ジェーン・グドール博士 Dr.Jane Goodallの講演を聞きました。
子供の頃にターザンやドリトル先生を見てアフリカに行きたいと願った英国の少女が、自分のやりたいことを諦めるなと母に励まされ、秘書学校やウエイトレスで船賃を貯めて、23歳でアフリカへ渡る。
ケニアで学者の秘書となり支援を受け6ヶ月間、野生チンパンジーの調査を行う資金を得た。
研究者は動物に番号をつけ行動を観察するが、そうした学問を学んでいない彼女はチンパンジーに人間同様の名前をつけた。
そして、「灰色のデビッド」が葉を使い、「フロー」が葉をむしり取った枝を使い、アリ塚の穴に差し込んでシロアリを釣ることを見つける。
道具の使用と製作は人間だけという、従来の見識を覆す大発見だった。人間とは何かを定義する科学的見解を再検討させるほど重要なことだった。
この発見でナショナル ジオグラフィックから研究資金を得て、肩を叩く、抱き合う、武器を使って戦う、愛情を持って他の子も育てるなど、人間との共通点やヒトの行動の起源を見つける。
学者に信じてもらうためケンブリッジ大学で博士号を取るが、認めてもらいナショナル ジオグラフィックの支援を受けるためには、裏づけとなる写真が必要だった。
研究者として認めてもらうことと、彼女がモデルのように雑誌やテレビに出て行くことが、同時に生じた。
その後、彼女の研究は多くの人に知られ、研究所を設立するなど活動を続けたが、1986年 52歳の時に研究から離れ、環境保全と環境教育の活動家に転身した。
悪化していくチンパンジー生息地を保護するため、人々の貧困緩和と生活向上に尽力し、チンパンジーの研究と地域での保全は周辺7か国に広がっている。
さらに、若い世代が人間、動物、環境について考え行動する環境教育ルーツアンドシューツ(根と芽)プログラムを、99ヶ国で15万団体が実践している。
今年83歳になったジェーンは、活動の普及と資金確保のため、年間300日世界を飛び回っている。
記事は、講演内容とナショナルジオグラフィック日本版2017年11月号をもとに書きました。若い頃の写真はナショナルジオグラフィックのものです。詳しく書かれていますので、本屋などでご覧下さい。