１９９７年 アメリカのオハイオ州で
１８回も飲酒運転で有罪になった男に
『酒場から歩いて帰れる１.５マイル以内に転居せよ。
さもなくば禁固刑に処する。』との判決が下され、
男の１９回目の有期刑は回避されました。
飲酒運転で逮捕が１８回されてもなお
懲りることも反省もなく１９回目の逮捕となった男。
同じ犯罪で繰り返し逮捕された場合、どうなんでしょう。
１回目より２回目、２回目より３回目と
刑罰が重くなっていかないのでしょうか。
まあ重くなっても微量なんでしょうね。
でなければ１８回目に逮捕されて出所した時には
もうかなりの高齢者になっているはず。
この男は、１９回目の刑期を終えた後で
２０回目の逮捕はあることは容易に予想でますし、
これまで大きな事故に繋がっていないだけで
いつかは飲酒運転で大きな事故を起こして
自分の命を落とすだけなら自業自得ではありますが
他人の命をも奪いかねません。
この男の１９回目の裁判を担当した判事が下した判決は、
逮捕された男をただ罰することではなくて
飲酒運転を止めさせることに主眼をおいたものになっています。
こんなの大甘の判決だと考える人がいても
何らおかしいとは思いませんが、
何より一番重要なのは男に飲酒運転を止めさせて
将来に高確率で起きるでろう大事故を防ぎ、
他人の命と逮捕された男の命が失われることを
防ぐことだと考えたのでしょうね。
この男、飲酒運転での逮捕が今回で１９度目、
警察の調査でこの男は、法律なんて関係ねえ！、逮捕上等！と
日本の１０代のヤンキー精神の持ち主と言うことではなくて
飲酒することを止められない。
つまりは、アルコール依存症に陥っているか、
また近い状態だと判断されたのかも知れません。
となると説教したり刑罰を与えても根本解決にはならず
また繰り返すに違いないと判断して
男がお酒を飲んでも飲酒運転をする必要がないように
男の環境を変えることにした。
これ心理療法にも通じる見事なアプローチ。
男が止められないのは『飲酒運転』じゃなくて
お酒を飲むことなので禁固刑を免れて
お酒を飲むことが出来る転居を受けますわな。
でもまあそれで万々歳ではなくて
男には開放後に飲酒へのセラピーを受けることも
判決命令にはあったのかどうなのかが気になる所です。
この男の場合は１９回も逮捕されていることからも
この男に任せてしまうと、いくら説明しても諭しても
自分では取り組まなさそうなので
判決文に書き入れて強制的にアルコールへのセラピーを
取り組まさせることが必要かも。
立派なアルコール依存症状態にまで陥ってしまうと
健康を蝕み、ゆっくりとした自殺をしているようなもので
そこから脱するのは相当大変なことです。
日本の場合、３ヵ月の入院後退院となり、
また３ヵ月入院的な形を取ることになりますが、
アメリカの医療体制はどうなのか、
この男の状態がどの様なものなのか分かりませんが、
アルコール依存状態が酷くなると
社会から長期間にわたって隔離状態になるかもです。
