バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

田舎のバスみたい!

2017年06月08日 20時25分58秒 | バス運転士
今日のお昼頃… 買い物帰りのお年寄りをパラパラと降ろしながら市内中心部へ向かっている時だった。あるバス停でお婆さんAが降り、入れ替わるようにお婆さんB&B(双子?)が乗り… 車内通路をゆっくりと歩いて行ったB&Bが後方の席に座るのを確認した私は「まだ(約200m前方の)青信号に間に合いそうだ」と思ったのだが…

その時、車掌席に座っていたお婆さんCが、何やらブツブツと呟きながら通路へ下りたので、「えっ!? お婆さんもココで降りるの?」と思ったら、反対側の車掌席に移動しただけだった… と思ったら、席に座らずに窓の方へ手を伸ばしていたので、「YOUは何しに反対側へ!?」と思いながら見ていたところ… その手には“緑色のレジ袋”が握られていた。

緑色のレジ袋を持ったお婆さんCが通路を歩いて来て、「これ、忘れ物なんだけど… 多分、あの人だと思うよ」と言いながら20~30m前方を歩いている“さっき降りたばかりのお婆さんA”を指差したので、私は「そうですか。ありがとうございます」と言ってレジ袋を受け取り、「せっかく教えてくれたんだから、このレジ袋をお婆さんAに渡さなきゃ!」と思った。

そして私は、お婆さんCの着席を確認してからバスを発車… それと同時に「ピンポ~ン!」と鳴った降車ブザー&「次は~」と流れたコンピューター音声を無視… お婆さんAに追い付いたところでバスを減速… 車外スピーカーを通して「レジ袋か何か、忘れていませんかぁ~?」と問い掛けながらバスを止めた。

最初は「何事か!?」と目をパチクリさせていたお婆さんAだったが、すぐに「あっ! 忘れた!」という表情に変わったので、私は「時間があれば持ち主(中身)確認をするところだが… 貴重品でもないし… この状況から考えて問題ないだろう」と思って前扉を開け、「お客さんが教えてくれました」と言いながらレジ袋を手渡した。すると、お婆さんAは車内に向かって「どうもありがとうございましたぁ~」とお礼を言ってから歩いて行ったのだが… なんだか田舎のバスみたいで楽しい瞬間であった。