沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

ひんぷん山羊料理

2010-03-26 | やぎ料理
ヤギさんが笑顔で「おいしいよー。」と語りかける看板のお店。
オリオンビール工場の目の前にあり、気になっていましたが、とうとう入ってみました。

入るなり、おばぁに「汁かい?」と聞かれました。
「山羊汁をお願いします。それとビール。」
店内を見回してもメニューらしきものがない。「お品書きはありますか?」と尋ねると、「汁と刺身の2種類だけ。」という。二者択一の極めてシンプルな店だ。

夕方5時で、客は誰もいなく、おばぁといろいろお話ができました。
「沖縄で山羊料理の店を出したのは昭和37年、うちが最初だよ。今年で48年。当時から料金は千円で変わらない。」そういえば、今まで食べた山羊汁はどこも千円だった。この店が基準なのか。
「写真撮らせてもらっていいですか。お若いですね。還暦くらいかな。」といったら、笑いながら「昭和4年生まれの81歳。」だという。若さは、山羊のおかげなのだろうか。

私が名護で2年暮らしてたことを聞いて、「昔は、ひんぷんガジュマルの横に店があったんだよ。名護はいいところでしょ。何でも揃っていて。」と語る。
「歴史もあるし暮らしやすい大好きな街。自転車でいろいろ見ましたよ。」
「うちの汁は油がなくておいしいよ。」「どのくらい煮込むんですか。」「3時間くらいだね。油を取りながら。」
ヤギ汁は冷めると脂分が固まるので、冷たいビールとの食べ合わせはよくないという話も聞く。
確かに、この店はやぎ汁の味がいい。脂分がない。見た目は悪いけど、実においしい。においもない。底の方にはヨモギも入ってます。
「このご飯は。」「古代米を入れてある。」そうな。健康に気をつけてるね。

おいしく食べていると、次々とお客さんが来る。なべ持参で汁と刺身5人前をお持ち帰り。
次のお客は刺身二千円分。その次に現れたお兄さんは刺身2万円分。この時期、いろいろな集まりがあって、刺身は欠かせないようだ。お店の品物を奪うように持っていく。
そのうち、刺身は売り切れちゃったみたいで、お断りしている。

山羊汁、完食です。ごちそうさま。
刺身も一口欲しかったけど、またの機会にしよっと。

すっかり体が温まって、お店を後にしたのでした。
ごちそうさまでした。
おばぁ、いつまでも元気でお店を続けてね。

オリオンビール工場見学

2010-03-22 | 名護市
沖縄といえばオリオンビール。唯一の工場が名護にあります。
「今から見学大丈夫ですか。」と問い合わせると、「OKです。5分前に集合してください。」との返事。気軽に申し込めるのがいいね。

背後の山の湧水を生かして作られるビールは、すべて生ビール。
びんは2万本/時間、缶は7.2万本/時間の速さで作れる機械があります。
土曜日でラインが動いていないので、速さが確認できませんでしたが…。

ビールの原料の大麦・ホップの実物展示に始まり、各種機械や能力をガイドの方が上手に説明してくれます。
みなさん、真剣に聞いてます。

オリオンビールに関する知識が豊富になり、期待が盛り上がったところで、ビールとおつまみのサービスです(*^_^*)
やっぱ違います。この美味しさ。お試しあれ。
おつまみは、オリオンビール特製。
ビールは、お代りあるそうです。前回はなかったような…、うれしいね。

参加者の皆さん、楽しく反省会をしています。
沖縄の方も多いです。

売店で、おつまみを買いました。
アーモンドチーズ味、タコス島唐がらし味、ウコンカレー味の3種類が入ってます。
30袋で1250円。お土産にいかがでしょうか。

ハリーポッターと死の秘宝

2010-03-19 | ハリー・ポッター
Harry Potter and the Deathly Hallows(UK)
36章+エピローグ 607ページ。197,651語。
ハリーポッターシリーズ第7巻 これにて完結です。
作者のJ.K.Rowling の緻密な発想力と、世界中の読者の想像力が、コミュニケートした作品でした。

あらすじは、まだ読んでいない方の楽しみを奪ってしまうので書けませんが、うすうす予期していた部分と、そう来ましたかぁという部分が組み合わさって楽しめました。
作者は女性で母親なんだなあと改めて実感。

映画で、どのように表現されるのか、これからですが、それもまた楽しみです。

読み終えるのに2か月かかりました。途中から、ハリーポッターシリーズもこれで終わりなのか、と読書スピードが落ちました。
エピローグがなければ、続編ができるのに。


これまでに読んだ作品たちです。10か月かかりました。
Harry Potter and the Deathly Hallows (UK)   197,651語 36章 607ページ
Harry Potter and the Half-blood Prince (UK) 168,923語 30章 607ページ
Harry Potter and the Order of the Phoenix (UK) 257,045語 38章 766ページ
Harry Potter and the Goblet of Fire (UK) 191,000語 37章 796ページ
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (UK) 107,253語 22章 468ページ
Harry Potter and the Chamber of Secrets (UK) 85,141語 18章 251ページ
Harry Potter and the Philosopher's Stone (UK) 77,000語 17章 223ページ
       全7巻   1,084,013語 198章 3,718ページ

オクラやハイビスカスから繊維を創る

2010-03-14 | 沖縄のくらし
沖縄の植物材料から新たに繊維を造ろうと研究している沖縄県立芸術大学の中嶋鉄利准教授の研究発表を聞きました。
芭蕉布など沖縄は染織の伝統工芸品は多いのですが、生産量の多いかりゆしウエアは、月桃繊維やウージ染があるものの、材料は県外からの移入が多く、印刷も多くは県外に頼っています。

中嶋先生が着目しているのは、沖縄の豊富な植物材料の活用。
表紙の写真は、オクラから作ったシャツ。沖縄ではオクラは生長が早く年2回も栽培できるが、収穫後に廃棄処分の茎を繊維に使おうというアイディア。
1か月強、水に漬けて表皮を除去して繊維を取り出す。
繊維から糸を取り出して、そのまま使うか、綿に30%程度混ぜた混紡糸にするようです。
オクラのシャツ、手触りがよくて、着心地良さそうです。
胸ポケットのオクラのマークが可愛い。

こちらはハイビスカスのシャツ。
生け垣などで数多く使用されていますが、生長が早く、刈り取り廃棄している茎から繊維を取り出します。
オクラと微妙に手触りが異なりシルクっぽいのが不思議です。

こちらはアダン。街路樹に使われますが、パイナップルみたいな実がなってる樹木です。

いろんな樹木から繊維を取り出して、可能性を研究しています。
未利用資材を活用し、原材料から製造まで沖縄で一貫してできれば、産業振興にもなり沖縄の経済を支えます。
ぜひ、研究を成功させてほしいものです。

大国(おおくに)林道

2010-03-12 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
やんばるの森を南北に縦断する大国林道の入口です。
フェンスで仕切られて管理されていますので、普通は入ることはありません。

このフェンスが、マングースの侵入を防止する柵で、太平洋と東シナ海を結ぶものです。
縦に格子がありますが、横方向にはありません。マングースの足場にならないように工夫してあります。

林道は、普通の道路よりも幅員が狭いです。4mくらいでしょうか。
センターラインもありません。
左右の樹木も、生長がいいです。車に枝がビシバシ当たります。

山道なので、カーブが多く、登り下りも多いですが、見通しは悪いです。
野生生物がたくさんいる森の中を走るので、徐行運転が必要です。

カーブミラーも設置されているのですが、樹木が茂っていて、よく見えません。
対向車が来ても、よくわかりません。
万一、事故っても、山の中ですから、ケータイの電波が届くかどうか、不明です。

林道ですから、基本的に、林業のための作業用の道路です。
観光道路ではありませんので、野生生物のためにも車の交通量は少ない方が望ましいです。

やんばるの森が見えるのかな、と思ったのですが、このような景色は見れるのは20kmくらい走って数か所だけでした。

初めて走ってみましたが、林業関係者以外は走行しない方がよい、と思いました。

マングース・トラップ

2010-03-11 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
やんばるの森の中で、赤い布を見つけたら、その近くにマングーストラップがある可能性が高い。
ジャワ・マングースは、100年前の1910年、東大教授となった渡瀬庄三郎によって、沖縄に持ち込まれた。
マングースは、沖縄で人々を苦しめていた猛毒の蛇ハブを駆除してくれる貴重な生き物と思われていたが、100年の間に沖縄の街中の至る所で繁殖し、沖縄の天然記念物ヤンバルクイナを窮地に追い込んでいる。
下図は沖縄北部のやんばる地方。赤い線はマングースを北上させないためフェンスが設置されている。

しかし、図を見る通り、マングースはフェンスを越えてやんばる地域に侵入している。
国や県が設置したマングース・トラップで捕獲されたマングースの数が、着色されている。
緑色の印は、左側が大宜味村の猪垣、右側は謝名城林道。
やんばるの自然豊かな森を横断する林道でも、年間10匹以上のマングースが捕獲されている。
「カゴわな」と呼ばれる生け捕りカゴ。赤い布は巡回するスタッフの目印だ。

こちらは、捕獲の効率化を目的に昨年から設置し始めた「筒わな」。マングースが筒の中にもぐると、補殺する仕組み。
大宜味村の猪垣にあったタイプだ。

検索すると、マングース防除事業(環境省)とあった。

渡瀬は、明治期に天然記念物保護法の制定に尽力した動物学者だが、自分が持ち込んだマングースが天然記念物を脅かしている現実は、断腸の思いに違いない。
狙いが外れた原因は、ハブが夜行性なのに対しマングースは昼に行動することや、野生生物が豊富な沖縄では、危険を冒してハブを捕食する必要がないこと、などが言われている。

100年後の人間が、先駆者を軽々しく批判すべきではないが、失敗から教訓にできることは、動物の生態や生息行動をよく調査して、できれば飼育して、どのような行動をするのか特性を明らかにしたうえで野に放つべきだろう。
未知の動物の特性を知る上で動物園や水族館の社会的役割は大きく、展示技術だけでなく、生態も解明してほしい。

野生の生き物に配慮した林道

2010-03-08 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
大宜味村の謝名城(じゃなぐしく)林道です。喜如嘉から大国林道へつながる林道です。
沖縄県北部やんばる地域は、イタジイなど亜熱帯林に覆われ、生活に利用されてきた一方で、まとまった森林が残り、野生生物の生息・生育場所になっています。
環境省の絶滅危惧種に指定された動物(哺乳類、鳥類、両生爬虫類、昆虫類)は22種類、そのうち6種はこの地域に固有のものです。

自然豊かな森の中を通る道路には、生き物に配慮した工夫があります。

道路の側溝に落ちた小動物が這いあがれるように、スロープになっています。
側溝を渡れるように、橋がかけられています。

やんばる地域を一望できます。
豊かな自然は、いつまでも残したいですね。

スロープの先にけもの道が続きます。
あれ、入口にある赤い布は…。
猪垣にも、同じようなマークがありました。
一体なんでしょうか。この後明らかに。

猪垣(2)大宜味村指定文化財

2010-03-07 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
それは標高250mの山の中に、稜線に沿って造られていました。
大宜味村全域を囲むように、喜如嘉から津波まで、全長約31kmあったそうです。
今から230年前には、大々的な補修工事が行われ高さ2~3メートルの石垣を完成。
農閑期や月夜に石を集めて積んだと記録されています(大宜味村HPより)。

住民には石垣の管理が割り当てられ、壊れた場合には修繕の義務があり、修繕できない場合には米二升が課せられたそうです。

現存している高さは1mで、貴重な食料を荒らす猪から村の畑を守るために造られました。
石がないところでは、堀を作ったり、土の上に積んで高さを確保したようです。
樹木が生長して、石垣を壊しているところもありました。現存しているのがすごいですね。

ビデオにも撮ってみました。
猪は、壁にぶつかると壁に沿って走る習性があるので、石垣の切れ目に穴を掘り、猪を捕らえたそうです。

人里近くならわかるのですが、こんな山の中に、淡々と石垣があって、驚きました。国頭村にもあるそうです。
親切に、休憩所がありました。

地図の2番まで600m歩いて3分の1くらい。この先へ進むのはちょっと断念しました。
次の目的地もあるし、夜の飛行機で帰らなくてはならないし。

おっと、これは何だろう。この謎は、あとでわかるのでした。

猪垣(やまししがき)

2010-03-06 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
やんばるの山の中に、こんなものがあるとは驚きました。
大宜味村の指定文化財第1号だそうです。
予定を変更して見に行くことにしました。
ここが、入口です。階段を上るようです。

いきなり、これです。
ハブ君が、いるそうです。まだ明るいから大丈夫かな。

ひたすら、登ります。
だんだん、息が切れてきました。

なんか、踊り場がほしいというか、自然は厳しいです。
ホントにあるのでしょうか。もう、かなり、登りました。
地図だと、標高50m近く登ったような。空気が薄い…。

大きな樹木です。イタジイ。
やんばるの森を代表する樹木です。

少し、なだらかになってきました。
この辺りは、岩場が多いんですね。
この石と、関係あるのかな。

そして、この先に、とうとう見つけました。

大宜味村 田港(たみなと)

2010-03-03 | やんばる4村(国頭・今帰仁・大宜見・東)
大宜味村を走行していると、「ぶながや」というかキジムナーが描かれた地図を発見。
近くに「展望台」があるらしい。

ちょっと険しい急な坂道を登っていくと、展望台らしき休憩所に出ました。

”らしき”の意味は、下にある木々が成長し過ぎて視界を遮っているから。
でも立地はいいので、周辺をちょっと散策すると、見事な景色が広がっていました。

手前が塩谷湾、遠くに見えるのが奥武島と屋我地島。
なかなかいい眺めです。

さらに、国土地理院の地図を広げると、田港御願の植物群落(史跡名勝天然記念物)が近くにある。
位置関係は、この果樹園の下あたり。

果樹は、たんかんかな。ちょうど収穫している最中でした。
たんかんは、ポンカンとオレンジの自然交配らしい。おいしそうです。

作業している人がいたので、尋ねてみました。
「すみません、ちょっと教えてください。地図で見ると、田港(たこう)の御嶽(うたき)が近くにあるようなのですが、どこですか?」
「たこう?何かの間違いだね。」
「田んぼのたに、みなとですけど。」
「ああ、それは、たみなと(田港)。塩谷湾沿いの集落にある御嶽だよ。」
言われてみれば、ごもっともだった。地図がおかしかった。読み方の間違いはともかく、こんなに道が険しいところに集落の御嶽があるはずがなかった。
「ありがとうございます。」

塩谷湾まで戻って御嶽に行くことも考えたが、もっと気になることがあったのでした。

夢の舎

2010-03-01 | 沖縄そば
美ら海水族館から車で10分弱、本部町の沖縄そばのお店「夢の舎」に行ってきました。
手打ちなのですが、ヨモギそばとか、メニューが増えましたね。
山の中なのに、観光客や家族連れに人気があるようです。
頼んだのは、三枚肉とソーキがはいった沖縄そば。
豆乳やそばの揚げ物など、お通しが出てきます。

風通しのいい民家が、お店になっています。
庭先から上がると、床の間には炭が飾られている!!

ガジュマルの木を燃やして作る「木灰そば」だからかな。
庭には、ガジュマルの木枝が積んでありました。

おいしかったです。お客さんも増えているようで忙しそうでした。