保険会社から「入院手術給付金のお支払いの案内」が届き、その内容に驚いた。
入院手術の給付金に加えて、「がん告知」時の給付金が加算されていた。
いきなり、がんの告知。
ガーン!
確かに、日本人の2人に1人が生涯で「がん」にかかり、3人に1人が「がん」で亡くなる時代で、日本人の死因第一位が、38年続いている(政府資料)。
夫婦のどちらかが「がん」にかかり、3人家族の誰かが「がん」で亡くなるという「がん」は身近な存在だ。
人間の細胞は約60兆個で、毎日約1兆個が入れ替わる。細胞を作る際、遺伝子のコピーミスで生まれた細胞が、20~30年かけて、がん化するようだ。
がんの告知が「死の告知」だったのは昔のことで、今や検査や治療の技術開発が格段に進んだ。
医師は、「早期発見、早期治療」の観点から「がん告知」に、ためらいはない。
保険会社も、「告知給付金のお知らせ」に、ためらいはない。
患者としては、いきなりがん告知を受け取ったとしても、うろたえてはいけない。
2分の1の確率でかかる病気ならば、がんになることを前提に、いつなるか、なったらどうするかを考えた方がいい。
(がんの定義)
病名に「がん」が付いていれば明確だが、病名に「がん」が付いていない「がん」が数多くあり、わかりにくい。
病名に「がん」が付いていない病気で、これまで2度手術したが、対応は分かれた。
(5年前)
医者から「がん」を告知されて手術したが、保険会社は「がん」を否定し告知給付金は貰えなかった。
疑問に思い、保険契約の根拠となるWHOのブルーブックを保険会社に送ってもらい、理解した。
がん告知給付金は貰えないけど、「がんじゃなくて良かった」と思うこととした。
(今年)
今回は、別の病気で、結果は逆だった。
術後療養中に、突然、がん告知給付金のお支払い通知が届いた。
予期せぬ大金。しかも非課税。今まで当たった宝くじ最高額の10倍だ。素直に喜ぶべきか。
「本当にがんですか?」と、保険会社に聞けば、やぶ蛇になって返金を求められるかもしれない。
実害はないので、「がんの定義は諸説ある」と思うこととした。
ネットでいろいろ調べると、保険会社の判断は確かな気がする。
(よかった点)
5年前の手術の経過観察で、年2回CT検査を受けていた。その画像に怪しげなものが写っており、別の医師が経過観察をしていた。
自覚症状は全くなかったが、8月のCTで変化が見つかり、血液検査、MRI、PETなどで病状を精査し、手術に踏み切った。
早期発見、早期治療が出来たのは画像診断した医師や的確な治療をした医師のおかげで、とても感謝している。
大学生だった時、開発されたばかりのCT画像を、若い講師が授業で紹介した。
モニタ画面には、猿の体を輪切りするように、内部の臓器が明確にわかる断面画像が写っていた。
コンピュータはこんなことが出来るのかと、学生たちに衝撃が走った。
その後、CT(コンピュータ断層撮影)が改良され、国内に普及し、今では医療現場で広く使われ、私もその恩恵を受けた。
誰でも歳を重ねると、がん細胞が増えてくる。CTやMRIの検査機会があれば、受診をお勧めします。