心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

3・3・3のイメージ

2012年06月28日 | 心理カウンセリング


今回は、ちょっと硬めの話になるのですが、

話を聞くと、さっきのクライアントと同じ相談内容。

ではと、同じアプローチをしたからといって

同じ結果を得られるとは限りません。



それは、

一人一人の成育歴、それまでの人生経験、思考力、

行動力、知識、環境、状況等々が違う事からなのですが、

ここで、そんな細かなことを一つ一つ取り上げても切りが無いので、

私の場合、ざっくりしたポイントがあります。



まず、三つの心の規則

「~でなければならない。」「~しなければならない。」と、

「~であってはならない。」「~してはならない。」と、

「~である。」の存在。



そして、

これらが自分に向けたものか、相手に向けたものか、境遇に向けたものか、

自分に向けたものとして、

「私は、それを成功しなくてはならない。」

「私は、それを失敗してはならない。」

「私はいつだってそうだ。」


誰かに向けたものとして、

「あの人は、私を大切にしなければならない。」

「あの人は、私を軽く扱ってはならない。」

「あの人が関わるといつも~だ。」「あの人は、ああいう人だ。」



境遇に向けたものとして、

「こんな会社にしか就職できなかった。」

「私の周りにはろくな人間がいない。」

「このままの自分では、幸せになれるとは思えない。」

「どうして私は、不幸ばかりに見舞われるのだろうか。」



そして、その感情は、

どの出来事(未来、現在、過去)に強くリンクしているのかになります。

心は、時間軸の間を自由に行き来し、未来、過去に存在することが出来るのですが、

それによってネガティブな感情を感じるのは現在の自分です。



心がネガティブな過去や未来を覗いてネガティブな感情を持っていた場合、

それを感じているのが現在の自分であったとしても

心理療法で扱うのは過去の出来事であるし、未来の出来事になります。



簡単に言うと、

現在の自分が健康であるのに関わらず、

その人が健康に関してネガティブな感情を体験しているとしたなら

現在の状態について扱っても効果は得られにくくなりますし、



現在の健康がすぐれないことが発端となり、

心がもっと大変な状態であった過去へと移動し、

その当時の苦しさや辛さを再体験していたり、

もっと事態が悪くなるのではと、そのような未来を想像し

現在の自分が持つ必要のない大きなネガティブな感情を体験していたとしたなら、

未来や過去を扱うよりも、

現在の健康を取り戻すことに重点を置いた方がより効率的になります。

これらを合わせたのが3・3・3のイメージです。



人前で話す時にあがってしまうことを軽減、または解決しようとする時、

その人が心の中に描いているイメージに合わせて

アプローチをしなければ、そのアプローチは空回りをすることになります。


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増税法案可決

2012年06月27日 | ライフ


26日、消費税増税法案が衆院本会議で可決したようですね。

名目としては、社会保障を維持するためとありますが、

実質は、日本政府の借金返済のため、

または、今までのように借り入れが出来るようにするための

その場しのぎ対策であることは明白です。



どう考えても1000兆円と言われる訳の分からない借金を

普通に返済することなど不可能であることは

ちょっと考えれば分かります。



会社で言うなら倒産を先送りにしているだけでしかないのですが、

この借主である政府は、絶大なる権限を持っていますから、

「バーリ・トゥード」の何でもありで、

必殺の紙幣発行権や徳政令(債務免除)や借金返済猶予期間の通告などを実地それば、

民間の企業とは違って

どんなにでたらめな経営をしても倒産することはないようです。

(日本社会に暴風雨が吹き荒れるとは思いますが。)



そもそも何でこんなに借金が膨れ上がったのか、

バブル期の税収が60兆円もあった時にすら借金が増えていますから、

税収があればあるだけ使ってきたようです。

国民の一人として1000兆円も何に使ったのか明細を知りたいと思うのですが、

知った所で、その借金に関わった人の責任を問える訳でもなく

「ワハハハハ。」と笑う声を聞いて終わりになるだけでしょう。



これからも、その時が来るまで

高尚な名目で真綿で首を絞められるように少しずつ税率をあげてくるのでしょうが、

仮にです。

国民の資産を全部取り上げる法案を可決すれば一気に政府の借金はなくなりますよね。

政府の借金を返す所は銀行や郵便局ですから、

銀行と郵便局は利子の分だけ利益を得ることになります。

でも、その元々のお金は国民の預貯金で、

銀行や郵便局のお金ではありません。

国民の資産が0になって、銀行と郵便局だけにお金が残ることになるような。



となると、違った見方をすれば

汗水流して必死に頑張って蓄えた国民のお金をですね、

政府が強制力を行使して銀行や郵便局が只取りすることに手を貸したことと

同じになるような気がするんですよね。



もし、そうだとしたら、これはもう泥棒です。

普通の泥棒であるなら戸締りをしっかりすればある程度防ぐことが出来ますが、

この泥棒が出現すると、どんなに戸締りをしても意味がありません。

こんな馬鹿なことが許される訳がありませんから、

きっと、そうはならずに政府や官僚の人達には秘策があると

信じようと思っています。

例えば、もう一先送りにして、

利子で得た利益は銀行、郵便局と預貯金をしていた人達とで分け、

残りの元金は預貯金をしていた人達に返還するとかです。



ここまで、経済について政治について特に詳しくもない私が

好き勝手に書いてきましたが、

ここで以前に読んだチョット面白い小話のことを紹介させて頂きます。



はじまり。はじまり。



昔々、ある所に活気もなくすっかり寂れてしまった町があったそうじゃ。

人々が借金を抱えて苦しい生活をしていたようじゃ。

そこに一人の旅人がやってきて、

町に一つしかないホテルに入ると、

受付に手付金として紙幣を預けて、お気に入りの部屋を選ぶためにボーイと一緒に

奥へと向かった。


ホテルのオーナーは、その紙幣をひっつかんで借金返済のために肉屋へと走った。

肉屋は、同じ紙幣を持って養豚業者へと走り、その金で借金を返した。


養豚業者は、そのお金を握りしめて、借金をしている餌代金と燃料代金を払うために

販売業者の元に走った。


販売業者は、つけで相手をしてもらっていた町の遊女への借金を返そうと

彼女の元に走った。


遊女は、そのお金を懐にしてホテルに走り、

カモを連れ込んだ時に借りていた部屋代を返済した。


ホテルの主人は、その受け取った紙幣をカウンターの元の位置に置いた。

丁度、その時、

部屋をチェックし終えた旅人がカウンターまでやってきて、

どの部屋も気に入らないからと手付として置いた紙幣をポケットにしまいこみ

町を出て行った。

誰も稼いではいないけれども、町中の誰もが借金を返し終わり、

町に活気が戻った。

おしまい。


こんな感じで、日本も上手くいくことを願いたいものです。


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耐性強化

2012年06月25日 | 雑感・愚見


「失敗は成功のもと。」

「雨降って地固まる。」

「若い時の苦労は買ってでもせよ。」

「獅子は千尋の谷にわが子を落とす。」

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。」

「かわいい子には旅をさせろ。」


これらの言葉が意味するように、

程良いストレスを経験することは、その人を強くするようです。



それらと同じで、精神面でも

程良く心が傷つくような体験をすると

きっとその人の心を強くすることに繋がるはずです。



主役じゃないと娘が傷つくと言い、

最後には25人の白雪姫が登場する演劇となったり、

かけっこで一番、二番と順番を決めることを廃止したり、

子供が他の人に迷惑をかけても子供を叱るどころか、

それぐらいで文句を言う方が悪いと子供を護る

親がいると聞いたりします。



西洋の文化や主義にならえで、

あるいは影響を受けてなのか、

個人主義が蔓延した結果、

損得勘定だけで物事を考え、

「勝てば官軍。」「言ったもの勝ち。」で

~したもの勝ちと考える人が増えて来ているのかもしれません。



でも、潤いある社会になるのではなく

殺伐とした社会になるような主義が

西洋の唱える個人主義の本質では、

決して無いように思えるのです。



個人主義がどうであるのかは、

ひとまず横に置いておいて、

損得勘定で考えてみても、

目先の、目の前の小さな勝ちに拘り、

狭い世界での勝ちに拘ると、

大きな勝ち、大きな喜びを手にすることを

難しくしてしまいます。



とは言え、

次のような体験は、程良く心が傷つく体験なのか、

心がぽっきりと折れてしまった体験になったのか、

どうなのかな。


私が同じ体験をいたとしたら胸の奥で

「ボキッ!」と言う音が聞こえるのは間違いありません。





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規格外の世界チャンピオン

2012年06月22日 | ライフ

史上初の日本人王者同士の王座統一戦は、

井岡一翔選手が八重樫東選手に判定勝ちを収めました。



この試合のように最初から最後までクリンチが少なく緊張感が漂い、

12Rがとても短く感じられる試合はそう多くありません。



ボクシングの判定では、物議を醸すこともすくなくありませんが、

今回の判定は、試合内容そのままで、

両者の差は、井岡選手が八重樫選手より

ジャブの的確さを上回った分だけの差ではないかと思っています。



勝利した井岡選手には、日本ボクシングの歴史の中でも

際立つチャンピオンになっていくことを期待していますし、

敗れた八重樫選手も、モチベーションを保ってもらい

世界チャンピオンに返り咲いてもらいたいと願います。



野球好き!サッカー好き!マジック好き!格闘技好き!

の私が大好きな世界チャンピオンの一人に、

ロイ、ジョーンズJrと言う規格外のチャンピオンがいました。



正統派スタイルの井岡選手とはちょっとタイプが違いますが、

私は、日本選手でこんなにワクワクさせてくれる選手が

いつか出てくることを待ちわびています。





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はやる心を

2012年06月21日 | 雑感・愚見



15日、ニック・ワレンダ氏が、ナイアガラの滝を

アメリカ側からカナダ側へ横断する綱渡りに挑戦し成功しました。

何でも綱の高さ60メートル、長さは550メートルだそうです。



この偉業と言うか、訳の分からないことと比べると

遥かに及びませんが、

子供の頃は、友人と高いブロック塀を見つけては

その上を落ちることなく渡り切れるかどうかを競ったものです。



ブロック塀は、まあどれも同じ幅なので、

高さがどうであれ、

風が強くなければ1メートルの長さが渡り切れれば、

少々距離が延びても後は、

それと同じことを繰り返すのですから同じはずです。


また、塀の高さも

1メートルでも10メートルでも同じのはずなのですが、

ちょっと危険を感じる高さになって来ると

心が止めろ止めろと言う心の声と

恐さと言う感覚で訴えてくるので、

高さに比例するように運動能力が削られてしまいます。



でも思い返せば、失敗した時の一番多かった原因は、

ゴールがそこに見えて来て、

後もう少しになってきた時に、

焦りや早くゴールをとの思いが勝ってしまい

それまで1メートル先の足元のブロック塀に向けていた視線を

ついゴールに向けてバランスを

崩してしまったことだったように思います。



スタートを切ってもう引き返せない所まで来た時に

恐れや不安や迷いを克服するのが第一関門、

まだ遠かったゴールがすぐそこに見えてきた時の、

早く手にしたいの色気や早く終わらせたいの安堵感への

はやる気持ちを克服するのが最終関門。


この最終関門がなかなか曲者で、

このボスキャラは派手な登場はしませんが、

スーと忍び寄ってきて、それに気が付かないと

「あー!」「ギャー!」でドスンします。


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観察力の話

2012年06月18日 | 見方、捉え方

人の観察能力について、

ハーバード大学のクリストファー・チャブリスと言う人が制作した

チョット面白い映像をご紹介。


この映像は、前にテレビで紹介されたので見た人がいるかと思うのですが、

見たことが無い人にとっては非常に面白い映像となるはずです。



映像では、白の服を着たチームと黒の服を着たチームが

白チームは白チームで、黒チームは黒チームでバスケットボールをパスします。

そこで問題。

黒チームの動きに惑わされないように、

白チームは何回パスをしたのかを数えてることが出来るかのテストとなっています。






答えは、13回。

さて、ちゃんと数えられたでしょうか。

でも、それで終わりでありません。

実は、このテストの本当の目的は別の所にあります。

それは、


















映像が始まってから少しして、

パスには全く関係のない熊の着ぐるみを着た人が、

画面の中央をムーンウオークをしながら横切っていったことに

気が付くことが出来たかどうかが、このテストの本当の目的です。

殆どの人が、そのおかしな飛び入りの人がいたことに気がつかないそうです。

もちろん、私もその一人でした。



私達はあることに気持ちが集中すると

それ以外のことを見落としてしまいがちで、

あんなに大胆に登場した人物と言うか、熊をも見逃してしまいます。



それと同じで、

人とのコミュニケーションにおいても

あの人がああ言ったのは、ああいう意味だと思い込んでしまうと、

他の意味かもしれないことを完全に消し去ってしまい、

それが原因で関係性を悪くしてしまったり、

悩みの状態から長く抜け出せないでいる時には、

それは、間違いなく~である。といった思い込みによって

他の可能性を見えなくしていることが原因であることが多くあります。



悩みの状態から抜け出すために、

自分がそうに違いないと信じていることは、

本当に正しいことなのか、他の可能性はないのだろうか、

何か見落としているものはないだろうかと、

考え、見つめ直してみることは重要です。


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未熟ゆえに

2012年06月16日 | 雑感・愚見


オーム事件の特別指名手配犯の最後の一人、高橋克也容疑者が逮捕されました。

これでようやく一連の事件の一区切りを迎えました。



報道を見ると、

捜査のため漫画喫茶に訪れた捜査員に

一人の店員が、

「高橋容疑者に良く似た人が今、来店している。」と

捜査員に伝え、捜査員がそれとなく確認した時、

「似ていない、別人物だ。」なと一旦判断したそうです。



このことで、

「プロの警察官が別人だと判断するとはレベルの低さを証明している!」

「真剣さが足らない!」

とか言っている人がいるようです。



しかし、催眠誘導、カウンセリングでは

観察力が重要だと普段言っている私、

そして、そのようにやって経験を積んできた私も正直、

逮捕された時の映像を見た時に、

「あれ?」と思った一人です。



それは、以前の銀行でお金を引き出している映像情報を見て、

顔の輪郭はボクシングの元ミドル級世界チャンピオンの

竹原慎二さんのようだなと思っていたのですが、

実際は、田代まさしさんの輪郭に近く

私が脳内で持ってしまったイメージとは違っていたからです。



これもまだまだ私の観察眼がまだまだ未熟なこと、

脳内で勝手に先走ったイメージを作成してしまったようです。

しかしながら、

良い訳をさせて頂くと、

人の目で見る認知能力は高いようでそれほど高くありません。



視覚情報から一旦、別人だと判断したプロの捜査員が、

念のためにと職質をしようと判断したのは、

挙動の情報がプラスされたことによって、

それまでの無意識に蓄積された経験値から怪しいとのメッセージが

発せられた成果だと思います。



チャンスは何度もやってくる。

しかし、私達の目の前に現れるチャンスは、

必ずしもハッキリとした姿を見せてはくれないことで、

気が付かずに見逃してしまったり、

例え、ハッキリとした姿を現してくれたとしても、

勇気が少し足らないことで気付かない振りをしてスル―することが多くあります。



チャンスを掴む人と、そうでない人との違いは、

心のむずがゆさやチクッとした痛みのような感覚を持った時に、

手を伸ばせるかどうかだけのちょっとした違いでしかないように思います。



「やはり、ちがうだろう。」とスル―して終わらせず、

「あれ、ひょっとして。」と捜査員に伝えた店員の方、

念のためと、職質をした捜査員の方の行動力には頭が下がる思いです。


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どうですかー!

2012年06月08日 | ライフ


またやりました。サッカ―日本代表!

曲者のヨルダン代表を圧倒して6-0の完全勝利!

今回選手全員が本当に素晴らしかったですね。



本田、香川、遠藤はもちろんですが、

特にたまげたのは、長友の韋駄天ぶり。

早いし、タフだし、

ゲーム終了寸前であってもゲーム開始時と動きが何ら変わらない。

以前から言われていましたし、見て来ましたが、

今回、再認識をさせてもらいました。



後半は、ちょっと全体的に動きが鈍った感がありましたが、

次に敵地でのオーストラリア戦もありますから、

めだか師匠で「よっしゃ、今日は、これくらいにしといたるわ。」で、

ペースダウンしたのかもしれませんね。



カール・ユングが提唱した意味ある偶然の一致のシンクロニシティ「共時性」、

それからすると、日本女子がW杯優勝しましたので、

私は、今回、男子も優勝するかもしれないと期待しているんですよね。


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真剣勝負

2012年06月07日 | 雑感・愚見



以前のブログで、

カウンセリングの場は、裁判の場ではありませんから、

私の考えとしては、

誰が正しく誰が間違っているのかを

判断するような判事の役割を担うことはありませんし、

誰かをクライアントと一緒になって攻撃することも、

クライアントをただ弁護するような役割も

担うことはないことを書かせて頂きました。



重要なことは、そのクライアントが、

それをどの様に捉えて、どのような気持ちを持ち、

どの様な感情を持っているのかです。



何故なら、客観的な真実がどうであれ、

何かの価値観や倫理観と照らし合わせてどうであれ、

そのクライアントが経験している世界が、

そのクライアントにとっての真実であり、

その真実が苦しみや悩みの原因であるなら、

後は、その状態から抜け出すためにどうであれば良いのかで、

誰が悪いとか正しいとかではありません。



クライアントが自分を責め続けているとしても、

カウンセラーが「あなたは悪くない。」

なんて錦の旗を安易に授与することはありませんし、

誰かを一緒になって攻撃することを求められたとしても、

「相手が悪いですね。」と錦の旗を授与することも

特例を除いてありません。



そのクライアントの苦しみや辛さや悲しみが落ち着くことに、

錦の旗を手にすることが大きく貢献するとしても、

それは誰かから授与されたり保証されるものではなく、

自らがその旗を立てることを求めます。



そして、もうひとつ、

先日、あるカウンセラーの方が「セラピーはクライアントとの真剣勝負です。」

と話しているのを聞いてちょっとした違和感を持ったのですが、

はたして、セラピーはクライアントとの真剣勝負なのか?です。



その方は、生きるか死ぬか、

それくらい強い気持ちで真剣に取り組まなければならないことを、

表現したかっただけなのかもしれません。

だから、そのカウンセラーの考えの是非ではなく、

その言葉を聞いたことで、

私はどんな心持で取り組んでいるのだろうかと、

確認する機会を得ることが出来たということです。



あえて勝負という観点から考えると、

クライアントの問題が解決したらカウンセラーの勝ち?

この場合、クライアントも勝利を手にしている訳ですから敗者は存在しません。

となると、引き分け?となるとカウンセラーの勝ちは成り立ちません。



充分な問題解決とまで至らなかったとしたらカウンセラーの負け?

でもこの場合、クライアントも負けではないのか?

となると勝負はおかしなことになります。



勝負として成り立つケースとして、

問題解決が上手く進まない時に、

駄目な奴と言う旗をカウンセラーとクライアントが押し付け合って

手にした方が負け、押し付けることが出来た方が勝ち。

カウンセラー側として、「やった今回も押しつけられずに済んだぞ。」で、

クライアント側として、「やった今回も押し付けてやったぞ。」

こんな状況くらいしか思い当たりません。



これでは勝負として成り立つのかもしれませんが、

もはや、セラピーではありません。



誰が言った名セリフか、

「愛するということは、お互いを見つけ合うことではなくて同じ方向を見ることだ。」

「恋愛は見つめあること、結婚は同じ方向を見つこと。」

と言うのがありましたが、



カウンセラーとクライアントが、

互いの間でバチバチと火花を散らしていたり、

相手を信頼できず、油断出来ない状態が続いているようなら、

それはセラピーの状態とは言えません。

互いが同じ方向を向いてこそセラピーが成り立つと思うのです。


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また一人

2012年06月05日 | 雑感・愚見


オーム真理教信者の菊池直子容疑者なのか、元信者なのか分かりませんが、

殺人未遂容疑で指名手配されていた菊池直子容疑者が

ようやく逮捕されました。



何故ゆえに、こんなに長い期間逃亡できたのは何故?

偽名を使っていたのは当然だとしても、

国土の狭い日本で、しかも、システム化された日本社会のなかで

住居を得て、偽名の銀行口座まで手にし、

そこまで別人に成り切ることが可能だということなのでしょうが、

そのサバイバル能力には驚くばかりです。



この菊池容疑者もですが、加害者であると同時に

被害者の側面もあるかと思います。

被害者とまで言うのは言い過ぎかもしれませんが、

素直で純粋な人ほど他の影響を受けてしまいやすい面があると言うことです。

違う言い方をすると主体性が弱いと言えるかもしれません。



元々、私達には繰り返し接する人の好意度や印象度が高まるという

ザイオンス効果と言われる心理があります。

これは20度の水と80度の水を近づければ

互いが同じ温度になろうとするようなものかもしれません。



一人の強烈な特殊性を持った人が

80度を遥かに上回る熱を発していたとすると、

20度である素直で純粋な人が近づき何度も接していると、

ただその熱に飲み込まれてしまいます。



その特殊性を持った人が、

近づいてくる人を言葉巧みに騙してやろうとか

利用してやろうというような姑息なことを考えている場合には、

私達の無意識は、それを察知して早めに違和感を発してくれるものなのですが、

その人が妄想型の場合、いくら特殊なことを言っていたとしても

嘘を言っている訳ではありませんから高性能な嘘発見器にも引っかかりません。

私達の防衛機能は作動しないままで終わるか、

作動したとしてもずっと遅くなります。



そして、作動が随分と遅くなってしまうと

今度は、自分の失敗を認めたくないと言う心理が働いたり、

何事もそれまでのことを変えようとすると大きなエネルギーが要りますから、

違和感を無視して、その人を信じ込もうとする心理が働いたりして、

まるで蟻地獄に囚われたかのように変化することを難しくさせます。



ですから、誰かや何かを信じて一歩踏み出すことも大事ですが、

同時に出口を忘れてしまわないようにしておきたいものです。

ただ、オームが出家と称して財産を全部奪ってしまっていたのは、

どの様な表の理由があろうとも、

恐らく真の目的は、この出口を個人から奪い去ることだったはずで、

出口を失った人は尚更信じ込もうとする心理が働きやすくなっていたと思います。



しかし、このような被害者の一面があるからと言って、

本人の加害者としての責任が許させるはずもないのは言うまでもありません。



このようなことは宗教がらみだけでなく、その他にもあります。


そして、大昔から同じ種のことが繰り返し起きていますから、

天然痘のように撲滅することは不可能だと考えて身を引き締めておきましょう。

私には関係のない話だ。私は絶対に大丈夫だ。

と思っている人ほど巻き込まれやすいという傾向があるようですから、

ご注意を。


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