心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

重要なポイント

2022年03月20日 | 心理カウンセリング

 

中学、高校までは

皆の前で話をすることが苦手というより

どちらかと言えば好きだったのに

 

専門学校でクラスの皆の前で

ある課題について自分の考えを発表する際に

突然、強い緊張をしてから

似たような状況になると

決まって緊張が強くなっている。

 

最近は、人前で話すどころか

休日に自分の部屋にいる時でさえ

不快な感覚になるのが辛く、

とにかく不快な身体の感覚を無くしたい。

 

に類する相談を受けることがあります。

 

 

その人が体験している不快な身体感覚は、

身体の病気が原因であっても

精神的なことが原因であっても

感情と同じで身体感覚単独では起きないのが大原則。

 

身体の病気が原因でなかった場合には、

不快な身体感覚を起こしている心の中のイメージや

何かに対する思考や気持ちを改善する必要が有ります。

 

鍋の中の水が沸騰しているのは

鍋の下のコンロの火が燃えているからで

身体の痛みは、身体に矢が刺さっているからで、

 

沸騰している鍋の水を冷ますために

水を注ぐのでは一時的に温度が下がっても

また鍋の中の水は沸騰しますし、

 

刺さった矢の痛みを痛み止めで麻痺させたとしても

薬の効果が無くなれば痛みは復活しますし、

それだけを繰り返していると傷は悪化の一途をたどります。

 

なので不快な身体の感覚を解消するには

コンロの火を止めることであり

身体に刺さった矢を抜くことが重要です。

 

 

馬鹿にされてしまう。

笑われる。

人が自分から離れていく。

軽く扱われてしまう。

 

自分は何事も無難にこなさなければならない。

他人から重要視される存在でなければならない。

失敗してはならない。

本当の自分は駄目な奴だ。

 

情けないヤツに成り下がってしまう。

出来の悪い奴になってはいけない。等々。

 

そのような思考や気持ちが

ガスコンロの火であり、身体に刺さった矢です。

 

そのことを最初に相談者に説明し理解納得をしてもらい

一つ一つ相手に確認を取りながら進めて

取り組むべき思考や気持ちを確定する際になって

 

「そんなことはどうでも良いので

 私は、とにかく不快な身体感覚を消して欲しいんです。」

 

すごろくの『スタートへ戻る』状態?

 

不快な身体感覚を解消するために重要なこととして

最初に説明させてもらったんだけどなあ。

上手く伝わっていなかったのかも。

 

もう一度、相手が理解しやすいように説明を………、

 

「いやだから、治したいのは不快な身体の感覚であって

 出来事や気持ちではないんです。」

 

このような場合は、色々とやり方があるものの

こちらの思惑通りに進むとは限らず

施療が上手く行くこともあれば、

力及ばずで上手く行かなかったりとなるんですよね。

 

これは全ての心の悩みや問題に共通するものなので

自分で解決に取り組むにしても

専門家と一緒に取り組むにしても

頭の片隅に置いておくことは大切かなと思うのです。

 

 

 

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愛着

2020年01月09日 | 心理カウンセリング

今回は少し固い内容を書かせて頂きます。

 

人が心身共に健康で情緒豊かに育つためには、

幼少期の親子間(特に母親)での暖かな交流が重要と考えられています。

 

親子間の暖かな交流とは、何も特別なことではありません。

母親から母乳やミルクを与えられ

愛情のこもった語りかけ、触れあい、抱っこしたりすることで

親子間に喜びや安心、そして、深く暖かな結びつきが生まれます。

 

ハーリー・ハーローと言う学者がアカゲザルの赤ん坊を

母ザルから離して代理母で育てる実験を行いました。

 

【実験2】

一体の代理母は、針金で作られたものに哺乳瓶が取り付けられ、

もう一体の代理母は、針金が柔らかい布で覆われ

ヒーターで体温と同じ温度に保たれている代理母が用意されました。

 

実験前には、幼いアカゲザルは栄養を与えてくれる方に

愛着を示すと考えられていましたが、

愛着を示したのは、柔らかな布で覆われ暖かみを感じる方でした。

 

お腹が減るとミルクを飲むために針金の代理母に近づきますが、

飲み終わると直ぐに柔らかで暖かみを感じられる代理母の方に戻り

多くの時間を暖かみを感じられる代理母の方で過ごしました。

 

【実験3】

そして、恐ろしい人形を飼育スペースに入れて

怖がらせた時にどのような行動を取るか調べてみたところ

恐ろしい人形が現れると柔らかで暖かみを感じられる代理母の方に

一目散に飛びつきしがみ付きました。

 

この実験結果からハーローは、幼いアカゲザルにとって

栄養を与えれば良いわけではなく暖かなスキンシップによる交流が

無くてはならないものだと考えました。

 

【実験4】

次にハーローは、針金の代理母と玩具を入れたスペースに

幼いアカゲザルを入れてみたところ、幼いアカゲザルは、

不安の様子を見せて玩具に混じって置かれている布に

しがみ付くだけで玩具には興味を示しません。

 

ところが、暖かみを感じる代理母が用意されていると

同じように不安の様子を見せた幼いアカゲザルは

直ぐに代理母にしがみ付きますが、しばらくすると代理母から離れて

初めて観る玩具に興味を示し遊び始め、

そして代理母にしがみ付き、また遊び始めます。

 

初めて見る玩具、環境への不安や恐怖を

安心出来る基地があることで気持ちにゆとりが生まれ、

その分だけ玩具への好奇心が生まれ遊ぶようになったと思われます。

 

【実験1】

最初の実験では、作り物の代理母で飼育されたアカゲザルは、

生きるために重要な好奇心が育たず短命でしたが、

【実験2~4】によって

暖かみを感じられる代理母で育ったアカゲザルは、

短命でもなく好奇心も育つことが確認されました。

 

【実験5】

暖かみのある代理母によって成長したアカゲザルを

群れに入れてみると思わぬ問題が発生します。

 

他の猿への攻撃性が強かったり、

ストレスから自分の指や腕を噛み千切ってしまう猿が多く、

中には子供を産んだ猿もいましたが、

自分の子供を踏みつけたり噛みついたりして

普通に育った猿のように子供を育てることが出来ません。

 

【実験6】

そこで普通に育った猿との違いを調べ、

生育の過程に普通に育った年齢の猿との遊びを取り入れてみた所、

時折喧嘩をしながらも次第に群れの中で

仲良く過ごせるようになったそうです。

 

このハーローの実験は、あくまでもアカゲザルが情緒豊かに育ち、

集団の中で求め求められ群れの仲間として溶け込めるために

どのような成育過程が重要なのかを実験したものです。

 

人間の場合、アカゲザルよりも遥かに知能、思考力、創造力が高く、

栄養を与え、暖かみのある接触をしさせすれば心が安定して

将来において心の問題や悩みで苦しむことがないとは限りません。

 

しかし、将来において何かが起きた時に

容易く心がひしゃげてしまわないタフさと柔軟さを

我が子が備えるための重要なことが何かを

ハーローの実験から学べるのではないでしょうか。

Harlow's Studies on Dependency in Monkeys

 

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感情

2019年05月13日 | 心理カウンセリング

私達の様々な気持ちや感情を表しているのが

士農工商じゃなくて、春夏秋冬でもなくて、喜怒哀楽。

 

私達は、不快なものを避け、

快なものを求めて生きるようになっていることから

気持ちや感情が全てと言って良いほど重要です。

 

年収100億円あろうが、素敵な伴侶と子供がいようが、

人を疑い、孤独を感じ、自分を愚かだと感じていれば、

他人がどう思うと、

その人は不幸な人生を歩んでいるのだろうし、


経済的にゆとりのない生活を送っている人でも、

人を愛し人から愛されていると感じ、

自分は満たされていると感じていれば、

他人がどう思うと

その人は幸せな人生を歩んでいることになります。


その人が何を成し遂げ、何を手に入れても、

その時に何を体験していても、

その人の心に怒りや悲しみや不満の旗が高々と掲げられたら、

全てを台無しにしてしまうほど非常にパワフルです。


●私は皆と比べると魅力的でもなく、能力も劣っていると感じる。

 だから、私には魅力が無く、劣った人間だ。

 なので、拒絶されたり、失敗したり、馬鹿にされないように

 人に安易に近づいたり、自分の考えで行動しないようにしよう。


●あの人は、凄く怖そうな人物のように感じる。

 だから、あの人は怖い人だ。

 なので、あの人と話すときには非常に疲れる。


あの人は、私を嫌っているように感じる。

 だから、あの人は私を嫌っている。

 なので、あの人に近づくのは止めよう。


●今日私は、パチンコをしたいと感じる。

 昨日3万円負けたが、今日は勝って昨日の負けを

 取り戻せるかもしれない。

 日頃のストレス発散にもなる。(合理化)

 だから、パチンコをしよう。


のように自分が感じている気持ちや感情が

現実を正しく映し出していると決めつけてしまって、

自分の態度や行動に大きな影響を与えてしまいます。


また、自分の気持ちや感情に影響を受けるだけでなく、

相手の気持ちや感情にも影響を受けることがあります。

 

相手が自分に対して怒り(悲しみ)を向けている。

だから私が悪いことをしたのだ。

なので、謝罪をし態度や行動を改めなければならない。

のようなものです。


相手の感情が自分に向けられたものであっても、

それを自分を正確に映し出している鏡であるかのように

認識するのではなく、

まずは、相手が何に対して、どのように反応しているかを

現わしているものだと認識することが求められます。


相手の態度は、自分を映し出しているのではなく、

相手の反応の仕方を表しているだけです。当たり前のことですよね。


そして、自分が何かをしでかしていたなら、

もちろん謝罪は必要ですが、

相手の気持ちや感情に巻き込まれ、呑み込まれて、

私は何て酷いことをしたと罪悪感を感じるよりも、

相手が何を求めているのかを理解することの方が、

大切なことになると思うのです。


その結果、自分の態度や行動を改めることもあるし、

謝罪はすれど相手が求めるものについては拒否することも有り得ます。

相手が怒りや不満を自分に向けているからと言って、

問答無用に自分が悪いことをしたとは限りません。


例えばの話、

隣の一家は今度の休日にヨーロッパ旅行。

私達は、近くの公園。前もそうで、

隣の一家の話を聞かされる度に惨めで悲しくなる

「ごめんな。甲斐性がない夫で。」(謝罪)(思いやる気持ち)

「ヨーロッパ旅行は無理でも(拒否)、

 グアム旅行に行けるよう頑張るから。」のような感じでしょうか。


私達は社会の中、人と人との関係の中で生活をしているのですから、

ある程度の周りの人への配慮は必要です。

しかし、仮に何か自分に落ち度があったからといって、

他人の気持ちや感情を際限なく受け入れる義務はないのです。


逆に、自分が怒りや悲しみの感情を使って、

相手をコントロールしようとすることが多々あるようなら、

それは子供がおもちゃ売り場やスーパーで

泣き叫んで親に自分の要求を受け入れさせようとするのと同じで、

良いやり方とは言えません。


親なら最後の最後まで気持ちが離れることは無いですが

他人に対して、それで自分の要求が通ったとしても、

他人の心の中では離反する気持ちが大きくなるだけです。


とにかく、

気持ちや感情は、心の中で突発的に起きるものでは無いし、

ウイルスや細菌に感染したことで起きるものでもなく、

ましてや自分の気持ちや感情を

他人が自由に操れるわけではありません。


そして、バラエティ番組を見て

大笑いしている時に、ベランダに他人の気配がすると

ものの見事に笑いの感情が無くなったり、

落ち込んでいる時に、出してもらえた

一杯の温かいコーヒーで気持ちが変わることもあるように、


気持ちや感情は、パワフルではありますが、

私達は、自分や人の気持ちや感情に

無抵抗のままコントロールされる存在ではなく、

自分の気持ちや感情をコント―ロールすることが

可能な存在であることは確かなようです。

 

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スモールステップ

2019年05月11日 | 心理カウンセリング

私達は、自然に見識や知識を増やし、

時間と共に身体も成長していきます。

 

自宅の外にも世界が広がっていることを自然と知り、

車、道路、鳥、山、海のように新しい物を目にしたり、

新しい体験をする度に自然と成長します。

そして、

身体も大人の身体へと次第に成長していきます。

 

これらを便宜上0ストレス成長としますが、

それ以外にも自分が遊んだ玩具を片付けることや、

近所の大人や子供と接することや、

自分で服やパジャマを着替えること等、

数多くの成功体験や失敗体験を通して成長します。


養育者は、何にでも興味を持ち開拓者精神の塊の子供の

成功体験を認めて褒めて、失敗体験をも認めて褒めて、

子供の開拓者精神と行動の意欲を育てることになりますが、


成功を認めず褒めず、間違いや失敗を怒り叱り、

または、成功だけを認め褒めて、間違いや失敗を怒り叱る。

あるいは、子供に辛い思いをさせないようにと

親が手を貸し過ぎたり、

親が子供に代わり全部やってしまうことが日常になると、

子供は、次のような傾向を見せるようになります。


いつも親の目を気にするようになる。

間違うことや失敗することを恐れ、避けるようになる。

自分で答えを出さずに親に答えを聞いたり確認を取るようになる。

自分で考え、行動をせずに親を頼るようになる等。

これらの危険信号に気がついてあげなくてはなりません。


危険信号に気が付かないままでいると、

心の中に自動化されたパターンとして深く刻まれて、

成長した後も、ストレスと向き合った時に

回避行動を取ることを優先するようになります。


回避行動を取り続けていると、経験値が上がらず、

苦手意識が強くなり、苦手意識が強くなると、

ますます回避行動に拍車がかかり、

自信を無くしというように負のスパイラルに陥ります。


このスパイラルや心のパターンを打破するには、

回避行動を止めてトライすることになるのですが、

この時、成功に拘らずに間違いや失敗体験をして、

自分の不完全な所や至らない所を明確にする位の気持ちになることです。


とは言え、心の中に自動化されたパターンを打ち破ることは

簡単なこととは言えず、

打ち破るために自己イメージや信念や価値観の改善に

取り組むことも選択肢の一つではありますが、

課題を小さく区切って取り組んでみるのも良い方法です。


現在の自分と課題をクリアした理想の自分との間にある壁を

自由に区切り一つ一つクリアしていきます。

 

一つ目のステップが、

挨拶をするかも知れませんし、

人が何を言おうとしているのかをじっくりと聞いて確認するかも知れませんし、

家に帰ってから何々を10分はやるかもしれませんが、

 

今までは出来ていなかったことで、

区切り(目標)が大きすぎても躊躇してしまうし、

簡単すぎてもモチベーションが持てなくなるので、

ちょっとは勇気や気合を出せば、成功体験を得られるような

丁度い区切り(目標)を立てて実行に移すことが大切です。

 

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分ける

2019年05月09日 | 心理カウンセリング

カウンセリングの技法の一つにスプリッティングという技法があります。

どのような技法かと言うと、スプリット(分断)の言葉そのままで

何でも分けてしまうことです。


男性と女性。あなたと私。上半身と下半身。

悪い自分と善い自分。自由奔放な自分と真面目な自分。

誠実な自分とズルい自分。優しい心と冷たい心。

と言うように何でも分けてしまいます。


「あなたは明るくて社交的に振舞っているけれども、

 孤独を好む時もありますね。」

「あなたには、活かしきれていない能力があります。」

のようなのは、占いの言葉でよく見たり聞いたりします。


「あなたは、真面目に頑張って仕事に取り組んでくれているので、

 会社のみんなと同じように私も信頼しているんだ。

 だけど、時には奔放な自分を解放してあげないと

 心は疲れてしまわないかと心配もしている。」

何て感じもスプリッティング技法の面白い使い方かも知れません。


仕事から帰宅をして資格を習得するための勉強を

毎日やらなければならないのに、なかなかやる気になれなかったり、

さぼってしまいがちな場合に、

勉強する場所を自宅からファミレス、図書館等に

変えることで集中力が一変した人がいたのも

分断の技法を実際に役立てたことによる成功例と言えます。


また、目的や目標に対して取り組む課題を分けることで

目標を達成しやすくなりします。


そして、私達の悩みは、人間関係が起因となるものが多く、

多くの場合において、他人の人生に巻き込まれ

本来は、その他人が持つべき責任を

自分が抱え持ってしまっていることが大きな原因の一つです。


◯誘われた食事や飲みを断ったら、気分を悪くされて

 関係性が気まずくなってしまった。

◯「あなたのことを思って言っているのよ!」と叱られる度に

 気分が落ち込む。

◯「子育て(会社)で疲れている私を気遣ってくれないの!」

◯別れたいのに、「あなた(お前)と別れる位なら死んでやる!」と

 脅されて別れることが出来ない。


何ていうのも、

自分の中にある悪者になりたくないであるとか、

価値が無い人間になりたくないといった感覚が揺らいでしまうことで

他人が持つべき責任を自分が抱え込んでしまっている状態です。


何かの理由で誘いを断ることは責められることではありませんし、

(まあ断り方が酷い場合は、また別の課題です。)


あなたの為と言うのも、

本当はあなたがその人の思うようにしてくれないと

その人自身が苦痛を感じたり不快な思いをすることを

避けようとしているからかもしれませんし、


気遣ってくれないと言われるのも

援助したいと思っていても、

何々を、どうして欲しいと具体的に言ってもらえなければ、

援助しようがありませんし、

具体的に言ってもらったとしても、

出来ることはして、出来ないことは断れば良いわけです。


別れる別れないも、別れることによって

その他人がその後の人生をどう生きるかは、

その人の責任であり課題なのであって、

誰かの人生を丸抱えしなければならない。なんてことはありません。


鬱的に気分が落ち込んでしまって相談に来て頂いた人の中には、

彼女とか友人の鬱の人に寄り添っていてあげようとして

頑張りきれず、あるいは、入り込みすぎて同調してしまい

自分が鬱的になってしまったケースもあります。


人は、集団を形成しなければ生き抜いていけない

ひ弱な一面がありますが、集団を形成することで

一人では無理なことも可能する有利さを得ています。


全く同じ意見の人だけを集めてする会議は、

改善、発展のためには殆ど意味がないように、

誰かの人生を丸っと背負うことは、

下手をすると1プラス1が2にもならないどころか、

1以下になってしまう可能性があります。


誰かの人生を丸っと背負うことは、

その誰かの自立能力の発揮することを阻害することにもなるのですが、

それが自分の人生や能力や生きる力を削り落とすことにならずに

互いがそれで納得し満足しているのであるなら

それはそれで一つの生き方だと思います。

(自分の存在価値を感じるために、あえて自立を阻害するのは論外)


理想としては、背負うのではなく並走(伴に歩く)し、

自分と人との境界をハッキリと認識して、

力を合わせたり、互いが出来る範囲でサポートをしながら

前進し、成長していくことだと思うのです。


誰かから協力や助けを求められることは、

それだけあなたが信頼をされている証かもしれませんし、

誰かに貢献することは素晴らしいことだと思います。


ではあるのですが、

人間関係においても仕事においても

ここまでは出来る。これ以上は出来ない。

れは自分の責任。これはあなたの責任。

のように、自分なりの境界線を

明確にしておかなければなりません。


一つや二つの会社で馴染めなかったとしても

一人や二人の異性や友人であった者と断絶が起きた時には、

その小さな世界とその外側に広がる世界とに分けて

世界を見直してみると罪悪感や存在価値の揺らぎは

小さく、小さくなるものです。


他人の人生の責任を抱え込まず、

人の人生に踏み入りコントロールしようとし過ぎなければ、

「露と落ち、露と消えし悩みかな 苦しみの日々は夢のまた夢」

となることでしょう。

 

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劣等感

2019年05月02日 | 心理カウンセリング

腹が減ったライオンに余程の事情が無い限り

わざわざゾウを襲ったりしないのを見ても、

生き物の第一優先項目は、安心安全の見通しが立つことで、

何かの欲求の獲得に動くのは、その後のことだと思われます。

 

ホラー映画で、夜中に窓の外で動く影を感じて、

怖いものがいるかも知れない窓にわざわざ近づいていって、

バーンとお化けが登場!「ぎゃー!」

 

このような行動も不確かなものに注意を払い、

自己の安全と安心を確保しようとする本能の働きかと思うのです。

 

世の中、上には上あり、下には下ありで、

全てのことにおいてトップの人も下位の人もいないので

誰しもが上と下の間に存在することになります。


集団の中で自分が持つものを持たない人に注目して

優越感を感じることよりも

自分に欠けているものに注目するのは

安心安全を確認しようとする自然な行為かもしれません。

 

この時、目的地に向かって意欲的に歩んでいる状態ならば、

取り出した地図で自分の現在地を確認するような気分で

自分の何かと誰かの何かを比べられるのだと思いますが、

 

安全安心のために保安員の見回り的な意味合いだと

自分の穴ぼこ、欠けている部分を懸命に探すのですから、

足らず部分や欠けている部分や至らない部分を次々と発見して

不快な気持ちを感じてしまいがちになるのは、

致し方がないことだと言えます。


この不快な感じを持つこと自体は悪いことではなく、

自分が成長するためのモチベーションやエネルギーとなるのですが、

欠点とか、劣っているとか、恥ずかしい部分だとして

後ろ向きな認識してしまうと、

不快な感じに怖さや不安、辛さや痛みが加わり、

時に劣等感、羞恥心、嫉妬心、辛みの気持ちとなることがあります。

 

この増大した不快な感じを解消するために

自分にではなく他人へ働きかける場合があります。


その代表的なものの一つは、

自分が不快を感じる原因となっている他人を攻撃します。


毛嫌いしたり、攻撃をしたり、邪魔をしたり、

引きずり落とそうとしたり、陥れようとしたりと、

厄介で迷惑な行動をとります。


他人を攻撃せずに自分が会社を辞めたり、

付き合いを遠ざけたりして自分の視界からその人を遠ざけたりします。


もう一つは、

自分の不幸を、ことさらに周りの人にアピールします。

自分の不幸を笑い話的に伝えて平気なふりをして

自分の本当の気持ちを自分や周りの人に誤魔化します。


あるいは、深刻な話として伝えて周りの人から

不幸を否定してもらったり、気持ちを汲んでもらうことで

不快な気持ちを一時的に軽くすることが出来ます。


もう一つは、

ことさらに自分の何かを真贋を厭わずに自慢をします。

「自分はこんなに凄いんだ。」「自分はこんなに恵まれているんだ。」

自慢をすることで自分の苦しい本心を

自分や周りの人の眼からそらすことが出来ます。


でもこれって自分に働きかける場合は、

己一人への働きかけで済みますが、

他人に働きかける場合は、複数の人に働きかける必要があるので

より大変な労力を要する方を、

わざわざ選択していることになるんですよね。


それには、その人なりの理由が存在するのですが、

長くなるので、その理由を考察することには触れないでおきます。

 

労力、努力、あるいは受容、離脱を選択せずに、

我慢、辛抱を選択する場合がありますが、

一見、楽な方を選択しているようですが、

私は、より厳しくなる選択だと思えてしまうのです。


先の自分へ働きかけるモチベーションとする場合は、

自分の成長となると共に不快な気分を解消出来る

ダブルの果実を得ることが出来ますが、


後の場合は、

自分の成長に繋がらないだけでなく、

次第に周りで増えていく自分が生み出した

怒れる人達によってその報いを受ける可能性が大ですし、


不幸や自慢をアピールすることで、

水面下で自分への不信任や低評価の種を、

周りの人に撒き散らすことになりかねません。


劣等感に苛まれると言うのは、

劣等感に無茶苦茶に抵抗している状態で、

本当に劣っていることを認め、受け入れている人は

劣等感に苛まれることはありません。

 

もしかすると、劣等感に苛まれようが、

不快な気分になることを選択するのは、

無意識では、自分も頑張れば対象者と同じ所であるとか、

近い所まで行けそうな感覚を持っているのかもしれず、


不快な感じは、お前はやれる。やれるんだぞ。

「立つんだジョー!」「エンジンに火を入れろ!」って

無意識の要求かもしれませんが、

ラスボス的に否定的な自己イメージや防御的な要求が

無意識に鎮座したままだと、

第一優先項目の安全、安心が常に勝利し続けることになります。

 

必要以上の不快な気分を味わないためには、

イチロー選手やボルト選手やビル・ゲイツと

自分を比べて劣等感や嫉妬心や妬みを持たずに、

憧れや尊敬の念を持つのと同じように、


誰かと同じ山頂を目指そうとする競争心を捨てて

自分なりのペースで山頂を目指すか、

誰かとは違う自分なりの山頂を目指そうとするか、

山頂に拘らずに平野、高原、海岸通りで

気持ち良く過ごせる場所を確保することです。

ー他人は他人、自分は自分ー

 

自己成長するための原動力になるのなら

むしろ劣等感は持っていた方が良いと

何かの本に書かれていた記憶があるのですが、

いやいやと思うのです。


劣等感という不快な気分を

どこかのほどよい地点で自分の満足や喜びに昇華させ、

贅沢を言えば、他者の満足や喜びに貢献することを

自己の喜びとなるようなシフトチェンジが大切で、


最後の最後まで劣等感をエンジンをぶん回し続けて

どんなに高い山頂に至ろうが、

それで幸福を感じられるとは私には思えないのです。


最後の一日に人生の絶頂を味わうことが出来たら、

それはそれで幸せな人生なのかも知れませんが、

私達は、牛や馬じゃないんだから

劣等感なんていう鞭は、感じないに越したことはなくて、

原動力は、挑戦心とか冒険心とか興味、喜びや楽しみの方が

望ましいと思うのです。


私達は集団の中で生きますから、

どうしても他人と比べてしまい劣等感を感じてしまうものなので

劣等感を0にするなんて大それたことを目標にすると、

「なんでまだ劣等感を感じてしまうんだ。俺は駄目な奴だあああ。」

と言う具合に、逆に劣等感を呼び込む種となり得ます。


なので、鞭の痛みもローソクの熱さも

程々なら役に立ったり喜びになったりしそうなので

程々の劣等感を感じるのなら良しとするのが現実的かと思うのです。


そして、

簡単すぎるゲームなんて全く面白くないように、

あえてボクサー達が危険の中に身を置いて、

ピリピリした緊張感を楽しむように、

人生ってのは、完全なる安定や安全の道を選んで進むことは、

充実感や満足感や達成感から離れた道を行くのと

同じ意味を持つのかも知れません。

 

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フィナーレ

2019年04月07日 | 心理カウンセリング

 

ー ヒンズー教の教え -

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。

 

人生の流れを変えようと、

「エイッヤア!」と行動を起こすことも大切ですが、

ヒンズー教の教えが伝えているのは、

いきなり人生を変えようとすると運命、人格、習慣、行動、態度、

そして、心にも繋がれている重りの鎖を断ち切るだけのパワーが

必要だと言っているのかも知れません。

 

だとすると、

運命を変えようとするなら、人格、習慣、行動、態度、心の5つの鎖を、

人格を変えようとするなら、習慣、行動、態度、心の4つの鎖を、

習慣を変えようとするなら、行動、態度、心の3つ鎖を、

行動を変えようとするなら、態度、心の2つの鎖を、

態度を変えようとするなら、心の1つの鎖を断ち切るだけです。


現在の自分という存在は、

過去の出来事によって造られたものでは無く、

過去の自分の体験や経験に解釈(意味づけ)をして

自分に定めたルールによって構成されています。

 

個人の過去の体験や経験がどのようなものであれ、

現在の自分の変えたいと思うところがあるのなら

本気で取り組めば、いつでも変えることは可能です。


過去の出来事は、どうでも良いと言うのではなく、

現在の本人の問題に大きく関係する心のルールを知り、

現在の問題を解決するために

過去の出来事は解決のための糸口となります。

 

そして、問題解決のために重要なのは、

本人の心に維持している心のルールです。


「子供の頃、あのような態度を取った親を恨み続けてやる。」

「数年前に、あんな酷いこと言ったアイツを許せない。」

あいつらの所為で私の人生は無茶苦茶になってしまった。


「あんなことを言わなければ良かった。しなければ良かった。」

あんな出来事さえなければ、

私の人生はもっとマシなものだったのに。


上の様な考え方は、問題の原因は、

過去の出来事にあるという考え方と言えます。


しかし、

朝から手間暇かけて完成したビーフシチューの鍋を

不注意で床にぶちまけたら気を取り直して作り直すか、

諦めて外食に切り替えるしかありません。


ぶちまけた料理の残骸を見て

嘆き続けたり、悲しみ続けたり、怒り続けたり、

自分や誰かや運命を責め続けたりしても

空腹で悲鳴をあげるお腹を解決することが出来ません。


手間暇かけて完成した料理を実食寸前で

不注意で床にぶちまけたら

嘆くことも、悲しむことも、怒りたくもなります。


そして、

ひとしきり自分の感情や気持ちを感じたら

気持ちを切り替えて空腹のお腹を満たすために

今一番大事なことに気持ちが向けられます。


今一番大事なことに気持ちを向けることなく、

その人が嘆き続けたり、悲しみ続けたり、

怒り続けたりしているとしたら、

そこには何かの目的が隠れています。


その真の目的を明らかにしたくない人もいますが、

本気でそれらを止めたい人は、

「それを止めたらどんな気持ちになるのだろうか。」

「それを続けることで自分の何を助けているのだろうか。」

と自分の内側にダイブして答えを探すことが出来ます。


過去の出来事には、個人の人生を決定付ける力はありません。

どのような体験をしていたとしても

本人が変えようと決断した時に

それまでの自分の流れを変えることが出来ます。


であるなら、

今日、明日に変えなくても良いということだから、

もう少し先にしようと思う人もいるかと思います。

それも尊重されるべき一つの選択です。

 

しかしながら、

生まれて色々な道へと通ずる門の扉は開き、

ある時期から色々な門の扉が順次閉じていき、

最後に人生の幕が降ろされます。


アメリカで90歳以上の晩年の人に聞いたアンケートで

「後悔していることは何ですか?」の答えで

90%の人が「もっと冒険しておけば良かった。」

と答えたそうです。


私達に与えられている機会や時間は、

有限であることは忘れないようにしなければなりません。


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原因と目的

2019年04月05日 | 心理カウンセリング

 

ー ヒンズー教の教え -

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。


私達は、個人が持つ未来への期待に基づいた

目的に向けて行動や態度を取っています。

 

しかし、その個人の行動や態度が

非生産的、破滅的、衰退的であり、

苦しみや辛さや伴うようなものであるなら

その人の現在の生き方の方向を変えなくてはなりません。


そのためには、

その個人が目指す目的を変えることに本気になることが

なによりも重要で、

その後に思考(意識)と気持ち(無意識)と行動を

一致させることに個人で、または施療で取り組むことになります。


船長が愚かだと船が山に登ると言いますが、

船長が正しい目的地に向かって船を進めようとしても、

実際に船を動かす船員達が動いてくれなければ、

船の進路は以前のまま変わらずに進みます。


船員たちが動いてくれない原因を解決しないまま、

船長がいくら正しい目的地を示しても

船は、船長の望む方向へとは進みません。


より良い目的を見定め、

その方向へ動くことを阻害するものがあるなら

その原因を解決することが重要になります。


●再就職する気になれないのは、

職場で酷いパワハラにあったから。


●恋愛をしたくないのは、

酷く裏切られた経験があるから。


●引きこもっているのは、

学校でいじめを受けたから。


●人に近づきたくないのは、

両親から虐待を受けたから。


●目指していた大学受験に失敗したので

自分は価値ある人間ではない。

 

上のようなことは、

出来事であって、理由であって、切っ掛けであり、

原因ではありません。


その個人が絶対的な規則かのように

自分の心に言い聞かせているものが真の原因です。


重要な真の原因を放置したまま解決を試みることは、

その痛みは、足が骨折していることが原因ですが、

カルシウムを摂取して脚の筋肉を鍛えることが大切なので、

「さあ、今から運動しましょう。」

って医者は言うようなものです。


催眠的に考えると、個人が無意識に行った

自己暗示が強烈に維持されている状態であり、

その自己暗示を解除することで、

それまでの航路から、より良い航路へと変更することが、

可能となります。

 

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相反する気持ち

2019年04月03日 | 心理カウンセリング

 

ー ヒンズー教の教え -

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。


私達の行動は、個人の目的に沿ったものです。

その目的が建設的、発展的な方向に向けられたものであろうと、

破壊的、衰退的な方向に向けられたものであろうと、

その個人の目的に沿った行動をしていることになります。


建設的、発展的な行動として、

英語を話せるようになる(目的)→英語を学ぶ(行動)

素晴らしい伴侶を得る(目的)→交流を持つ(行動)

健康的な身体になる(目的)→ダイエット(行動)等。


破壊的、衰退的な行動として、

嫌われたくない(目的)→自分の考えを言わない(行動)

欲求を我慢したくない(目的)→自由に好きなだけ食べる(行動)

人と交わりたくない(目的)→引きこもる(行動)等。

 

個人が不安なく迷いなく長く快を感じられるのであるなら

どちらの方向に向かったとしても

本人の一つの生き方なので良いのだと思うのですが、


無理な生き方をする方向であったなら、

次第に不安感とか孤独感とか自己否定等の

負の感情や気持ちが次第に大きくなり、

現在を維持しようとする気持ちとぶつかりあって

苦しみや辛さが生まれることになります。

 

苦しみや辛さが生まれ、

そして、それが続くような場合には

そこで一旦立ち止まり、検めてしっかりと決断すれば

どの方向に向かおうと苦しみや辛さは、

一旦解消することになりますが、


我慢や辛抱や嘆きを選択してしまうと、

どちらの方向へ進んでいたとしても

苦しみや辛さは次第に大きくなります。


ダイエットの場合を例にとると、

健康的でバランスの取れたスタイルになるために(目的)、

必要な量だけを食べる(行動)と、

 

食の満足や喜びを得るために(目的)、

食べたいものを食べたいだけ食べる(行動)とが、

力比べをし続けている状態になります。


仮に、その状態のまま力づくに食事制限を続けると、

潜在的に欲求不充足の状態が続き、

本来は無かったストレスが加わることになります。


そのストレスが食欲を満たして喜ぶの強力な増援部隊となり、

目標達成体重到達し気持ちが緩んだ瞬間、

抑え込んでいたストレスがリバウンドという形であらわれます。


また、親が子供を怒って叱って勉強をさせると、

上手くいけば習慣となりますが、

悪くすると子供に勉強がどんどん嫌いになるように

仕向けているのと同じ効果となりかねません。


人と交わることに不安を感じて内向的な人が、

社交性のある人間になるために(目的)

もっと自分から積極的に話しかけよう(行動)。


とする時、その行動が習慣化されて、

その人の性格、その後の人生の流れも

建設的なものへと変化することもありますし、

(心のレンズの現実に適応した変化)


その行動が本人の潜在的な自己イメージ

「自分の様なものは。。。」的なものをより刺激し、

苦しみや辛さを増大させることもあります。

(それまでの心のレンズの強化)


行動を主体として心のレンズを変えようとする時は、

一気に大きな課題に取り組もうとするのではなく、

怖さや不安を感じるけれども、それほどでもないというような

適度な課題を一つ一つ乗り越えていく取り組みの方が無難です。

 

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出来事と原因

2019年04月01日 | 心理カウンセリング

 

ー ヒンズー教の教え -

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。


私達の行動は、目的に向けられたもので、

過去の学習であるとか、トラウマが

個人の目的を決定づけるものではなく、

個人の未来への期待に基づくものになります。

 

現在の自分は、今までの選択と行動の総和であって、

過去の出来事の総和によって

現在の自分とか未来の自分が決定されはしません。


「先生に厳しく叱られたから学校に行きたくない。」

「目の前で悲惨な交通事故を目撃してから外出が出来なくなった。」

上のようなことは、何かの出来事が、

現在の個人の行動を決定したかのように感じますが、

そうではありません。


自分が上司だと想像して下さい。

上司「何故、遅刻したんだ。」

部下「向かい風が強くて。」

上司、「なるほど、それは仕方ないな。」


上の上司と違って、あなたが納得できないと感じるのなら、

何かの出来事が、その人の現在を決定付けないことを

あなた自身が、すでに理解、認識している証だと思うのです。


もう一つ、

酷い事件の弁護士が良くやる常道手段に

犯人の幼少期の酷い養育環境を訴えて

情状酌量を求めているのを度々に聞きます。


厳しい環境の厳しさや辛さについて理解できますし、

よくぞ踏ん張ってくれたと嬉しくも思います。

 

しかしながら私の立場からすると、

情状酌量の求めるための主たる材料は、

別の材料で戦ってもらいたいと思うのです。


被害者にとって加害者の養育環境の問題は、

加害者と養育者との問題であって

被害者にとっては、なんの意味も関係もありません。


何の関係も無い人どころか被害者に

加害者の辛さや痛み分の責任を持たせようと

しているようにも感じます。


ましてや酷い養育環境であったのにも関わらず、

真っ当に一生懸命に生活をしている人に対して、

世間の人達に間違ったイメージを

持たせてしまうことを危惧するからです。


次のような話もあります。

或る研究者が、或る食べ物について

長年の研究の結果を発表しました。

 

犯罪者の98%は、その食品を食べている。

②その食品を食べて育った子供の約半数が、

 テストの平均点以下である。

③暴力犯罪の90%は、その食品を食べてから

 24時間以内に起きている。

④新生児にその食品を与えると喉を詰まらせて苦しがる。

⑤18世紀、その食品を毎日のように食べていた頃の

 平均寿命は、50歳だった。

⑥現在でも、その食品は規制されることなく販売されている。


この話を聞いて多くの人がざわついて

その食品の販売中止を求める人もいたそうですが、

この食品の正体はパンで、

ただのジョークであったことが判明しました。


このような話は、過去の出来事を、

現在の自分の姿に対しての免罪符として

使用することへの警告と捉えることも出来ます。

 

学校で先生に叱られたからとって、

悲惨な事故に遭遇したからといって、

家の中に閉じこもることなく、


先生に叱られることを繰り返さないために

「次からは、こうしよう!」


いつ事故や災害に巻き込まれるか分からないから

「注意や備えを怠らずに、今を大切に、今を楽しみ、

今に感謝して、前向きに生きよう。」

と考える人がいるのも疑いようのない事実です。


何かの出来事は、現在の自分を決定付けるような

圧倒的なパワーを有してはいないのです。


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