を邪魔するドラコの部下について、映画では、Goyleがハーマイオニーめがけて殺人呪文アバダ ケダブラを唱え、さらに部屋に火を放ち、最後は火の中に落ちて死んでしまう。Crabbeはロンが箒で救出している。一方、原作では、Crabbeがハリーやハーマイオニーに殺人呪文を唱え、放火して死んでおり、役割が入れ替わっている。GoyleはハーマイオニーのStupfyによって気絶させられ、ロンとハーマイオニーの箒に運ばれ脱出している。

■レーベンクローのティアラを破壊したのは

分霊箱の一つであるティアラを必要の部屋から探し出し破壊するが、映画ではハリーがバシリスクの牙で破壊した後に炎の中にけり出して破壊している。原作では、炎の中を脱出した後、Fiendfyre -cursed fire呪われた火がティアラを黒く焦がして壊したとなっている。分霊箱の破壊とは気付きにくく、映画の方が明快。

■ネビルに託す

自分は時期が来たら死ななければならない運命だと知り、ヴォルデモートの待つ禁断の森に一人で出かけるシーンがある。映画では、ロンとハーマイオニーに別れをして、自分が分霊箱だとうすうす知っていただろうとハーマイオニーを抱擁するシーンがある。原作では、ダンブルドアから分霊箱の秘密は3人といわれており、死ぬことになる自分の代わりはネビルに託そうと、ヘビのNaginiをチャンスがあったら殺してくれとネビルに頼み、ジニ-やハーマイオニー達には別れを告げずに森へ向かう。

■ネビルの活躍

ハリーが死んで、ヴォルデモートが残った生徒たちに服従を求めるシーンがある。映画ではドラコが最初に前に出て、次に出た組み分け帽子を手にしたネビルに対し、もっとまともな奴が現れるかと嘲笑する。その後に、ネビルの名セリフがある。

原作では、ネビルが前に出たことを、純血Pure-bloodの魔法族で勇気のある奴だとヴォルデモートは歓迎する。そして、Dumbledore's Armyダンブルドア アーミーだとして立ち向かうネビルに、Sorting Hat組み分け帽子が飛んでくる。ボルデモートに帽子を目深に被らされ、帽子を燃やされるが、現れた剣でヘビNaginiを倒す。

■Green jet of light 緑の光線とRed bolt of light 赤の光線

最後のヴォルデモートとの戦いは、 Avada Kedavraアバダ ケダブラのkilling Curses殺人呪文(緑の光線)に対し、ハリーはExpelliarmus武装解除の呪文(赤の光線)で戦う。映画では、戦闘中にネビルがヘビを倒し、それを知ったヴォルデモートが弱まり、ヴォルデモートは粉々に砕けて死ぬ。杖が空を舞いハリーのもとに飛んでくる。原作では、ヴォルデモートはハリーの呪文に負け、自分の殺人呪文がリバウンドしたため死に、杖はハリーのもとへ飛んでくる。

■Elder Wand最強の杖ーニワトコの杖

映画では、ニワトコの杖を手にしたハリーは、ロン、ハーマイオニーとともに橋の上に行き、杖の魅力に惹かれたロンの前で、杖を半分に折って川に投げ捨てる。原作では、ニワトコの杖の力でハーマイオニーが壊した杖を修復した後、元あった場所(ダンブルドアの墓)に戻すとしている。そうすれば、自分はIgnotusと同様に天命を全うし、自然に死ぬ、そしてニワトコの杖のパワーはなくなるとしている。

*********ハリーポッターの記事一覧***********

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第2話ハリーポッター原作と映画の違い「秘密の部屋」

第1話ハリーポッター原作と映画の違い「賢者の石」