本人以外の人から見ると
ちょっとしたことだと思えるようなことで
酷く落ち込んだり、
激しく怒ったり、とても悲しくなったり、
酷く怖がったりしていたとしても、
本人が、
それを変だと思うこともなく
そのような自分の反応を問題とは思わず、
仕事や日常生活にも問題がないと言うのであれば
周りの人がとやかく言う事ではありませんし、
周りの人に出来ることはありません。
また本人が訴える苦しみや辛さが
本人の隠れた欲求を満たす重要な役割を果たしている場合に、
その苦しみや辛さをいくら扱っても
周りの人の気持ちや努力は、徒労に終わります。
自分の利潤だけを追求し
倫理や道徳から完全にかけ離れ、
それによって
周りの殆どの人と敵対していたり
孤立していたりしても
本人にとって問題で無いのなら、
どうすることも出来ません。
法律を無視し、その報いを受け
国家権力によって社会から隔離され、
自由を大きく制限されようが、
本人にとって問題でないとするなら
周りの人がいくら諭そうが、手を差し伸べようが
その努力は徒労に終わります。
周りの人が差し伸べる力が
その人の苦しみや辛さを
解決することの生きた力となり得るのは
その人自身が、それは問題であることを認識し
その人自身が、その問題の原因の全てを
周りの誰かや社会の所為とせず、
自分を変える必要があると決意している場合のみです。
であるのにも関わらず、
本人がそれを問題と思っていないものを
何とか変えようとし続けたり、
甚大な物理的被害や精神的被害を被っているのにも関わらず、
救済者の立場で有り続けようとしているような場合には、
救済者自身に変えるべき問題が潜んでいることがあります。
例えば、
家庭内暴力の被害者である人が
実は、相手が自分に暴力を向けるような
言葉や態度をわざわざ発していたり、
求職活動には熱心ではなく
お酒、ギャンブルと遊びには熱心なままの
パートナーのことが悩みと言いながらも
そのままの関係を維持し続けたり、
このような場合には、
誰かを救済する立場でいることでのみ
自分の存在価値を感じられなかったり、
物理的、精神的ダメージが甚大であろうとも
誰かを見限ったり、見放したり、断絶することは
悪であると感じ、その罪悪感によって
加害者との関係を断てない等、
色々なケースがあります。
自分の苦しさや辛さを解決するために
周りの誰かや組織を変えようとすることは
大きなエネルギーとゆるぎない信念が必要となりますし、
それが有ることが成功の保証になるとも限りません。
誰しもが、
自分の苦しさや辛さを解決することの出来る力を有しています。
自分自身の問題を認識し、
周りではなく自分を変えることを目的とすることで
その持てる力を存分に発揮することが出来るのです。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計