心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

スペース

2010年01月31日 | 催眠療法

母親に両腕に優しく包まれるように抱かれている、
まだ言葉もしゃべれないであろう小さな子。
皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。

その表情は、全てのものから守られている感じと言うか、
安らかな感じと言うか、無垢というか、
何とも言えない表情を見せてくれます。
そんな様子を見ると幸せのおこぼれをもらった気分になりませんか。

私は催眠畑出身ですので、施療では催眠誘導を了承頂いた人には、
催眠を誘導するようにしていますが、
催眠状態への没入が深まるにつれて次第に表情が変化してきます。
表情筋の一本一本が緩んできて柔らかな表情となり、
やがてある域までくると、その表情は子供のそれと良く似たものになります。

その時、きっとその人は、ありとあらゆる煩わしいものから離れて、
おそらく誰もが体感し、 覚えているけれども忘れてしまっていた感覚を
再体験しているのだと信じています。

実は、誰もが心の深いところの真ん中のスペースに
そんな感覚を持っていて、その中で過ごしている。
窓から見える風景は、何時もぽかぽかとした春の陽気ばかりではなく、
時折、冷たく荒々しい雨、風が吹き荒れることもあります。
でも、その全ては、スペースの外で起きていること。
そんな想像をしてしまいます。

そして、それは単なる想像だけではなくて、
今まで何人もの柔らかな表情を見ていると、
もしかすると、それこそが現実であるようにも思えるんですよね。

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宿すもの

2010年01月30日 | 雑感・愚見

大型客船が大海原のど真ん中でタイタニック的に沈没しようとしています。
その乗客には、医師、偉人、大金持ち、宗教家、牧師さん、
ごく普通の民、犯罪者、詐欺師、赤ん坊、
子供、身障者、お母さん、お父さん等、
今まさに、ありとあらゆる人達が海に投げ出されようとしています。

その時、天空から末世に現れ人々を救うと言われている
弥勒菩薩が降りてきました。
しかし、あまりにも人数が多いので一度に救うことが出来ません。
はたして、弥勒菩薩は誰から救って行くのでしょう。
という話を学生の時だったと思うのですが、されたことがあります。

その人は宗教家でも、カウンセラーでもなく、
ごくごく普通の年齢もそう違わない人でしたので、
宗教学的に正しいのかそうでないのか分かりませんが、
その答えは、「自分に近い人から救って行く。」とのことでした。

この人はああだから、あの人はこうだから、
何て言う区別というか、価値評価と言うか、
弥勒菩薩レベルでは、全く意味がないようです。
大きい、大きすぎます。

この菩薩レベルの懐の広さ、愛情の種を、
一人、一人の女性が宿しているように思えてしかたないのは、
私だけなのでしょうか。

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訪問

2010年01月29日 | 雑感・愚見
見送りは苦手だ。誰を見送っても寂しさが募る。
本当は、ありがとうって感謝の気持ちで一杯になれれば良いんだけれども、
まだ、そこまで人間が出来ていないらしい。

その点、訪問は大好きだ。
自分の求める気持ちを受け入れてくれる笑顔を見れる。
それだけも天上界に上る気分。
そして、自分を求めてくれる嬉しさ、
自分の喜びが相手の喜びと一致し、
さらにお互いが同時与え与えられるなんていうのは、
私にとってはこれ以上ない至福の時。

たまに美味いカレーにありついた時には、
これだけでも生きていけるとも思うこともあるけれども
やはり、それ以上の至福の時である。

そんなことを考えているとピンポ~ンと玄関のチャイムが鳴る。
「は~い。どちら様ですか。」
「この度は、聖書のご案内を。」
「どちら様だと思ったら神様だった。」

まだ、神様に頼るだけ弱ってはいない。
まだ、神様の傍にいれるだけの立派な人物にはなっていないと、
丁重にお断りした。

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段階別攻略法

2010年01月27日 | 雑感・愚見
私は子供の頃と言うか20歳頃まで、
鶏肉をどうしても食べることが出来ませんでした。
原因は、鶏肉の皮のブツブツと鳥のネバッとした油が、
もう気持ち悪くて全く駄目でした。

それが20歳頃、仲間内の鉄板焼きパーティーで
私は豚と牛肉ばかりを食べていたのですが、
仲間が鉄板の上に乗せた鶏肉の焼ける匂いに誘われ、
一口手を出してみたら、オッ美味しいぞとなり、
一口が二口へ、二口が三口へと。
この経験が私にとっての正に蟻の一穴で、
それ以後、全ての鳥肉料理に嫌悪感が無くなりました。

駄目だと思えるものの全体を相手にすると困難なことでも、
一端でも良い。自分が取り組みやすい所を制覇すると
やがて全体にまで広げていけます。

私の施療でも全体を大きく動かすことが難しいようなら、
動かすことが出来る部分を捉えて、
それを動かすことに取り組んでもらうようにしています。

そう言えば、子供の頃に私の両親が、
TVに夢中になっている私に「トシヒロ、ちょっと来て」
何だと行ってみると、「これ、片づけるの手伝って。」
腰の重い私に対して段階別攻略法を使っていたのかもしれない。

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正しさ

2010年01月25日 | 雑感・愚見
怒りの感情についてもう少し書いておこうと思います。

人との関係の中で怒りを感じる原因の大半は、
自分が尊重されていないと感じているとき、
自分が理解されていないと感じているときです。

この時、相手の態度は拒否、否定、無視、攻撃、押しつけ等です。
これらの態度を相手に取られることがないと
相手との摩擦が無くなります。

また逆もそうですね。
自分が相手にそのような態度を取らなければ摩擦が無くなることになります。

言葉にすれば簡単なのですが、これを難しくさせているのが、
自分が間違ったことをしたとか、自分が悪いことをしたことを
認める強さに欠けている場合もありますが、
もっとややこしく複雑にさせてしまうことは、

前のブログにも書いたように、
絶対的に正しいことはないに等しいということが関連しています。

人と人がトラブル時の関係は、ある価値観の中において、
一方が正しい。一方が間違っている。が一つ。
どちらも間違っている。が一つ。
どちらも正しいと思っている。が一つ。

この中でも一番ややこしくさせてしまうのが、
どちらも正しいと思っている状態です。
この状態であると、どちらも引かずに押し合いが続きます。
そして、互いの非難合戦まで行ってしまうことがあります。

これを無くすには、
自分とは違う価値観を自分の価値観に染めることを至上命令とするのではなく、
自分とは違う正しい価値観があることを認め合い理解し合うことが求められます。

これは相手に対して電信柱扱いをする前の段階で
行うことが出来れば良いなと思う取り組みであるし、また自分の態度です。
これもまた、言うことは簡単、行うは難し、ですが、
その考えを頭の横に置いておくと
ヒートアップする度合いが少しは違ってくるのではないかと思います。

君の立場に立てば君が正しい。
僕の立場に立てば僕が正しい。

という言葉もそれを表しています。

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電信柱

2010年01月25日 | 雑感・愚見
何やら考え事をしながら道を歩いていると、
突然何かが「ドンッ!」とあなたにぶち当たってきた。
「痛たたたたっ。何だ、この野郎!」
湧き上がる腹立たしさを感じながら、
目を向けてみると、そこには電信柱が。。。

あなたに痛い思いをさせた正体を知った時に、
その怒りを電信柱にぶつけるだろうか。
「お前、気を付けろ。ふざけるなよ。ボーとこんなところに立っていやがって。」

酩酊状態か何かでなければ、
まず、こうはなる人はいないと思う。
そして、自分に湧き上がった怒りの感情も、
割合と早く収まってしまいます。

このように考えると、
もし、あなたが誰かに腹立たしさを感じ続けているとしたら、
あなたのその気持を、その相手が受け取ってくれると思っているからです。
相手が電信棒では気持ちを受け取るも何もありません。

その続く感情が寂しさや怖さではなく、怒りの感情だとすると、
その怒りの感情を納めるための一つの方法としては、
その人に対して自分の期待するものや要求しているものを、
諦めてしまうと怒りの感情は弱くなるはずです。

しかし、あなたがその相手を電信柱扱いすることが出来ないとしたならば、
一つは、自分の考えや気持ちを伝えておらず、受け取ってくれるかどうかを、
確かめきれていない。

一つは、その相手を電信柱扱いするような冷たい態度をとることを良しとせず、
最後の最後まで、その人を信じる気持ちを持ち続けようというような、
あなたの温かな気持ちがそれをさせないのかもしれません。

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太陽

2010年01月23日 | 雑感・愚見
あなたが失敗していても、成功していても、
あなたがふてくされていても、腹を立てていても、
あなたが落ち込んでいても、幸せの絶頂であっても、
あなたに何があったとしても、何をしたとしても、

その日が、あなたにとってどんな日でも、
陽は朝に昇って、あなたを温かく照らし還っていく。
あなたに近くにそんな人が一人でもいるだけで、
心が凍りつくことはないのではないでしょうか。

そんな人は誰もいないとしても、
「心に太陽を!」で行きませんか。

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ピグマリオン効果

2010年01月23日 | 雑感・愚見
心理学の一つにピグマリオン効果と言うものがあります。
これは、期待することによって期待された者が、
それに呼応するかのように反応するというものです。

アメリカの実験で次のようなことが行われたそうです。
小学生にごく普通の知能テストをした後で、
君のクラスに将来すこぶる成績が伸びる可能性がある生徒がいると
何人かの生徒の名前を担任の教師に告げたそうです。
この生徒は全く任意で(適当に)選んだのですが、
一年後、その生徒たちの成績が実際に伸びたというものです。

このピグマリオン効果は期待をするだけでなく
相手を褒めることもその効果を得られるそうです。
この逆に、期待しないことで成績が向上しなかったり、下がったりする効果を
ゴーレム効果と言うそうです。

物理学かなんかで言うと、
Aの温度とBの温度が交わるなり、近付くなりすると
二つの温度は同じ温度になる。

医学的に考えると、体内の異物を排除しようとするか
取り込んで一体化しようとする。

他者から要求されたりするのではなく、
ただ強く期待されたり、信じられたり、褒められたりされ続けていると、
人は違和感を感じるのは当然で、
心は居心地が悪い状態を安定させようと動きます。

攻撃して排除しようとするのか、逃げ出したり、
そのどちらも難しい場合は、それに呼応するように動くことになります。
親は子供に、上司は部下に、夫は奥さんに、奥さんは夫に、
文句を言うのではなく、要求を押し付けるのではなく、
その人はきっとそうであると期待し褒め信じることの方が、
結果、自分を幸せにすることに繋がることになります。

有名な話で、植物や花だって毎日「綺麗だね。素敵だね。」と言うだけで
元気良く育ったり、素敵な花を咲かせると言いますから、
人だったら尚更に効果があるに違いありません。

私の尊敬するアメリカの催眠療法家で精神科医であった
類を見ない施療効果を上げていたミルトン・エリクソン氏が、
他の医師からの質問、
「何故、君のクライアントは君の言うことをそんなに素直に聞くのか。」
に対して、
「私はクライアントにそれを期待しているだけです。
心からクライアントがそうするであろうことを期待しているだけです。」
と答えたと言います。

エリクソン氏が施療で行っていたことは難解で複雑で、
ピグマリオン効果だけでは説明がつきませんが、
その効果も施療に取り入れていたんだろうと思います。

この効果を得るには、
その行為、態度を変わらず続ける必要があります。
そして、変わらず続けるためには、
言うまでもなく、その相手への強い愛情がなければ成り立ちません。

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子泣き爺

2010年01月22日 | 雑感・愚見
「一人殺せば犯罪者だが、100万人殺せば英雄」
これは喜劇王チャーリー・チャプリンの「殺人狂時代」のセリフです。

カウンセリングに訪れる人の中には、
罪悪感から自分を責めたり、
自分をがんじがらめにしている人が少なくありません。

「自分のしたことは悪いことだ。」
「それをすると悪いことだからしてはならない。」

でも絶対的に悪の行為と言えるものは何だろうと思うのです。
それはあるのかもしれません。
今、思いつきで書き込んでいる私には思いつかないのです。
逆に、絶対に正しいと言えるものも同様です。分かりません。

しかも悪という言葉には大きな負のエネルギーをまとっています。
迷わずに目的地まで導くガードレールのようなものとして
役立てるならまだしも、
安易に背負ってしまうと、ゲゲゲのキタローに出てくる子泣き爺の如く、
どんどん重くなり最後には押しつぶされてしまいかねません。

ですから、それをちょっと変えて、
「私はそれをしたくなかったことを、やっちまった。」
「私はそれをしたくはないんだ。」
「私がした行為は、そんな結果を望んでいた訳ではない。」

それでいいように思うんです。
これで、子泣き爺を背負ってしまうことを防げるのではと思うのです。

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方舟

2010年01月20日 | 雑感・愚見

私達が苦しく、辛くなるのは、
怖さや不安などの感情が起きるからです。
これらの感情を持たなければ、
当然、苦しみも辛さも感しることなく日々を送ることが出来ます。

しかし、これらの感情を全て悪だとするには早計で、
中には正面切って受け止め、それを消化し、
そのような経験を一つ積むたびに、
大人になったり成長していくものもあるからです。
これは何かの歌にもありましたね。
「涙の数だけ、強くなれるよ♪」です。

ただ、自分を大人へと成長へと向かわせるものは、
時間と共に感情の質を変えたり、やわらかくなったりします。
その時、ドラクエのようにレベルアップの
ファンファーレは滅多に聞くことはありませんが、
私達はその分だけ、少し大人になります。

しかし、これとは別の苦しみや辛さがあります。
それは、私達の在り方で感じなくとも済むものがあります。
これらは、時間が経過することとは関係なく長く感じたままになります。
それらの感情体験がそうです。
感じている時間、感じる強さに見合うだけ価値あるものとは思えません。
ですから、そこから脱出しましょう。

感情は、それ単独では生み出すことが出来ません。
その感情には、その感情を生み出すだけの思考が働き、
その思考によって生み出された場面が心に必ずイメージをしています。
怖い感情には怖い場面が、辛い感情には悲しい場面が、
そして、その感情の強さに合うだけの場面がイメージをしています。
自分自身がついつい創りだし、そのシーンを眺め体験しているのです。
それは怖い映画のとんでもなく怖いシーンを繰り返しみているのと同じです。

ですから、そのシーンが何であるのかを知り、
そのシーンを先に送ることで感情は変化します。
「嫌われることが怖い。」「自分は何て駄目なんだ。」
このような想いが長く強く続いているようなら、
それに関連した場面がイメージされ、
その場面を見続けていることから起きています。

ですから、そのシーンをリモコンで先に送ろうとしても、
送れないようなら、自分がその場から移動するのです。

それを運命として、その運命に埋没するのではなく、
あたかも方舟に乗って新天地に漕ぎ出すように、
移動してしまうのです。

「嫌われることが怖い」であるなら、
それがもう起きることが避けられないものとして考えて、
「すると何が起きるのか。」「それに対して自分には何が出来るのか。」
「自分はどのように対処するのか。」「それは本当にそうなのか。」
のように、自分が次に立てそうな場所を見つけて、
その場所に自分が移動するようにしましょう。

自分が観ているもの、触れているものが変われば感情も変わります。

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