犬は、3日飼ったら恩を一生忘れないと言われたりしています。
そんな犬を飼っている人の多くはペットに域を超えて
家族の一員として愛情を持っている方もおられると思うのですが、
「犬が怖いんです。私は犬恐怖症です。」
チワワやマルチーズのような小型犬にさえも近付けない。
このような過剰な恐れを克服したいと来られた方がいました。
このような克服対象がシンプルでハッキリとした相談の場合、
克服までに多くの施療を必要としないのが普通です。
以前、東京クリア研究所に在籍した時に
TVの番組でなのですが、
ある元プロ野球選手の犬嫌いを催眠で治せないかと話がありました。
その方の犬への恐れは筋金入りで、
番組が用意したマルチーズを近付けると
悲鳴に近い声を出して5メートルと近づくことが出来ませんでした。
何でも小さい頃、
犬に噛まれたことが原因とのことですが、
犬恐怖症の大抵の人には似たような体験をしているようです。
幼い頃の私の家には、
じいちゃんが飼っていた秋田犬がいました。
この犬、私以外の家族にはおとなしい犬だったのですが、
私には唸り声を上げて威嚇してきました。
食べ物で懐柔しようとしても唸りながら食べる始末で、
もう幼い頃の私にとっては家の中に猛獣がいるのと同じで、
恐怖の日々を過ごしていました。
その他にも何度か野良犬や友達の家で飼っている犬に噛まれた
恐怖体験も何度かあるにはあるのですが、
犬恐怖症の時期であった記憶は全くなく最初から今まで、
ずっと犬好きのままです。
このような私の実体験からも
何かの体験が心の反応を決めるのではなく、
体験の受け止め方によって
心の反応が決まることが分かります。
ただし、
そんな犬好きな私も土佐犬だけはどうしても駄目で、
距離が保てていても身体が反応をしてしまいます。
有り得ないと思いますが
ペット犬として土佐犬が人気となるようなことがあると、
街中を飼い主に連れられて散歩する土佐犬が
何匹も闊歩することになりますから、
恐怖症克服のプログラムを自分自身に施さなくてはならなくなります。
さて何が言いたいのかなんですが、
個人の何らかの心の状態に~症と付けると
あたかもその人が病気であるような印象を与えることになります。
犬恐怖症に限らず、公的機関から~症と診断をされたことで、
「あ~私は心の病気になってしまった。」と、
それを恥じたり、落ち込んでしまう人がいます。
しかし、日本で生活をしている分には
英語を話せなくても不便に感じることはないけれども、
アメリカで生活をするとなると英語を話せなければ不便になります。
不便な状態になったことと
病気になったことと同じではありません。
そのことに気が付くだけでも心の負担を減らすことが出来ます。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計