心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

インパクト

2011年03月06日 | 催眠療法




最近は催眠を取り上げる番組が

一時期ほど多くないようですが、

私が東京クリア研究所でお世話になっていた頃の10数年間は、

催眠を取り上げて頂ける番組も多く、

仲山和輝氏にTV局からの出演依頼が頻繁にありました。



そして、番組打ち合わせのために

クリア研究所に尋ねて来られていたのですが、

殆どの制作スタッフが番組を面白いものにするために

催眠をより理解するために、

自身が催眠を体験しておきたいと要望があり、

その全てに催眠誘導を成功することが出来たのですが、



その中のある番組のスタッフが、

私の誘導で催眠を体験し終えた後、

ついでにと個人的な要望がありました。



「私は昔からネギが食べられないんです。催眠で食べられるようにして欲しい。」

と準備よろしくネギを取り出してきました。



この方は充分な催眠状態に至る人でしたので、

このような要望を叶えることは催眠的には問題はありません。



再度催眠に誘導し、ネギに対する誘導をすると、

「あれ、おかしいぞ。ネギが美味しい。」

と言って確かめるようにムシャムシャと丸かじりです。



催眠術的にはこれで十分目的を達成しているのですが、

得られた変化を恒久的なものにすることを目的にする

催眠療法的にはこれだけでは不十分です。



と言うのも、そのスタッフの反応からこの事実は、

催眠の力によるものだと思っているのが見て取れました。



このような場合は、人によっても違うのですが、

その変化した状態が何時間か何日か経過すると

元に戻ってしまう可能性があります。



つまり、ネギが美味しく食べられている状態がおかしな状態で、

ネギが変な味がする状態が通常の状態だと信じている訳です。



人は、心に信じていることが現実になります。



自分が駄目な奴だと信じていると

自分を高める行動を取ることが少ないですし、

例え良い結果を得られたとしても

「こんな結果しか出せなかった。」とか、「こんなことはたまたまだ。」と、

自らに難癖をつけてしまい自己イメージの変革に結びつかず、

自分がイメージする駄目な人の行動や態度を

とり続けてしまうようなものです。



ですから、そのスタッフの心が固く信じていること、

「ネギは変な味がするものだ。」に疑問や迷いを生じさせ、

新しい価値観が入り込む余地を生じさせるために

一工夫を追加しました。





「今、ネギを美味しいと感じるのは

変だと思っているのではありませんか。

美味しいのは催眠の力によるものだと。」


スタッフ

「だって、そうなんでしょう。」




「催眠とは関係なくネギを美味しく食べている他の人がいますよね。

その人達は、何故ネギを美味しく食べれているのでしょう。

それは、今あなたが感じている味と

同じような味を感じているからだと思いませんか。」


スタッフ

「そう言えばそうだと思います。そうですよね。」




「つまり、今までのあなたが感じていた味こそが、

ネギは不味いと自分に催眠をかけていたとは思えませんか。

そして、今ネギが美味しいと感じているのは、

実は今までの自分に自分がかけていた催眠が

解けている状態だとは思えませんか。」


スタッフ

「えっ!」



10日後、TV局に番組収録で訪問した時にそのスタッフから報告。

「あれ以来、ネギが美味しいままなんです。」


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