沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

おばあ 退院おめでとう

2017-11-29 | やぎ料理

先週、ひんぷん山羊料理店に行くと、近々、おばあが退院予定という。

今週、ひんぷん山羊料理店に行くと、退院したおばあが出迎えてくれた。

89歳になるが、72日間の入院治療とリハビリを終えて、おばあは元気だった。

  うれしい…。

奥の部屋から出てきて、テーブル席に座って、いろいろな話をしてくれた。

55年間続けているおいしい山羊の刺身と、山羊汁をいただきながら、お話を聞いた。

 

朝起きて、動き始めたが、気がついたら転んでいた。

這い這いして、なんとか電話にたどり着き、家族に連絡して入院した。

去年と同じ場所を骨折したので、もう歩けなくなるのではないかと、とても不安だった。

 

1ヶ月半は、骨折したところが痛くて、痛くて、大変だった。

でも、歩かないと、もう歩けなくなることがわかっていたので、毎日、リハビリを頑張って、歩く練習を続けた。

そうしたら、杖をつきながらだけど、やっと歩けるようになった。

   おばあ、よく、頑張ったね…。

 

杖には、照明スイッチがあって、足下を照らしてくれる優れもの。

孫が買ってくれたと、スイッチをつけて照らして、おばあはうれしそう…。

 

入院中は、毎日、日記を書いていた。

去年の入院から書き始めている。

きれいな字を書きたいので、娘が買ってくれたボールペン習字のノートで、毎日、練習している。

 

奥の部屋に取りに行って、ひらがな、カタカナ、写経の練習帳を見せてくれた。

カタカナが難しい、という。ツ、シ、ソ、ン…。

  そういえば、そうだね…。

手本に近づけようと一生懸命書いている、おばあの姿を想像した。

 

今年は、年賀状を書く、という。

驚いて、年賀状を毎年書いているんですか、と尋ねると、

十数年、年賀状は書いたことがないという。

  おばあは、新しい目標を掲げ、努力する人なのだった…。

 

今年は、年賀状を出すから、住所を教えてくれという。

  後で書くからね…。

 

国頭村から定期的に山羊を食べに来る常連さんと話した後、おばあは疲れたようで奥の部屋に戻った。

 

やがて、会計をしていると、おばあが奥の部屋から出てきた。

住所を書いてくれと言う。

  忘れるところだった…。

 

メモ用紙というか、カレンダーの裏紙を手のひらサイズに小さく折りたたんだだけの用紙に、書いた。

  昔の人は、紙を大事にするよね…。

 

電話番号も書いてね、という。

  年賀状に電話番号がいるのかとも思ったけれど、去年から言われ続けていることなので、書いた。

また来るからね、とお別れをして、外に出ると、ひんぷん山羊料理の2号店もやっているお孫さんがいた。

 

おばあが、元気になって、お孫さんもうれしそうだった。

星空が、きれいだった。


ジェーン・グドール Jane Goodall

2017-11-12 | 環境教育

ジェーン・グドール博士 Dr.Jane Goodallの講演を聞きました。

子供の頃にターザンやドリトル先生を見てアフリカに行きたいと願った英国の少女が、自分のやりたいことを諦めるなと母に励まされ、秘書学校やウエイトレスで船賃を貯めて、23歳でアフリカへ渡る。

ケニアで学者の秘書となり支援を受け6ヶ月間、野生チンパンジーの調査を行う資金を得た。
研究者は動物に番号をつけ行動を観察するが、そうした学問を学んでいない彼女はチンパンジーに人間同様の名前をつけた。

そして、「灰色のデビッド」が葉を使い、「フロー」が葉をむしり取った枝を使い、アリ塚の穴に差し込んでシロアリを釣ることを見つける。

道具の使用と製作は人間だけという、従来の見識を覆す大発見だった。人間とは何かを定義する科学的見解を再検討させるほど重要なことだった。

この発見でナショナル ジオグラフィックから研究資金を得て、肩を叩く、抱き合う、武器を使って戦う、愛情を持って他の子も育てるなど、人間との共通点やヒトの行動の起源を見つける。

学者に信じてもらうためケンブリッジ大学で博士号を取るが、認めてもらいナショナル ジオグラフィックの支援を受けるためには、裏づけとなる写真が必要だった。

研究者として認めてもらうことと、彼女がモデルのように雑誌やテレビに出て行くことが、同時に生じた。

その後、彼女の研究は多くの人に知られ、研究所を設立するなど活動を続けたが、1986年 52歳の時に研究から離れ、環境保全と環境教育の活動家に転身した。

悪化していくチンパンジー生息地を保護するため、人々の貧困緩和と生活向上に尽力し、チンパンジーの研究と地域での保全は周辺7か国に広がっている。

さらに、若い世代が人間、動物、環境について考え行動する環境教育ルーツアンドシューツ(根と芽)プログラムを、99ヶ国で15万団体が実践している。

今年83歳になったジェーンは、活動の普及と資金確保のため、年間300日世界を飛び回っている。


記事は、講演内容とナショナルジオグラフィック日本版2017年11月号をもとに書きました。若い頃の写真はナショナルジオグラフィックのものです。詳しく書かれていますので、本屋などでご覧下さい。