現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

海童道祖はペテン師!????

2022-04-24 02:22:08 | 筝尺八演奏家

「邦楽ジャーナル」2017年12月号にクリストファー遥盟氏が寄稿。

「巨匠、その人と音楽」と題するシリーズの4「海童道祖」。

なんと、尺八家の多くが神とも仰ぎ、心酔する海童道祖のエピソード。

1992年アメリカの尺八収集家ダン・メイヤーズ氏から

「海童道祖に会わせて欲しい、そして通訳を」との依頼を受けた。

メイヤーズ氏は大金持ち、大金をはたいて海童から手書きの楽譜を

購入し、それを高く転売して儲ける魂胆。

海童は、まず「俺のことを老師と呼んでくれ」と。そして

「日本の尺八界で 本物は俺だけ。他は皆インチキ」とも。

海童は できるだけ楽譜を高く売りつけようとする。

商談が済んで、メイヤーズ氏が食事に誘うと、海童はしばらく

考えて、断ったあげく、めし代の 5,000を 要求した。

これにはクリスは、驚きあきれた。海童に抱いてきた崇高な

イメージとは真逆。うんざりして、帰り際に「あなたは、

自分のことしか考えないペテン師だ!」と言ってしまった。

海童は しばらく黙っていて、怒鳴り出すか、棒で叩かれるか

と思ったが、老師の顔に泉が湧き出るような笑いがジワジワと現れて、

「本当のことを言ったな。君は悟った。エライッ!」と。

「僕は思った、この人スゴイ」とクリスは結んでいる。

 

この話。なかなか面白い。私も海童道祖はペテン師だと思っている。

前衛哲理だの、ちんぷんかんぷんな訳のわからない言葉を並べ

立てて、多くの人をケムに巻き、ひとり悦に入っている。

しかし、そこが海童のスゴイところ。

まさに「普化」の再来じゃ。

海童道 WATAZUMIDŌ」20世紀が生んだ偉大な哲人、海童道祖老師。その深みを探究する復刻盤!2018年7月18日発売|otonano by  Sony Music Direct (Japan) Inc.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。