沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

テンペスト(首里城の復元計画)

2010-12-31 | 琉球・首里城

琉球小説テンペストに出てくる首里城ですが、平成21年10月現在の復元状況は上の写真の通りです。

国王の執務室の書院、王子の執務室の鎖之間(さすのま)と琉球庭園の復元に続き、淑順(しゅくじゅん)門が復元されています。

東(あがり)のアザナ、寝廟(しんびょう)殿、白銀(はくぎん)門、二階御殿(にーけーうどぅん)もそれぞれ復元されていますが、開園区域になっていません。

http://oki-park.jp/shurijo_park/syuri/b/b217000.html 首里城公園 御内原

http://www.dc.ogb.go.jp/kouen/shurijo/pdf/%E3%80%8Csyurichikuseibikeikaku%E3%80%8D.pdf#search 首里城 整備計画

今後の復元については、根拠資料などをもとに慎重に検討されているようですが、

黄金御殿(くがにうどぅん)、近習詰所(きんじゅうつめしょ)、奥書院、寄満(ゆいんち)、美福(びふく)門が対象となっているようです。

黄金御殿、近習詰所、奥書院が復元されれば、書院から正殿二階へ階段を上下することなく移動でき、琉球王国当時の国王の動線が復元されることになります。

また、男性社会である行政空間と女性社会である御内原の接点が明確になります。

御庭からの景観も、明治時代の古写真のように、復元されます。

テンペストの読者としては、物語のカギを握る暗シン御門(クラシンウジョウ)が、黄金御殿の1階としてどのように復元されるのか気になるところです。げらゑの間や空中庭園も復元されるのでしょうか。

 

それに、美福門が復元されれば、御内原が開園されることになります。

継世(けいせい)門から美福門を通って、白銀門や東のアザナへ。そして淑順門へと抜けられます。もちろん逆も。

復元後の見学者のルートは、下図に、動線計画として示されています。

こうした計画が実現され、琉球王国往時の様子がさらに再現されるようになると、琉球王国の素晴らしさや文化が伝わり、沖縄への理解が深まると思います。

*****テンペスト関係記事一覧*****

テンペスト(げらゑの間ー暗シン御門)

テンペスト(日経新聞)

テンペスト最終回(永遠の太陽)

テンペスト(西のアザナ 寧恩の巧みな外交)

テンペスト(おせんみこちゃ)

テンペスト(寧温発見!)

テンペスト(京の内)

テンペスト(暗シン御門)

テンペスト(首里城の復元計画)

テンペスト(多嘉良)

テンペスト(三重城:ミーグスク)

テンペスト(琉球のお菓子)

テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

テンペスト1ー春雷(池上永一)

BS時代劇テンペスト


テンペスト(多嘉良)

2010-12-29 | 琉球・首里城

琉球小説のテンペストに登場する多嘉良(たから)。

首里城の王宮勤務のための最難関の試験である科試(こうし)。その受験対策のための予備校の一つ破天(はてん)塾で、主人公が出会ったのが、泡盛が大好きで人柄のいい多嘉良。受験に何度も失敗し、妻子もいるオジサンだ。

主人公とは異なり不合格だったが、久慶(きゅうけい)門の門番として採用される。

上の写真は、左から歓会(かんかい)門、久慶門、右掖(うえき)門。

首里城の見学ルートは、写真左下の歓会門から入城し、道なりに右に曲がって、階段を上がり、正殿に向かうが、最後は、北殿から写真右奥の右掖門を抜け、下り坂を進み、写真中央の久慶門から城外に出る一方通行だ。

往時は、歓会門と久慶門が王宮の出入り口で、門番は重要な役割をしていた。

下の写真は、北殿の裏から見たもの。上の写真とは逆方向から写したもので、手前が出口の久慶門、奥が入口の歓会門。

多嘉良は、銭蔵奉行(ぜにくら ぶぎょう)に人事異動する。

銭蔵奉行とは、泡盛を管理する部署。多嘉良は大喜びの配属先だ。

泡盛は王府の管理下で生産され、貴重な税収である。

銭蔵が存在した場所は、久慶門の東側の樹木が生い茂っているところ。表紙の写真では、樹木の下にブルーシートがちょっと見えてます。

遺構の発掘調査をしていたけれど、復元には今のところ根拠資料が不十分なようです。

国営沖縄記念公園 首里城地区 整備計画 p4,5参照

http://www.dc.ogb.go.jp/kouen/shurijo/pdf/%E3%80%8Csyurichikuseibikeikaku%E3%80%8D.pdf#search

 

*****テンペスト関係記事一覧*****

テンペスト(げらゑの間ー暗シン御門)

テンペスト(日経新聞)

テンペスト最終回(永遠の太陽)

テンペスト(西のアザナ 寧恩の巧みな外交)

テンペスト(おせんみこちゃ)

テンペスト(寧温発見!)

テンペスト(京の内)

テンペスト(暗シン御門)

テンペスト(首里城の復元計画)

テンペスト(多嘉良)

テンペスト(三重城:ミーグスク)

テンペスト(琉球のお菓子)

テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

テンペスト1ー春雷(池上永一)

BS時代劇テンペスト


テンペスト(三重城:ミーグスク)

2010-12-26 | 琉球・首里城

琉球小説テンペストで重要な舞台となる三重城(ミーグスク)。

琉球の役人になるため、主人公が髪を切り、寧温(ねいおん)として生きることを決意した場所(第1話p40)。

薩摩の藩士、浅倉雅博と主人公が出会った場所(第1話p201)。

書類を抱えた主人公が、浅倉の目前でサンゴ礁の海に身を投げた場所(第2話p85)。

表十五人衆に出世し、紫冠の帽子をもらったことを、真鶴や父に報告しに来た場所(第2話p170)。

流人として船で八重山に向かう主人公を、浅倉が見送った場所(第2話p305)。

「おせんみこちゃ拝礼供之勢頭部」に出世した恩戸(うみとう)が、恩人の主人公の無事を祈願した場所(第3話p147)。

聞得大君だった真牛が、進貢船に乗る津波古(つはこ)を見送った場所(第3話p203)。

王国が滅びる日、明治政府の密命を受けた浅倉と主人公が再開する場所(第4話p272)。

琉球王国は、万国津梁の鐘に記されたように、世界の懸け橋となる海洋貿易で栄えた国です。

三重城は、那覇港の入口に位置し、海洋国家である琉球王国において、航海の安全を祈願する聖地です。

琉球の女子は、オナリ神となって、三重城から兄弟の航海安全を祈願します。

首里城の御内原(ウーチバラ)で、正殿2階にあるおせんみこちゃの拝礼を担当する神女である思戸(ウミトウ)が、遠く水平線を見つめ、八重山で暮らす主人公の無事を祈願していました。

 現在でも、鹿児島方面へのフェリーの航路となっています。

遠くで暮らす家族の無地を祈るのでしょうか、今でも祈願する方々を見かけます。

断崖に座って、遠くの水平線や、ここから旅立つ船や飛行機を祈りながら見送る方々もいます。

遠くで暮らしている人は、こうして祈っている方々の気持ちや存在を、忘れてはいけないですね。

フェリーが北に向かって進んでいきます。

飛行機も、飛び立っていきます。

無事でありますように。

*****テンペスト関係記事一覧*****

テンペスト(げらゑの間ー暗シン御門)

テンペスト(日経新聞)

テンペスト最終回(永遠の太陽)

テンペスト(西のアザナ 寧恩の巧みな外交)

テンペスト(おせんみこちゃ)

テンペスト(寧温発見!)

テンペスト(京の内)

テンペスト(暗シン御門)

テンペスト(首里城の復元計画)

テンペスト(多嘉良)

テンペスト(三重城:ミーグスク)

テンペスト(琉球のお菓子)

テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

テンペスト1ー春雷(池上永一)

BS時代劇テンペスト


テンペスト(琉球のお菓子)

2010-12-23 | 琉球・首里城

池永永一さんのテンペストは首里城を舞台にした小説ですが、聞いたこともない琉球のお菓子が登場します(第3話)。

主人公の親友の真美那が得意とする「千寿米羔(せんじゅこう)」。

「一口サイズの円筒形の上面に三色スミレのような花弁が載せる、見るからに野花を摘んだような菓子の花籠」と、本では表現されています。

上の写真は、食文化専門家の安次富順子さんが往時の作り方で再現したものです。とてもかわいらしいお菓子ですね。

真美那は、隠し味として夏ミカンの皮を入れたのが好評で、那覇港に上陸したペリー提督や初恋の人、孫 寧温(そん ねいおん)をこのお菓子でもてなしています。

残念ながらどんな味だったか、忘れてしまいましたが、美味しかったと思います。

 

次は、「大鶏餃(たいちーちゃお)」。

真美那が絶品だと主人公に勧めたもの。

胡麻あんを、ラードに小麦粉を混ぜた皮で包んだ揚げ菓子です。香りがあり、美味しかったことを覚えています。

脂っこいのは苦手と主人公が断ったら、代わりに勧められたのが蒸し菓子の「ちいるんこう」。

これは現在でも市販されていて、パウンドケーキのような味だったと思います。

こちらが、「薫餅(くんぺん)」。

美味しいお菓子ですが、主人公は王妃から賜った泥入りの薫餅を、こともなげに食べています。

これも市販されています。 

 

琉球のお菓子というと、ちんすこう、花ぼうる、松風(まちかじ)、りとうへん等が有名ですが、テンペストには聞きなれないお菓子が出てきます。

縁があって、琉球のお菓子を再現した場に居合わせることができて幸運でした。

試食したい方は、首里城の南殿から書院に入ってすぐ右手に鎖之間(さすのま=琉球王子の部屋)で、300円で4種類の琉球お菓子とサンピン茶を美味しくいただけます。

静かな茶室でお茶菓子をいかがでしょうか。

*****テンペスト関係記事一覧*****

テンペスト(げらゑの間ー暗シン御門)

テンペスト(日経新聞)

テンペスト最終回(永遠の太陽)

テンペスト(西のアザナ 寧恩の巧みな外交)

テンペスト(おせんみこちゃ)

テンペスト(寧温発見!)

テンペスト(京の内)

テンペスト(暗シン御門)

テンペスト(首里城の復元計画)

テンペスト(多嘉良)

テンペスト(三重城:ミーグスク)

テンペスト(琉球のお菓子)

テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

テンペスト1ー春雷(池上永一)

BS時代劇テンペスト


テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

2010-12-14 | 琉球・首里城

文庫版テンペストを全4巻、読み終えました。

ペリーを始め欧米の列強が琉球王国や日本に開国を迫る激動の時代を乗り切る、首里城に若くして登用された官僚の物語と思っていたら、想像をはるかに超えたドラマが展開されていました。

ドラマの舞台となる首里城の施設は、復元されたものだけでなく、これから復元される可能性のあるものもあり、興味深いものでした。

「暗シン御門」や「空中庭園」が出てくるとは驚きました。何のための施設なのか歴史学者の想像を掻き立てる施設ですが、池上永一さんは、ドラマに欠かせない施設として見事に描いています。

質素でありながら美しさを忘れず漂着民を大切にする国民性、したたかな外交。首里城や民族文化の美しさ。沖縄の素晴らしさ、沖縄人の誇りが伝わってきます。

首里城の写真は、いろいろ手持ちがあります。本の世界の理解に手助けになれば、と思い、ドラマに出てきた施設を今後アップしていきたいと思います。

*****テンペスト関係記事一覧*****

テンペスト(げらゑの間ー暗シン御門)

テンペスト(日経新聞)

テンペスト最終回(永遠の太陽)

テンペスト(西のアザナ 寧恩の巧みな外交)

テンペスト(おせんみこちゃ)

テンペスト(寧温発見!)

テンペスト(京の内)

テンペスト(暗シン御門)

テンペスト(首里城の復元計画)

テンペスト(多嘉良)

テンペスト(三重城:ミーグスク)

テンペスト(琉球のお菓子)

テンペスト2夏雲、3秋雨、4冬虹(池上永一)

テンペスト1ー春雷(池上永一)

BS時代劇テンペスト


昭和記念公園イルミネーション

2010-12-11 | 

今夜は風もなく、寒くなかったので、近くの昭和記念公園へ出かけました。

クリスマス・イルミネーションです。

カナール(運河)沿いに、シャンパングラスが並び、光と水の流れが美しい。

峯田義郎作のブロンズ像も、ライトアップされています。

峯田さんのアトリエに出かけた頃が思い出されました。

噴水から立川口のゲート方面を見れるポイントです。

写真には写っていませんが、カップル、家族連れ、年配の方々で賑わっていました。

みなさん、写真を撮ったりで、いい思い出になったかな。

 

http://www.showakinenpark.go.jp/2010winter/index.html