日々是マーケティング

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日本版サンダース氏は、登場するのか?

2016-06-10 21:35:23 | 徒然

今日、昼間出かけたときある政党が、公園近くに選挙カーを止め政策を訴えていた。
告示はまだ先だが、すでに選挙戦は始まっているようだ。

しばし足を止め、聞いていたのだが、話の中心は「税の公平性」。
この演説を聞いて、トマ・ピケティ氏などが訴えている内容を言う政党が出てきたのだな~と、感じた。
そしてもう一つ思い出したコトがある。
それは米国大統領選で民主党候補として、若い層から絶大な支持を集めているサンダース氏だ。
サンダース氏の政策は、いたってシンプル。
「税の不公平を無くすために、富裕層(特に親から資産を受け継ぐコトによって巨万の富を得ている層)に対する重い課税」と「給付型奨学金制度の充実」だ。
もちろん、他にも政策として挙げられるものはあると思うのだが、この2つが政策の大きな柱だという印象がある。

サンダース氏を支持する若者たちは、以前「私たちは、99%(の側にいる)」という、プラカードを持ちウォール街を占拠した層だとも言われている。
「99%」というのは、今のアメリカ社会の富裕層と中間層以下の経済格差を示した数字である、ということはご存じの方も多いと思う。
共和党政権時代、1%の富裕層に対して税の優遇が行われたため、99%の中間層以下の人たちへそのツケがまわったことで、米国の財政は厳しい状況に陥っている、という指摘もされている。
何より、サンダース氏が政策として挙げている「給付型奨学金制度の充実」というのは、「学生ローン」で学費を賄っている学生が多い米国では、社会的問題となっている。
その問題を取り上げたのが、サンダース氏であった、ということだ。

考えてみれば、同じような問題を日本も抱えている。
特に「貸与型奨学金」により、大学を卒業した時点で巨額な借金を抱えてしまい、その返済に苦しんでいる若者は少なくない。
確かに、一部の私大で設けられているような「給付型奨学金」はあるのだが、受給される学生は多くはない。
もちろん、優秀な学生を集めるための制度なのだから、当然と言えば当然なのだが・・・。

今回安倍さんは、「リーマンショック以来の(経済)危機」という表現で、「アベノミクスを推進したい」と思っていらっしゃるようだが、すでに「アベノミクスは破たんしている」という指摘もある。
先日、「アベノミクス効果は、2次下請けまで届かず」という内容の、新聞記事を見かけた。
元々「アベノミクス」そのものは、大企業向けに行われた経済政策なので、1次下請けまでは恩恵を受けることができたとしても、2次下請け以下には波及しないであろう、という指摘は最初からあった。
自民党の考えそのものが、米国の共和党に近いコトを考えれば、「99%」までとはいかないにしても「経済格差」が広がる要素は、もともとあったのではないか?と思う。

米国民主党の大統領候補は、ヒラリー氏が確実としたがサンダース氏は「撤退・敗北宣言」をまだ出してはいない。
むしろヒラリー氏が、サンダース氏の政策をどれだけ取り込むコトができるのか?で、米国大統領選は大きく変わるのではないか?と、思っている。
日本では、サンダース氏のような「若い層が抱える問題」にフォーカスし、政策として伝えるコトができる政党や候補者が登場するのだろうか?