催眠誘導の一つに
年齢退行とか退行催眠とか言われるものがあります。
この誘導によって被験者を現在から過去へと誘導し、
過去の体験を再体験してもらうことが出来ます。
この時、誘導がしっかりと出来ていれば、
普段の状態では思い出すことが出来ないような
過去の体験を
思い出すことが出来るだけでなく、
言葉遣いだけでなく仕草や態度も、
その当時のものになります。
施療では、被験者を赤ん坊の頃まで
誘導することは滅多にありませんが、
仮に赤ん坊の頃まで退行誘導すれば、
被験者の言葉遣い仕草や態度もその当時のそのものになります。
赤ん坊の言葉遣いと言っても「ダ~。」位のものなのですが。
この現象で驚かせることは、
言葉遣い、仕草、態度は、
百歩譲って演技が出来る範疇と言えるかもしれませんが、
幼少期に誘導し、絵を描いてもらうと、
絶対に大人では書くことが出来ないだろうと思えるような、
保育園児が描くような独特の絵までを描き上げます。
このような反応能力をもっと誘導を進めると
前世誘導とか過去世誘導とかになります。
確かに前世誘導することにより、
被験者は不可思議な物語を語り始め、
まざまざと前世の世界を体験するのですが、
その真贋は、何とも言うことは出来ません。
巷には前世療法と看板を上げているところもあるようですが、
私の感覚では、
この退行催眠にしても前世体験にしても、
多くの人が、それを十分体験出来るだけの催眠状態に、
一度や二度の誘導で簡単に達するとは限らず、
催眠体験を繰り返し体験し、
催眠を自分のものにしていく必要があります。
(催眠の没入度を深めるためのトレーニングのようなものです。)
理論上は、重篤な脳の疾患、健康上の問題等で、
集中力が損なわれていない限り、
全ての人がそこまでの催眠状態に
達する事が出来るはずなのですが、
私の経験上では、そうも言うことが出来ません。
ただ、私の捉え方で言うところの
前世体験と言うものでない前世体験。
本人のイメージによって作られた前世体験は出来ます。
そう言うと、前世体験を経験したことがある人は、
「私の前世体験は本物でした。
自分では考えもしなかった世界を体験したのですから。」
と言う人もいるかもしれませんが、
これは、何も不思議でも驚くことではありません。
私達は、寝床の中で毎晩、
考えもしなかったような物語を体験しているのですから、
それと同じことを催眠?の中でに行っているに過ぎません。
だからと言って十分な催眠に達したからと言って、
その状態で体験する前世が
本物であると言えるものでもないのですが、
でも、もし、本当に前世と言うものがあるとするなら、
十分な催眠状態において体験する前世である方が、
より、本物?の前世を体験する可能性が高まるとは思います。
チョット面白いのが、
どっぷりとその催眠状態に達し、
子供しか書けないような絵を描き上げていたとしても、
考えもしなかったような物語の一員となっていたとしても、
現在の自分が、その体験をしている自分を
別の所から見ていたりして、
催眠から覚めると、
催眠中の面白い体験を話し合ったりするのですが、
稀に、よっぽど深く催眠を体験した場合には、
「それを忘れます。」と暗示を行っていないのに、
自然健忘が起き、
自分がその絵を描いたことを覚えていなかったり、
誘導者に語った不思議な物語を全く覚えていない人もいます。
現象的には、
年齢退行も前世誘導も興味引かれるものなのですが、
私の施療の場合、
それがその人の悩みや問題を解決するに、
とても重要なものだと判断しない限り
施療では滅多に使うことはありません。
それを使う必要が無いからなのですが、
それは何故なのか、その説明は、また今度ということで。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計