心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

性格・性質

2019年03月30日 | 心理カウンセリング

 

ー ヒンズー教の教え -

 

心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。


私達が、あの人の性格とか人格と話す時、

それは、その人の反応パターンであるとか、

行動様式について話しているにすぎません。

 

個人の反応パターンとか行動様式は、

心のレンズに多大なる影響を受けます。

 

同じような能力を有している人が

同じ出来事を体験したとしても、

個人の心のレンズ(ものの見方や考え方)が違うことで

個人が体験する感情や行動が違ってきますし、

感情や行動が違えば結果も違ってきますし、


外の刺激に対してだけでなく、

個人の内側の反応も、その時の気分や体調の違いで、

同じ体験をしても違う気持ちや感じを持つことになりますが、

このような個人のイレギュラー的な反応は一先ず置いておいて、

 

個人の基軸としている反応パターン、行動様式を変えれば、

性格とか性質とか人格と言われるものも

変わることになります。

 

個人の反応パターン、行動様式を変えるためには、

変えることが出来るものを変えるしかありません。

 

個人が、何かの出来事を

完全にコントロールすることは出来ません。

何かの結果も

完全にコントロールすることは出来ません。

個人が他人の行動や気持ちを

完全にコントロールすることも出来ません。


変えることが出来るのは、

自分自身の心のレンズと感情と行動・態度です。

 

そのなかで感情は、それ単独で変えることは出来ませんが、

心のレンズと行動・態度は、

それ単独で変えることが可能なものです。

 

「私には魅力が無い。」「私には大した能力がない。」等の様に

心のレンズの影響を受けて、

「気になるあの人にアプローチをかけても無駄だ。」

「上司から要請された仕事をこなすのは自分には無理だ。」

と感じたとしても、

法的な拘束も物理的な拘束も無いのですから、

自分の決断一つで行動を起こすことは本来は可能です。

 

また、気分が晴れない時には、

天気のいい日に散歩をして綺麗な景色を眺めたり、

背筋を伸ばし顔をあげてお腹で呼吸をしたりするだけでも

その日の気分を変えることが出来たりします。


悲しいから泣くのではなく、

泣くから悲しいのだと言った人がいたように、

これも泣くという行動、態度を変えることで

感情を変えようとする試みの一つです。

(この方法については無条件に試みるのはリスクが伴います。)


そして、

心のレンズがどのようなものであったとしても、

それらは個人が単に信じているものであったり、

何かの便宜上、都合の良いものでしかありませんから、


不快を感じる価値観を適用するのを止めて

無限にある価値観の中から、

個人が快を感じられ、同時に他者も感じられるような

価値観を心のレンズに適用することも出来ます。

 

行動を変えたり、心のレンズを変えたりすることで

個人の性格とか人格と呼ばれるものが変わります。


これは、今までの自分が消失するといったようなことではなく、

心のアップデートを行い適応し成長することを意味します。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


心のレンズ

2019年03月28日 | 心理カウンセリング

ー ヒンズー教の教え -


心が変われば、態度が変わる。

態度が変われば、行動が変わる。

行動が変われば、習慣が変わる。

習慣が変われば、人格が変わる。

人格が変われば、運命が変わる。

運命が変われば、人生が変わる。



グイグイとリードしてくれて

頼もしい所が好きなんて言っていたソイツが、

自分勝手に何でも決める所が嫌いで別れましょ!って、

同じことに、ある時は頼もしいで、ある時は、自分勝手。

全く訳が分からん。


てな感じで、昔ぼやいていた奴がいましたが、

こういう場合、本当の理由は別にあるのが普通で、

言葉通りに受け取ると混乱するだけです。


別れを切り出した本人すら気が付いていないと思いますが、

気持ちが先に来て、理由は後付け。

味も素っ気もない言い方をすれば、

好きじゃなくなったですかね。

催眠的に言うと恋の暗示が解けたでしょうか。


今回から数回に渡って少し硬い話を

させてもらおうと思います。


私達は、大地に転がっている石や岩とは違って

何も言わず、何もせず、留まっていても

何かを感じていたり、何かを思っていたりします。

そして、

浮かぶ落ち葉を川の流れが運ぶように、

流れる時間が人をどこかへと運んでいきます。

 

私達は、川に浮かぶ落ち葉の如く

そのまま流れに任せて進むのか、それとも違う流れに移るのかを

自分が自由に選ぶことが出来ます。

 

自分の性格、人格、性質、運命と言う言葉には、

何か生まれ持ったものだから

決して変えることの出来ないものであるかのような

イメージを持ってしまいがちで、


施療に訪れる方の中にも、今の苦しさや辛さは、

自分の生まれ持った性格から起きているものだから

変えることが出来ないのではと考えている方も少なくありません。

 

個人の性格や性質について、

遺伝子の影響はゼロとは言いませんが、

一番大きな影響を与えているのは、

個人が何を体験し、その体験を、どのように理解、解釈し、

何を学び取ったかであり、

個人の性格や性質は、それを示すものでしかありません。


別の言い方をさせてもらうと、心の癖です。


厳しい言い方をさせてもらうと、

私達が、「それは私の性格(性質)だから。」

「それは私の運命だから。」と言う時、

自分への慰めであったり、諦めであったり、

言い訳や誤魔化しであることさえあります。


あるいは、

今しばらく、今の流れに自分の身を委ねることを

良しとしている自分の心の表れかもしれません。

 

何かの体験から「自分は駄目な人間だ。」的な

強い自己イメージを持つ人は、


例え成功体験をしたとしても

自分が有していた能力や結果を認めず、

素直に喜ぶこともせずに、

「今回は、たまたまで次は上手くいかないだろう。」と

心の中の自己イメージと合致するように

自分の成果を否定的に捉えて理解します。


そして、

次に失敗したり望んだ成果を出せない時には、

「ほら、やっぱりな。」と結果を肯定的に捉えて、

心の色付きレンズを通してみている

自己イメージと合致することを確認して、

どこかの心のレベルで安心していたりします。


心に赤いレンズを装着していれば、

てが赤い色に見えますし、

青い色なら全てが青色に見えます。

この心の色付きレンズのことは、

心の癖とか自動思考とか瞬間思考とか信念とか言われています。


それらが現在の自分に心地良さや喜びや、

安定や活力をもたらしているのなら

何の問題もありません。


ですが、

現在の自分に足かせとなり、

苦しみや辛さを生み出しているようなら

それは現在の心のレンズを現在の自分に適したものへと

そろそろ変えなさいと言う心のメッセージです。

 

そして、今の自分の不快さや苦痛や不満足さ、

激しさや怖れや悲しさを本気で変えようとするとき、

誰もが、それを変えることが出来る存在なのです。


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買い物依存

2019年03月08日 | 心理カウンセリング

2009年、英国ロンドンの北西にある町で

77歳の女性が自宅で遺体となって

発見されました。

 

彼女は無類の買い物好きだったようで

年の買い物で高く積み上げられていた

商品が崩れて下敷きになったことが

原因のようです。


依存症には、「物質依存」「人間関係の依存」

「行為・プロセスの依存」の3つがあります。


「行為・プロセス依存」は、

ある行為をする過程で得られる刺激を求めて、

その行為を止めようと思わなかったり、

止めようと思っても止められない状態に陥ることで、

買い物依存症もその一つです。


買い物依存症の状態にある人は、

買い物をするという行為によって

生き辛さやストレスを紛らわそうとします。


物質欲を満たすための行為であるなら、

望む物質を手に入れることが喜びであり、

望む物質が手に入れば

欲求が満たされ心の衝動は治まります。


しかし、

買い物依存症と言われる状態にある人は、

何か素晴らしい品物を手に入れたとしても

欲求衝動は治まることはありません。


物質を求めているのではなく

買い物をすることを

心が求めているからです。


しかし、

何か買い物をすることで得られる快感によって

心の中で常に感じる漠然とした苦痛、渇望感は、

紛れはしますが一時的なものにしかなりません。


限られた収入で

買い物を際限なく行うことが出来ませんから、

借金をするようになります。


借りられるだけ借金をしてでも

次々と買い物を続けてしまうことで

やがて限界を迎えます。


依存症の要因として大きなものとして

養育環境の影響と考えられていて、

幼少期に十分に

「抱っこをする」「暖かい声をかける」

「スキンシップをする」「甘えさせてあげる。」等、


子供が両親から暖かい関心を持たれていると

感じられるような体験が十分でないと、

心の中に安全な場所、母港のような場所が持てず、

安全、安心な感覚を十分に持てなくなります。


対人関係では

過剰に相手に依存したり、逆に人を遠ざけたり、

自分で全てを抱え込んだり、

他人を一切信用しなくなる等の影響が出ます。

 

それらは、

「自分は自分らしく存在しても良い。」

「自分は誰かから求められたり必要とされる存在だ。」

と言うような感覚が弱い状態です。


と言っても、

心の中の安全な場所、母港が育たず

本人の心の中に無い訳ではなく

十分でないかも知れませんが自然と育っていて

それらを見失っている状態だと、

私は、考えています。


その安全、安心感の欠如からくる

不安感や不全感や苦痛を

買い物という行為で得られる快感で

必死に紛らわせようとしているのが

買い物依存症の状態です。


また、成長して職場や家庭での環境の変化や

何か大きなショックを受ける出来後を体験することで

買い物依存症を引き起こすことがあります。


買い物依存症を克服するための

第一歩は、自分が買い物依存症の状態であることを

しっかりと自覚することになります。


これが簡単なようで簡単ではありません。

多くの場合、周りの他人(両親、夫や妻)が

本人を連れて相談に来て頂きますが、


元々自己評価(自己愛、自己受容)が

低いことが大きな要因なので

本人が買い物依存症であることを認めることは、

本人の心の穴をさらに大きくしてしまうような

不安や怖れ。


長く目を背けていた

本当の悲しみを直視することへの不安や怖れから

両親や家族の手前、施療に通うことに賛成しても

その施療への取り組みは、

表面的なものになることがあります。


逆に言うと、

本人が買い物依存症の状態であることを

しっかりと認めることが出来れば、

施療行程の半分以上は、

完了したと言っても良いかも知れません。


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転移反応

2019年02月16日 | 心理カウンセリング

2016年 パキスタンのラワルビンディーの路上で

11人の女性を刺し、1人を死亡させ逮捕された

22歳の男性が事件の動機について

「幼い頃に虐待された継母への復讐のため。」と

供述したそうです。

 

現代の日本の社会でも

昔は、まず聞くことの無かった

特異な事件が起きてしまうのは

日本社会の基盤が

ぬかるみ始めていることの警鐘かも知れません。


精神分析の理論に転移と言う概念があります。

転移と言うのは、

個人が過去のある人物に抱いた

感情、気持ち、考え、衝動、態度等を

現在の対人関係に置き換えることを言います。


転移反応は、不適切で非現実的な反応なのですが、

私達の他人への反応は、大なり小なり

現実的な反応と転移反応が混合した反応なので

個人に転移反応が見られたからといって

改善をしなければいけないものとは限りません。


しかし、他者に対して転移反応が

起こりやすかったり、激しい場合には、

人間関係や自己の精神安定について

多大な問題を引き起こすことがあります。


転移反応は、幼少期における愛情欲求が

不充足であればあるほど起こしやすく

激しい反応が起きると言われています。


幼少期の頃に両親に甘えることや癇癪を起すことを

強く咎められた体験をすると、

成長しても自分の素直な感情(怒り、悲しみ)を

無意識にブレーキをかけて抑え込んだり、

逆に、幼少期の頃の両親に対する処理できていない感情を

他者に向けて発露したりします。


転移反応の特徴の一つは、

先に書かせて頂いたように

不適切で非現実的です。


他者に対して具体的な理由が無いのに、

恐れたり、嫌悪感から避けたり、

明かに理不尽な対応をされているのに、

怒りの感情や避けたい気持ちが

殆ど起きなかったりします。

 

また、不適切で非現実的な激しい感情も

転移反応の一つで、

過大な悲しみの反応を見せるのもそうですし、

巷で言われるあの人の地雷を踏んだとか、

突然にキレたと言われるような反応もそうです。


逆に、怒っても当然だと思われることに対して

イライラすることも怒りの感情も起きないことも

転移反応の一つです。


転移反応には、陽性反応と陰性反応があり、

陽性転移反応は、

他者に対する依存欲求や接近欲求、

あこがれや理想化等で、


陰性転移反応は、

怒り、憎しみ、軽蔑、嫌悪等の反応です。


陽性反応と陰性反応は、表裏一体で

陰性反応が表に出ている場合には、

その裏で陽性反応が抑圧されていて、

陽性反応が表に出ている場合には、

その裏に陰性反応が抑圧されています。


両親が好む自分であろうとして、

自分を抑制しすぎたり、頑張り過ぎたり、

上司に認めてもらうためにと

仕事を頑張り過ぎたり、

先生に気に入られようとして

勉強に打ち込んだりするのは陽性反応です。


その裏には、

その人達にとって良い子、真面目な人間でなければ、

その人達は、拒否するような人間であると言った

陰性反応が潜んでいることがあります。


陽性反応が大きいほど、

それらの人からの不用意な言動に対して、

突如として起きる激しい怒りや多大な悲しみとなる

陰性反応も大きくなります。


以前に少しだけ触れた

境界性パーソナリティ障害の人達は、

同一人物に対して些細な切っ掛けで

陽性転移から陰性転移へ

陰性転移から陽性転移へと極端な変化します。

 

そして、

素晴らしい人だと感じるから素晴らしい人なのだ。

おぞましく感じるのだから、おぞましい人だ。

怖いと感じるのだから怖い人だ。

と言ったように、


私達の知覚もまた、転移反応の影響下にあり、

それに気が付かないまま、あるいはスルーして

自分の判断や考えや行動、

私達が何かに対する印象にも影響を与えています。

 

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パーソナリティ障害

2019年02月02日 | 心理カウンセリング

本人の人格から問題が生じ、

スムーズな日常生活を送れなくなるとされている

パーソナリティ障害と呼ばれる精神疾患があります。


パーソナリティ障害には、

アメリカ精神医学会の診断基準で

その特徴によって10種に分類されていますが、

その個人に、それぞれの特徴が混在したりするので

明確に線引きをして分類することが

難しいように思われます。


代表的なのが

境界性パーソナリティ障害と呼ばれるもので、

その特徴の一つに、

白か黒か、0か100か、裏か表か、

両極端な思考をします。


程々の気分でいられることが少なく、

物凄く幸せな気分と物凄く不幸な気分の

両極端を揺れ動きます。


対人関係においても同じで、

周りの他人を敵か味方、上か下、尊敬か軽蔑、

と言うように極端な態度を示しますし、


同じ人物に対しても、

最高に尊敬する人、大好きな人から

ちょっとしたきっかけで、

最低の人、大嫌いな人と大転換します。


自分への理解や共感を示してくれた人を

自分の方に強く引き込もうとして、

れ以外の人の悪口を吹聴して

他者同士の人間関係の分断を図ることがあります。

 

一昔前は、入院した医師が尊敬の対象となると

医師の注目を自分に向けようとして、

医師に看護師の悪口を訴え、

病院内をかき回して大騒動が起きていたようです。

 

このようなことは一般の会社内においても同じで、

パーソナリティ障害の人が配属された部署、部署で、

大騒動が起きたりします。


また境界性パーソナリティ障害の特徴的として、

自分を傷つけるリストカットや過量服薬や薬物乱用、

過食や逸脱した性行動が見られます。


これらの衝動的な行為は、

自分に罰を与えるためであったり、

攻撃の対象者に対して

自分の身を痛みつけて罪悪感を持たせるためであったり、

自分の混乱した精神を安定されるために、

非常手段として用いてたりと様々です。

 

基本的に人を信じることが出来ず(恐れ、不安)、

それでいて孤独を恐れ、孤独に耐えきれないので

人を求めます。


他にも多くの特徴はあるのですが、

とても長くなるのでここまでにして、


周りの方の接し方としては、

様々な言動に惑わされることなく、

振り回されることなく、

ここまではOKで、これ以上はNOとして、

ハッキリとした態度を示す必要があります。


パーソナリティ障害の人の多くは、

自分に問題があるとは認識していないので

仮に施療の場に訪れたとしても

第三者に無理に連れてこられたり、

説得されて訪れていることが多く、

モチベーションがないことが多くあります。


ただ、パーソナリティ障害が元となり、

鬱的な気分障害、不安神経症、パニック障害、

心身症、不眠症等を抱えてしまうことで

それらの施療に自ら訪れることがあります。


パーソナリティ障害の方は、

ありのままの自分では

愛されることはないと信じていて、

常に怯えている状態です。


そして、愛されるために、ちゃんとした自分、

立派な自分、優秀な自分でなければならないと

必死にもがいている状態なので、


人に嫌われたり、人からの悪い評価には

ありとあらゆる手段で防衛をしようとしますし、

理想とする自分と現実の自分との

ギャップが大きすぎるために埋まらず、

常に苦しんでいます。


パーソナリティ障害の方の施療は、

そのやり方が自分を支える唯一の方法だと信じているので

脆く、繊細な問題の本質の部分に向き合うことが

容易ではありません。


なので短期間で解決することは稀で、

クライアントだけでなく

施療者も辛抱強く取り組むことが必要です。


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語彙

2018年11月26日 | 心理カウンセリング

藤井聡太七段が、対局後のインタビューで

僥倖、白眉、望外、茫洋等の言葉を使い

話題になっていました。


私の語彙量なんて高が知れているので

僥倖、白眉、茫洋何て言葉を

教科書で習った記憶が見事に無いので

いったいどこであのような言葉と出会ったのかと

感心するばかりです。

 

心理カウンセリングにおいては、

僥倖、白眉、茫洋の言葉の存在や意味を知っていたとしても、

僥倖と話すよりは、思いがけない幸運。

白眉と話すよりは、最も優れたもの。

茫洋とはなすよりは、広くて見当がつかない。

と、話すことの方が良いとされているので、


あのような言葉を知らないから使っていなかった

私の結果は同じで、利運に恵まれています。


言葉は、コミュニケーションの道具の一つなのですから

相手に伝えようとする意味や意図や気持ちが

伝わらなければ、仏作って魂入れずになります。


例えば、姑息と言う言葉は、

本来は、一時しのぎと言う意味ではありますが、

本来の意味を知っていても

卑怯なと言う意味で使用したり、

卑怯な意味として受け取ってしまいがちです。


と書いておいて直ぐにあれなんですが、

「姑息」と言う言葉は、

私の場合、時代劇やドラマで聞いたくらいで、

実際に使ったことも、言われた記憶も全くないんですよね。


心理カウンセリングの場は、

クライアントの非言語の様子等から、

使われた言葉で、伝えようとした意味や気持ちを

ちゃんと受け取ることが大切なのであって、

伝えようとした意味や気持ちが

正しい言葉で伝えられているかどうかは

二番手、三番手の話になります。


曼殊院の石標の「つ」も、そういった意味では

いくら達筆で書かれた美しい石標であっても

意味が伝わらなければ、ではあるのですが、

 

曼殊院の石標の場合は、

例え「殊」の所に「Œ」。「院」の所に「Ƣ」と刻まれ、

「曼 Œ Ƣ つ 跡」とされていても、

曼殊院門跡と書かれているんだろうなと推察でき、

伝わるのでになるのかなと思います。


でもこれは行き過ぎかな。

謎過ぎて混乱を呼び起こすだけになるかも。


また逆に、うんざりする位に興味のない話や

説教をごちゃごちゃと言い続ける

相手の口を止める手段の一つに、

「なるほど、和顔愛語が大切ということですね。」

なんて相手が直ぐに理解できない言葉を発すると、

理解しようとして言葉が止まります。

 

その間を捉えて、話を変えたり、

その場を離れるような手段があります。

 

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体臭

2018年10月30日 | 心理カウンセリング

2004年のケニアの男性が

10年もの間、お風呂どころか水浴びすらせず、

その悪臭に耐えかねた村人たちが、

その男性を強制的に拉致をして

4人がかりで垢を落とすのに4時間かかったそうです。

(男性の健康状態は、いたって健康。)

 

個人差はあるかと思いますが、

人間と言うのは強いもので、

10年間、お風呂に入らなくても

重大な結果を招くとは限らないことを

男性は身をもって証明したようです。

 

病原菌から自分の身を守るために

26年間も自室に閉じこもった女性と、

この男性とが出会い、

膝を突き合わせて語り合ったとしたら

どのような展開が待っているのだろうか。。。


そして、面白いのが

村人が耐え切れず、垢落としの強制執行となった

男性の悪臭も、自分自身は

さほど気にならなかったようですから、

人間というのは良くも出来てもいます。

 

これは、男性が常に共にある悪臭に

鼻が慣れたという理由だけでは、

村人達も同じように悪臭に慣れるはずなので

理由付けとしては不十分です。

 

人間の身体は、常に刺激を受けているので

自分自身が与える刺激に対しては、

弱く感じるようになっているようなので、

村人は悪臭に耐え切れなくなり、

男性は自ら放つ悪臭に適応した訳です。


人間の持つ能力には、それとは逆に

実際に存在しない臭いを

自分が作り出してしまうこともあります。


自分の口臭や体臭が非常に強いものだと思い込み、

「他人に嫌われる。」「他人に迷惑をかけているのでは。」

と不安や恐怖を感じてしまうことがあります。


これは、自己臭症などと呼ばれる神経症の症状で、

対人恐怖症の一種です。


仲間の輪に上手く入ることが出来ない。

他人と仲良くなれない。

他人から話しかけてもらえない。

と感じて、


その原因を

「自分は嫌な臭いがするからだ。」

と思い込んでしまっている状態です。

 

実際には、そこに無い臭いなのですから、

周りの人はもちろん本人にも臭いを感じませんが、

 

他人が鼻に手を当てた。咳をした。

怪訝な表情を見せた等、

近くの人の仕草に敏感に反応して、

自分の臭いが、他人にそれをさせたと結論づけます。


つまり、このような心の動きの根本的な原因は、

自分が嫌な体臭を発していると

思い込んでいることではなく、


自分は、他人に受け入れてもらえない人間だ。

自分は、他人に嫌われる人間だ。

のような思い込みです。

 

自分の存在を否定している思い込みと

向き合うことは非常に怖く耐えがたいので、

その原因を、体臭にスライドさせて

幾分か辛さを軽減する無意識の防衛機能が

働いている状態です。


人によっては、自分だけが感じる臭いを、

自分の脳が創り出して、その本人は

本当に臭いを感じていることがあります。


そのような能力が私達の脳が有していることは、

催眠現象で感覚をコントロールして、

臭いを作り出したり、臭いを変えたり、

臭いを消したり出来ることで確認できますし、


もっと身近なことで言うと、

梅干しやレモンをかじるイメージをすると

口の中が実際にすっぱくなるのと同じ能力です。

 

人間が持つそれらの能力を

本人が無意識に作動させて

そこにないはずの自分だけが感じる臭いを

作り出してしまっているのです。

 

どちらにしても、

他人から「全然、臭いなんかしていないよ。」

と、言ってもらっても、

「私、今臭いしていない?」

と、他人に聞いて確かめたとしても

元々の原因が体臭の有る無しではないので、

一時、安心できるだけになります。


この問題を解消するには元々の原因となっている

私は人から受け入れてもらえないというような

何かの思い込みを変える必要があります。


ただ、元々、本当の原因と向き合うことを避けるために

問題を体臭にスライドさせている状態なのですから

施療でも本当の原因と向き合うことを

避けようとする人も少なくありません。


しかしながら、本当の原因を解決しなければ、

自己臭の問題も解決することはありません。

なので、施療に取り組む場合には、

自己臭に対する理解を持ってもらえることが

第一歩の目標となります。


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強迫性障害

2018年10月28日 | 心理カウンセリング

2006年 26年間、アパートの自分の部屋から

一歩も外へ出なかった50代の女性が

病院に運ばれました。

 

女性は、インフルエンザにかかって以来、

病原菌から逃れるために

自分の部屋に閉じこもっていたそうです。


誰にでも日常生活のなかで

大なり小なり気になることや不安を持つことは

あるものですが、一度確認することで、

また確認せずともまあ大丈夫だろうと流したりで、

気持ちを切り替えることができるものです。


ですが、強迫性障害と言われる心の状態になると

何度確認しても特定の考えや不安が消えずに

度が過ぎる行動を繰り返してしまいます。


強迫性障害のよく現れる強迫行為としては、

次のようなものがあります。


確認恐怖・確認強迫

火元を消し忘れていないか、

電気のスイッチを消し忘れていないか、

鍵のかけ忘れていないか等、

何度も確認行動をします。

 

不潔恐怖・洗浄強迫

自分の身体や自分の持ち物が汚れてしまう。

また汚れてしまっていると感じて、

特定のものに触れることが出来なかったり、

手洗いや入浴を必要以上に繰り返し行います。

 

加害恐怖

「誰かを傷つけたかもしれない。」という強迫観念から

罪の意識や不安に苦しみます。


・あの時、車で誰かを跳ねたかもしれない。

・駅の階段でぶつかった人が、階段から転げ落ちて

 大けがをさせたかもしれない。等。

 

不完全恐怖

完璧を求め続けてしまいます。

真理を追究するとか、最高の仕事、最高の作品を

作ろうとするというような生産的な気持ちからではなく、

完璧でないことへの恐れや不安から

完璧を求め続けます。


縁起強迫

自分や周囲の人に何か悪いことが

起きるのではないかと不安になり、

その不安を消そうとして

縁起を担ぐことを止められなくなり、

縁起に沿った行動で日常生活を送るようになります。


精神的健康な人も、縁起(ジンクス)を

一つや二つ持っている場合もありますが、

時と場合に合わせて、

優先順位を柔軟に変化させることが出来ます。

 

ですが強迫性障害の方の場合には、

最後の最後まで縁起(ジンクス)を優先することで、

日常生活に支障をきたしたり、

問題を起こしてしまいます。


その際の縁起は、

占いや一般的に知られたものだけではなく

その個人だけが取り決めたものもあります。

 

ある人は、目についたマンホールを

足で踏むという縁起を持ち、

会社に毎日遅刻した結果。。。


収集癖・ため込み

不必要なものでも捨てきれないために

ため込んでしまいます。


一時テレビで話題になったゴミ屋敷の住人は、

この可能性があります。


また物品だけでなく情報を収集しようとして

勝手に立ち入り禁止の場所に

侵入してしまうこともあります。


疫病恐怖

感染症を恐れて、血液を連想させる赤いものや

公衆トイレ等を恐れます。


強迫性障害の方は、

ふっと頭に浮かんだ心配や不安なことが

頭から離れずに、そのことに意識や気持ちが奪われ、

さらに悪い思考が生み出され

怖れや不安を強くしてしまいます。


この恐れや不安を解消しようとして

確認行為をしますが、

怖れや不安が軽減しても一時なものにすぎず

そう時間を置かずに同じ恐れや不安が

頭の中に浮かびます。

 

このような不合理な確認行為について

「気にしすぎている。」「全く無駄なことをしている。」と、

本人が自覚している場合もありますが、

不合理であることの自覚が

非常に薄くなっている人もいます。


心気症

実際にはどこも悪くないのに

体調不良や病気を過度に心配するのが

心気症と言われる状態ですが、


過度に心配することで心労から

実際に身体の怠さや眩暈など

変調を引き起こすことがあります。


医療機関で診療や検査を受けますが、

医療機関から「異常はありません。」の診断をされても

見過ごされているのではと不安を感じて

他の病院で検査を受ける行為を繰り返してしまいます。


強迫性障害との違いは、強迫性障害は

恐怖や不安の対象となるものが具体的ですが、

心気症の場合、漠然とした疾患への恐れや不安であり、

具体性に欠けるのですが、

この症状は強迫性障害、この症状は心気症と

分けることにあまり意味が無いように思います。

 

それぞれの症状は違っていても

強迫性障害に陥る人には、

・完璧主義・責任を感じやすい

・些細な心配を過大に捉える等の

性格的な共通点がみられます。


ではあるのですが、

そのような性格の特徴がある人が

必ず強迫性障害に陥るという訳ではありません。

 

強迫性障害に陥った場合ですが、

数回の施療で改善するようなことは極稀で、

医療機関での薬を併用して

粘り強く施療に取り組む必要があります。


改善のポイントとしては、

上に書かせて頂いた内容の中にあるように、

・不合理な思考や行動を

 合理的な思考や行動へと変える取り組み。

・本人の性格的な特徴を改善する取り組み等が

考えられます。


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レーダー

2018年04月28日 | 心理カウンセリング

言うまでもありませんが、

私達は、身体的にも精神的にも

健康を維持しようとする機能を有しています。


身体的には、損傷を修復したり、

体内に侵入した健康を害する

細菌やウイルスを排除したりと、

最適の状態へと戻そうとしてくれます。

 

精神的には、

内側で発生した精神的エネルギーを

外側に放出したり、

鳴っている鐘の音が自然と収まるように

最適なバランス状態を取り戻します。


通常は、健康を保つ非常に有能で

パワフルな能力が十分に発揮されて、

保たれていたバランスに揺れがあっても

『やじろべえ』の如く傾きを整えてくれ

おいそれと健康を損なうことはありません。


しかし、

何か不自然なものの見方や考え方、

無理な在り方が内在している時には、

左右の重りのバランスが整っておらず、

最適の安定の位置を維持する力が弱まり、

不快な思いが度々と繰り返されたり、

長く持続してしまいます。


不自然な刺激や外圧があった場合には、

それが何であるかを発見することは

比較的容易ですが、

(やじろべえを指で弾く)


ある時、何かの機会で、

自らが心に組み込んでしまったり、

組み込まざる得なかったものは、

自分では気が付かなかったりします。

 

そして、

あれが出来れば」

「あれが手に入りさえすれば」

とペンギンが空を飛ぼうとする如く、

無理な努力を重ねたり、

背中が痒いのに、膝をかいているかのような

見当違いの努力を重ねたり、

飛べない自分を責めたり恥じたり

してしまいがちです。


施療に来られた人の中には、

問題が紐解かれ、

ペンギンが空を飛ぼうとしていることが

明らかになっても

空を飛ぶことを求める人もいたりして、

簡単ではありませんが、


心理の仕事に携わる私達は、

相談に来て頂いた悩みや問題を

改善したり、解決するためにも、


相談に来られた方の内在している

不自然なものの見方や考え方や

無理な在り方を発見するためのレーダーを備え、

整備を怠らない責務があります。


そして、同時にレーダーの電源のオン・オフも

出来るようにしておかなければ、

広告の文字にレーダーが反応したり、

テレビの話す内容に反応したり、

考えの方向が同じなのに荒い部分に反応したりと

困ったことになります。

 

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ギャンブル依存症2

2018年04月04日 | 心理カウンセリング

ギャンブルも小遣いの範囲で楽しくやれれば

問題はないのですが、借金をしてまでとなると

話の土壌が全く違ってきます。


ちょっと付き合いでとか誘われてやったギャンブルで、

思いがけない大きな利益を出すことが多々あります。

(ビギナーズ・ラック)

この時、脳内から快感物質ドーパミンが大量に分泌され、

ドーパミンの虜になると依存症の危険ゾーン突入です。


ドーパミンには、

報酬を得た時にだけではなく、

報酬を予告を感じさせるもの自体にも

分泌されるようになっているらしく、

パチンコ屋、競馬、競輪、競艇等、

報酬を期待できる媒体に反応して

ドーパミンが大量に分泌されるようになります。

 そして、

「ギャンブル=私を喜ばせてくれるもの。」となって

勝ち負けは脳内の隅に追いやられます。

 

で、あったとしても、

これ以上の負けは許されない所まで来た時、

(家賃、光熱費、食費などが支払えない)

次に収入があるまで「止めよう。」「出来ない。」に

心の針が振れて行動にストップがかかる様なら、

まだ危険域に突入していないかと思います。


ですが、依存症状態になると、

ギャンブルを負けたまま止めることは、

馬鹿で駄目な行為をしたことを

認めることになるになるから

負けたままでやめることは出来ない。


負けが続いたのだから、

そろそろ勝てるはずだ。等、


自分のやめたい。やめなければの気持ちに

合理化で蓋をして、

貯蓄を崩してまで、借金をしてまで

あの興奮を、あの高揚感をと求めるようになります。


依存症状態になると、

10万円使っても1万円の当たりをと、

勝ち負けよりも興奮を求めるようになります。

 

骨身にしみる大きな痛手を被り

離れることが出来ればマシな方ですが、

それでも止められず破滅する人もいます。


この依存症の状態から脱却するには

自分の気持ちや意思と行動の関係に割って入る

「ギャンブル=ドーパミンがドバドバ。」(衝動)を

書き換える必要があります。

 

そうでなければ、

仮に強い意思でギャンブルを止めたとしても、

高揚感を得られる他の対象に

移行するだけになることも少なくありません。



その改善方法として、

万人に絶対的な方法とまで言えませんが、

試してみる価値ある方法はあります。

まずは、環境を変える方法で、

ギャンブルが出来ない環境に身を置くことです。


信頼できる人にお金やカード類の管理をしてもらう。

ギャンブルをする時間が取れないようにする。

(バイト・残業・講座・誰かと出かける約束等)


または、携帯のGPS機能を利用して

家族や奥さんが常に監視されている状態を作る。


入院でギャンブル施設から長期間遮断し、

治療を受けるのも

環境を変える最終手段。


見放されたくない人、見損なわれたくない人に

止めることを宣言することでブレーキを利かし、

さらに、

ドーパミン分泌の対象を、破壊的なものから

その人が心から喜んでくれたり、

認められること等の生産的なものに

変えることが出来ればより効果的になります。

 

ギャンブルの収支をつけて

如何に痛い目にあっているかを明確化して、

合理化を困難にする。


いきなり止めることが難しい場合、

掛け金のレートを少なくすることで

高揚感を少なくし、

徐々にドーパミンの分泌量を減らしていく

と同時に、

破滅的な損失を回避する。


等の方法があります。


また、ドーパミンを求める裏には、

苦しみや悲しみや怒り、虚無感や空虚感等を

誤魔化したり、埋めようとする

代替行為となっていることもあります。

 

なにはともあれ、

改善の一丁目一番地は、

本人がギャンブル依存症状態であることを自覚し、

心から治そうとする気持ちを持つことです。

 

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