朝の某駅で、お婆さんに見送られながら、小学生の兄弟が乗ってきた。兄は“助手席”に、弟は“背後席”に座った。発車してしばらくすると、何やらボソボソと話している声が聞こえてきた。どうやら助手席の兄が電話をしているようだった(マナー違反!)。
しかし、私は「子供だから… 何か困ったこと(降りるバス停の名前を忘れた等々)が起きたのかな? 誰かに相談しているのかな?」と思って、そのまま知らない振りをしていた。すると電話は終わった… と思ったら、またすぐに「もしもし…」と言う声が聞こえ(自分から掛けた!)、さらに「今日、遊べる?」と言う声が聞こえたのである(単なる友だちとのどうでもいい会話!)。
次のバス停で止まった時に、私は彼に対して「バスの中で電話をしないで下さい」と言った。彼は私の顔を見ながら電話を切ったのだが… 発車して間もなく、再び彼の声が聞こえてきたのである(人の言うことを聞かない!)。
その次のバス停では乗降客がなかったけれど、私はバスを止めて彼を見た。彼は私に背を向けて、窓の外を見るように電話をしていた。私は「この場の空気を読め! 二度も言われる前に自分で切れ!」と願っていた(これが子供でなかったら、扉を開けて「外でやって下さい」と言うところである)。
そのまま30秒ほど待っただろうか… 電話を終えた彼がこちらを向き、私と目が合ったのだが… 頭を下げるでもなく、「ごめんなさい」の一言もなく… ジッと私の顔を見ていた。私もジッと彼の顔を睨み付けた。あぁ、ルックスは二枚目なのになぁ… もったいないなぁ… あ、ひょっとして整形だったりして!? ハハハ…