心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

勇み足

2010年08月31日 | 心理カウンセリング





「いや、俺はやろうと思えば就職をして

社会に参加することを恐れてはいない。

ただ、やりたいことが無いだけだ。」



「私はついていないんです。昔からそうです。

私のまわりには酷い人しかいません。」



心理療法の取り組みの一つに、

本人の問題が何であるのか本人には分からない時、

また、本人に問題意識が欠如している時、

あえて本人に失敗をしてもらうというやり方があります。



これは、それによって本人の問題が

何であるかを明確にしたり、

本人自身に自覚してもらうことが目的です。



もちろんお話をお聞きすることで

施療者に問題が何であるのかの

およその見当がつき、

「あなたの問題は何々ですね。」

と言うことが出来たとしても、

それだけでは、

その後の施療が効果的なものとなりません。



その指摘がまるで見当はずれなら当然の結果ですが、

それが、例え正しいものであっても、

そうはならない事があります。



その原因は、施療を提供する側が

問題が何であると確信出来たとしても、

その時点では、

その発見は施療者のものでしかありません。



実際に問題を解決する施療に

参加する方のものになってこそ、

その問題を動かし、解決することが出来ます。



その方の問題を施療者が指摘するにしても、

それが、施療に参加する方の納得が得られてから、

その先に進める必要があります。

そうでなければ受療者を

おいてけぼりにすることになるのです。



これは、催眠誘導でも同じ。

被験者の催眠状態によって得られる反応が違います。

被験者のその瞬間、瞬間の催眠状態を

読み違えた誘導をすると、

いとも簡単に被験者は催眠状態から覚醒します。



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握手

2010年08月26日 | 終結





痛烈な苦しみや悲しみを経験すると、

消化することが出来ずに

長く引きずってしまうことがあります。



心の一部がその過去に留まったままでいると、

今を全身で感じ、今にエネルギーを注げず、

心から笑えなかったり、楽しめません。



忘れようと、無くそうと思ってもどうにもならず、

苦しさや悲しみや怒りが、重くのしかかります。



実際にあった出来事、

過去の記憶とはサヨナラは出来ませんが、

ネガティブな感情とは、さようならが出来ます。



そのための唯一の方法、

自分の過去と握手をすることです。

そのために、必要なことは何でしょうか。



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懐かしい人

2010年08月25日 | クライアント様より





関東より懐かしい人が

元気な姿を見せてくれました。

数年前にクライアントとして知り合った方です。



月に一度ほどのメールで

近況の報告をしてくれてましたが、

そのメールで突然、神戸に来るとのこと、

何でも、心の壁をさらに突破したいとのこと。



前に外国にお住まいの日本人の方から

ご予約を頂いて2回の施療を行ったことがありますが、

日本在住の方ではもっとも遠方からの来訪です。



旅費もさることながら、時間も使って、

その上、お土産まで。

涙が出てきそう。。。は、ちょと大げさですが、

有難いなあと感激です。



何でも初めての神戸、夜行で来て、

朝、観光をちょこっとして

昼から施療をして、積もる話もしたいので、

夕食を一緒に食べて、

来たその日の夜行で帰って行きました。



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ぞうさんと鉄球

2010年08月24日 | 催眠療法

 



以前、何かで読んだサーカスの面白い話で、

まだ力も弱い子供の像の足に、

動けないように鉄球を付けて育てると

成長し大人になっても同じ鉄球を付けるだけで、

その場を動かないそうです。



大人になって力も数倍になっていて、

そんな小さな鉄球を動かそうとすれば

動かせるはずなのにです。



この話の真贋は確かめてはいませんが、

子供の頃の体験によって思いこんだものは、

大人になってもこんなに強く影響を与えることを

示している話となっています。



この話を聞いて、

「動物は馬鹿だなあ。」

「動物は愛嬌があるなあ。」と

他人事ではなく、

動物ごとと思う方もいるかもしれませんが、

これ、人間にもしっかりと当てはまる話です。



まだ幼い頃、

人との関わりや何かの結果によって

強く思いこんだものを信じ込み、

その信じ込んだものが

成長し大人になった自分の

手枷足枷となってしまっているものに、

気付かずにいる方も多くいます。



また逆に、大人になった自分の支え、

力となっているものもあるのですが。



このような人は特例ということではなく、

殆どの人に大なり小なりあるものです。



「本当にお前は出来の悪い奴だなあ。」と「お前は凄いなあ。」

両親や幼稚園の先生、

仲間から何気なく言われた言葉。

一度や二度ならまだしも、何度となく言われた言葉。



子供の頃からしっかりひねくれているなんてことはまずなく、

誰しもが純粋で素直な心を持っています。

周りから投げかけれらた言葉を

素直に吸収してしまいます。



褒められ、おだてられたことばが多く、

それを意識するしないに関わらず、

どこかのレベルで思い込めたら、

その言葉が心の奥で原子炉のように

燃え続けていたりしますから、

本来の能力を十分発揮したり自己受容が強くなったりして、

そのまま、どんどん調子にのっちゃえば良い訳です。



しかし、否定的な言葉や態度が多く向けられた場合、

「そうか、僕って(私って)頭が悪いんだ。」とか、

「そうか、僕って(私って)邪魔な子なんだ。」とか、

思いこんでしまったら、困ったことになります。



そんな一件や、

言葉がさほど影響なく育ったように思えても、

ある時、ある環境で、ある状況になった時、

それまで感じることがなかった手枷足枷が、

その一歩先へと踏み出すことを

強烈に阻む存在として突如現れ、

行動に制限をかけます。



この時、「自分はそうだから仕方が無い。」と、

その思い込みに呪縛されている自分を

心から受容出来れば良いのですが、

その先へ行けない自分を駄目な奴だと評価して、

自分を責め、そして、辛さや苦しみを

感じてしまうことが多くあります。



この手枷足枷を引きちぎるための方法として、

前回のブログで紹介した催眠ブースターもその一つです。



催眠ブースターで、

信じている自分の枠外の行動を取ることで、

思い込み信じていることが壊れ、

新たな自己イメージが形成されていきます。

行動療法的な意味合いと効果をねらったものです。



ただ、このやり方は

あくまで一つのやり方でしかなく、

思い込み信じ込んでいるものが、

とても強烈である場合には、

枠の外の行動をしたとしても、


「それはたまたまである。」とか、

「いつもそうはいかない。」とか、

「調子に乗ると後でえらい目にあう。」とか、

思い信じ込んでいる自分像を

維持しようとする力が働くことがありますから、



私の場合は、一発を狙うのではなく、

まず、本人の思い信じている自己像を

揺るがすことから始めるようにしています。

何故、順番がそうであるのかを紹介すると長くなるので、

今回は、ここまで。



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ブースター

2010年08月18日 | 催眠療法





夏季休暇が終わり、再び仕事が始まります。

甲子園では熱戦が続いていますが、

私と兵庫県代表の報徳学園とはチョットした繋がりがあり、

応援しているのですが、

何とベスト8まで進出をしました。

この勢いで、どこまで勝ち進むのか楽しみです。



さて、以前にも催眠暗示のみで心を変えてしまうことは、

困難であることを書かせてもらったと思います。



このことは、アメリカの精神科医でもあり、

突出した催眠療法家でもあるエリクソン氏も

同じことを言っているようです。



しかし、

これは心の恒久的な変化を目的とする場合であり、

短期的な効果でもかまわない場合には、

この催眠、催眠した取り組みで

効果を十分にあげることが可能です。



普段では問題なくやれるのに

本番の試験や試合では緊張してしまい

本来の自分の実力を出せないと言うような場合には、

その直前に催眠暗示によって緊張を和らげたり、

上手くいけば全く緊張せず、

リラックスして挑むことが出来たりします。



催眠状態が十分に深く入ることが出来る場合には、

特に直前でなくとも、

前日やもっと前の日に後暗示によって

効果を出すことが可能です。



もちろん、

短期的な効果となる場合が多いので、

一度や二度、それによって

本番の試験や試合を乗り越えたからといって

それで良しではなく、

恒久的な効果のために、

過緊張を起こしてしまう原因となる心の規則の

書き換えの取り組みを行うことが大切です。



このような心のブースターに点火するような方法は、

懇意にさせて頂いたプロ、アマのアスリートの方々に

行うことで成果を出すことが出来ましたし、

3度、緊張のため資格試験や入試に失敗していた方にも

成果を上げることで実証しています。



その中の一人、

以前、オリンピック種目の日本でトップクラスの女性が、

若手の台頭もあり成績が振るわなくなり、

勝とうとするあまりに空回りし、

結果成績が振るわなくなっていました。



年齢的には、まだまだ若いのですが、

その競技では、ベテランと呼ばれる域に入っていて、

トップで戦えるのもあと1年、よくやって2年で、

気持ち良く引退するために

もう一度だけでも良い成績を残したいと、

ある方の紹介で、試合の2週間前にその女性はやってきました。



どうしたものかと、

とりあえず催眠を誘導してみると、

幸いにも催眠に深く導くことが出来たので、

その女性にとって

今まで一番自分の実力をそのまま出せた試合を特定し、

どのような想いで試合に挑んでいたのかの情報を引き出し、

次の試合で、それを再体験するように誘導を行ったところ、

何と、その女性は日本選手権で優勝を果たし、

世界選手権代表に選ばれ団体戦で3位を獲得。

そして、その年に引退。



言うまでもないと思いますが、

このような成果は、

元々その方が実力を持っているからこそです。

資格試験、入試においても同様で、

その方が合格するだけの

実力を持っているからこその結果です。



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夏季休暇

2010年08月11日 | お知らせ





8月12日(木)より8月17日(火)まで

夏季休暇とさせて頂きます。



暑い日が続いていますが、

気候の変化が体調に影響を及ぼし、

身体への負担が精神のバランスを

崩すことに繋がることがあります。



身体の健康だけでなく、

精神の安定のためにも

時には、自分の身体を労わってあげてください。



台風が日本に近づいているようですが、

台風が来て去っていく度に厳しい暑さも和らいでいき、

過ごしやすい秋が近づいてきます。



若い人たちにとっては、

海が遠ざかり、

かき氷を食べる機会が減り、

花火の季節が終わり、

寂しくも残念な部分もあるかもしれませんね。



物事には良い部分と悪い部分、

楽しいさと寂しさといったように、

おなじものに、二つの面が同居しているようです。



ネガティブな面を見れば、

気持ちもネガティブな気持ちに、

ポジディブな面を見れば、

気持ちもポジティブになります。

自然と良い面を見ているそんな自分になりたいものですね。



PS

以前、私がお世話になった仲山和輝氏が、

7月のスマスマに出演のお知らせをさせて頂いたのですが、

どういう訳か、

TV局の都合か放送が伸びているようです。

収録は完了しているようですので

近いうちに放送されると思います。



それはさておき、

8月の13日(金)かいけつえみチャンネルに

以前、放映された場面が放映されるようです。

こちらの方は間違いないと思いますので、

宜しければ、見てください。



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スイッチ

2010年08月08日 | 心理カウンセリング





「私の問題は解決出来るのでしょうか。」

「私の問題が解決できたら良いのですが。」


悩みや問題を長期間、解消出来ないままでいると、

自分は、もう解決することが出来ないのではと、

思うようになることがあります。



実際に、悩みや問題を解決しようと

相談に訪れた方の中にも

そのような思いを持ってしまっている人もいます。



カウンセリングの中で、

そのような思いをちらっと話してくれることが

あるのですが、

そのことは、今までその方が悩みや問題と

必死に向き合ってきたからこそであり、

そして、その苦悩を察することが出来ます。



そのような気持ちは、

さらに悩みや問題を重く感じさせ、

将来を悲観するまでになってしまうかもしれません。



そして、心理療法を行うにおいても、

本人が持つ解決のための推進力を

十分に発揮出来なくなる可能性もあります。



最近は脳機能に原因を求め、

脳内で何々の物質が放たれているからと、

その放出を何とか抑えようとする

研究をしている機関もあるようですが、

このような取り組みは、

私的には、骨折をして痛みを感じさせている

脳内の物質を抑えれば良いと考える。

正に、痛み止めの発想と同じに思えてしまいます。



そこで、次のことを考えてもらいたいのです。



心が関係している悩みや問題の原因は、

宇宙のどこからか光線を浴びせられていることが

原因なのでしょうか。

自分の知らないところで誰かに

魔法をかけられていることが原因なのでしょうか。

あるいは、細菌やウイルスが原因なのでしょうか。

それらはあり得ない事です。



その原因は、当たり前のことですが、

他でもない自分の心が引き起こしているのです。

自分の精神エネルギー、

または心理構造がそれを起こしているのです。



この考えを言うと、

優しくない、厳し過ぎる、何も分かっていないと、

言う方もいるかもしれませんが、

あえて言います。

その感情は、自分がそれを感じることを選んでいるのです。



私達は、自分の考え、行動だけではなく、

不安や恐れにしても、

気分の落ち込みや、

怒りや悲しみにしても、

個人に責任があると言うことです。



他人に責任があるのなら、

カウンセリングの場には、

悩みや問題を感じている当人ではなく、

その誰かに受けてもらわなければ

解決しない事になります。



宇宙からの光線は、宇宙基地を撃破、

魔法は、王子様のキス、

ウイルスや細菌は新薬の抗生物質であって、

問題解決のためには、

心理療法は意味をなしません。



こう言うと、突然不安になる、

怒りたくないのに怒ってしまう、

好き好んで、そんな気持ちになっている訳ではない。

全然、分かっていないと思う方もいると思います。



確かに感情が完全に独立したものであるかのように、

自分の中で反応しますが、

これは、過去に学び取ったことを

同じような場面で素早く対処するための、

自動化能力によるものです。



必ずその感情の基には、

「それは何々を意味する」

といった個人独自の捉え方(心の規則)が必ず存在します。



その怒り、悲しみ、苦しさ、不安、恐れを、

同じような場面で繰り返し感じ続けているのは、

そのように感じることを、自分が選び、

その感情のスイッチを自らが入れているのです。



だから、それを何とか止めたいと思っているのも本気、

それを止めたくないと言う気持ちも本気。

今は、止めたくないという理由の方が

優位であるだけなのです。



悩みや問題を解消することは、

出来る、出来ないのテーブルにあるのではなく、

止めることを選ぶのか、

続けることを選ぶのかのテーブルにあります。



そして、悩みや問題を解消するには、

今までの感情を押し続けるための理由を

無くすための条件を

整えるまでの必要な時間はかかります。


しかし、心が変わるために必要な時間は一瞬です。


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心のサイズ変更

2010年08月05日 | 心理カウンセリング





神戸花時計の施療は、

悩みや問題の原因を

個人が心に定めた規則によるものだと考え、

催眠療法の理論や心理療法の理論を活用して、

原因となる心の規則を

より現在の自分に適応したものへ

書き換えることを目的にしています。



私達は、真っ白なキャンパスの状態で生まれて来ます。

そして、

見て、聞いて、触れ、様々な体験を通して学び

私達が不快な思いを繰り返さないため、

そして、快を感じたり益の行動を起こすために

定めたものが心の規則です。



そして、それは強い感情が伴ったものほど

強く心の刻み込まれます。



本来、心の規則は私達の成長や置かれている立場や状況、

その後の新しい体験等により、

柔軟に変更していくものなのですが、

過去の強烈な感情を伴う体験で定めた規則は、

成長や立場が変わったとしても

変化することを困難にします。



赤ん坊が自分の欲求が満たされない時に、

それを満たそうとして

泣くことで周りにメッセージを送りますが、

大人になると欲求を満たそうとして

泣くことは無いにしても、

怒りを向けたり、

不機嫌な様をあからさまに示したり、

不幸せをことさらアピールしたりすることで、

周りを自分の望むように動かそうとうするのは、

幼少期から青年期までの体験から学んだことを、

今もなお使い続けている可能性があります。



不機嫌になると、両親が欲求を満たしてくれた。

このような経験が何度も繰り返されることで、

その方法を取ることを強化していきます。



それらは最初の頃、

目的を達成するための単に手段であったものが、

いつしかそれが当たり前だと思ってしまうまでになり、

自分の欲求を周りが満たさない事は酷い奴らだと、

許せない奴らだと、

思うまでになってしまうこともあります。



フロイトは、神経症の原因を

幼少期の頃に素直に表現してはいけない感情を、

無意識の中に押し込んだままになっている精神エネルギーがあり、

それを意識化することでカタルシス(精神浄化)が起き、

神経症の症状は、消えてなくなると考えていました。



神戸花時計は、

無意識に押し込んでいる感情を浄化させるのではなく、

体験から学びとった生き抜くためのルールが

感情を作り出していると考え、

心の規則を現在に適応する新しいものに

書き換えることによって、

苦しみや辛さをもたらしている感情を

変えることが出来ると考えています。



また、そのように考えているだけでなく、

その考えを元にして施療に取り組むことで、

施療の期間を大幅に短縮することが出来ています。



心の規則の変更は、

身体が成長し、

それまでの洋服がいくら気に入ったものだとしても、

いまではもうサイズが合わなくなってしまっている。


その窮屈で、不快なサイズの服を、

今の自分に合ったサイズの服に

着替えるのと同じです。



今までの自分を助けてくれた、守ってくれた心の規則に感謝をし

「さよなら。」を、

そして、新しい心の規則に

「こんにちは。」を。



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何が目的なのか

2010年08月02日 | 催眠療法





退行催眠とは何ぞやと言葉で表すとなると

難しいところです。



前回のブログで書かせて頂いたような、

目的が大人ではまず不可能であろうと思われる絵を

被験者に書いてもらうことであるのなら、

被験者の催眠への没入度を深くする必要があります。



しかし、被験者催眠没入レベルを深める必要があると言っても、

全ての被験者が初回、または数回の催眠体験で、

そのレベルまで必ず達するかと言うと、

そうはならないと言うしかありません。



何故なら、催眠の没入が深くなるというのは、

被験者が、今までの社会的な価値観や倫理観を担う

意識の活動を弱め、

ありのままの自分を担う心に活動を

預けた状態になることでもありますから、

自己受容の高い人、他者への信頼度が高い人、

または、他人を信じて自分を委ねることが出来る人。

と言うようなことが関係してきます。



そして、これらの条件が高い人ほど

催眠没入度が高いことになり、

没入度が高く催眠的には

優れた能力を持っている人となります。



しかし、催眠没入度が高すぎる人、

または、暗示に影響を強く受ける人は、

普段の生活においても、

自分で考え、判断し、決断することにおいて脆弱で、

他人の意見に影響を受けやすかったり、

他人を疑わなさすぎて騙されたり、

裏切られたりすることの、

危険性も増すと考えることが出来、

その意味では賛成できません。



何はともあれ、

被験者の催眠を経験する時の没入度は、

催眠誘導者の技術レベル×被験者の催眠能力=催眠没入度となります。



そこでなのですが、

被験者に退行催眠誘導をして、

大人では書けないような絵を書いてもらう事が目的であるなら、

それが可能な催眠没入レベルまで

達してもらう必要がありますが、



相談者の施療の目的は、悩みや問題を解決することです。

心の平安を取り戻し、自分に期待を持ち、未来に期待を持ち、

やりがいを感じ、生きがいを感じ、

今を楽しく感じれるようになることです。



そのためには、もやもやした心の状態を、

突き上げてくるような苦しみや恐れ、

不安感や悲しみ、激しく湧き上がる怒りなどを

引き起こしている原因を特定し、

それらの感情を解消することになります。



それを成し得るためには催眠没入度は、

それほどのレベルを必要としません。



そのレベルに達することが無くとも、

その感情と強い関わりのある

心の規則を特定することが出来ますし、

解決に必要であるなら、

現れている感情をたどり、

その心の規則を定めるに至った出来事を

特定することが出来ます。



私が施療で退行催眠を滅多に使わない理由。

スプーンを曲げるのなら、

有るのか無いのか分からない超能力を発揮しようとせずに、

手で曲げることが出来るのなら手で曲げる方を選択する。

それと同じ意味です。



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