孫氏の兵法
敵を欺くには、まず味方から
ロシアの国防大臣『ショイグ』と
軍参謀総長『ゲラシモフ』の引き渡しを求めて
プリゴジン自身が率いる民間軍事会社ワグネルの大軍を
モスクワに向けて進めたことで内乱勃発かと思われた行動も
モスクワの200㎞手前まで来たところで
「嘘やんかあ~。そんなことする訳ないやんかあ~。」
と突如、あっけなくその行動を中止して解散。
「我らの大統領であるプーチンは、二人に騙されている!」
「我々は死ぬ覚悟は出来ている!」
「我々の行動は、軍事クーデターではない!」
「我々ロシア国民の敵は、モスクワにあり!」
と本能寺の変かと思えるほどの
途轍もないド派手な花火を打ち上げて
モスクワに向けてワグネルの進軍は、
ロシア国家の英雄となるか、歴史的犯罪者となるかの
大いなる覚悟を持った行動だと思ったのですが、
あっけない幕切れ。
プーチン大統領は、プリゴジンの行動について
ロシアを背後から攻撃するものだとして
国家に対する裏切り行為だと激怒!
プリゴジン氏は、味方であるはずのロシア正規軍から
背後から攻撃を受けて深刻な被害を受けたと激怒!
プリゴジンの言うことが真実だとすると
信じられない裏切りを受け激怒することは当然で、
もう許さんとド派手な花火を打ち上げて
ロシアに向けて進軍したものの、
モスクワの200㎞手前で冷静さを取り戻したのか、
腰が引けて現実的な判断となったのか分からないけれども
突然の心変わりで進軍は中止との宣言をかます。
しかし、あそこまで啖呵を切っての進軍が
あっけなく幕引きになった理由が全く分からん。
ロシアがウクライナへ侵攻してから
ロシアの主だった人達が話す責任と重みがない言葉を
さんざん聞かされているからロシア人らしいと言えば
そうではあるのだが。
そのようなことをこれまで
何度も聞かされているのに関わらず
見識者の中にはワグネル軍が進軍を中止したのは、
モスクワに辿り着けずに全滅することを察して
全滅を回避する行動だったとか、
プーチン政権が、ロシア国内さえも
コントロール出来ていないことが明らかになったとか、
今回のプリゴジン氏の行動を説明した
プリゴジン氏の口から話された内容について
私としては見識者の人達のように
嘘偽りのない本心からの言葉かのように判断する
素直さを持ち合わせていないんですよね。
狼が出たぞお!
狼少年の嘘を、嘘でしょうと思えるほど
純粋に素直に聞き続けている感じがするんですよね。
でもまああれです。
有識者の人達は、重要人物の話す言葉や態度を拾い集めては、
そこから覆われた真実を推察するのが役割だとしても
推察する基盤となる言葉に重みがないことを知りつつも
解説をしなければならない立場なのは大変だろうなと。
何の役割も持たない私の場合は、今回の一連の出来事について
プリゴジン氏の話した内容が何だか腑に落ちないと言うのか、
全ての出来事のピースが無理なく収まっていないので
気持ち悪い感が残っています。
ワグネルの軍隊がモスクワの200㎞まで
大きな軍事衝突が起きずにスムーズに進行できたことは
何故なのか?
これまでプーチン政権は、自分に異を唱えたり
恭順の姿勢を見せない政治家や実業家を
次々と容赦なく暗殺までやってのけてきており、
そのプーチン大統領と政権が今回の行動の首謀者は、
国を裏切ったとまで強く非難しながらも
プリゴジン氏の国外追放(ベラルーシ)止まりで
モスクワに進軍(行進)したワグネルの軍についても
責任は、追及しないって………
物凄い違和感があるんですよね。
仮に、これら全ての動きが台本通りのことだったとして、
全ての行動が無理なく入るピースについて考えてみると
考えたくはないけれども
とんでもない一つの最悪のシナリオの可能性が浮上します。
サイコパス的なプーチンと言えども
まさか、さすがに、それはと思いたいのですが………
ウクライナや軍需支援をしている西側を
大きく利する出来事が起きるかもと期待させてから
その高まった期待を壊すことで心理的に揺さぶる作戦?
でもそれだと西側と比べて命が軽いロシア兵士と言えども
進軍中にヘリ数機と固定翼一機が撃墜させて
ロシア軍兵士の数名の命を犠牲にすることとの
バランスがあまりにも欠けてしまう。
国外追放を受けたのが、
ウクライナの隣国ベラルーシであることから
国外追放の形を取り、密かにベラルーシに
プリゴジン率いるワグネルを移動させて
ウクライナの虚を突いて再度キーウに軍事進行させるため。
でもそれだと
普通にプロゴジンとワグネル軍を移動させて
ベラルーシに配置することと比べて、
あれほどの大きな茶番を演じてから
ベラルーシに配置させることの方に
大きな利点が利点があるとはとても思えず、
色々と摩訶不思議な出来事について考えていたら
浮上した一つの恐ろしい最悪、極悪のシナリオの可能性は、
プーチン大統領は、プリゴジンをベラルーシに移動させて
そこでワグネル軍を集結させてから
ベラルーシに配備したロシアの戦術核兵器を強奪させて、
強奪させた核兵器をウクライナに対して使用させて
悪化し続けている戦況を一気に逆転させることが目的だとしたら。
この時、プリゴジンはプーチン大統領との
大喧嘩を装った形で国外追放されていることから
ワグネル軍は、ロシアとは一切関りがなく
もはや単なる武装テロ組織でしかないと
プーチン大統領は、強調出来るので
ロシアが非難されることも、西側の核兵器の報復を
受けることも避けることができる。
西側が報復出来るのは、ベラルーシ国内にいる
ロシアの民間軍事組織ではなく
プリゴジンが率いる武装テロ組織となるので
西側陣営は、ロシアにもベラルーシに向けても
核兵器を用いた報復攻撃は出来ない。
ロシアがベラルーシに核兵器配置を計画した時から
このようなことをプーチン政権が画策していて
今回の一連の動きは、この計画に沿って起きたものだとしたら、
そして、ウクライナに対して核兵器が使用される………
これは最悪のシナリオですが、
プーチン大統領ならやりそうでもあるし、
さすがにプーチン大統領と言えども、
そこまで非人道的な事をやるとは思いたくはないのだけれども、
一番、これが全てのピースが無理なく入りそうな気がします。
ただこれにも違和感があるのが
この茶番劇を演出した人達の役者ぶりが
プロの役者かのように話す言葉の抑揚や表情が
見事過ぎるんですよね。
まさかロシアの場合は、
政権や軍事に関わる人達の必須科目に
演技技術を高める訓練があったりして。
今後、ロシア国民に一定の人気のあったプロゴジン氏を
逮捕拘留し国家反逆罪として裁かずに
一旦、国外追放と言う懐の広い所を国民にアピールしつつ、
ある程度騒動が落ち着いた頃合いを見計らって
プーチン政権お家芸の暗殺で幕引きとなれば、
驚きの単純明快なプリゴジン氏の
感情のままの暴走でしかなかった可能性も出てきますが
それだとあまりにもお粗末。
プリゴジンは反乱のリーダーではなくて
ロシア政権内部のプーチン政権転覆を画策する
政治家か軍部の黒幕こそが真のリーダーの駒でしかなく
まるで茶番のような幕引きは、
その黒幕から行動中止の連絡を受けたことによる可能性も。
ベラルーシに設置したロシアの核兵器が奪われ、
ベラルーシ軍もロシア軍も鎮圧の動きが鈍い場合は、
今回の全ての動きが戦況悪化が続くプーチン政権が
一発逆転を狙って画策した最悪のシナリオだった可能性が高まります。
まだまだ表に出ていない情報が明らかになって来れば、
それに伴って違う可能性も出てくるのですが、
はたして………。
最悪のシナリオの見立ては、映画の見過ぎかな。
そうであることを願っています。
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