1936年 東京の神田で女性の文字で
『貸間あり』と書かれた家を狙って侵入し、
家主を暴行していた男が逮捕されました。
金品の被害者は、40名。
暴行の被害者もほぼ同数だった。
元々の貸間は、
アパートやマンションの一室を借りて住むのとは違って
家主が住んでいる家の一室に部屋代や食費を支払って
住まわせてもらうことになります。
貸間の私の印象としては、
家主の子供が社会人として自立して家を出たり、
夫が亡くなったことで生じた空き部屋を眠らせずに
貸間として貸出して有効活用する感じでしょうか。
家の一室を貸し出すことで、
女性の一人暮らしの心細さを補えるし、
ちょっとした収入も得られるので一石二鳥ではあるものの
自分が住む家の一室に全くの他人を住まわせることになるので
家主は、借主をより慎重に選ぶ必要があったはずです。
町の不動産屋さんに学生限定として委託していれば
借主の身元や親御さんの連絡先等の情報や
他の手間の要ることをチェックしてくれるので
リスクはかなり回避することが出来たのかも知れません。
当時は、アパートやマンションが少なかったのか
あったとしても家賃が高かったのか、
大学に通うために親元を離れる場合には、
大学の寮に住むか下宿先に住まわせてもらうのが
定番だったんじゃないかと。
親とすれば可愛い子供が一人暮らしをして
色々な誘惑によって生活が荒むような兆しがあれば
家主さんから報告を貰えるし、
食の偏りの心配をしなくても済みますし、
アパートやマンションに住むよりも
経費が少なくて済んだのかも知れません。
なので学生時代や就職したてでまだ収入が少ない頃に
下宿先に世話になったと言う人の話を聞くことは
特に珍しいことでなかったように思います。
逮捕された男は、ネットも無い時代に
古き良き時代だったとはいえ分かっているだけで
40軒もの犯行を行っていたのですから
犯人の男にとって女性が一人で暮らしていることを示す
貸間有の文字を発見するのは
さほど難しくなかったということでしょうか。
今も昔も窃盗や強盗はあったとはいえ、
最近は、昔の日本の社会なら考えられなかったような
荒っぽい強盗事件が頻発しているので
会社や大学の寮の管理人としてならまだしも
自分の自宅に全くの他人を住まわせるって
さすがに無いような気がするのですがどうなんでしょうか。
しかし、闇バイトの強盗を指揮している人物が
どのような人物なのかは分かりませんが、
その実行犯らは犯行を繰り返せば繰り返すだけ
逮捕される確率は高まり、逮捕されたら死刑か無期。
それなのに顔を知らないどこの誰か分からない人物に
指示されるまま数人がかりで押し入って
手にした数万円の何割かを指示役に献上するって………
頻繁した高級腕時計店の強盗もそうで
あの店を襲って、次はあの店と指示されるまま強盗して
指示役に献上するって………
指示役は次はあの店、次はあの店、
次はあの家、次はあの家と指示して
後は高みの見物。
なんでまた使い捨ての虫けらのように扱われることに
自ら飛び込んでいく実行犯らのことを普通に考えると
その愚かさと馬鹿さ加減には絶句。
逮捕された実行犯らを見ると
完全に私の主観でしかありませんが「だろうね。」と
思えるような犯人もいますが、「えっこんな奴が。」って
思える犯人も見受けられます。
何でそんな馬鹿で愚かな選択を、
何でこんな犯罪に縁遠そうな奴がの疑問がありましたが、
ちらほらと聞こえてくる話から
実に巧妙に仕組まれたリクルートをしていることが分かります。
その巧妙なリクルートの手口を書くと
また長くなりそうなので、またの機会がある時に。