心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

㉘催眠体験のために

2019年10月30日 | 催眠誘導

包丁一本で料理をするよりも

一つ一つの調理シーンに適した道具や器具があった方が

何かと助かることがあります。

 

それと同じで催眠によるイメージや暗示等は、

心の問題や悩みを解消したり、軽減するための助けにこそなれ

邪魔にはならないものです。

 

とは言え、

催眠状態という未経験の新しい世界に飛び込む際には、

(実は普段の生活で何度も経験をしているのですが)

躊躇する気持ちになっても不思議ではありません。

 

そのような気持ちを少しでも解消、軽減して頂き、

安心して催眠を体験して頂くために

催眠誘導のカテゴリーで色々と書かせてもらいましたが、

何か抜け落ちている所もあるかと思います。

 

なので、催眠体験をすることについて

ご質問があればコメントやメールで

ご遠慮なくお寄せ下されば助かります。

 

私の方もふっと思いついたことがあれば

今後のブログ内でご紹介させて頂こうと思っています。

 

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㉗効果の持続力

2019年10月28日 | 催眠誘導

十分な催眠状態にある被験者が望む暗示を

催眠誘導者から与えられると被験者は暗示に反応をしますが、

反応の程度やどれ位の間その反応が続くのかは様々です。

 

例えば、

東京タワー展望台の透明のアクリル板の上に立てない人に

その場所に立つと「普段と同じ気持ちでいられる。」的な暗示を

シンプルに与えた場合、その人が望んでいることであれ

その人の元々の反応とは真逆の反応を促す暗示となります。

 

そのような暗示を与えられた被験者の反応は、

その場に立つことを自由に拒否できる状況では、

わざわざ暗示に反応をしてまで不快な状況に身を置きたくないとして

無意識が拒否をすることもありますし、

 

新しい体験をしてみたいと暗示を受け入れて

新体験を楽しもうとする人もいます。

 

その場に立つことを強く求められている状況だとすると

(テレビのバラエティー番組等)

平気であろうと怖くあろうとどっちにしろ

その場に立つことになるのだから暗示を拒否して怖い体験するよりも

暗示を受け入れて怖くない体験をしようとして

無意識が暗示を受け入れる選択を取りやすくなるのですが、

 

お笑い芸人さんのように特殊な立場の場合、

怖いままの方がおいしいと意識的、無意識的に判断して

暗示を受け取ることを拒否する人もいます。

 

そして、普段の反応とは真逆の暗示に反応を示した人の場合、

その時のその場に立っている間だけは反応を示して

その場から離れると催眠反応を完全に解除する人もいますし、

 

その後も立たなければならない状況になると、

自ら催眠反応を呼び起こして再体験をする人もいますし、

誘導者の助けがある時だけ再び同じ反応を示す人もいます。

 

また催眠体験から被験者の無意識が何かをつかみ取り

同じような高所レベルである場合には催眠状態に入らずとも

催眠体験前よりも平常心でいられるようになる人もいます。

 

誘導者が暗示をシンプルに与え、

被験者に反応の仕方を任せた場合には

上のように様々な反応を示すことになります。


心の問題や悩みを催眠で解決したいと思って

相談に訪れた方から催眠にかかって問題が良くなったとしても

「その暗示は解けないんでしょうか。」「どれ位継続するのでしょうか。」

と言った質問を受けることがありますが、

 

心の問題や悩みに対して誘導者が被験者が望む暗示を

シンプルに提供した場合の反応も上の反応と同じで

被験者によって様々な反応をしめすことになります。

 

催眠体験を楽しむ場合は、それでも十分だとは思いますが、

催眠療法の場合は、効果の程度を被験者側にまるっと委ねるのでは

催眠術師としては成り立つとは思いますが、

催眠療法としては成り立っているとは言えません。

 

なので被験者が望む反応が恒久的な反応となるように

シンプルな暗示が被験者にとって自然で無理のない暗示となるよう

様々な働きかけを行うことになります。

(この取り組みが骨が折れるところではあるのですが。)

 

被験者がどんなに催眠状態にあろうとも

被験者の無意識の同意、納得、了承、安心がないままに

催眠誘導者の都合や意思や考えだけで

被験者の心を操るようなことは出来ないんですよね。

 

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㉖笑い

2019年05月20日 | 催眠誘導

被験者を催眠状態に誘導する際に、

リラックス誘導を行うことは効果的な方法なのですが、

私の場合は、リラックス誘導を省いて催眠誘導を試みています。


厳密に言うと呪文的、定型的なリラックス誘導を行っていないだけで、

ちょこちょことしたリラックスを誘う働きかけはしています。


被験者が催眠状態に至るために、

拡散している意識状態から集中した意識状態へとなることが

大切な条件となるのですが、被験者がその状態に至れるように、

催眠誘導者は援助するのですが、その援助方法には、

大きく分けて3つの路線があります。

 

一つは、これまでも何度か出て来た

被験者をリラックス状態に誘導すること。


周りへの様々な気遣いや注意を払うことや雑念等から自分を解放して

催眠状態に必要なことに意識を集中することが出来ます。


一つは、緊張状態を活用します。

 

緊張状態にある意識をリラックス状態へと変えようとせずに

緊張状態を引き起こしている複数の要因を

4つから3つ、3つから2つ。2つから一つと、

一つの緊張要因に意識を絞っていきます。


私の場合、これについて知識としてある程度の理解していますが、

長年の催眠誘導経験の中で一度も試みたことがないので、

得意も苦手もないんですよね。


似た路線で、前にも紹介させて頂いた驚愕法と言われる

驚かせたり、被験者の意識を別のものに向けて

無意識の防御をかいくぐる方法もあります。


この方法も、同じで私は試みたことはありません。


一つは、何て言うんだったか、

ここでは会話法とでも言っておきましょう。


簡単に言うと例えばですが、

街に買い物に出かけたら全くの偶然に

凄い形相をした犬に追いかけられていたBさんと出くわした。


A「◯◯さん。久しぶりですね。」

B「あっ◯◯さん。久しぶりですね。」

(Bさんは、犬に噛まれてしまいました。)

のような感じです。

 

Aさんに話しかけられる前のBさんの意識は、

Bさんの目的(怒っている犬から逃げる)に向けられている状態ですが、

Aさんに話しかけられたことで、

Bさんの意識は、犬からAさんにシフトしています。

 

ラジオから流れる懸賞応募方法を聞こうとしている時に、

誰かから話しかけられると混乱するように、

二つの情報を同時に処理することは普通の人なら困難です。

 

その理屈と同じで、被験者と会話をすることで被験者の意識を

催眠体験に必要なことにだけ意識を向けるようにします。


この方法は、なかなか効果的ではあるのですが、

この方法だけで被験者を催眠状態へと導くには

相当な熟練度がいると思われますので、

いくつかの技法をミックスをして行う方が良いかと思われます。


私の催眠誘導は、リラックスを土台にしているので、

被験者の言葉遣い、表情、呼吸、身体の動き、姿勢を観察して、

緊張度合が高いと判断すれば、

催眠誘導よりも緊張をほぐす働きかけをすることを優先します。


被験者の緊張を徐々にほぐしていく方法としては、

色々とややこしい部分もあるのですが、ややこしい部分に注目せずとも、

普段のコミュニケーションと同じで、

冗談を言ったり、とぼけたことを言ったりするのも

緊張をほぐすのに効果的な方法で、

これって、ナンパをする際にも良く言われていますよね。

声を掛けたら、まず女性を笑わせること。(関西限定かな?)


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㉕無防備

2019年01月25日 | 催眠誘導

リラックス状態になることは

危険に対する備えを解除することになります。

 

誘導者が被験者をリラックス状態へと導くために、

誘導者が一定の誘導技術を身に付けておくことも

大切なことではあるのですが、

 

快適な室温、落ち着ける空間等、

催眠誘導に出来るだけ適正な環境を整え、

誘導者への信頼を得ること等が、

一定の技術を身に付けるのと同等に

重要な要素になります。


誘導のための適正な環境ですが、

空間の色調、広さ、様式、雑音等々、

全ての被験者にとってピッタリと当て嵌まると

言えるようなものはありませんが、

以前、書かせてもらったことを参考にして

環境を整えておくことになります。


誘導者は、被験者から

全面的な信頼を得れるに越したことはありませんが、

初回面接で大きな信頼を得なければならないと思うと

心にゆとりがなくなり逆に作用することがあります。

 

なので初回の面接である程度の信頼を得て、

次回、その次と面接、誘導を繰り返しながら

信頼が増していけば良いと思って取り組む方が、

却って良い結果に繋がるように思います。

 

面接、誘導毎に、

被験者が環境を受け入れ、馴れ親しんでもらい、

誘導者への信頼を深めてもらえただけ

被験者のリラックス状態が

深まっていくことになります。


前回、催眠におけるリラックス状態、催眠状態は、

睡眠状態ではないと言いましたが、

適正な環境が整い、ある程度の施療者への

信頼が得られたとしても、

 

一定の誘導技術を備えていないと、

被験者を全くリラックス状態へと導けなかったり、

睡眠状態へと入っていることを

見過ごしたりしてしまうことがありますが、

 

それとは別に、

誘導者が一定の技量を備えていたとしても

被験者の最後の防衛とでも言いましょうか、

リラックス状態にならないように

無意識に睡眠状態に入る選択をする被験者がいます。


リラックス状態から集中力が途切れて、

睡眠状態に入ってしまう場合には

まだ良いのですが、

被験者の防衛によるものである場合には、

誘導前に解決しておかなければならないものが

残っている可能性があることを示しています。


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㉔リラックスと催眠

2019年01月23日 | 催眠誘導

催眠誘導を行う時に、被験者に対して

リラックス誘導を行うことが一般的です。

 

その結果、被験者がリラックス状態へと至ったとしても、

被験者がリラックス状態にあるのであって

催眠状態にあるとは限りません。

 

リラックス状態と催眠状態とは、

同じものではありません。

 

被験者をリラックス状態に導くのは、

催眠状態へと至ることを邪魔する

顕在意識(論理的思考力、計算、等)の働きを

弱めることが目的で、それによって

潜在意識(感覚、イメージ、気持ち、感情等)へ

コンタクトしやすくすることが目的です。

 

悩みの状態を解消、軽減するには、

悩みの状態を創り出している心の動きを直接的に

変えようとするよりも、

悩みの状態を維持している

それまでの何らかの心の反応パターンを

違う心の反応パターンに変更することの方が、

解決、解消しやすくなるのと同じです。


催眠誘導の場合は、

それまでの心のパターンを変えるというよりも

休息してもらうと言った方が近いかと思われます。

 

リラックス誘導を行う際には、

被験者が睡眠状態にならないように

十分に注意しなければなりません。


被験者が寝息何て立て始めたらもう要注意です。

催眠誘導の初心者は、被験者が睡眠状態へ

両足を踏み入れていることに気が付かないまま、

何らかの暗示を語ったり、イメージを語ったりしても、


睡眠状態では、

被験者と誘導者との繋がりは断ち切れていて、

被験者に施したその暗示やイメージは、

全くと言って良いほど無意識に届かず、

ただ少しの間睡眠状態を体験してもらっただけになります。

 

催眠被験者を催眠体験へと導くために

リラックス誘導は、必ずしも必要な手法ではありませんが、

かなり効果的な手法の一つです。

 

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㉓不思議な心理状態

2018年12月10日 | 催眠誘導

催眠状態と言うのは、

訓練された催眠誘導者の誘導によって

初めて至ることが出来ると言うのではなく、

日常の中でも個人が認識しないまま

自然に催眠状態に入って、

自然に催眠状態から覚醒しているものです。


スポーツでは、催眠状態に入ったとは言わず、

「ゾーン」に入ったとか言いますし、

自分でもびっくりするような力を発揮した時には、

「火事場の馬鹿力」とも言われてますし、


何か不思議な感覚を感じたり観た時には、

「神秘体験」とも言われたり、

映画や小説の物語の中に自分が入り込んで

一体感を感じている時もそうです。

 

厳密に言えば催眠の心理状態とは

それぞれ少し違う心理状態なのかも知れませんが、

大枠で捉えたなら同じ心理状態を

別の言い方で表現していると

私は理解、認識しています。

 

人は、このような体験を昔からしていて、

この不思議な心理状態に気が付き興味を持った人が、

コントロール下に置こうとして

色々な方法が試され考え出されました。

 

一定のリズムで鐘や太鼓を鳴らし続ければ

導けることを発見した人は、

その神秘性や魔術的な様子から、

宗教的、魔術的儀式として行うようになりました。

 

難行苦行を行ったり、その逆の切り口の瞑想によって

到達できることを発見した人は、

その不思議な心理状態を悟りの境地と結び付けます。

※決して間違いではありません。


精神医療的な分野として役立てることが出来ると

考えた人は、分析、研究をして

考え出された導く技法は、

今日の催眠誘導の技法の基盤となっています。


ちなみに催眠という名称は、1840年頃、

ジェームス・ブレイドというイギリスの医師が、

催眠状態にある被験者の様子が

眠っている様子と似ているので、

ギリシャ語の眠るという意味の単語「HYPNOS」(ヒプノ)から

「HYPNOSIS」(ヒプノシス)と名付けたもので、

日本の名称も眠りを催すとして「催眠」とされています。


あくまでも様子が似ているというだけで、

催眠状態の人は、寝ている訳ではありません。


この被験者の様子の所為なのか、ネーミングの所為なのか、

催眠を体験していない人の中には、

催眠状態になると、寝ている状態のように

意識が全く無くなり、意識が全く無い状態の中で

色々なことが行われると誤解していることも

少なくありません。


ゾーンと言われる状態に入った時、

火事でタンスを抱えて避難する時、

映画や小説に入り込んで一体となっている時、

どう見ても、どう考えてもスヤスヤと眠っていませんよね。


眠ってしまうとそれはもう催眠状態ではなく、

ただの睡眠状態でしかありません。

 

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㉒被験者の協力

2018年12月08日 | 催眠誘導

今更ですが、他者催眠による催眠体験は、

催眠誘導者の心理誘導によって

被験者にもたらされるものであって

妖術や魔法によってもたらされるものではありません。

 

妖術や魔法ではないので、

催眠を誘導する者が、怪しげな呪文を唱えたり、

「いえ~い!」と奇声を発したとしても

それにはあまり意味がありません。


威光暗示として用いて

何らかの効果を上げることがあるので、

ここでは無意味とするのではなく

あまり意味がと書かせてもらいました。


催眠誘導は、妖術や魔法ではなく

心理誘導なので催眠誘導を成功させるためには、

被験者の協力が必要になります。


一番重要な協力は、

被験者が催眠体験を了承してくれることであり、

そして、被験者が催眠体験を求めてくれることです。


その大前提があった次に、

催眠体験に重要だとされている

リラックスと意識集中とイメージへの

催眠誘導者の働きかけへの協力が求められます。


これらの協力については、

難しいことでは無く、

呼吸のリズムを整え、リラックスをして

誘導者の言葉を素直に受け入れるだけです。


誘導者は、リラックスしましょうと

協力を求めることも出来ますが、

それではハードルが少し高いかもしれないので、

身体の力を抜きましょうとか、

お腹でゆったりと呼吸をしましょうとか、

被験者がリラックス出来るイメージについて

語りかけるかも知れません。


被験者は最高レベルの力の抜き方を

達成する必要はなく、

その時の状態から1ランク分でも力が抜ければ

被験者は十分な協力をしたことになりますし、

 

そうしていると次第に身体の力が抜けて

少し前の自分の身体の感覚とは

違ってきていることに気が付くかもしれません。

と誘導者から話しかけられたら、

その違う感覚を感じてみることが協力です。


そして、

身体から力を抜くことが難しいようなら、

そのことを誘導者に伝えてあげることも

協力の一つです。


お腹で呼吸をすることが難しい場合には、

椅子ではなく、マットかベットのような柔らかな上に

ゴロンと仰向けになるだけで

自然とお腹で呼吸を行うことが出来ます。


そして、

「今あなたは、お腹でゆったりと呼吸を繰り返しています。」

と、誘導者が話しかけたのであれば、

その自分の呼吸を感じることが協力となります。


誘導者は、緊張してガチガチの状態の被験者に

身体の力が抜けていると言うことも、

緊張がほどけず胸で呼吸をしている被験者に、

お腹でゆったりと呼吸をしていると言うはずもなく、

被験者の状態を描写しているだけなので、

簡単に協力は出来るはずです。

 

催眠状態は、特別で特殊なものだと考えがちで、

そのための協力もまた難しく考えてしまい、

催眠誘導者がハイレベルの状態を求めていないのに、

こんな力の抜き方では駄目だとか、

こんな呼吸の仕方では不十分だとか、

被験者自身が協力のハードルを上げて

催眠体験を難しくする被験者も少なくありません。


これは自分が好意を持っている相手から

好きだと告白されているのに

いやこんな私は好きになってもらうに値しないと

告白を拒否するような訳の分からない行為と

似ているようにも思えます。


もっと力を抜かなければ、

もっと呼吸を整えなければ、

もっと集中をしなければ、

もっと気持ちを落ち着かせなければ、

もっと上手にイメージをしなければ。。。

 

それらは誘導者が被験者に求めている協力ではなく、

頑張りの領域に入ります。


誘導者は、被験者に自然で無理のないことを提示し、

段階的に被験者を催眠状態に導いていきます。

 

被験者は、馬鹿馬鹿しい位に

自然でシンプルな誘導者からの提示を

そのまま受け入れてもらうことで

自然と催眠状態へと至ります。

 

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㉑優位性

2018年11月01日 | 催眠誘導

催眠療法を営んでいる私達は、

そうでない人達と比べると

被験者を催眠に誘導することにおいて、

有利な立場にあるんですよね。

 

ここで言う有利な立場にあるというのは、

技術レベルが、どうこうと言う話ではありません。


催眠療法を前面に出している所に限らず、

手法の一つとして催眠療法を掲げている所に

相談に訪れる方は、

催眠に何らかの興味を持ってくれている人です。

(心理療法のみで取り組むこともあります。)


催眠をネットや本で学んだり、

催眠誘導の講座で学んだりして、

ある程度の知識と技量を持っていたとしても、

催眠を誘導する機会がそうはありません。


まさか街行く人を呼び止めて

「催眠かけさせてくんない?」

なんてお願いしてもOKしてくれる人には

まず出会えないと思いますし、


喫茶店とかで離れた席で

珈琲を飲んでいる人に向けて

「あなたは眠くな~る。」とかやるのは、

ただの笑い話にしかなりません。

 

なので、友人達が集まったお酒の場で行ったり、

部屋に遊びに来た友達や彼女に

催眠をかけさせてくれない?

なんて所から始めなくてはなりません。


そのような場で被験者になってと頼まれた方も

ふたつ返事で「良いよ。」

なんて言ってくれる人は、そういませんし、

OKを出してくれたとしても、

頼まれた方も遊び感覚での返事なので、

真剣さに欠けたりしますし、


思いがけずに催眠現象を体験したら、

ビックリして途中で止めてしまう

ことだってあります。


これって難易度が相当に高い状況なので

戦略的に進めて汗をかく必要があるので、

このような条件下で私がするとなると、

催眠について軽く振ってみて、

食いつきが弱いと、その先はやらずに終える感じですね。


つまり、看板をあげている私達は、

誘導技術の高さ云々の前に、

それだけアドバンテージを持って

被験者を誘導をしていることになります。


集中できる環境と柔らかな音楽が流れる室内で、

被験者の催眠体験のための心の準備が整えば、

もう催眠体験は、90%成功したようなものです。


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⑳準備

2018年10月24日 | 催眠誘導

催眠被験者が催眠体験を成功させるには、

催眠体験のための心の準備を

整えることが重要となります。


被験者に心の準備が整っていない場合には、

催眠誘導者は、整えるために汗をかきますし、

被験者には、誘導者の働きかけに

前向きに協力してもらう必要があります。


催眠体験を成功させるためには、

催眠誘導者と催眠被験者が同じ方向を見て

互いが協力することで成功することが出来るのです。


被験者の心の準備が整っていないままに

誘導者が催眠誘導を押し切ろうとすると

成功を得られないばかりか、

被験者の抵抗を強めてしまいかねません。


このようなことは、

意識のレベルで起きると言うよりも

無意識のレベルで起きます。


催眠誘導者が高い技術と人間性を備えていればいるほど、

被験者の足らずを補ってくれるので

被験者が催眠体験出来る確率が高まりますし、


催眠誘導者の足らずが多い場合でも

準備が良く整った被験者であるなら

一応の催眠体験を持つことが出来ます。

 

被験者が催眠に入れる人、入れない人と言うのは、

個体の生物的な構造の違いとかでは無く、

誘導者の技術レベルと被験者の心の準備のレベルを

掛け合わせたものが

催眠体験が出来るラインを越えているか、

越えていないかによって決まります。


催眠誘導者は、誘導に関する最低限の技術レベルを

有することは大切なのことではあるのですが、

被験者の心の準備を整えることを援助する技術は、

それ以上に大切なものとなります。

 

そのことは、何も催眠誘導だけでなく

クライアントが心の問題を解決、改善するためや

心の成長に関する心理療法においても同様です。


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⑲後からそれは起きた

2018年10月12日 | 催眠誘導

まだ私が、東京クリア研究所で

催眠療法に取り組んでいた時のお話ですが、

一人の男性と共に

会食恐怖の改善に取り組みました。


過去に受けたことのあるカウンセリングが

その男性にどのような影響を

与えたのか分かりませんが、

その男性は、催眠入ることに拘っていました。


初回面接で催眠誘導を行ったのですが、

上手く催眠に誘導が出来ません。


その後、良い反応が得られないまま

数回の施療を催眠誘導に費やした時に、

催眠は一旦横に置いて

問題解決に主眼を置くことを提案しましたが、


その男性は、催眠誘導を求めたので

色々な角度から催眠誘導を試したのですが、

その男性は十分な催眠に入ることが

出来ないままでした。


0回目を過ぎた頃だったでしょうか、

その施療の終了後に、

男性から「施療の費用を捻出できないので

今回の施療が最後にさせてもらうつもりです。」

との告白がありました。


私は、今まで来て頂いたことに感謝した後に、

最後にもう一度だけ

確認させてもらいたいことがあると言って、


催眠に入ることが目的だったのか、

外食が出来るようになることが目的だったのかと

と質問をすると、

当然のことながら男性の答えは、

外食ですと返ってきます。

 

そこで、私はある提案をしました。

私の次かその次の休日に

一日付きあってもらえるかどうか。


そして、

それがOKであるなら

あなたの問題が改善出来るかどうかは、

約束できないけれども

施療室で出来ない取り組みを

したいと思っていること。

 

男性からOKをもらったので、

さらに続けて、

その日に私が男性に求めることに

絶対にNOを言わないことを

約束できるかどうか。


それにもOKをもらって取り組んだことは、

男性にとってかなり厳しい取り組みでしたが、

男性が、最後まで頑張りぬいてくれました。

そして、

夕方には、私と一緒にファミレスに行って、

ほぼ満席の店内で食事をとれるレベルまでに

なっていました。


そして、面白いことが起きます。


食事をとっている時に、

男性が催眠を体験したかったなあと言ったので、

ならばとテーブルで向かい合わせのままで

催眠誘導を行うと、

あれほど催眠に反応しなかった男性が、


ものの数分で椅子から立てなくなり、

自分の名前が言えなくなり、

テーブルを軽くコンコンと叩くと

いくら本人が座ったままでいようとしても、

立ち上がってしまうまでになります。


問題が改善し、催眠も体験出来た時の

男性の満足した表情は忘れることが出来ません。


問題が改善したことで

男性に働いていた催眠体験を邪魔する

三大要因の何かが消えたようです。


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