浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

愛川欽也とメディア

2015-04-18 09:06:25 | 日記
 愛川欽也が亡くなった。彼のテレビ番組はほとんど見ていないが、スカパーで朝日ニュースターの「パックインジャ-ナル」は見ていた。スカパーはそれだけのために契約していたが、その番組がなくなったので契約解除。
 この番組は、政治や社会など、その時々の問題を、ふつうのテレビでは絶対に出演しないようなメンバーを登場させ、論じ批判するというものであった。この番組がなくなったのも、メディアの「従順化」の流れだったのだろうか。

 「パックインジャーナル」という名称は、愛川が昔、TBSラジオで「パックインミュージック」という深夜番組の司会をしていたところからとられた。ボクも高校生の頃、実は聴いていた。この頃は文化放送では落合恵子がディスクジョッキーをやっていた。そういえば「パックインミュージック」は永六輔もやっていた。永六輔のそれに投稿したボクの文が、『深夜語録』という本に載っている。
 
 ボクの若い頃は、未来はどんどんよくなっていくだろうという気分があった。今とは正反対。今は悪くなっていく日本を、焦燥感を持ちながら見ているという状態。

 愛川欽也に戻す。愛川は、「パックインジャ-ナル」で、ひときわ平和について熱くしゃべっていた。それは彼の戦時体験からのものだ。東京生まれの彼は疎開児童であった。敗戦から5年後に帰京したという。絶対に戦争はしない、という決意が、少年の胸に刻まれたのだ。

 今日の『中日新聞』に、愛川の文が引用されていた。「わが街 わが友」の最終回に書かれたものだ。

 また、強い国の夢をみる人が増えてきたような気がする。マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振ったり、提灯を灯したりしたらこの半世紀は何だったのだろうと思う。

 すでに『産経』、『読売』は、その道を歩んでいる。そしてNHKも変質させられようとしているし、少しでも政治権力に批判的なメディアには圧力をかける。そしてメディアも、昨日NHKとテレビ朝日が政権党である自民党に行ったように、権力に頭を下げる。

 愛川欽也の心配が杞憂になればよいのだが、しかし予断は許さない。
コメント
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