実家を出て8時間が経ちました。
普通です。9時間かかることもある。
沖縄は遠い。
すっかり夜になってしまいました。
真っ暗な道を走るバス。
インターを降りた。
左側には、海が広がっているはずだが…
もうすぐ終点です。
行き止まりの海です。
西荻のライブ喫茶でギターを弾き語りしていた森田童子の歌を思い出す。
「海を見たいと思った」
作詞作曲 森田童子
夜汽車にて
ふと目を覚ました
まばらな乗客 暗い電灯
窓ガラスに もう若くはない
ぼくの顔を見た
今すぐ海を
今すぐ海を 見たいと思った
“行く先のない 旅の果てに
ひとり砂浜に ねそべって
飲めない酒を 飲んだ
泣いてみようとしたが 泣けなかった”
ある日 ぼくの
コートの型が
もう古いことを 知った
ひとりで 生きてきたことの
淋しさに 気づいた
行きどまりの海で
行きどまりの海で
ぼくは ふり返る