現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

放浪の果てに餓死した 辻 潤

2018-05-01 18:33:56 | 虚無僧日記

大杉栄とともに殺された「伊藤野枝」も、時代に先駆けた
女性だった。

伊藤野枝は、初め、女学校の英語教師だった 辻 潤 に
惚れ、結婚。平塚らいてう、与謝野晶子・岡本かの子らと
親交を深めて、強い刺激を受けた。

そして、大杉栄を知ると、辻潤と別れ、大杉と同棲する。
大杉には他に2人の女性がおり、当時の社会は、彼らの
生き様には 非難轟々だった。

野枝を失った辻潤は、浅草で「英語、尺八、ヴァイオリン
教授」の看板を掲げ、後には「虚無僧」となって、放浪生活
を送る。一枚の写真が残るが、虚無僧の深編み笠ではなく、
三角の「山笠」である。尺八を脇に抱え、笠に手をやって、
遠くを見つめるかのような顔が、実にいい。ビビビーと
きてしまう。

辻潤は、放浪の果て、終戦の前年( 1944年 )、物資食料が
枯渇していく中、餓死して果てた。同時期に「谷狂竹」が
虚無僧として生き、旅に病んで、戦後まもなく逝った。
私の末路だ。



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