浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ウクライナのこと

2014-05-12 20:28:34 | 国際
 ウクライナの情勢が厳しくなっている。報道は、アメリカやEUよりの立場からのものがほとんどである。

 ウクライナ暫定政権の中枢は、ファシストたちである。にもかかわらず、アメリカをはじめとした「西側」諸国は、彼らを泳がし利用している。アメリカのいつものことば、「敵の敵は友」である。

 RUSSIA TODAY というメディアがある。そこにアクセスしてみよう。オデッサで起きたことがビデオで見ることができる。

http://rt.com/
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「美味しんぼ」問題

2014-05-12 20:23:26 | 社会
 武田邦彦教授の適切な論評

http://takedanet.com/2014/05/post_32bc.html
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家永三郎

2014-05-11 19:43:28 | 読書
 尊敬する人物を挙げよ、といわれたら、ボクはまず田中正造と答える。では二番目はと問われたら、迷うことなく家永三郎と答える。

 浜松市図書館が新刊として購入した本は、すぐに誰かに貸し出され、読みたいと思ってもすぐには読めない。先に予約した人が読み終わったあとにまわってくる、だから待たなければならない。

 浜松市の図書館にアクセスして新刊を見た。すると『家永三郎生誕100年 憲法・歴史学・教科書裁判』(日本評論社、2014年3月30日発行)が目についた。誰も借りていない。家永三郎先生に関する本を誰も借りないというのは、大いに問題だと思い、ボクが借り出し、今日それを読み始めた。

 そこには懐かしい名前が並んでいた。

 まず巻頭は鹿野政直先生。ボクは法学部生であったが、文学部の鹿野先生の「日本史研究」という講義に潜り込んでいたことがある。鹿野先生も高齢となられたが、今もお元気で活躍されている。またここに記された文も、鋭い問題意識と現実認識をもとに、広範な知的蓄積を背景にした名文である。

 そしてその他、永井憲一先生。ボクは大学の講義はほとんど出席せず、サークル活動その他に邁進していた。4月にすべての講義を聴き、これは聴くべきだと判断した講義だけを聴くようにしていた。その中の一つが、永井先生の教育法の講義である。情熱的な講義で、この講義で先生が紹介された本は、すべて購入して読んだ。まだお元気のようだ。

 浪本勝年氏。大学では、裁判問題研究会に参加していた。研究テーマに、家永教科書裁判をとりあげたことがあり、浪本氏に来ていただいたこともある。
 なお6月にはその研究会のOBOG会が行われる。今大学にその研究会はないが、「卒業生」は各界で活躍している。

 ボクはこの教科書訴訟については、「教科書検定訴訟を支援する全国連絡会」に参加し、裁判の傍聴を行っていた。法廷では、決して丈夫そうでない家永先生、その傍らには、いつも大江志乃夫先生がついていたことを思い出す。

 さて家永氏が書かれた本は、たくさん読んだ。それらは今も所持している。一つだけ紹介すると、岩波書店から刊行された『太平洋戦争』、戦時中のみずからのあり方(「傍観者であった」)を深く深く反省し、なぜあのような無謀な戦争を起こしたのか、なぜそれを阻止できなかったのかという鋭い問題意識をもって書かれたものだ。

 鹿野先生は、短い文ではありながら、家永先生の学問のありかたをきちんとまとめられているのだが、この『太平洋戦争』の紹介のところまで読み進んできたところで、ボクは活字を追うのをやめざるを得なかった。なぜか。先生が渾身の力を振り絞って書かれたにもかかわらず、今また戦争の足音が聞こえてきているからである。

 歴史家としての責任を痛感し、当該期の歴史的課題をみずからの学問に組み込み、その学問的真実のために教科書を書き、検定に抵抗し、時代の闇と闘い続けた家永先生。

 鹿野先生は、文の末尾で「家永が没して11年、私たちは、彼の闘いの成果が崩されようとする状況のなかにいる。良心・思想・表現の自由への圧迫が、日増しに強化され、戦争のできる国への転換が、急ピッチで進められている」とし、家永先生の『太平洋戦争』の英訳本の書名が、Japan's Last Warであったことを紹介して、太平洋戦争が「はたしてLast Warとして止まるかどうかが、脅かされている段階にある。それをどう乗り越えるか、家永三郎の眼は、私たちを厳しく見つめているにちがいない。」と結ぶ。

 重い言葉である。家永先生の謦咳に接したり、著書を読み薫陶を受けたすべての人は、この鹿野先生の末尾を銘記する必要がある。
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低線量被曝がどういう結果を招くか

2014-05-11 08:25:52 | 社会
 チェルノブイリの事故後、その地域にどういうことが起きているかを知っておく必要がある。普通だったら、すでに先例があってどういう事態が起こるかが予測されるわけであるから、否定すべき事態を引き起こさないためにどうすればよいのかは、わかる。しかし福島では、そうした対策はとられない。そうではなくて、チェルノブイリ周辺よりも悪い環境の下、住民を生活させている。モルモットにしようとしているのかもしれない。

 下記には、チェルノブイリの今が映されている。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1765
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どんな体制でも、それを支えようとする人びとがいる

2014-05-11 07:34:10 | 社会
 漫画『美味しんぼ』をめぐって、いろいろな情報が乱れ飛んでいる。まずこれ。福島は今も放射線量が高い。しかしそれでも健康被害は出ないと、政府は強弁している。住民の不安はどうでもよいというわけだ。これに関しては、ウクライナの住民対策よりも低水準で推移していることは周知の事実だ。

残念で悲しい…「福島鼻血」漫画で環境政務官
読売新聞5月8日(木)20時2分

 漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」の4月28日発売号に掲載された「美味(おい)しんぼ」(作・雁屋哲、画・花咲アキラ)で、福島県を取材してきた登場人物が鼻血を出すなどの表現があった件について、環境省の浮島智子政務官は8日の記者会見で、「とても残念で悲しいことだ」と述べ、遺憾の意を示した。

 浮島政務官は、「福島の人も一生懸命頑張っている。言論の自由もあると思うが、風評被害対策の観点から影響を考えていただきたい」と述べた。

 環境省も同日、福島第一原発事故に関し、「被曝(ひばく)が原因で住民に鼻血が多発しているとは考えられない」という見解を同省のホームページに公表した。この事故で、住民に鼻血といった急性障害などの影響は認められない、とした国連の報告書を引用した。

 同省は、福島県が実施している県民健康調査を通じて、放射線の住民への影響を調査している。


 ところが、それに対して前双葉町長が批判する。

<「美味しんぼ」問題>前双葉町長が批判 石原環境相発言
毎日新聞5月10日(土)0時2分

 東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す漫画「美味しんぼ」の描写で小学館に抗議が寄せられている問題を巡り、作品に実名で登場した前福島県双葉町長の井戸川克隆さん(67)が9日、東京都内で記者会見し、「実際、鼻血が出る人の話を多く聞いている。私自身、毎日鼻血が出て、特に朝がひどい。発言の撤回はありえない」と述べた。石原伸晃環境相が同日作品に不快感を示したことについて「なぜあの大臣が私の体についてうんぬんできるのか」と批判した。

 一方、作者の雁屋哲さんは同日、自身のブログで「書いた内容についての責任は全て私にあります」とし、小学館の編集部に抗議しないよう求めた。【野島康祐】



 そしてこの『毎日新聞』の記事に対するネット上のコメント。左側の数字はその意見に「同感」した人の数。政府の意見に同調するものが多いことが分かる。この傾向は、変わらない。根拠なく体制を支える熱意を持った人びとが多いようなのだ。

168点 悪意に満ちた風評被害を煽る描写、廃刊にしてもいい

144点 子供が見たら本気にする。好きだったけど、悪書になったね

98点 捏造鼻血漫画家

88点 福島在住の物だが、頻繁に鼻血出してるやつ見たことないけど。

80点 遅々として問題解決が進まんのも残念だけどね

67点 風評被害と言って、真実や事実を隠ぺいするのも・・どうかと思う

52点 残念 残念 国民には真実を知る権利がある ごまかすな

45点 鼻血出るほど被曝したら100%死ぬよ放射能なめんなよアホ作家

44点 そんなに封印したいんか。怪しい

30点 友人が事故後何回も鼻血を出し去年心筋梗塞で死亡した
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「母の日」

2014-05-11 07:17:15 | 社会
 今日は「母の日」だそうだが、ボクの場合は、だから何?という感じである。

 しかし、下記のニュースをみると、さもありなん、と思う。だって、日本ほど庶民に冷たい政策を行っている国はない、「母」であろうとなかろうと、庶民に対しては教育に係る経費でも、日本ほど私費に依存している「先進国」はないし、いずれにしても庶民を大切にしない国のトップを走っている。

 生活保護費でも日本の支給は全く不十分なのに、それを問題にせずして、生活保護家庭の生活を庶民に監視させるようなことをする。お互いに足を引っ張らせて、庶民の生活を下へ下へと下降させていく。

 先日のNHKのドキュメント、女性の貧困をとりあげていたが、一家3人(母、高校生、中学生)がネットカフェで生活していた、すべての生活は貧困そのものを映し出していて(もちろん母も、高校生も働いていたのに・・)、中学生はほとんど登校していないようだったが、そういう家族にも援助の手は差し伸べられない。そういう家族がフツーの生活すらできないような国なのである。

 時事通信の配信記事。

「母に優しい国」、日本32位

時事通信5月10日(土)15時44分

国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンは「母の日」の11日を前に、「母親に優しい国」(母親指標)の最新ランキングを発表。日本は先進7カ国中で最下位の32位で、「最も優しくない国」はソマリア(写真)だった。

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読むべし、見るべし

2014-05-10 08:59:49 | 社会
 政治権力によってつくられた「情報」(そのなかには偽りのものもある!)が、宣伝され、人びとの意識を左右し、そしてそれによって権力にぶら下がっている者たちが利益を獲得し、「出世」をとげる。マスメディアは、そうしたサイクルの宣伝部門である。

 テレビはおバカ番組に占拠され、新聞も報道することはするが、人びとのこころを捉えないような報道をする。

 以下の海外記事は読むに値する。また国会の中継録画も見るに値する。知らなければならないことが報道されず、くだらない、どうでもよいことが流されているから、こういうところから情報を獲得するしかない。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-6c73.html
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歴史を学ぶ責任

2014-05-10 00:09:33 | 日記
 人生の半分以上を生きてきて、よもやこのような社会になろうとは思ってもいなかった。社会は次第に良くなっていくだろう、たとえ紆余曲折があろうとも、最終的にはよりよい状態へと進歩していくのだろうと思っていた。

 しかしそのような思いは、あまりにも楽観過ぎるような気がしている。ボクはあちこちで講演を頼まれるが、そのときには希望や未来を最後に語らなければならないのだが、それが素直にできなくなっている。

 ボクが現役でいるとき、収入のための仕事以外にも歴史の編纂事業をはじめいろいろなことを担っていた。市民運動に於いても、ボクが動けば必ず何らかの成果を獲得できるという自信をもっていた。

 だが、昨年末の特定秘密保護法成立(その日、ボクは国会脇で廃案を叫んでいた)、「集団的自衛権」行使への強硬的な動きなどに対する抵抗が弱いのだ。

 ボクも、「戦争をさせない1000人委員会・静岡」の結成などに協力をしているが、ひょっとしたら、日本はまた戦争をするのではないかという不安を抱くようになっている。戦争の歴史について、地域の資料をもとにして、その本当の姿を調べ、書いてきた者として、戦争というものがいかなるものであるのか、その認識は持っている。だからこそ、いかなる戦争にも加担すべきではないと思うのだが、今政治の中枢にいる者たち(過去の指導者と同様に、彼らは決して戦場には行かない)は、あたかもCGで戦争をするかのような軽い気持ちで、集団的自衛権を認めて、アメリカなどと一緒になって戦争をしようとしている。

 親の世代に、ボクは「なぜ戦争を阻止しなかったのか」と問うたことがあった。しかし今後、その問いがボクに投げかけられるかもしれない。

 今日、『週刊金曜日』が届いた。今週の「風速計」というコラムは、本多勝一が書いている。その末尾に、こうあった。

 ・・・・自分の住む星を核による自爆で破壊することさえやりかねない生物(人類)。そんな生物が、真にめざめるときは、来るものでしょうか。

 その問いに、ボクはどう応えてよいか、迷う。

 しかしそれでも、目覚めて欲しいという気持ちをもって、語り続けるのだろう。歴史を学ぶ者の責任、というものを感じるからである。


 
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隷属政権

2014-05-09 09:21:02 | 政治
 アメリカの意向をひたすら忖度し、過剰なまでにアメリカにサービスする日本の政治。その姿が、この『毎日新聞』記事にある。


秘密保護法:元NSC高官「法律なくても障害なかった」

毎日新聞 2014年05月08日 20時38分

 国の安全保障にかかわる情報を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法(昨年12月成立)に絡み、米国の国家安全保障会議(NSC)元高官のモートン・ハルペリン氏が8日、東京・永田町の衆院第1議員会館で講演。「法律がなくても、日米政府間の安全保障に関する協力に障害はなかった。法律は不要だ」と述べた。政府は国会審議で「米国などとの情報共有のために法律が必要」と強調してきたが、米国側の元高官がこれを否定した形だ。

 ハルペリン氏は「秘密保護法は(市民や記者ら)民間人も刑罰に問われる点が問題。内部告発者の保護も十分でない」と批判した。ハルペリン氏は核戦略の専門家。国防総省の高官として沖縄返還交渉にあたり、佐藤栄作首相の密使だった若泉敬氏との親交でも知られる。【青島顕】
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TPPは決まったのか

2014-05-09 09:03:59 | 政治
 日本は、米国への隷属度を1990年代くらいから強めているが、こんどのTPPで日本はアメリカ資本が「もっとも活動しやすい国」となるだろう。

 さて、昨日の『中日新聞』の「特報欄」。TBSと『読売』は、「聖域」とされていた農産物の重要五品目について、アメリカとの間で合意されたと報道している。

 「安い豚肉により高い関税をかける差額関税制度を維持する一方、1キロあたり最大482円の税率を15年程度かけて50円に下げることで合意。牛肉は現在38・5%の関税を10年程度かけて9%に」

 おそらく合意はしただろう。「尖閣」が安保条約の適用範囲であることをオバマに言わせるために(今までのアメリカ政府の主張と変わっていないことは以前記した)、農産物の関税で日本側が譲歩したのであろう。

 日本政府は、畜産農家を見捨てるつもりなのだ。合意事項に見られるように、15年、あるいは10年という長期間を設定している。急激ではなく、徐々に首を絞めていく。畜産農家は徐々に苦しくなっていく(今でも苦しいのだが)、しかし急激ではないので馴らされていく、そしてあたかも自然現象のように受け入れていく。

 ボクはアメリカ産の牛肉や豚肉などが安くはなっても、絶対に食べないだろう。アメリカの畜産は、まさに工場生産物であり、とにかくぎゅうぎゅう詰めにして育てていく。薬剤やホルモン剤の投与など、とても食べられたものではない。堤未果の『(株)貧困大国アメリカ』(岩波新書)をよめばそれがよくわかるはずだ。

 売国奴安倍は、売国企業トヨタなどの無国籍企業と手を結び、少数者の利益のために、国を売ろうとしている。

 しかし、日本国民には怒りがおきない。生活の暗転を、自然現象と同じように感じているからだ。

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南シナ海の島々のこと

2014-05-08 23:47:33 | 社会
 サンフランシスコ平和条約第二条に、以下の条項がある。敗戦後の日本の領土に関するものだ。

第二条

 (a) 日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

 (b) 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

 (c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

 (d) 日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保障理事会の行動を受諾する。

 (e) 日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に関する利益についても、すべての請求権を放棄する。

 (f) 日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。


 赤字にしたところ、ここは南シナ海にある島々だ。新南群島というのは、今の南沙諸島である。南沙諸島は、1938年から45年まで日本が支配していた。「新南群島」は、台湾の高雄市の一部であった。

 中国本土から遠いところにある南シナ海の島々。ベトナムやフィリピン、台湾、中国が領有権を主張しているところだ。それを中国がみずからの領土であることを主張する背景には、大日本帝国時代の痕跡がいまも残っているからである。

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大切にしたい企業

2014-05-08 20:04:27 | 社会
 まずは『中日新聞』記事。

「大切にしたい会社大賞」受賞 沢根スプリング

2014年5月3日

 ばね製造の沢根スプリング(浜松市南区)が、法政大などが主催する「第四回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で、中小企業部門の最高賞の中小企業庁長官賞を受賞した。創業以来、四十七年連続で黒字と好業績を確保しつつ、残業時間が少ないなど五十三人いる社員の幸せを最優先する経営が評価された。

 設立は一九六六(昭和四十一)年。約三十年前までは、自動車関連の下請けメーカーだった。脱下請けを目指し、八七年に国内で初めてばねの通信販売を始めた。九〇年に創業者の父の後を継いだ沢根孝佳社長(59)は「上から言われたことをやるだけで良かった右肩上がりの時代が終わり、会社永続のために差別化を積み重ねていくことが必要だと感じた」と振り返る。

 大口取引先の依存度を減らすため、小口の注文を集めた。最短二日で発送できる受注生産の取引先は約四百五十社。売上高に占める自動車関連の割合は三十年前の八割から四割に減らした。通信販売では約五千種類を即日発送しており、取引先は約一万八千社に上る。

 幅広い業種と取引するため、業績は景気に左右されにくく、創業以来の黒字を継続。好業績を支えているのが、社員第一の経営方針だ。「(社員の)人生を大切にする」などを掲げ、「80%主義」のゆとりある経営を進める。残業時間は平均月六時間以内、有給休暇の取得率は約八割という。

 年一回、社員全員が手記を寄せる文集「やらまいか」は今年で二十九年目。退職した社員には、過去に書いた文章を一冊にまとめて「自分史」として贈る。月一回、全社員が集まる懇談会は二十三年続いている。毎月の給料袋には、「社員の皆さん、ご家族の方々へ」と題した社長のメッセージを添える。

 沢根社長は「多品種少量生産の受注にきめ細かく対応するには、社員がやる気をもって仕事してもらうことが大切。業績と社員の幸せのバランスを取るのが経営だ」と持論を語る。

 同社について、審査委員長を務める法政大の坂本光司教授は「努力に努力を重ねて脱下請けを実現した。価値ある製品やサービスを生み出すのは社員。社員をとことん大切にした結果が好業績につながっている」と評価する。

 会社大賞は、過去五年以上にわたって人員整理や下請けへの一方的なコスト削減をせず、障害者雇用は法定雇用率以上など、厳しい応募条件がある。第四回は全国から二十八社が応募。大企業対象の経済産業大臣賞は該当がなく、同社など七社が入賞した。県内企業の受賞は初めて。



 ボクはこの会社を訪問したことがある。もうずっと前、10年以上前だ。もうそのときから、ここに記されているような会社だった。ボクは社長の話を聞いて感動した記憶がある。
 その頃は「ブラック企業」ということばもなかったが、社員を大切にする社風はこういう時代になっても全然変わっていなかった。

 しかし、新自由主義的な考え方が普及する以前は、あのアメリカの自動車会社・フォードだって、企業は利潤追求ではなく、生産されたものを購入する消費者、それをつくる労働者、そして生産現場の地域住民を大切にすることが重要であり、利潤追求はその結果としてある、という考え方であった。

 そういう健全な思考が消され、今は利潤追求のためには手段を選ばない野蛮な社会になってしまった。

 しかし沢根スプリングのような会社こそ生き残っていけるはずだ。企業訪問してからかなりの時間が経過したが、同社がこういうことで注目されることは、うれしい。


 
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ねつ造

2014-05-08 19:47:11 | 社会
 何でも利用できるものは利用しようという、日本の右翼。「翻訳者」の藤田某、どんな人かは知らないが、こういうねつ造を行う輩には倫理はない。対外的にも問題となるはずだ。

 下記は、おそらく共同配信記事。

南京虐殺否定を無断加筆 ベストセラーの翻訳者 

2014年5月8日 19時33分

 米ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長が、ベストセラーの自著「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)で、日本軍による「『南京大虐殺』はなかった」と主張した部分は、著者に無断で翻訳者が書き加えていたことが8日明らかになった。

 英国人の著者ヘンリー・ストークス氏は共同通信に「後から付け加えられた。修正する必要がある」と述べた。翻訳者の藤田裕行氏は加筆を認め「2人の間で解釈に違いがあると思う。誤解が生じたとすれば私に責任がある」と語った。

 同書はストークス氏が、第2次大戦はアジア諸国を欧米の植民地支配から解放する戦争だったと主張する内容。「歴史の事実として『南京大虐殺』は、なかった。それは、中華民国政府が捏造したプロパガンダだった」と記述している。

 だがストークス氏は「そうは言えない。(この文章は)私のものでない」と言明。「大虐殺」より「事件」という表現が的確とした上で「非常に恐ろしい事件が起きたかと問われればイエスだ」と述べた。

 藤田氏は「『南京大虐殺』とかぎ括弧付きで表記したのは、30万人が殺害され2万人がレイプされたという、いわゆる『大虐殺』はなかったという趣旨だ」と説明した。

 だが同書中にその説明はなく、ストークス氏は「わけの分からない釈明だ」と批判した。

 同書は昨年12月に発売、約10万部が売れた。ストークス氏単独の著書という体裁だが、大部分は同氏とのインタビューを基に藤田氏が日本語で書き下ろしたという。藤田氏は、日本の戦争責任を否定する立場。ストークス氏に同書の詳細な内容を説明しておらず、日本語を十分に読めないストークス氏は、取材を受けるまで問題の部分を承知していなかった。

 関係者によると、インタビューの録音テープを文書化したスタッフの1人は、南京大虐殺や従軍慰安婦に関するストークス氏の発言が「文脈と異なる形で引用され故意に無視された」として辞職した。(共同=ベン・ドゥーリー、木村一浩)


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be born and be killed

2014-05-07 19:46:11 | 日記
 今、畑作は農繁期である。キュウリやトマト、ズッキーニなどの苗を植え、サツマイモを植えるために畑を起こし・・・・毎日畑に通う。

 今日も畑に行き、畑を起こしていった。畑を起こしていくと、どこからか小鳥がやってくる。そして、掘り返された土のなかにミミズはいないかを探す。いつもの光景だ。平和な風景。青い空、心地よい風・・自然の中で労働する喜び。

 そして家に帰る。ネットでニュースをみる。ウクライナでの虐殺、イスラム過激派によるナイジェリアの女子学生の誘拐・・・陰惨な事件が多発している。

 高校生になった頃、ベトナムで激しく行われていた戦闘。そのなかでボクと同じくらいの年齢の子どもたちの、アメリカ軍のナパーム弾攻撃により上半身が焼けただれた写真を見た。そのとき、もちろん日本の国内では戦闘はなかったから、平和な日々をボクは送っていた。しかし、ベトナムと日本のそのギャップに、ボクは愕然とした。想像力をすこし働かせるだけで、ベトナムの子どもたちの苦悩が推測できた。

 何とかしなければならない、とボクは思った。それが平和問題に開眼したきっかけであった。それからずっと平和を求め続けてきた。だが、世界は平和にならない。米ソの冷戦が終わったと言われたとき、ボクはこれでやっと世界は平和になると思った。

 しかしそうではなかった。平和は、やってこなかった。その背後に、冷戦がなくなったことで儲けることができなくなった「死の商人」たちと、もちろん武器を製造している会社が、世界各地に紛争の火をつけるようになった。そのなかで、新たな対立が生まれていった。今まで何の対立もなく生活していた隣人同士が憎しみあい、ひどい場合には殺し合うという状況が生まれた。旧ユーゴ、中東、そして旧ソ連圏の諸地域・・・。世界各地で、殺しあいが行われている。

 人間は生まれてきて、学び、働き、自らの生を楽しみ、美しい自然を見て感動し、結婚し子孫を残し・・そして死んでいく。人間の誕生は受け身だ。しかしだからこそ、人間は「生まれてきてよかった」という思いをもって生きそして死んでいかなければならない。

 だが、世界各地では、そういう人生とは無縁の生を強いられている人びとがほんとうにたくさんいる。何とかしなければならない、と思う。

 自らの力のなさを感じる。

 想像力。他者がどういう状況で生きているのか。

 共感力。他者がどういう苦しみを抱きながら生きているか。

 こういう力を、もっともっと欲しいと思う。

 「生まれてきてよかった」という思いを、すべての人間がもてるような世界にしたい。なんといっても、受け身で、この世に誕生させられたのだから。
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報道されないこと ウクライナ

2014-05-07 12:37:13 | 社会
 ウクライナの混乱は、アメリカをバックとしたファシストたち、「右派セクター」という第2次大戦前からのウクライナ・ファシストの面々が、つくりだしている。

 彼らは、旧ソ連や旧ユーゴで起きた様々な軍事行動に加わってきた。世界の覇権をめざすアメリカは、ロシアをみずからの支配下に置くため、様々な紛争をつくり出してきたが、その尖兵として、ウクライナ・ファシストは活用されてきた。

 さて、5月2日、ウクライナのオデッサで、驚くべき惨事が起きた。しかしこれは報道されない。その理由を考えて欲しい。
 
 どういう事件か。 

 5月2日、親欧米派のデモ隊とロシア系住民とのあいだで衝突が起きた。石や火炎瓶が投げられ、少なくとも4人が死亡した。そして、親ロシア派住民が立てこもった労働組合の建物が放火され、46人が死亡、200人以上が負傷した。「右派セクター」といわれるウクライナ・ファシストによりビルに閉じ込められ、火をかけられて、焼き殺されるという事件だ。

 実はこれは、独立メディアでは報じられている。下記に、その記事を翻訳したホームページを紹介するが、そこに掲載された写真は、ショッキングなものであるので、注意してほしい(このHPの最初から、凄惨な写真が掲載されている)。しかし、これがウクライナ・ファシストが行っていることだ。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4bc4.html

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337
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