1997年 エジプトで寂しさのあまりに
亡くなった夫の頭蓋骨を墓から掘り出した
48歳の女性が逮捕されました。
彼女は、「夫が夢枕に現れて、そう頼んだ。」と供述。
彼女の供述したことが本当のことなのか、
只の言い訳でしかないのか解りませんが、
自分の心の願望や欲望を夢で見た可能性はあります。
その人が睡眠時に見る夢は、
その人の想いとは関係が深いので
その人の見る夢を分析することで
心の問題の原因を明らかにする手法があるんですよね。
さてですが、法律のことを知らなくても
他人の墓を勝手に掘り起こし、遺骨を取りだしたら
犯罪になるかどうかは別にしても
駄目なことだと分かっているのでやりませんわな。
ならば自分の夫の遺骨を墓から掘り起こしても
罪なるのかどうか………
エジプトの場合は、土葬だと思われるので
火葬の日本とはまた感覚が違うとは思うのですが、
日本の場合でちょっと調べてみたのですが
むやみに墓を掘り返したり、墓石等を壊したりすると
墳墓発掘罪という犯罪にあたる可能性があり、
墓に埋葬されていた遺体や遺骨を傷つけたり、
棺桶に納められた遺品を奪ったりすると
墳墓発掘死体損壊等罪と言う犯罪が成立して
罪は、重くなるそうです。
先祖のお墓(自分ちのお墓)を改葬したり、
修繕したりするために掘り返す場合は、
墳墓発掘罪にはあたらないようですが、
事前に市区町村長の許可が得て行わないと、
墓地埋葬法という法律に違反する可能性があるとのこと。
これからすると例え先祖や親兄弟の墓であっても
事前に地区町村やお寺の許可を得る方が無難なようです。
でもなあ多くの庶民的なお墓ってどうなのか。
小さな墓石を動かすと空洞があって
その空洞に遺骨を納めているかと思うので
掘り起こすなんて大層なものじゃないので
いちいち地区町村やお寺に許可を得る人って
いないんじゃないかと。
見るからに立派な墓石の場合は、
パッと見、主だった墓石を動かしてと
派手な作業になりそうなので
許可なくやるとややこしくなるかも。
エジプトの女性の気持ちと行動には、
一定の理解は出来ますが掘り起こした頭蓋骨は、
夫の頭蓋骨には違いないけれども
もうそれは夫じゃなくて、元夫であったものなんですよね。
現実の世界には元夫はどこにもおらず
元夫がいるのはその人の心の中、
時折、心の中からそっと取り出して懐かしむ。
その時に心の記憶を投射する何かがあると
よりリアルに感じられるとは思うのですが
彼女にとっては写真じゃ駄目だったのかあ。
でもまあその気持ちは凄く分かるなあ。
ほんと凄く分かるなあ。
でもそんな状態がいつまでも続くのは
良いとは思えないので時薬が上手く作用して
彼女の心が彼女にとって良い様に落ち着くことを願います。
この時の彼女は、現実を受け入れることを拒否している状態で、
その受け入れることを拒否している現実は、
どうやっても変えることが出来ないので
少しずつ受け入れていかなければ
やがて絶望や無力さに塗れて鬱状態に変化してしまうかも。
墓を掘り起こし頭蓋骨を持ち帰る位に
想いが強いことからも余計に心配になります。
で、日に日に生気を失っていく彼女の様子を見た周りの人が
夫が愛してやまなかった妻を、
あちら側の世界に連れて行こうとしている。
とかの霊的な捉え方をすることも。
もう少し科学技術が発展すると
大切な人の感触や匂いや声や仕草等、
完全に復元したかのようなものを造り出すことが
可能になりそうな気もしますが、
リアルすぎると今度は、怖くなりそうな気も………
で、怖くなったらなったでリアルな夫の造形物を
ゴミとして捨てるのも気持ち的にまた難しくなりそうで
困ったことになりそう。
ある人が言いました、
私のお墓の前で泣かないで下さい。
ましてや頭蓋骨を持って帰らないで下さい。
そこに私はいません。眠ってもいません。
私は千の風になって大空を………♬