一休さんて、ほんとに良い子?
お坊さんなのに、肉や魚を食べたり、
仏様にお尻を向けてお経をあげたり、
和尚さんや将軍様をからかったり、
はては、関の地蔵の開眼供養にしょんべんをひっかけたり。
どうしようもないヤンチャ坊主だ。それが愛される。
寺の権威も失われつつある現代だが、それはもう
江戸時代から始まっていた。
江戸時代の人も、一休に名を借りて、寺の坊さんを
虚仮(コケ)にして溜飲を下げたのだ。
「一休とんち話」に隠された真理。それは瘋癲(フウテン)と
呼ばれた「普化の禅」なのです。
「普化」は、『臨済録』に、臨済の相棒としてでてくる僧です。
奇行が多く、風変わりで、師から「瘋癲(ふうてん)」と呼ばれた。
その「普化」を日本に紹介したのが「一休」でした。
「一休」は、普化を真似て、みずから「風狂」「狂雲子」と称して
やんちゃぶりを発揮したのです。人々はそんな一休さんに
真理を見ます。
虚無僧は、一休を通じて 「普化」を知り、普化を始祖と仰ぐ
集団です。
「瘋癲」といえば「フウテンの寅さん」。「一休」から「寅さん」に
受け継がれて庶民に愛される「風狂の生き方」。それが
現代の虚無僧「一路」のめざすところです。