現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

側室の嫉妬心に呪われた牧原家

2017-05-24 18:10:52 | わが家のこと

柴田錬三郎が、昔わが家の先祖のことを書いて、TVドラマにもなった。

その原作『妬心』を私は30年探し続けた。古本屋を見ると探しに入ったも
のである。父の七回忌の墓参りをしての帰り、今日こそ見つかるのでは
との気がして神田の古本屋に立ち寄った。「アッタ!」感動で打ち震えた。
仇(かたき)を 探しあてたようなものである。

会津藩三代目藩主正容の時、側室を家臣に払い下げるという事件
が二度あった。一度目が「上意討ち」の笹原伊三郎の倅へである。二度目
が神尾八兵衛に下げ渡された「おもん」であった。おもんは気性が激しく
殿の嫌気をかって、国元へ帰されたのであるが、その時の側用人が、当家
の祖牧原只右衛門であった。おもんは差配の権限を持つ側用人牧原只右衛
門を恨んで呪詛した。そして『妬心』の最後は「牧原只右衛門の家は次の
代になってつぶれた」となっている。

柴田錬三郎はこの話をどこから調べたのか、出典を調べているのだが、
わからない。

叔父から聞いた話では、「側室の呪詛によって、七代に亘って
男児は長生きしない」という言い伝えは、わが家にあったという。
子供の頃それを聞いて、自分も長生きはできないかという思いが
ずっとつきまとっていた。

もう七代は過ぎたのか、叔父も父も80過ぎまで長生きした。
“若死にする危険”には、生命保険で備えてきたが、“長生き
する危険”には備えてこなかった。これからまだ生き続けること
に不安を感じる。


「拝領妻(おもん) 始末記」 

2017-05-24 18:10:15 | わが家のこと

先祖の[牧原只右衛門」は、会津藩三代目藩主正容(まさかた)が幼少の頃から
小姓として仕え、正容の兄たちが次々早世して、正容が藩主と
なったことから、側用人、奉行として重用された。

その正容には、正室の他に6人の側室がおり、9男4女をもうけたが、
次々に早世しており、お市の産んだ8男容貞が8歳で4代目藩主となる。

この正容の6人の妻妾のうち4人までが、子をなすと家臣に下賜される
という特異な事件が起きている。これが「拝領妻」だ。

最初に下賜されたのが「おもん」。おもんは嫉妬深く、気性激しく、
神尾家に下げ渡されたが、神尾家では、おもんを座敷牢に押し込め
幽閉するしかなかった。

やがておもんの産んだ子が13歳で亡くなると、ますます狂乱となり、
おもんは、自分を神谷家に下げ渡した側用人牧原只右衛門と杉本
源五右衛門を怨み呪詛しながら悶死した。そして神尾家も断絶する。

牧原只右衛門は、断絶した神尾家の屋敷を賜り、移り住むと、長男が
病に倒れ亡くなったり、次男が下僕を殺して蟄居を命じられるなど、
不吉なことばかり起きた。そこで陰陽師に見てもらったところ、
屋敷内に祠があり、中から釘を刺した人型が出てきた。おもんの呪詛
だった。

この「おもん」の事件は「柴田錬三郎」が『妬心』という短編小説にし、

1970年(S45)TVドラマ「徳川おんな絵巻」で『お妾拝領仕る』として

放映された。

•第6回 お初の仇討ち (出羽本庄藩六郷家編前編)
•第7回 お妾拝領仕る (会津藩保科家編前編:元禄)
◦キャスト:中村玉緒(お綾の方)、天知茂(神尾新八郎)、中原早苗(お葉の方)、葉山良二(保科正容)、賀川雪絵、安部徹(牧原只左衛門)、万代峰子(玉井)、南美江(るい)、小笠原弘(小島庄兵衛)、伊沢一郎(川上郷左衛門)、榊浩子(里江)、北町史郎(河合)、杉村春子(語り手)
•第8回 嫁地獄 (会津藩保科家編後編)

 

この小説では「牧原家は断絶した」とあるが、実は・・・・。

牧原家は、長男が早世し、当時末期養子は禁止で、牧原の家は

断絶になるところであったが、当家は横山家から養子を迎えて、

断絶を免れた。柴桂子著「会津藩の女たち」によると、おもんの

ライバル「お祐」が、横山家の出で、牧原に迎えた養子はお祐の

従兄だったことがわかった。

これで、当家がお家断絶を免れたわけも、すべてが合点した。

このような視点を見つけられる作家はすごい。おみごと。

それにしても当家の家系までよく調べているものである。感服。



私のメールは goo3360_february@mail.goo.ne.jp


TV『徳川おんな絵巻』に当家の先祖が

2017-05-24 18:09:27 | わが家のこと

ネットでTVドラマ「徳川おんな絵巻」をみつけました。

1970年(S45)の時代劇シリーズ、第7回。 11月14、21日 放映。
会津藩三代目藩主 正容の時に起きた「拝領妻」事件のドラマ化。

この時私も見ている。他の実在人物は、みな名前が変えられている
のに、当家の先祖「牧原只右衛門」は、「只左衛門」と「右、左」を
取り替えて登場してくる。配役は「山形勲」だったと記憶していたが、
違った。「安倍徹」とのこと。


『お妾拝領仕る』(前編)   放送日=1970.11.14 
        嫁地獄(後編)       1970.11.21 


【スタッフ】監督=倉田準二、脚本=野上龍雄
【キャスト】中村玉緒(お綾の方)、天知茂(神尾新八郎)、
      中原早苗(お葉の方)、葉山良二(保科正容)、
      安部徹(牧原只左衛門)、