心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

50年後の自分

2013年12月06日 | 罪悪感




ある女性が、3年前にお姉さんを事故で亡くなり、

それ以降、

何をしても楽しめないし、

何を食べても美味しく感じないと

相談に来られました。



話しを聞くと、

仕事の帰り、強い雨の日に

自分を迎えに来る途中で

信号無視をした車との事故で

お姉さんを亡くしたとのこと。



そして、その女性は

あの時、自分が迎えに来てと

電話をしなければ

お姉さんは死ななくて済んだと

自分を責め続けていました。



「あなたは何を変えたいですか。」

の私の問い掛けに

その方からの

「自分を責めることを止めたい。」

と言う言葉は返ってきません。



このような時、


「その責任の全てを負う必要なんかないですよ。」

とか、

「お姉さんは、あなたを責めていると思いますか。」

とか、

「あなたを責める様な人は誰一人としていないでしょう。」

とか、

「本当に責められるべき人は、信号無視をした人じゃないですか。」


と言った具合に

その女性が悪くないと説得しようとしても

まず失敗することになるはずです。



なぜなら、そんな言葉は3年の間に

女性を大切に思い心配している

友人、知人、同僚、両親等から

数多く聞かされてきたはずなのです。



それなのに、事故から3年たった今も

自分を責める気持ちを止めることが

出来ないでいます。



女性を大切に思っている人達の

真に愛情がこもった言葉でも

女性の心に届いていないのですから

カウンセラーが同じような言葉を使っても

届く訳がありません。



「私は、あなたが悪くないとか、悪いとかの

事の善悪について何か言うつもりはありません。


自分をそのように責め続けているのは

まだ、まだ自分を責め足りないと感じているのだと思います。

だから、自分の気持ちが納得するまで

責め続けるしかないのでしょう。



ただ、私が気になるのは、

3年もの間、責め続けても

自分の気持ちが納得していないのですから、

この先、何年責め続けると気持ちが納得しそうなのかを

確かめておきましょう。」



催眠導入後、

一年後の自分を知ることが出来ます。

5年後の自分を知ることが出来ます。

10年後の自分を知ることが出来ます。



すると、女性は50年後も

結婚もせず、何かを楽しむことも禁止し、

自分を責め続けている自分を発見します。



「あなたの気持ちは、これから50年以上、

自分を責め続ける人生を送ると決めているようです。


それも一つの生き方だと思います。


そして、30年で終わらせることも

10年で終わらせることも

5年で終わらせることも

そして、

今日、明日に終わらせることも

一つの生き方です。


どのような生き方を選ぶのかを

あなたが自分で決めることが出来るのです。」



このセッションで女性は

50年先もまだ自分を責めている自分に気がついて

とても怖くなったそうです。

そして、

女性は、以前のように自分を責めることが無くなりました。



人によっては、

このようなアプローチだけで終わらずに、

自分が存在し続けるために

自分を責める方法を取らざる得なくする

心のパターンの修正に取り組む必要があります。



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別の痛みで

2013年12月03日 | 罪悪感




私達は、ある感情を押さえ込もうとして

別の感情を使うことがあります。



誰かを怒らせてしまった。

誰かを悲しまさせてしまった。

誰かの期待に応えることが出来なかった。



と感じた時に、

心の中で強い罪悪感が湧きあがり、

自分を強く責めてしまう人がいます。



また、誰かに対しての反応だけではなく、


優しくすることが出来なかった。

余計な事を言ってしまったのでは。

仕事で思うような成果を出せなかった。

子供の成績があまり良くない。

夫の仕事での苦しみを気付いてあげれなかった。


と言うような

自分の行動や態度が

褒められないものだと感じた場合にも

罪悪感を持ち強く自分を責めてしまいます。



自分の身の回りに起きる全ての出来事の

責任は自分にあると信じているかのように

自分の行いに正しさを求め、

間違わないように注意を払います。



別の良い方をすると

自分のやり方次第で、

自分の身の回りに起きる出来事を

コントロールすることが出来るはずだと

言っていることにもなります。



当然のことながら

自分の身の回りの世界を

常に波一つ立たないように

自分が完全にコントロール出来るはずがありません。



しかし、周りの人が

「何故そんなことで。」と理解に苦しむほどのことであっても

自分を強く責めることで落ち込み、


周りの人が「もういい加減にしろ!」と怒ってしまうほど

度々と繰り返してしまいます。



本人もどこかで過剰であることを

分かっていたりするのですが

そのような気持ちを止めることが出来ません。



このような罪悪感を強く持ち

自分を強く責めてしまう傾向にある人は、

自分の独立や主張を数多く、

繰り返し拒絶された幼少期の経験を

持っていることが多くあります。



つまり、自分が出来事をコントロール出来ると

信じているのではなく

コントロールしなければならないと

信じているのです。



「何でそんな勝手なことをするの(言うの)。」


「どうしてお母さん(お父さん)を

悲しまさせるようなことをするの(怒らせるの)。」


「そんなことをするのなら(言うのなら)

お母さん(お父さん)はもう知りません。」


「私の子なら、そんなことはしないよね(言わないよね。)」



このような強い調子の言葉や態度を

繰り返し向けられることで

子供は、自主性を持つ事は、

いけないことであり恐ろしいことであり、

周りの人の気持ちの責任までも持つ事を

心に刻み込んでしまいます。



同時に

自分の心の自由を押さえつけられたことへの

怒りを持つことになりますが、

この怒りの感情を自由に感じることは

拒絶、見放される危険に繋がる非常に

危険なことになります。



その非常に危険なものを回避するために、

酷いのは自分なんだと思うことで

怒りを消したり、弱めたりする方法を選択します。



また、養育者が発する気持ち以上に

自分が悪いんだと思い込み

その態度や気持ちを表すことで

養育者から拒絶されたり見放されたりすることを

防止しようとする意味合いも含まれることがあります。



そして、

それによって許され認められたと

信じるに値する経験を持つ事で

そのパターンは非常に有効な方法であると

心に深く学び取ります。



その学び取ったものが

絶対的な規範として心に君臨し続けると、

成長するに連れて強く大きくなる

独立、自主性を求める衝動と、

激しくぶつかり、

苦しみや辛さが強くなります。



そして、苦しみや辛さを消そうとして、

また、養育者に対する怒りの気持ちを消そうとして、

自分を罰する気持ちもまた強くなります。



このような問題を解決するためには

拒絶や見放される事への恐れや

自分が負う責任の範囲についての検討等をし、

それまでの不適応なパターンの修正をする必要があります。



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罪悪感

2013年11月30日 | 罪悪感




自分の良心に反することをしてしまったり、

間接的にでも自分が関わったことによって

誰かに迷惑をかけてしまった。



周りの誰一人として

迷惑をかけられたと思っていなかったとしても

自分なりの考えから

罪悪感を持つこともあります。



この罪悪感を、

心の中にどんと居座らせていると

何をしても喜べなくなったり、

楽しめなくなったりするだけでなく

やる気が出来ない、眠れない、

何を食べても美味しくない等、

多くのことに悪い影響を及ぼしてしまいかねません。



長く暗く重苦しい人生を送らないためにも

その出来事を、今後の自分に何らかの形で役立てるために

出来事を履歴として記憶し、

自分を赦してあげなくてはなりません。



その誰かに謝罪する気持ちや反省する気持ちを

深く強く持つにしても、

自分を赦してあげなくてはなりません。



罪悪感を打ち祓い、自分を赦すことを決断し

決行することが出来るのは自分だけです。

他の誰でも無い自分です。



罪悪感を自分で打ち祓うことを躊躇し、

誰かの赦しがあるまで

その罪悪感を持ち続けるとしたなら

自分が生きていると感じられる時を

持つかどうかの決定権を

自分以外の誰かに委ねることになります。



すると、自分の苦しみや辛さを何とかするために

その誰かに赦してもらえることを強く望み求めます。


しかし、あなたが幾度となく謝罪の気持ちを

言葉や行動にしたからといって

その誰かから赦しをもらえるとは限りません。



その結果、

『俺は悪くなかった、悪いのはそちらだろう。」と

赦すことを拒否するその誰かを攻撃し

それを力づくに認めさせるか、

いつ終わるのか分からない暗く重い日々を耐え続けるかの

どちらかしかありません。



誰かに赦されることと、

自分を赦すことは別のことなのです。

誰かに謝罪する気持ちを持つ事と

自分を赦すこととは別のことなのです。



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意図するもの

2012年09月23日 | 罪悪感


私達が生きるということは、

何らかの形で誰かと関わりを持つということです。



この時、違う価値観や考え方を持った者同士が

関わり合いを持つことになりますから、

ひと悶着が起きても不思議ではありません。



そんな時、

個人の領土の境界を態度によって相手に示し、

むざむざと侵害されないように、

ステップワークでその相手と適度な距離をとったり

適度に向こうへと押しやったりすることになります。



そして、接触回数や時間が増えるにつれて、

互いの距離が遠ざかったり、近付いたりと揺らめきながら、

価値観や考えを同じくすることが多い人とは深く、

異を多くする人とは浅く関わるというように、

互いが気持ち良くいられる距離感が確定していきます。



理想と言うか、通常はそうなのですが、

このような事を目的とするのではなく、

他の目的を持って関わりを持とうとする人がいます。



自分の劣等感を自分が変わることで払拭するんではなく、

相手をやっつけることでその目的を達するためであるとか、


自分のイライラや不満や怒りを吐き出すための

サンドバック代わりとするためにであるとか、


あるいは、相手から何かを奪い取ることが

真の目的であることもあります。



そのような目的を持っていた場合、

その目的を達するために、よくみられるパターンとしては、

自分が被害者であることを強調し、

相手を加害者の立場に設定しようとします。



「あなたのあの言葉で、どんなに私が傷ついたか分かるか。」

「どうして、あの時、気が付いてくれなかったのか。」

「あんなことをした(してくれない)ことで酷く苦しんだ。」

「馬鹿にするな。」「冷たくするな。」「大切にしろ。」

「普通、そんなことをしないだろう。(言わないだろう。)」



だから、「私に謝りなさい!」「私に与えなさい!」となります。



この時、悪者等とというレッテルを張られたくないあまりに、

非難について説明し、何とか誤解を解こうと汗をかいても、

真の目的は別の所にありますから容易くはありません。



仮に、その人が納得したり、誤解が解けたような態度を示したとしても、

それは誤解が解けたのではなく、

その人にとっての何らかの目的が

幾分か達成できたと言うことでしかありませんから、

何かの機会を見つけては、再び同じことが繰り返されます。



しかし、これらの主張には無理があるので、

その主張の不自然さや強引さを突かれると、

論点や話題を別のものや、

以前に誤解が解けたはずのものをも再び取り上げ、

以前の話し合いがまるで全く無かったかのように責め続けたりします。



加害者の立場と悪者の立場となりたいない故に、

度々に繰り返されるその人からの主張を、

一つ一つ丁寧に拾い上げ、その全ての誤解を綺麗に解かなければと、

分かってくれるはず、理解してくれるはずと、

頑張れば頑張るほど、

被害者と加害者の関係の設定に取り込まれ、

相手にペースに振り回され、

気が付かない内に、抜け出せず網の中でもがく小鳥のような状況に

追いやられてしまいます。



このような状況から抜け出し、自分を護るためには、

その相手から加害者、悪者のレッテルを

張られることを恐れないことです。

その相手から、良い人、良識人等のレッテルを

張ってもらわなくて良いことを決断することしかありません。



互いが気持ち良く関われる距離を模索するのではなく、

関わりを断つことを、いつ決断するかになります。



まわりを見ることを忘れないでください。

あなたに好意を向けてくれる人、良い印象を持ってくれる人は、

他にも沢山いると言うことを忘れてないで欲しいのです。


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