バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

バスバックの恐怖

2011年03月03日 20時19分03秒 | バス運転士
片側二車線道路の交差点の信号が赤になり、前方を走っていた3台の内の2台の普通車が、それぞれ右車線と左車線の先頭で止まった。右車線を走っていたもう1台の大型車が、普通車の後ろに止まった。私のバスは左車線の普通車の後ろ… 少し車間距離を空けて止まった。


一車線の幅がそれほど広くない道路で、大型車がピッタリと横に並ぶのは好きではない。お互いのミラーがかなり接近するので、何だか“喧嘩を売っている”ようで… だから、大型車の“お腹(真ん中)あたり”にバスの“頭(フロント部分)”が来るように止めてアイドリングストップした。


そして、私がメーター類に視線を落とした瞬間… なぜかスゥ~ッとバスが後退し始めたのである。驚いた私は「ブレーキペダルの踏み込みが甘いのか!?」と思ってグイッと踏み込んだ。が、バスの後退は止まらず、私は「ブレーキが壊れたのか!? ちょっと衝撃があるけど仕方がない!」と慌てて駐車ブレーキを掛けた。


しかぁ~し! それでもバスは止まらず… というか、バスが急停止した時のガツンとくるはずの衝撃もなかったのである。そこで私は気が付いた… 隣りの大型車がゆっくりと前進していることに… ふぅ… 一人でバタバタしていた自分が恥ずかしい。


それまでフワ~ッと運転していた私が、いきなりプシュ~ッと勢いよく駐車ブレーキを掛け… 乗客は「何を怒っているのだ?」と思ったかもしれない。が、まぁ~その方がいい… かな? ハハハ…