2001年 アメリカのマサチューセッツ州で
300年以上前の『魔女狩り』で絞首刑になった
5名の女性を無罪にする州法が成立しました。
魔女狩りってホント愚かで悲惨な出来事だと思うのですが、
300年以上前の人々は、まだまだ悪魔とか魔女等に
現実感を持つ人が沢山いたんでしょうね。
あくまでも私個人の推察でしかありませんが、
魔女狩りが起きた原因は、当時の民衆らが
単に悪魔とか魔女の存在を信じていたこともそうですが、
何よりその時の社会情勢が不安定だったことから
恐れや不安が燻っていたのではないかと思うのです。
そこに何か人々の不安を煽るようなことがあると
誰かが叫ぶ!「あいつは魔女だあ!」で、
人々の潜在的な不安や恐れが連鎖して爆発して
群集心理とでも申しましょうか、もう止まらなかった。
もう冤罪どころのレベルじゃなくて完全なるでっちあげで
絞首刑にされた本人や身内らにとっては、
辛かったとか悔しかったじゃすまされないことです。
だからと言って自分の正義感に酔いたい議員らによって
記憶の倉庫の奥深くにしまい込まれていた出来事を
勝手に引っ張り出されて『あれは間違いだった。』なんて言われたら
被害者と関係がある人達の気持ちを
逆撫でする可能性だってありますからね。
なので魔女狩りの被害にあった人の子孫らと
何らかの根回しを十分してからの州法の成立だったのかなと。
あるいは、せめて名誉を回復して欲しいと
魔女狩りにあった子孫らから政治家に働きかけがあり、
その想いが通じて2001年に
今回の州法が成立したのかも知れません。
まあ今の時代に最早あんな愚かすぎることを
繰り返すことは無いだろうと思いきや
以前、書かせて頂いたことを思い出しました。
1967年 日本
高知県で29歳の男が19歳の女性を呪い殺してもらおうと
57歳の『祈祷師』に依頼していたことが発覚。
2006年 ドイツのミュンヘン
恋人に捨てられた女性が、自称『魔女』に復縁を依頼。
2010年 バングラデシュの辺境の村
夫を虎に殺された45歳の女性が、
夫の不運を招く『魔女』として村八分に逢う。
2019年 イギリス
27歳の妻を『魔女』と信じた31歳の夫が自殺。
「妻に魔術で殺される前に自ら命を絶つことにする。」
2020年 ナイジェリア
自分の妻を『魔女』だと信じて3年以上も檻に閉じ込めていた
41歳の夫が逮捕される。
さすがに今の時代、火山の噴火や地震等の自然現象を
神様がお怒りじゃあ!と生贄を奉げるなんてことは
世界を見渡してもないとは思いますが、
キリスト教、イスラム教、仏教等々
誕生してから物凄い年月が経過していますが
少しずつ解釈が変われども今も尚、通用していることからも
人の心は大きく変化していないってことだと思います。
人間って弱いもので不確実な未来について
自分の心が創り出したものを恐れたり、
怯えたり、不安や心配をしたり、
現実と疑いが合わさって不安や恐れや危機感が拡大して
魔女狩り的な暴動が怒るやもしれず、
自分の力及ばないものを何とかしようとするあまりに
幻でしかない力につい頼ろうとしたりと
何とかしてもらいたい気持ちが強い故に
有りもしない力が存在すると信じようとしたり、
300年前の愚行と全く同じではなくとも
その火種は、私達の心の中に眠っているかも知れません。
私は、いざという時に冷静に理性的に行動できるのだろうか。
馬鹿げた思想やプロパガンダに操られずにいられるだろうか、
せめて魔女だとか、霊感商法だとか、怪しげな宗教等に
振り回されない自分でありたいなあ。