被験者を催眠状態に誘導する際に、
リラックス誘導を行うことは効果的な方法なのですが、
私の場合は、リラックス誘導を省いて催眠誘導を試みています。
厳密に言うと呪文的、定型的なリラックス誘導を行っていないだけで、
ちょこちょことしたリラックスを誘う働きかけはしています。
被験者が催眠状態に至るために、
拡散している意識状態から集中した意識状態へとなることが
大切な条件となるのですが、被験者がその状態に至れるように、
催眠誘導者は援助するのですが、その援助方法には、
大きく分けて3つの路線があります。
一つは、これまでも何度か出て来た
被験者をリラックス状態に誘導すること。
周りへの様々な気遣いや注意を払うことや雑念等から自分を解放して
催眠状態に必要なことに意識を集中することが出来ます。
一つは、緊張状態を活用します。
緊張状態にある意識をリラックス状態へと変えようとせずに
緊張状態を引き起こしている複数の要因を
4つから3つ、3つから2つ。2つから一つと、
一つの緊張要因に意識を絞っていきます。
私の場合、これについて知識としてある程度の理解していますが、
長年の催眠誘導経験の中で一度も試みたことがないので、
得意も苦手もないんですよね。
似た路線で、前にも紹介させて頂いた驚愕法と言われる
驚かせたり、被験者の意識を別のものに向けて
無意識の防御をかいくぐる方法もあります。
この方法も、同じで私は試みたことはありません。
一つは、何て言うんだったか、
ここでは会話法とでも言っておきましょう。
簡単に言うと例えばですが、
街に買い物に出かけたら全くの偶然に
凄い形相をした犬に追いかけられていたBさんと出くわした。
A「◯◯さん。久しぶりですね。」
B「あっ◯◯さん。久しぶりですね。」
(Bさんは、犬に噛まれてしまいました。)
のような感じです。
Aさんに話しかけられる前のBさんの意識は、
Bさんの目的(怒っている犬から逃げる)に向けられている状態ですが、
Aさんに話しかけられたことで、
Bさんの意識は、犬からAさんにシフトしています。
ラジオから流れる懸賞応募方法を聞こうとしている時に、
誰かから話しかけられると混乱するように、
二つの情報を同時に処理することは普通の人なら困難です。
その理屈と同じで、被験者と会話をすることで被験者の意識を
催眠体験に必要なことにだけ意識を向けるようにします。
この方法は、なかなか効果的ではあるのですが、
この方法だけで被験者を催眠状態へと導くには
相当な熟練度がいると思われますので、
いくつかの技法をミックスをして行う方が良いかと思われます。
私の催眠誘導は、リラックスを土台にしているので、
被験者の言葉遣い、表情、呼吸、身体の動き、姿勢を観察して、
緊張度合が高いと判断すれば、
催眠誘導よりも緊張をほぐす働きかけをすることを優先します。
被験者の緊張を徐々にほぐしていく方法としては、
色々とややこしい部分もあるのですが、ややこしい部分に注目せずとも、
普段のコミュニケーションと同じで、
冗談を言ったり、とぼけたことを言ったりするのも
緊張をほぐすのに効果的な方法で、
これって、ナンパをする際にも良く言われていますよね。
声を掛けたら、まず女性を笑わせること。(関西限定かな?)
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計