心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

観覧車

2011年11月29日 | 催眠療法



「一度でも良いから子供と遊園地に行き、

一緒に観覧車や色々な乗り物に乗って思い出を作りたい。」



この依頼人の願いを催眠で叶えてあげようと、

TV番組「時間銀行」からの依頼がありました。



この方は、歩道橋も駄目、ビルの3階になるとクラクラで、

観覧車に乗る何てことは到底不可能です。



さて、そんな方でもある程度の催眠に誘導出来ると

観覧車に乗ることは問題無く可能なのですが、

「一度でも」に私の挑戦意欲が刺激され、

それなら一度のセッションで、高所恐怖を恒久的に解決してやろうと

勝手に自分目標を心の中で定めて挑むことにしました。


観覧車を前にして、

―高い所に自分がいることを自覚した時に

とても恐ろしいと感じるとのことですが。―


「はい。恐さで身がすくみ、頭がクラクラします。」


―なるほど。身がすくむような恐さを感じ、頭がクラクラさせるために、

あなたは、自分の頭の中でどのようなことを創り上げていますか。―


「頭の中ですか。。。観覧車が崩れ落ちて一緒に自分も落ちていく。」


―なるほど。ところで全国には観覧車が沢山ありますが、

何処かの観覧車が崩れ落ちたというニュースは聞いたことがありますか。


「いえ、全くありません。」


―それは、何故だと思いますか。


「しっかりと設計され、しっかりと造られているのと、

定期点検などで部品の補修、交換などをしているからだと思います。」


―そのような観覧車が崩れ落ちると思いますか。


「いえ、そんなことはあり得ないと思います。」


―思います?―


「いえ、有り得ません。」


―あなたの目の前に、あなたがこれから乗る大きな観覧車がありますが、

この観覧車は他の観覧車と違うと思いますか。


「いえ、同じです。崩れ落ちることはありません。」


―それは本当に間違い無いですか。


「はい、間違いありません。」


―ということは、この観覧車は安全な乗り物ということになりますが。

どうでしょうか。


「はい、安全な乗り物です。」



ここで催眠誘導、

催眠誘導はスムーズにある程度のレベルまで誘導。

ここまで来ると、後は上の内容を暗示で強化するだけです。



結果は、言うまでもありません。

その方は観覧車を子供と一緒に凄く楽しみ、

モニターにもその方の笑顔がハッキリと映し出されていました。



ディレクターから催眠を解いてくださいとの指示が。

番組的には成功ですが、

私的には自分で勝手に決めた目標を達成するにはまだこれからです。



催眠を解く時に、ある一工夫して催眠を解きます。

この一工夫で完璧と言えるかどうかは分かりません。

しかし、私が立てた目標を達成するには出来ることはやっておく必要はあります。



結果は、その方は催眠を解除した後も、

数時間の間、今まで乗ったことが無い、自分では乗るはずもない乗り物に

自分が乗り越えたことを確かめるように、

子供を誘って次々に乗って楽しんでいました。



そして、数週間後、TVの関係者からご報告を頂き、

その後も苦手だったビルや歩道橋も平気な状態が続いているとのこと。



人は、急激な変化が起きた時にそれを良しとせずに、

元の状態、もしくは無理のない所にまで戻ろうとすることがあります。

それを防ぐために、変化を起こすだけではなく、

元に戻らなくても良いんだと思えるように何かを付け加える必要があります。



私が催眠を解く時にした一工夫がそれで、

それによる効果か、数週間後もその方が起こした変化が持続しているようです。

理屈上は、それ以降も変化は持続し、その変化が変化で無くなり

通常の状態となって行ってもおかしくないのですが、

正直なところ、人の気持ちは複雑で理屈どおりになるかどうかは断言できません。



数週間はOKでも、数か月後もOKなのか、数年後もOKなのか、

施療の場合には、このような揺らぎがあった場合には、

その原因を探り、修正、もしくは新たなアプローチをすることで

変化をより強固なものへとしていくことになります。



ただ、その方がずっと長く今の状態を維持するだけでなく、

その先へと踏み出してもらえれば最高です。


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求める関係性

2011年11月26日 | 見方、捉え方




「普通、こうだろう。」

「そんなことは、常識だろう。」


人の数だけの価値観の数は存在するようで、

両親、兄弟、友人、恋人と言えども、

人と人が向き合った時は、

何かの相容れない価値観が存在します。



ましてや、

交流を持ち始めた人や、これから始めようとする人に、

互いに違う価値観をあぶり出したものを、

自分の価値観の正しさを相手に認めさせようとしたり、

相手に自分と同じ価値観を持たせようとして、

互いに追及し合うことに意味があるのだろうか。



その人とどの様な関係になることを求めているのかを

もう一度、確認してみましょう。


両親や兄弟に求めているような関係?

親友の関係? 知人の関係? 恋人の関係?

同僚やクラスメイトの関係? ビジネス・パートナーの関係?

ご近所さんの関係?



自分が求めている関係次第によっては、

相容れることが出来ない価値観があったとしても

それはそれとして良い関係が結べるはずなのです。



何か上手くいかないと感じる時、

もしかすると求め過ぎているかもしれませんし、

単に、早急過ぎるだけなのかもしれません。



常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。

―アルベルト・アインシュタイン―


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鳥が怖い

2011年11月23日 | 催眠療法


以前、鳥への恐怖を克服したいと相談に来られて方がいました。


外で鳥が近づいてくると座り込んでしまうほど恐く感じるとのことで、

公園にも行くことが出来ないし、

ペットとして飼われている籠の中にいる鳥でさえも

眼にすると恐いとまでいかないまでも身構えてしまうとのこと。



このような場合、

過去の恐怖体験が原因となっているか、

そのものが真の恐怖の対象ではなく何かの象徴となっていることが多くあります。



カウンセリングで原初恐怖体験について思い出すことが出来ませんでしたので、

催眠の許可を頂き、探ってみると3歳位の頃に

両親と公園のような所で鳥(鳩?)に餌をやっていると

びっくりするような数が群がってきて、

数羽が頭にとまったり、腕にとまった恐怖体験に行き着きました。



この体験が、その方の鳥への恐怖の始まりの可能性が高かいと感じたので、

これを打ち破ることにしました。

子供の自分が感じている全ての恐怖と子供の自分をその椅子に置いたままにして、

立ちあがり、隣の椅子に大人の自分が座ってください。



今、まだ小さく幼い頃の自分が鳥に囲まれて恐がっています。

まだ小さくて幼い子供にとっては酷く恐ろしい出来事なのだと思いますが、

今、大人の自分がその様子を見て、どの様に思いますか。

それほど恐ろしい出来事だと思えるでしょうか。


「いいえ、そうは思えません。」

「では、どの様に思えますか。」

「楽しくもあり、煩わしくもあり、まいったなと感じるとは思いますが、

恐いとは感じません。」

「大丈夫ですか。」

「はい。」

「では、それをまだ小さくて幼い子供のあなたに伝えてあげて欲しいのです。

もう身体も充分に大きく成長し、力も強くなっていることを伝えてあげて下さい。」



今の椅子から立ち上がり、子供の自分と大人の自分が一つに重なりましょう。

丁度、子供の頃のあなたの中に大人の自分が入りこむような感じで、

そして、大人の自分が今感じている感覚を伝えてあげてください。

しっかりと伝え、重なったまま一緒にその場面を体験しましょう。


「どうでしょうか。

先程は酷く恐れていましたが、今はどんな感じでしょうか。」

「さっきとは全く違った感じです。恐さはありません。」

「子供のあなたに言ってあげたいことを言ってあげて下さい。」

「もう大丈夫。安心しても良いよ。」



強烈な感情を伴う体験をすると、

それは大切な学びとして深く心に記憶することになります。


通常は、その後の自分の身体の成長や新しい経験や知識を得たものを

徐々に落とし込み反応パターンが変化していくのですが、

何らかの理由でより新しいものへの変更が成されない場合、

(パソコンで言うとアップデートが成されないと)

その当時の、その時の反応を繰り返すことになります。



A(出来事)+B(条件)=C(感情)とした場合、

Aは同じでも、Bが変われば、Cも変わります。

Bを変える方法は、色々とありますが、

今回の場合は、催眠を用いてBを変えるアプローチを取りました。



その後、この方から

鳥が好きだと感じたり、可愛いとは思えないけれども、

以前のような怖い感じが無くなったとの連絡を頂きました。


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寒さ

2011年11月19日 | 雑感・愚見




一日、一日と寒さを感じるようになり

冬の足音が聞こえてきました。

当たり前ですが、

これから寒く厳しい冬がまたやってきます。



例年なら、厳しい季節にもクリスマスやお正月、

スキーに鍋と寒い季節ならではのものも楽しみですが、

今年は、被災された方々、

仮設住宅に住まわれている被災者の方々のことが

ちょっと気にかかります。



行政はこんな時のためにあるものだと思いますから、

きっと頑張ってくれているものと信じているのですが、

全国のみならず外国からも送られた義援金は

被災者にちゃんと届いたのでしょうか。

まだ届いたと言うニュースが聞こえてきません。



義援金は、経済的なものだけではなく

多くの人の温かい気持ちが届けられ、

被災された方の心を

少しでも暖かくしてくれるのではないかと思います。


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七転び八起き

2011年11月18日 | 雑感・愚見




息詰まったり、立ち直ったり、

壁にぶち当たったり、壁を乗り越えたり、

泣いて、笑って、喧嘩して、仲直り。

人生、七転び八起き。



でも、ダルマさんは自然に起き上がりますが、

私達は、「起き上がろう!」「乗り越えよう!」「仲直りしよう!」

って思う気持ちを持たなければ起き上がることは出来ません。



こうしていれば、やがて誰かが起こしてくれる。

誰かが壁を壊してくれるのを待とう。

向こうから話しかけてくれるだろう。

これには感謝、感謝ですが、



私は、起こされる方より起こすこと方が、

その壁を乗り越える方法を伝えることの方が、

仲直りしたい時には、自分から声をかけること方が、

感謝するより、感謝されることの方が、

少しでも多くなるような人でありたいと思うのです。


だって、それの方が人生楽しくなるような気がするのです。


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2011年11月13日 | 見方、捉え方




時間。


私達は時間の流れの中に存在して、

そして、一瞬でしかない今に私達は存在します。

今を今だと捉えたと思ったら、

それはもう過去へと流れ去って行きます。


前に居並ぶ未来は、次々と流れ来て過去へと流れ去っていく。


私達の身体は、物理時間と体感時間との時間軸の中に

間違いなく存在ているけれども、

その時間軸を過去へと未来へと自由に移動することが出来ません。

でも、心はその時間軸を自由に移動することが出来ます。


私達の悩みの原因の多くは、


終わってしまった過去の何らかの出来事が

今の自分と共に時間軸を移動しているからです。

それを終わらせて、それが起きた場所に置くと

その出来事は、セピア色の思い出となっていきます。



私達の悩みの原因の多くは、

まだ始まってもいない未来の出来事を、

今の自分に持って来て、眼の前でそれを見ていたり、

それと重なって体験しているからです。


それを未来へと戻し、それを始めることを止めると、

その出来事へ一本道が伸びているのではなく、

その他の多くの道を見ることが出来ます。


たまには、過去と未来を断ち切って、

今に自分の身体と心を置いて、今だけを感じてみる。

したいことも、しなければならないことも

少しの間だけ忘れてしまって、今だけを感じてみる。


すると、時間の流れはゆるやかで、おだやかに、

今の自分の身体を優しく柔らかく包むように流れていく風になる。


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成果を上げるために

2011年11月09日 | 心理カウンセリング


自分が何かを始める時には、

何を得るために、自分が今何をしたら良いのかを

確認しておくことが大切で、

これは心理療法に限らず全てのことに言えます。



取り組み目標が

大き過ぎたり、漠然としていたり、運に頼るところが大きかったり、

人任せであったり、自分ではなく人を動かそうとしたり、

自分の本心からではなく正しさを求めていたりすると、

いくら一生懸命に、真面目に、真剣に取り組んだとしても、

効率が悪くなるだけではなく、ゴールに近づくことすら出来なくなります。



ですから、解決のための取り組みを始める前に、

取り組み目標を定めることは凄く大切なことであって、

そして、それは、単なる希望ではなく、期待でもなく、願いでもなく、夢でもなく、

その時の自分にとって現実的で生々しい感触があることが重要です。


しっかりとした目標設定がないままでは、

基本、解決のための取り組みを始めることができません。

しかし、その人の想いがどうしても勝ち過ぎる場合、

最初の目標設定が好ましいものを設定できないことがありますが、

その時には、その時で一旦、ある方法を用いることで、

目標設定の修正を図ることになるのですが。



さて、この取り組み目標はそれを達成することで、

その時の悩みや問題の全てが一気に解決してしまうこともありますが、

一気に解決することに心が奪われ過ぎると、

取り組み目標が大きくなり過ぎてギヤが噛み合わなくなってしまいます。



複雑でややこしい方程式の難問も、

小さく区切ることで簡単な問題となるのと同じです。



と言うのも、これを押さえておかないと

一つの取り組み目標を達成し悩みや問題の程度や本質が

変化しているのにもかかわらず、

「上手くいかない。」「駄目だ。」「自分には無理だ。」と

結論を出してしまうことがあるからで、

これは非常にもったいないことであり、

それ以上に、

「この心理療法者では上手くいかない。」「このカウンセラーは駄目だ。」

であるならまだ良いのですが、

「自分は駄目だ。」「自分は無理だ。」となることを避けたいからです。



これでは、心理療法の目的が悩みや問題を解決して心を軽くするだけではなく、

自分への信頼を取り戻したり、自分が持つ力を確認するためのものであるはずが、

それまでのその人の不必要な思い込みを強化してしまう役割を

果たすことになりかねないからです。


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遠くを

2011年11月06日 | 見方、捉え方




目の前、足元を見て力強く進むだけでなく

たまには、立ち止りぼんやりと遠くを眺めてみる。



正直な気持ちで、素直な気持ちで、

ぼんやりと遠くを眺めてみる。



すると、

迷う時には、自分の行くべき正しい道を。

上手く進めない時には、新しい道を。

疲れた時には、安らぎや体力回復を。



しっくりとこない時には、

そのアイディアの最後のピースを。

夢だけを見過ぎている人には、夢と自分の間にあるものを。

現実だけを見ている人には、自分の夢の場所と道のりを。



自分は一人だと思っている人には、

自分に微笑みかける人を。



全てを失ったと感じている人には、

歩を進め、手を伸ばせば触れて掴めるものが

まだまだあることを。



それと相対するには、

あまりにも自分は小さいと思っている人には、

自分の持つ力や知恵を。



焦っている自分に、急ぎ過ぎている自分に、

あわてている自分に、

悲しみや不安を感じている自分に気が付いた時こそ、

歩みを止めて、腰を下ろして、

正直な気持ちで、素直な気持ちで、

ぼんやりと遠くを眺めてみることが大切なことかもしれない。


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荷物

2011年11月02日 | 見方、捉え方




人の気持ちや期待に応えようとする余りに、

断り切れずに頼まれるまま、要求されるままに、

気が付けば押し潰されてしまうほどの荷物で一杯に。


「そんな荷物を降ろしたくても降ろせない。」


何て言うのは大きな間違いで、

誰一人として、誰かに荷物を強制的に背負せて

そして、

背中に括りつけることなど出来ないのです。



「友達と遊ぶなんてもってのほか、

そんな暇があるならもっと勉強して、

もっと学力をあげなさい。もっと、もっと。」


「送別会幹事に、新商品開発リーダーに、

マーケティングに、元の仕事の後輩の世話に。。。」


「期日までにと残業、残業、家では子供の世話に、

掃除に、料理に、家庭サービス。。。」



もう持ちたくないのであれば

NOと言えば済むだけのこと、

降ろしたいのであれば、

降ろしてしまえば良いだけのことです。



その荷物は、降ろせないのではなくて

降ろしたくないのです。

降ろさないことを

自分が決定しているだけなのです。



それを降ろせないと考えてしまうと、

自分を自分で

被害者的立場や自由意思が無い奴隷的立場に置くことになり、

余計に苦しみや辛さが大きくなります。



もし、それを断ったらどうなるんだろうか。

もし、それを拒否することは失望されることになるんでは、

人それぞれに何らかの気持ちや理由があるのだと思いますが、

その理由はひとまず置いておいて、



あなたは、その荷物を降ろしたいのか降ろしたくないのかです。



そして、降ろさないのであるなら、

それは自分の自由意思で決定した事を認め、

それによる辛さや大変さを人の所為にするのをやめた時、

自分を被害者的立場、奴隷的立場から解放させることが出来ます。



どうせ重いオモリを背負い苦しく大変な思いをするのなら、

筋力トレーニングの気分の方で荷物を持つ方が

気持ち良くやれるってことです。


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