「いや、俺はやろうと思えば就職をして
社会に参加することを恐れてはいない。
ただ、やりたいことが無いだけだ。」
「私はついていないんです。昔からそうです。
私のまわりには酷い人しかいません。」
心理療法の取り組みの一つに、
本人の問題が何であるのか本人には分からない時、
また、本人に問題意識が欠如している時、
あえて本人に失敗をしてもらうというやり方があります。
これは、それによって本人の問題が
何であるかを明確にしたり、
本人自身に自覚してもらうことが目的です。
もちろんお話をお聞きすることで
施療者に問題が何であるのかの
およその見当がつき、
「あなたの問題は何々ですね。」
と言うことが出来たとしても、
それだけでは、
その後の施療が効果的なものとなりません。
その指摘がまるで見当はずれなら当然の結果ですが、
それが、例え正しいものであっても、
そうはならない事があります。
その原因は、施療を提供する側が
問題が何であると確信出来たとしても、
その時点では、
その発見は施療者のものでしかありません。
実際に問題を解決する施療に
参加する方のものになってこそ、
その問題を動かし、解決することが出来ます。
その方の問題を施療者が指摘するにしても、
それが、施療に参加する方の納得が得られてから、
その先に進める必要があります。
そうでなければ受療者を
おいてけぼりにすることになるのです。
これは、催眠誘導でも同じ。
被験者の催眠状態によって得られる反応が違います。
被験者のその瞬間、瞬間の催眠状態を
読み違えた誘導をすると、
いとも簡単に被験者は催眠状態から覚醒します。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計