沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

遠州灘は、現況の堤防保安林をかさ上げへ(コンクリートによらず)

2013-03-20 | 浜松の海

東・南海地震対策として、巨大津波に対応するために堤防のかさ上げが全国的に検討されているところです。

浜松市のある遠州灘海岸では、補助金を活用したコンクリート堤防ではなく、従来からあった今の堤防保安林をかさ上げし、ウミガメの来る自然環境中田島砂丘の景観を保全するという画期的な判断をしています。

浜松出身の企業である一条工務店が300億円もの私財を寄付してくれたことが、補助金に縛られない対策が可能になったようです。

浜松で地域のために私財を投じたと言えば、金原明善が有名です。氾濫する天竜川の治水のために、私財を投じて、天竜川の河川改修を行っただけでなく、治山のために天竜杉を植林した篤志家です。

浜松のために浄財を寄付してくれた一条工務店、住民の声を受け入れた県や市、これまでも堆砂垣など独自に災害対策に取り組むとともに従来工法を選択した浜松の市民にエールを送ります。

ここで、ぜひお願いしたいことは、「堤防のかさ上げ」だけでなく、「砂丘への砂の補給」を、同時に実施してほしいのです。

浜松は、氾濫を繰り返した天竜川の堆積土砂でつくられた扇状地です。堤防に近接する土地の地下には、砂丘と同じ土砂が大量に埋まっています。水はけがよく、サツマイモや白タマネギの産地になっている畑地帯です。

毎年、海岸浸食により数メートルずつ砂丘が削り取られて、海が近づいてくる危険な状態になっています。せっかくかさ上げした堤防保安林が海岸浸食されたら元も子もない。貴重な砂の資源を海に戻して、堤防のかさ上げと砂丘の保全強化を同時に取り組んでほしい。

カテゴリ:「浜松の海」の主要記事

アカウミガメを守る人たち(サンクチュアリー エヌピーオー)

中田島砂丘を守る人たち(海岸浸食災害より住民を守る会)

中田島砂丘の侵食と守る人たち(海岸清掃)

中田島砂丘のバケツリレー

もうちょっとで埋まってしまう(飛砂防止林)

四国へ続く、天竜川

海岸侵食(4)五島海岸の浸食断面図

海岸侵食(3)中田島海岸の浸食断面図

中田島砂丘の変化(飛砂)

海岸浸食(2)馬込川河口部の海底地形

川と地震が作った街(浜松)

以下は、昨日の毎日新聞の夕刊記事です。

**************************************************************

特集ワイド:南海トラフ地震、静岡県の選択 国頼らず独自策「ウミガメの浜、コンクリNO!」

毎日新聞 2013年03月19日 東京夕刊

 ◇保安林かさ上げ、巨大防潮堤代わり

 次なる大津波を食い止めるには巨大防潮堤という選択肢しかないのか。本欄はこれまで、東日本大震災の被災地・宮城県などが進める計画の唐突さや、環境や景色が破壊されることへの住民や識者の懸念を紹介してきた。今回は、近いうちに起こるとされる南海トラフ巨大地震の最前線・静岡県のある「選択」を取材した。【浦松丈二】

 人口81万人の浜松市中心部にあるJR浜松駅からバスでわずか15分。遠州灘に沿ったクロマツの保安林が見えてきた。交差点に<ウミガメが来る浜 日本三大砂丘 中田島砂丘入口>の大看板。砂丘は天竜川から運ばれた砂が遠州灘に堆積(たいせき)したもの。そこには春から夏にかけてウミガメが産卵に訪れるのだ。

 砂丘を下りると青い海原、白い砂浜が広がる。南海トラフ巨大地震が起きれば、ここにも高さ最大15メートルの津波が押し寄せるというのが県の想定だ。もし、東北の被災地で建設が進むコンクリート製の巨大防潮堤と同じものが築かれれば、美しい砂浜は覆い尽くされる。しかし、静岡県は別の選択をした。浜名湖から天竜川河口まで17・5キロにわたり保安林に土を盛って高さ十数メートルにかさ上げし、防潮堤の役割を担わせようというのだ。盛り土の芯には土砂とセメントの混合物を使うが、緑と砂浜の景観は保たれ、経年劣化がほとんどないというメリットもある。もちろんウミガメが産卵する砂浜は守られる。

 防潮堤は国から原則2分の1(災害復旧事業に指定されれば事業費のほぼ全額)の補助金が出る代わりに、位置や施工方法について細かい基準がある。なぜ浜松市は基準に縛られないのか。

 「民間企業から大口寄付をいただき、地元の要望に沿った独自の立案が可能になったためです」と県河川企画課の鈴木克英課長は説明する。事業費の全額300億円の寄付を申し出たのは住宅建設大手の一条工務店グループ。浜松が創業の地で、非上場ながら業界トップクラスの受注実績を誇る。

 「“万里の長城”といわれた岩手県田老町(現宮古市)の堤防が津波に耐え切れず、一部破壊されたのは非常にショックでした」と同社の宮地剛社長は語る。「限界を超えた力がかかると、コンクリートはポキリと折れてしまう。南海トラフ巨大地震に対応するには、コンクリートよりも盛り土構造の方が優れていると考えています」

 県は今夏、2カ所で試験的に建設し、住民の意見を聞いた上で本格着工を目指す。

 被災地で進められている巨大防潮堤と官民協力の「静岡モデル」を比べると、そこに浮かび上がるのは国の補助金の使い勝手の悪さだ。

 静岡モデルの防潮堤の十数メートルという高さは、国の基準を大幅に上回っている。防潮堤の高さを決める方法は、一昨年7月、国土交通省など関連省庁課長名で出された通知で示された。「数十年から百数十年に1度程度」の津波を防ぐ高さにするとの内容だ。遠州灘の場合、波高は7メートルとなる。県が想定する南海トラフ巨大地震の津波は、前記のように最大15メートルにもなる。国の基準を守っていては、住民が心配する大津波を防げないのだ。

 ちなみに同じ遠州灘沿いの浜岡原発では最大19メートルの津波が想定されており、中部電力が高さ22メートルのコンクリート製防波壁を建設する方針だ。

 高さだけではない。国の施工基準では厚さ50センチ前後のコンクリートで防潮堤を覆うことになっている。日常的に海水に洗われることを思えば、不可欠の工法ではあろう。だが砂浜よりも奥にある保安林をかさ上げする方式の静岡モデルならば無用になる。

 一方、7日の本欄で取り上げた宮城県気仙沼市の大谷地区。砂浜を覆い海までせり出す高さ9・8メートル、幅45メートル、長さ約1キロのコンクリート製巨大防潮堤の建設を県などが計画中だが、気仙沼市は住民からの見直し要求を受け、防潮堤を砂浜から陸側に後退させる「セットバック案」の検討を進めている。ここを含め被災3県では約8200億円をかけて総延長約370キロの巨大防潮堤が計画され、一部は住民合意を置き去りにしたまま既に着工されている。

 村井嘉浩・宮城県知事は11日に放送された報道番組で、巨大防潮堤の建設を急ぐ理由を問われ「今は国の予算があるんです。これが3年、4年たつと国の予算が切れます。(予算が切れれば)もう二度と防潮堤を整備したいと言っても整備ができない」と、国の補助金に縛られる復興の難しさを語った。菅原茂・気仙沼市長も住民有志でつくる「防潮堤を勉強する会」で「災害復旧は国から査定官が来て『3年以内につくりなさい』と言う。『すみませんが5年かかります』と言っても通用しない。(もし言えば)それなら緊急性は全くないのではないか、自分のお金でゆっくりやればいいという返事になる」と説明している。

 巨大防潮堤は、住民の自主性を圧殺してまで国の意向に追随せざるを得ない被災地行政の悲しいゆがみを、浮き彫りにしているのだ。

 確かに静岡モデルには莫大(ばくだい)な寄付金という特殊事情があった。だが、国が補助金の使途や期限を細かく限定せず自治体に任せれば、もっと住民本位の津波対策が可能になるのではないか。さまざまな縛りの原因となっている一昨年7月の通知について、担当窓口の本田直久・水産庁防災漁村課長は「これは技術的な助言であり、具体的な高さは県などが主体的に決めるもの」と話す。しかし、被災地の現場では、まぎれもない国の基準と受け止められている。

 「津波を恐れる企業や住民の動きは行政には止められない。だから、住民の意向に沿った施策が求められるのです」。県地域政策課の内山芳彦技監はそう言って地元紙のスクラップを見せた。<津波怖い 市営住宅 浜松沿岸部入居率7・2%減><静岡製作所を縮小 東海地震に備え 金沢に生産拠点><海岸コース 津波の危険 熱海、恒例のマラソン中止>などの見出しが躍る。危機感を募らせた県は来月から「内陸のフロンティア」構想をスタート。東名高速道路よりも内陸側に新設された新東名のインターチェンジを物流拠点として整備。平時は沿岸部からの移転受け皿に、災害時には沿岸部への物資供給拠点として利用する。住民の危機意識をバネにして懐の深い、津波に強い地域づくりを進めようとの発想だ。

 県庁1階のロビーに置かれたテレビは国会質疑の模様を映し出すが、政府答弁から切迫感は伝わってこない。金は国が出すが、具体策は地方自治体に任せる−−そうでなければ防災と豊かな街づくりの両立は難しいだろう。』 (引用終わり)

******************************************************************


「美味しんぼ」と海岸侵食災害より住民を守る会

2009-11-16 | 浜松の海

浜松の中田島海岸です。
砂丘の風紋に埋もれているのは、砂が風で飛ばされるのを防ぐとともに、飛んでくる砂を堆積させる「堆砂垣(たいさがき)」です。

天竜川から海への砂の補給が減少すると、中田島海岸への砂の補給が減少し、海岸侵食が進むだけでなく、中田島砂丘への砂の補給が減少します。

砂丘の砂は、強い西風を受けて東側へ飛び続けるので、砂丘はどんどん低くなり、台風時の高波が来ると、砂丘から内陸部へ海水が侵入し、住民災害の危険性が拡大します。
東側に飛んだ砂は、海岸防砂林の松林に堆積し、松が砂に埋まってしまいます。
もうちょっとで埋まってしまう

中田島海岸の近くに住む方々が、「海岸侵食災害より住民を守る会」を結成し、堆砂垣を作ったり、松林から砂丘へ砂を戻すバケツリレーなどを呼びかけ、砂丘で起きている環境問題を多くの市民に伝え、市民や行政を動かしてきました。
中田島砂丘のバケツリレー

案内していただいた浜松のキャプテンさんのお陰で、「海岸侵食災害より住民を守る会」の方々に、3年ぶりに再会できました。深く感謝します。

最近、スピリッツに連載している人気マンガの「美味しんぼ」で、料理対決ならぬ環境対決が始まり、中田島砂丘の問題が取り上げられ、「海岸侵食災害より住民を守る会」が、取材を受けたそうです(表紙の写真)。頑張ってますね。

市民によるバケツリレーでは限界があり、大量に砂を運べないため、建設機械を使って、砂の中から松を掘り出しています。
遠くの松は、ほとんど埋まっているのが見えます。

ダンプトラックで運んだ砂は、堆砂垣の風上に置かれて、砂丘の砂を補給する源となっています。砂丘の西側に、遠くの方に建設機械が見えます。

ダムは発電、洪水防止に大きな役割を果たしていますが、自然を改変してしまいます。環境を維持しようとすると、人為的な大変な努力が必要となります。


遠州灘サイクリング

2009-09-30 | 浜松の海
中田島のコンビニで、海苔弁当と水を買って、遠州灘の海岸堤防を西に向かってサイクリングです。
堤防の両側は、防風林、防砂林として松林があります。
舗装されていない道を走るなんて、久しぶり。

道の手入れは、町内ごとに異なるようです。
きれいに除草している区間と、草木にぶつかる区間と、いろいろ。
クモの巣などないか、ちょっと気にして走ります。

車が止まっていると思ったら、手入れをしている人に出会いました。
大変だね。

昔来た時は、山火事で松が燃えていたところです。
きれいに植栽されて、松が育っていました。

後方から、オートバイの甲高いエンジン音が聞えたので、止まって道を避けたのですが、バイクが来ません。
と思ったら、上空をパラグライダーが通過していきました。

途中で海岸に出て、お弁当を広げました。
のり弁当って、好きなんですよね。
ちくわの磯部揚げが、必ず入っているんだよね。

海岸堤防に戻るところです。
誰もいないと思ったら、左右から人影が出てきて、驚きます。
この人たち、一体、何しているんだろう。

篠原町まで来たので、サイクリング道路とお別れしました。
ここには、今年の夏に日本選手権が開かれた水泳場があります。
古橋廣之進記念・浜松市総合水泳場です。
愛称はToBiO。2009年2月にオープンしたそうです。

今年逝去された古橋さんは、浜松市雄踏町出身。
「魚になるまで泳げ」と毎日1万メートルを猛練習し、戦後の全米水泳選手権で世界新記録を出して優勝。
日本のプールは距離が少し短いんじゃないか、と懐疑的だった米国の記者は快挙を目の当たりにして「フジヤマのとびうお」と記事にしたそうです。
そのような展示も、水泳場の中にあります。

アカウミガメを守る人たち

2009-09-29 | 浜松の海

中田島砂丘の入り口です。
いきなり階段がありますが、東海地震の想定津波高さに耐えられるよう、堤防として築かれています。

はるか遠くまで、砂丘が続きます。
お母さんに手を引かれた小さな子は、砂丘を海まで歩いていけるかな。

砂丘を越えると、海が見えてきました。
海辺に、一列に並んだ人だかりが見えます。
夕方と思っていたのですが、ひょっとしたら…。

小さな子供を連れた家族が多いです。
一列に並んで、みんな同じ方向を見ています。

孵化したばかりの小さなアカウミガメが、波に何度も押し戻されながら海に向かっていきます。
海辺の人たちは、身動きせずに、波間に消えるまで、その姿をずっと見送っているのでした。
カメの旅立ち - 浜松沖縄横浜での暮らし

中田島砂丘の砂浜に毎夏アカウミガメが産卵に来ます。
有志の人たちが卵を保護し、孵化したばかりのアカウミガメを子供達の手によって海に返しています。
小さな子の右側にあったカゴが、アカウミガメの孵化施設です。

20年以上にわたって活動を続けているNPOの施設が、砂丘の入り口交差点の反対側にあります。サンクチュアリ エヌピーオー
「沖縄の美ら海水族館では、孵化したカメを1年間育てて、外敵から守れるくらいに大きくなってから海に放流している」ことを伝えると、「なるべく手伝わない、自然に近い状態で保護し、自然に近い状態で海に返す」という答が返ってきました。

長年にわたる地元の人たちの地道な活動によって、アカウミガメが守られています。


中田島砂丘を守る人たち

2009-09-28 | 浜松の海
砂丘は、小さな砂が積もって出来ています。
強い西風が吹くと、風に舞い、東側に運ばれます。
海からの砂の補給が無ければ、砂丘はどんどん東へ移動して行ってしまいます。

それを食い止めようとするのが、堆砂垣(たいさがき)です。
簡素な垣根ですが、風が垣根に当たると風速が衰え、垣根のあるところに小高く砂が積もるという原理です。
堆砂垣をうまく作れば、必要なところに、砂丘を作り出すことができるかもしれません。

海岸近くに住む地元の人が、長年かけて、大きさ、構造、向きなどを工夫しながら堆砂垣を作ってきました。

遠くに小さく人が見えますが、さっきまで海が、堆砂垣のすぐ近くにまで迫っていたことが、わかります。
少し黒くなった、打ち上げられた線が写真中央に出来ています。

数年前、台風の高波のときに、波が砂丘を乗り越え、入り口近くにまで侵入し、大きな池を作ったことがありました。
砂丘の大切さと、堆砂垣の必要性が、強く認識されました。

一番上の写真は、海辺に住む人たちが行政に働きかけ、取り組んでいるものです。
砂のバケツリレーを始めたのも、「海岸侵食災害より住民を守る会」の方々が動いたからでした。
中田島砂丘のバケツリレー - 浜松沖縄横浜での暮らし
今年の春、中心人物だった方が病に倒れ、お亡くなりになったと聞きました。
ご尽力に感謝します。合掌。

中田島砂丘の侵食と守る人たち

2009-09-26 | 浜松の海
馬込川を渡って、祭り会館の近くから海に向かい、中田島砂丘の東側に出ました。
西側の砂丘の砂が、西風で運ばれ、防風林の松林を覆うように堆積しています。
海が見えないほど、小高い丘になっています。

先端部まで歩くと、遠州灘の海が見えてきました。
中田島砂丘の砂は、過去数百年にわたって天竜川が運んだ豊富な砂です。
50年余前に佐久間ダムが完成し、砂の供給が途絶えたため、西向きの沿岸流によって、徐々に海岸侵食が始まりました。

西側の中田島砂丘のほうを見やると、大勢の人がいます。
砂の色が濃い部分まで、海だったところです。
何かな。

海岸清掃をされている方々でした。100人くらいの方がいます。
打ち上げられたプラスティック系のごみを拾っているようです。

お話を伺うと、月に1回、清掃しているとのことでした。
家族連れや養護施設の人たちも、数多くいました。

ペットボトルが多く、漁船関係の発泡スチロールもありました。
ペットボトルは外国製が多かった沖縄と違って、ほとんどが日本製でした。

さっきまでいた場所を、海岸から見上げました。
砂丘が波によって浸食されるので、対策として養浜事業により、5mkらいの高さまで砂を積んでます。

ここで、一番上の写真を説明すると、海岸清掃を見つけた場所で撮りました。
人工的に置かれた砂なので、波によって崩され、亀裂が入って危険です。

砂の色が濃い部分まで、海だったところです。
削られた砂は、沿岸流によって西に運ばれ、砂浜に補給され、今度は西風によって砂丘に戻ってくるという、砂の循環です。
この砂の山は、砂の補給源として、天竜川の代役をしているわけです。

ビデオで、中田島砂丘の360度を写して見ました。

遠州灘のテトラポット(消波堤)

2009-09-24 | 浜松の海
馬込川の左岸側にある遠州灘海岸の砂浜には、強い波を鎮めるため、一定間隔でテトラポット(消波堤)が置いてあります。
台風4号のせいでしょうか、大きな音をたてながら波がテトラポットにぶつかって砕けています。
位置図↓
海岸侵食(4) - 浜松沖縄横浜での暮らし

左側が海岸堤防で右側が消波堤です。
満潮時には、今自分が立っている場所も海の中になります。
沖縄では、島を囲むサンゴ礁がテトラポットの役割を果たして、強い波を鎮めてくれていました。

テトラポットに、近づいてみました。
時々、テトラポットを乗り越える高い波が来るので、要注意です。
テトラポットの切れ目から、波が砂浜に奥深く侵入して、砂を奪っていきます。
この波に飲み込まれると命取りなので、細心の注意が必要です。

左側だけでなく、右側の切れ目から来る波にも、用心が必要です。

ビデオで見ると、こんな感じです。
テトラポットの左側の切れ目。

テトラポットの右側の切れ目。
遊んでいる人がいますが、ちょっと危ないですね。
潮がどんどん引いているので、流されたら戻って来れないですよ。

馬込川の河口です。
河口部に堤防だけが取り残されているので、海岸侵食のすごさを示しています。
対岸の右岸側は、海岸侵食が大きな問題となった中田島砂丘です。
今は、どうなってるのでしょうか。

浜松が見えた!

2006-07-25 | 浜松の海
沖縄に向かう飛行機の中。座席最後部のトイレ前の窓にへばりついて眼下の景色を眺めていました。
すると、天竜川が形作った広大な遠州灘海岸と懐かしい浜松の街が見えてきました。
お別れに、遠州灘海岸と浜松を見せてくれるというのだろうか。
浜松からは、この飛行機は見えているのだろうか。

空から見ていると、なんだか寂しいような、気分になってきます。
白波が立っている箇所はサンドバーがあって海底地形が変化している。



沖縄に向かう空の便は満席。家族連れが多いです。カップルも。
おいらのような単身赴任者は機内には、まず、いないねえ。

科学技術による海岸保全

2006-05-25 | 浜松の海
ダムのある上流地域から海岸部までが一つの浜松市になり、ダムによる土砂の遮断と海岸侵食という上下流問題を、一体的に取り組むようになったことの表れでしょうか。合併の大きな効果ですね。

先日の砂丘造成工事の着手(市民から行政へのリレー参照)に引き続き、浜松市もなかなかやりますね。

2006年5月24日(水)静岡新聞の記事 遠州灘砂浜復元へ浜松市提案 産官学研究に国費 を転載します。
*******************************************************************
遠州灘砂浜復元へ浜松市提案 産官学研究に国費

 文部科学省が公募する平成18年度科学技術振興調整費の対象事業として、浜松市や光技術の浜松ホトニクス(同市)などが提案していた遠州灘海岸の浸食防止に関する産学官研究が23日までに、実施課題として採択された。
 同日、調整費の配分方針を最終決定する内閣府の総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)で報告された。

 同研究には豊橋技術科学大、東京大など5機関が携わり、浜松市が協力機関として支援する。光技術や超音波などを活用して、天竜川から海岸に流れる砂の動き、海浜形成の仕組みを解析する。養浜方法や海岸防災力の評価手法も検討し、遠州灘の砂浜復元と、高潮や津波災害の防止を狙う。

 調整費は長期的な問題克服に向け、戦略性が高い先端研究に対して支給される。同研究は国家的、社会的に重要な政策課題に取り組む「重要課題解決型研究」の一部門に組み込まれ、上限5年の実施期間で、年間最大2億円の研究費が付く。

 文科省の室谷展寛調整企画室長は「主題が面白い。国土開発の負の側面を埋め合わせる試みは、将来の科学技術が果たすべき役割」と採択の理由を説明する。
 北脇保之市長は「研究成果が海岸保全対策に有効なものとなるよう努めたい」とコメントした。


市民から行政へのリレー

2006-05-21 | 浜松の海
先週の日曜日、中田島砂丘の保全のために、市民が1200人も集まって砂を運ぶバケツリレーをした。 中田島砂丘のバケツリレー

1200人が集まっても動かせた砂の量は少しだったけど、そのエネルギーは行政を動かした。

浜松市が近く、砂丘の造成工事に着手するという。
静岡県内ニュース(社会):中田島砂丘堆砂で補強 浜松市近く着手

砂のバケツリレーが、市民から行政へのリレーになった。


アカウミガメ

2006-05-19 | 浜松の海
遠州灘・表浜の全長100kmにも及ぶ広大な砂浜は、国際的にも希少種として保護が求められているアカウミガメの産卵地です。

御前崎海岸は国の天然記念物に指定されていますが、浜松の海岸は市の天然記念物に指定されています。
サンクチュアリ・ジャパンという団体sanctuary japan indexが、上陸し産卵するウミガメの調査と保護活動を続けてきました。
保護活動もあって、昨年は御前崎を上回る産卵がありました。

今年、その活動が20周年を迎えます。ウミガメの上陸調査への参加は6月から、孵化した子ガメの放流会は8月からだそうです。

中田島砂丘の入り口にサンクチュアリ・ジャパンの売店・休憩所兼事務所があります。カメグッズもたくさん並んでいます。寄付のつもりで買ってしまいました。家族にもカメが増えました。

カメを大切に

2006-05-17 | 浜松の海
浜松まつりが終わると、アカウミガメの上陸の季節がやってきます。
アカウミガメだけでなく、アカウミガメの産卵地である砂浜は、市の天然記念物に指定され保護の対象となっています。
浜松の人たちは5月の日曜日に数千人が海岸に集まりゴミ拾いを行います。
「ウエルカメ・クリーン作戦」です。だじゃれが好きな人たちです。

今年は、バケツリレーも加わって大勢の方が参加しました。
地元の小中学校の生徒達もたくさん来てくれました。
バケツリレーが終わった後に、生徒達が砂の中からカメを助け出していました。

見事な腕前です。大きさといい、特徴といい。さすがに浜松の子供達です。



中田島砂丘のバケツリレー

2006-05-14 | 浜松の海

5月14日(日)午前9時30分。
地元の人の呼びかけに応えて、中田島砂丘になんと1200人も集まりました。
静岡新聞 中日新聞

砂に松が埋もれた地点から波打ち際の砂丘まで約400m。
子供からお年寄りまで2列で並びました。バケツリレーの開始です。
壮観!です。

砂は水の2.5倍の重さがあるので、バケツに入れる量は2リットルくらいかな。それでも5キロの重量があります。

1時間で約1000杯。合計約2000リットルを運んだことに。
重さにしたら、5000kg。5トン!。
この砂の山を、子供もお年よりも、それぞれ一人が確実に1000回も手渡して、作った。途中交代した人は2人でかな。
5トンの砂を運ぶなんて初めての経験だと思う。

みんなお疲れ様でした。
一人の力は小さいけれど、大勢でみんなの力を合わせるとすごいね。


 

 

 


中田島砂丘

2006-04-28 | 浜松の海

中田島砂丘の360度パノラマを作って見ました。撮影場所は砂丘の東端の入口。
海が見えるかな。3枚目にかすかに…。
5枚目の遠くに凧揚げの広場が見えます。
8枚目は入り口。作業車が随分下に見えます。
9枚目と1枚目をつなげて完成ですが、目が回ります。
方位は、1枚目…東、3枚目…南、5枚目…西、7枚目…北です。
西風が吹き荒れた跡があります。
砂丘ではロケをやってました。

 

 

 

 

 

 


もうちょっとで埋まってしまう

2006-04-27 | 浜松の海
中田島砂丘は、海まで500m以上もある広大な砂丘だけど、冬の強烈な季節風が砂丘の中の砂を動かす。
砂丘の一番東では、高さ10mの防風林の松林が埋まってしまっています。
飛砂防止林は、飛んでくる砂を枝葉全体で受け止めて、砂を下に落下させる。
落下した砂の量が多くなると、自ら犠牲となって砂に埋まっていく。
弁慶の仁王立ちのような姿…。
上の写真は、砂丘に落ちている松ではないよ。わずかに埋もれずに残っている松の先端。