第二次世界大戦での連合軍のノルマンディ上陸作戦を描いた
大作映画『The Longest Day』(一番長い日)がありました。
大体の映画は、上映時間が90~120分ですが、
この映画は、テレビ放送が2週にわたっていたので
映画の上映時間も原題に合わせたかのように
3時間近い映画だったと記憶しています。
一番長い日は、ノルマンディ上陸作戦だとして
三百三十五年戦争と言われる人類史上で
最も犠牲者が少ない、最も長く続いた戦争があります。
この戦争は、オランダとシリ―諸島の間で
1651年から1986年まで名目上続いた戦争で
この戦争が何でまた335年間も続いていたのかというと
平和条約の締結を335年もの間、忘れられていたため。
これって互いが離婚をしたと認識していたけれども
離婚届けの書類を出し忘れたままだったので
離婚したと認識してから何十年間も
書類上では結婚状態が続いていたような感じでしょうか。
三百三十五年戦争の原因は、1642年から1649年の
清教徒革命(イングランドの内戦)が関係していて
国王軍は、議会軍に追い詰められ
海岸の沖に浮かぶシリ―諸島へと撤退することに。
オランダ海軍は、シリ―諸島を根拠地とする
国王軍海軍の攻撃による被害にあっていて
オランダ海軍の提督がシリ―諸島に赴き、
国王軍艦隊によって拿捕された船舶や積み荷等への賠償を要求。
1651年4月17日付の書簡で
それらの要求が受け入れられなければ宣戦布告するとした。
この宣戦布告は、イングランドに対しての宣戦布告ではなくて
シリ―諸島に対してのみの宣告となります。
ところが、この宣戦布告の二ヶ月後の1651年6月、
議会軍が国王軍艦隊を降伏に追い込んだことで
オランダ艦隊は、戦う相手がいなくなり
1発も発砲することなく立ち去り、
オランダの宣戦布告は、他国の一部に対してのみだったために
オランダ艦隊は戦争終結を宣言しないままになっていました。
他国の一部と戦争状態になるてぇのは、
薩英戦争や下関戦争のような感じでしょうか。
ロンドンにあるオランダ大使館に
1985年にシリ―諸島の歴史家でもある議会の議長から
『私達とオランダは、まだ戦争中になっているようだ。』
との手紙が届けられ、詳しく調べてみると
『ありゃりゃ、確かにその通りだと。』となったことで
宣戦布告から335年後の1986年4月17日付で
平和条約が結ばれることになりました。
こういうことはキッチリとしておいた方が良いのでしょうけど
もうすでに完全な平和状態となっていたので
二ヶ国間の友好関係を確認する意味合いだったかも。
史上最も長かった戦争は変化球的な335年戦争だとして
では最も短く終わった戦争は、
1896年に起きたイギリスとザンジバル戦争で
開戦から僅か38分で終了しました。
また、イギリス絡みかあ。
現在のボクシングの試合は、フルラウンド戦って
3分×12の36分間と1分の休憩×11を足した
47分間よりも短い戦争。
この戦争は、ギネスブックにも史上最短の戦争として
記録されているのだそうです。
戦争ってウイン・ウインの精神を
どちらか、あるいはどちらもが
放り投げた時に起きるものだと思うんですよね。
相手への敬意や相手側の事情を汲む気持ちを失わなわず、
相手を自分だけに都合よく変えようとせずに
そして代償が少なくて勝てると都合良く思わなければ、
戦争なんて起きないはずなんですが………
人類の歴史で世界で戦争が全くなく
平和だった期間は僅か268年という話があるくらいなので
我欲の塊の私達人間にとっては、
月に行くことより難しいんでしょうね。