沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

ジェーン・グドール Jane Goodall

2017-11-12 | 環境教育

ジェーン・グドール博士 Dr.Jane Goodallの講演を聞きました。

子供の頃にターザンやドリトル先生を見てアフリカに行きたいと願った英国の少女が、自分のやりたいことを諦めるなと母に励まされ、秘書学校やウエイトレスで船賃を貯めて、23歳でアフリカへ渡る。

ケニアで学者の秘書となり支援を受け6ヶ月間、野生チンパンジーの調査を行う資金を得た。
研究者は動物に番号をつけ行動を観察するが、そうした学問を学んでいない彼女はチンパンジーに人間同様の名前をつけた。

そして、「灰色のデビッド」が葉を使い、「フロー」が葉をむしり取った枝を使い、アリ塚の穴に差し込んでシロアリを釣ることを見つける。

道具の使用と製作は人間だけという、従来の見識を覆す大発見だった。人間とは何かを定義する科学的見解を再検討させるほど重要なことだった。

この発見でナショナル ジオグラフィックから研究資金を得て、肩を叩く、抱き合う、武器を使って戦う、愛情を持って他の子も育てるなど、人間との共通点やヒトの行動の起源を見つける。

学者に信じてもらうためケンブリッジ大学で博士号を取るが、認めてもらいナショナル ジオグラフィックの支援を受けるためには、裏づけとなる写真が必要だった。

研究者として認めてもらうことと、彼女がモデルのように雑誌やテレビに出て行くことが、同時に生じた。

その後、彼女の研究は多くの人に知られ、研究所を設立するなど活動を続けたが、1986年 52歳の時に研究から離れ、環境保全と環境教育の活動家に転身した。

悪化していくチンパンジー生息地を保護するため、人々の貧困緩和と生活向上に尽力し、チンパンジーの研究と地域での保全は周辺7か国に広がっている。

さらに、若い世代が人間、動物、環境について考え行動する環境教育ルーツアンドシューツ(根と芽)プログラムを、99ヶ国で15万団体が実践している。

今年83歳になったジェーンは、活動の普及と資金確保のため、年間300日世界を飛び回っている。


記事は、講演内容とナショナルジオグラフィック日本版2017年11月号をもとに書きました。若い頃の写真はナショナルジオグラフィックのものです。詳しく書かれていますので、本屋などでご覧下さい。

釣り針と魚道(プロジェクト・ワイルド)

2010-08-13 | 環境教育
サケの一生を体験できます。
米国の環境教育Project WILDの、子供にも大人にも人気のある活動です。
http://idahoptv.org/dialogue4kids/season7/fish/Hooks%20and%20Ladders.pdf

サケの稚魚たちが壇上に並んでいます。
大なわとびは、発電所です。
触らないようにくぐりぬけ、川を下り、サケを狙う鳥から逃げて、海を目指します。

海では、両端に置いてあるコインを取りながら、2往復します。
4枚とるのは、海で4年間過ごすという意味です。
海には、サケを狙う漁船がいるので、捕まらないように避けながら走ります。
段ボール箱に片足を入れた、ちょっと動きの遅い人が、漁船です。

やがて、故郷の川に帰ってきました。
ダムの横には、魚道があります。
苦労して魚道(馬)を乗り越えると、滝があります。
滝の向こう側には、サケを狙うクマが待ち構えていて、過酷にも次々と仲間が捕まっています。
一体、サケは生還できるのでしょうか。

公園など屋外でもできますが、猛暑のためホールで行いました。
動画はこちら。

沖縄の発展と海岸保全

2010-04-25 | 環境教育
小学生たちが、沖縄の観光開発と環境保全についてワークショップをしています。
商業施設、農地、住宅地、観光施設、工場、道路、港を切り抜いて、白図に貼ります。

経済発展と環境保全は対立構造になりますが、自分の意見を主張しながら、相手の立場も理解して、合意形成していくことが大切です。

わかりやすくするために、子供たちは対立するグループに分かれます。
 ①ホテルなど観光開発で町の発展を目指すグループ
 ②サンゴ礁や海岸を守ろうとするレンジャーのグループ
 ③便利な生活をしたいけど、海も守りたい住民グループ

自分の役割を覚えたら、A、B、Cの3班に分かれます。
どの班にも、①~③の対立するグループが含まれますので、異なる意見をまとめながら土地利用計画を作ることになります。

A班の結果です。
海岸沿いに農地や住宅地を配置し、幹線道路沿いには観光施設が立ち並びます。
海岸、イノー、マングローブが保全されています。

B班の結果です。
きれいにゾーニングされています。
道路が河口部を保全するようにアーチ状に川を渡っています。

C班の結果です。
”保護区”を設けたのが、大きな特徴です。ジュゴンなどを守ります。
その結果、土地利用にメリハリがついて、保護区ではない海岸沿いにはリゾートホテルやレジャー施設が立地しています。
保護区の功罪ですね。

「対立する意見を調整しながら土地利用計画を作るのは、小学生には難しいのではないか」という意見もあったのですが、心配不要でした。
沖縄の子供たちは、観光の大切さも環境保全の大切さも、どちらも十分理解していましたよ。

みんなのトンボ池

2009-10-10 | 環境教育
プロジェクト・ワイルドの有名な環境教育プログラムです。
川と池と湿地がある白図に、農場、工場、レストラン、クリーニング店、家、道路、公園などの配置を、みなで考えて町を完成させるものです。
5人が、農業、工業、商業、子を持つ親、野生生物に別れ、それぞれにとってベストのプランを考えます。与えられた役割になりきると意見のぶつかり合いが出てきます。

ふだんは考えたことも無い農場経営者や工場経営者の立場から町の発展と野生生物の保全を考えます。
ロールプレイングは、各自がいつの間にか身につけていた価値観から一旦離れて、「他人の立場から物事を考える」ことができます。理解できなかったことが分かるようになれば、問題解決の糸口になります。
<上:住居、左:農場、右:公園、左下:工場、右下:商業>
自分の立場や要求が明確になれば、全体の合意形成につながります。
自分も意見が通ること、相手の意見を聞いて自分の考えを改めていくこと、皆で合意していくことに、楽しさや満足感が生まれます。
<上:農場、次:公園、右:住居、商業、左下:工場>
①町のコンセプト、②町の特徴や配慮したこと、③対立したり、まとまりにくかったことを発表してもらいます。
他の班の発表を聞いていると、それぞれが熱心に話し合い、土地利用計画をまとめ上げていった様子が明らかになります。
<左上:農場、左下:工場、右上:公園、右下:住居、商業>
苦労して合意形成した結果の土地利用計画に、点数づけは不要です。工夫やすぐれた事柄を整理してまとめるだけで十分です。
ゾーニング、工場や農場などの排水処理を、どの班もちゃんと考えていますね。
工場を下流側に配置していますが、地図の下にも「別の町」があることを指摘します。

死のつながり

2009-10-09 | 環境教育
野生生物の保全のため米国で開発された環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」の中に、「死のつながり」というアクティビティがあります。

参加者はバッタ、カエル、タカに別れます。
スタートの合図で、バッタがエサを拾い始めます。お腹が空いているのでエサに夢中です。

しかし、バッタが大好物なカエルが、その様子をじっと見ています。20秒経ったとき、4匹のカエルがバッタに襲い掛かります。バッタはなすすべも無く、カエルに食べられ、せっかく胃袋に集めたエサをカエルに渡します。

再び20秒が経ったとき、赤い印をつけた一羽のタカが、カエルを襲います。カエルは素早く逃げますが、何匹かはつかまってしまい、胃袋のエサをタカに渡します。

ビデオはここまでですが、この後、生き残ったタカやカエルの胃袋の中を調べます。
バッタが拾っていたエサには、印のついたものが混じっており、カエルやタカの胃袋の中にたくさん混じっていました。
この印が有害物質の意味と知ったとき、知らぬ間に体内に有害物質を取り込んでいたことに、参加者は愕然とします。

ダイオキシンなどの有害物質が、食物連鎖を通じて、より大型の生き物に移動して行きます。
タカと同じように生態系ピラミッドの頂点にいる人間は、食物連鎖を通じて有害なものが蓄積されている危険性があります。
食べ物となる家畜や魚介類の「エサ」が安心できるものか、その成育環境が健全かどうか気をつけるとともに、その環境保全を図ってく必要があります。

プロジェクト・ワイルド全国大会

2009-03-07 | 環境教育
野生生物の保全のための環境教育「プロジェクト・ワイルド」。
日本に導入されて10年、指導者は1万5千人を超えました。
毎年1回開催される指導者の全国大会に行ってきました。

生物多様性の保全の必要性を環境省の室長が講演してくれました。
分かりやすく、土曜日なのにありがたいです。

「生き物かくれんぼ」関西から来た人が作ったカードゲームです。
地球温暖化がテーマで、文字が書かれたバラバラのカードを組み合わせて、4種類の生き物を見つけ出す…

ナガサキアゲハ、セアカゴケグモ、シロクマ、イワシ、見つかった生き物はどれも温暖化に関係してました。
関西の方は、トークが抜群で、楽しいですね。

北海道から来た理科の教師が作った活動です。
北海道の希少種ニホンザリガニの生息環境を考え、保全のために何ができるのか、みんなで考えています。

これは北極サバイバルという活動です。
資源を取引していますが、希少種の方が取引価格が高いことが印象的でした。
経済原理では、希少種が少なくなる方向に向かいます。

生物多様性をテーマに新しく開発された活動の課題等を確認した後、教育現場や企業との協働について、意見交換が行なわれました。


冒頭の写真は、アイス・ブレイク(参加者をリラックスさせるために最初に行なうもの)です。
みんなで手をつないで蝶の形を作ってます。
子供達は喜びそうですが、大人はちょっと…。

ヤンバルクイナの保護区

2006-08-18 | 環境教育
国頭村に昨年完成したヤンバルクイナの保護区があります。
上の写真の森の部分で、面積は13万平方メートルもあります。
この中に、6羽のヤンバルクイナが生息しているそうです。

外周は延長2kmにわたって高さ2.7mのフェンスで囲まれています。
マングースやノネコなどの外敵が侵入できないようにしています。
ボランティアの協力で、半日で設置できたとのこと。
イノシシは、いつの間にか外に出て行ったそうです。

上部が縦格子になっているのは、ノネコ対策だそうです。
忍び返しのようになっているのは、マングース対策だそうです。

マングースがどんどん北上していて、ヤンバルクイナが絶滅するのは時間の問題ともいわれています。
○は、沖縄の北部地域で、マングースが確認されたところ。

ビジターセンターもあります。
保護区の中に設置された無人の監視カメラの映像を、ここでは見ることが出来ます。

ヤンバルクイナに逢えた

2006-08-17 | 環境教育
沖縄本島最北端の国頭(くにがみ)村の安田(あだ)にあるヤンバルクイナ救急救命センターに行ってきました。ヤンバルクイナ救命救急センター
ここでは、交通事故、カラス被害、子育て放棄などの受難の状況にあるヤンバルクイナの卵や雛などを救護している。
獣医の長嶺隆さんたちがNPO法人を作り、廃園となった村営幼稚園を無償で借りてボランティアの協力で作られている。

野生生物の保護・飼育施設は米国で見たことがあるが、日本で見たのは初めて。
寄付制度が充実している米国のNPOはスタッフも多いが、ここでは獣医さん達と学生ボランティアの協力及び国頭村が支えている。
獣医のながみねさん。

現在生後3ヶ月の6羽が保護飼育されていた。
特別に中を見せてもらった。
三ヶ月だけあって好奇心いっぱい。

飛べない鳥だけあって、足がはやい、はやい。
チョコボを小さくした感じ。小柄です。
写真とってたら、どんどん近づいてきて、右手をつつかれた(^^♪

小さな水場で、何度も何度も、水浴びして気持ちよさそうです。

ウミガメの試練

2006-05-20 | 環境教育
子供達が、ウミガメの多難な一生について、公園などの屋外で遊びながら学べる環境教育のゲームです。
写真は、先生や地域のリーダーが指導方法を体験しているところです。

ウミガメの生態は詳しくは明らかになっていませんが、孵化した1年後の生存率は1~5%。20年かけて元の浜辺に戻ってくる確率は5000分の1とも言われています。
子供達が楽しいゲームを体験した後で、ウミガメの特徴的な死因、生存の制限要因、絶滅を防ぐための方策を気づけるよう、工夫されています。

参加者は、あらかじめ、子ガメ(逃げる役)と、子ガメの生存に影響を与える様々な制限要因(捕まえる役)に分けておきます。

子ガメが孵化した浜辺でスタートです。持った紙コップの中には子ガメ代わりのチップが入っています。
早速、カモメなどの鳥や自動車のわだちなど難敵が待ち構えています。捕まるとチップを渡さなければなりません。


外洋に出ると魚、サメなどの捕食者や釣具・漁業用の網・プラスチックゴミなど様々な制限要因が現れます。
安全地帯は、海草ゾーンです。ここで一休みできます。

難敵の多い海を5回横断すると成長したことになり、元の海岸に戻って来れます。
何匹の子ガメを失ったでしょうか。
終了後、子ガメ役の人にどんな要因で子ガメを失ったのか、一人ずつ聞いていきます。ウミガメの死亡率は高いですが、自然界の仕組みを学び、制限要因を少しでも減らして絶滅危惧の状態から回復させる方策を考えます。

プロジェクト・ワイルド「ウミガメの試練」Project WILD Turtle Hurdles Turtle Hurdles - Colorado Division of Wildlife

学校ビオトープ

2005-11-12 | 環境教育
浜名湖畔にある小学校(湖西市知波田小)が、生活排水が汚れたまま浜名湖に流れこむのを防ぐ目的で、休耕地を借りて植物や炭を利用した浄化施設を地域の方々(PTAつながり)と協働で作った。
ビオトープは生物の生息空間を意味するけれど、自然の力による浄化は生き物の生息地になりメダカも繁殖している。
生活科の授業などで低学年の子供達が遊びに来る施設になっている。
<上がビオトープ、左が生活排水が流れ込む川でこの水を取り込んで浄化している。右はカマキリを見つけた1年生>



ジャングルゲーム(2)

2005-10-29 | 環境教育
林の中に逃げ込んだ人たち、隠れ方いろいろです。
目立つ色の服装を着ていた人は隠れるのが難しかったとの感想。
野生生物は、見つからないように環境に適応し、一方で捕食する動物は見つける能力を高めます。
適応(adaptation)が理解できるゲームです。



Project WILD -the Thicket Game-

ジャングルゲーム

2005-10-28 | 環境教育
かくれんぼに似たゲーム(アクティビティ)です。
森の中に20人が隠れています。30秒間で芝生広場から一斉に森の中に逃げ込みました。
隠れる条件として、鬼の体の一部が見えていなければなりません。
鬼(捕食者)に見つからないように隠れる技術は、野生生物の生死を分けます。
子供達が遊びながら生物を理解できるプロジェクト・ワイルドの活動です。


環境教育の講習会

2005-09-19 | 環境教育
野生生物の保全に関する環境教育「プロジェクト・ワイルド」の指導者養成講座が浜松市内で3回開催されます。
プロジェクト・ワイルドは米国の各州政府(教育部局と野生生物部局の両方)が後援し最も普及している環境教育のプログラムです。森、海、湖近くのフィールドで行われますのでご関心のある方はどうぞ。Project Wild
参加すると子供達が遊びながら環境について考えることが出来る150以上の活動集の使い方を習得でき、指導者資格が得られます。

第1回  9月25日(日) 森林公園内森の家 <締切済み>
第2回 10月16日(日) 遠州灘海浜公園 浜松市江ノ島町字白鳥山1706 <若干余裕あり>
第3回 11月27日(日) 「地球のたまご」OM計画㈱研修室 浜松市村櫛町4601 <かなり余裕あり>
   * 上記3回のうちご都合の良い1回をお選びください。時間は9:00~16:30。
【主 催】(財)浜松市公園緑地協会
【後 援】 浜松市、浜松市教育委員会
【対 象】 ボーイ・ガールスカウト・子供会のリーダー・保護者、幼・小・中・高の先生等
【人 数】 各回25人(FAXにより申込み、定員になり次第締め切り)
【参加費】 テキスト代2,000円(本編・水辺編2冊で4千円のところ半額を協会が負担)
【持ち物】 運動できる服装・靴・昼食
【その他】 賠償保険に加入します。(保険料は協会で負担)  
【申込み・問い合わせ先】 (財)浜松市公園緑地協会 担当 渥美・佐野 TEL (053)411-6687 FAX(053)464-7274
【申込み】 希望日、住所、氏名、団体名、電話番号、FAX番号をFAXにて
【実施予定内容】
  午前:プロジェクト・ワイルドの体験・教材の活用方法と指導方法
  昼食:~各自持参~
  午後:実践計画の立案と活動実践(発表会)ふりかえりと今後の活用、修了証書授与