日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

クルマの屋根にソーラーパネルが普通になる日が来るのかな?

2016-06-15 19:17:52 | マーケティング

トヨタの新型プリウスの発表があった。
今回のモデルで注目されたのは「屋根につけられたソーラーパネル」だ。
中日新聞:新型プリウスPHV、日本初公開 屋根に太陽光パネル

実は、数年前友人に頼まれ「ソーラーパネルの将来的使い方」というレポートを作ったことがある。
その時「PHVなどに、ソーラーパネルを設置する」というアイディアを出したことがあるのだが、「鉄腕Dash!じゃあるまいし」ということで、終わってしまった。
もちろん、クライアントである友人は面白がってはくれたのだが、荒唐無稽のような話だった。
なぜなら、自動車メーカーがその気にならないと、設置そのものができないし、車両に設置するためには様々な技術的問題や法的問題をクリアしなければ難しいだろう、と考えていたからだ。
ただ、友人と私の間では「アイディアとしては、十分ありえるね」ということだった。

それから数年たち、まさかトヨタがこのようなクルマを発売するとは、思っていなかった。
確かに、トヨタのプリウスはPHVの先駆けともいえるクルマであり、PHVの象徴ともいえるクルマだと思う。
だからこそ、このようなソーラーパネルを搭載したPHVを出すことを決めたのだと思う。

もう一つは、ソーラーパネルそのものの進化だろう。
私がレポートを作成していた頃は、住宅の屋根に乗せるソーラーパネルをイメージしていた。
そのようなソーラーパネルをクルマの屋根に乗せるには、クルマ本体の耐重性が問題になるだろうと考えていた。
その後、薄型軽量のソーラーパネルだけではなく、曲げるコトができる素材などが開発された。
パネルそのものの進化によって、軽量でクルマの屋根の形状に合わせることができるようになった、ということも大きいのだろう。

この新型プリウスのように、クルマの屋根にソーラーパネルがあるようになると、クルマそのものが「移動手段」という使い方から、違う使い方が生まれてくる。
例えば、熊本(大分を含む)大地震では、自家用車の車中で生活をする人が多かった。
大きな揺れの余震が続くことへの不安や、避難所となる学校の体育館ではプライバシーが確保できないなどの理由で、クルマでの避難生活を続ける人が少なくなかったのは、ご存じのとおりだ。
そのような人たちにとって、クルマが「電源」の役割を持つことで、避難生活の質がわずかではあるが向上するのでは?
何より「東日本大震災」では、携帯電話やスマートフォンを情報ツールとして使いたくても、充電が切れてしまったため、使えなかったということもあった。
緊急電源としての役割を、PHV車ができるということになる。

もちろん、お天気の良い日などは走行中にソーラーパネルで発電し、蓄電池に貯めることができるだろう。
EV車であれば、当然このようなソーラーパネル搭載のクルマが、一般的になるだろう。
そう考えると、新型プリウスのソーラーパネル搭載は、クルマの役割を変え、暮らしも(少し)変えるかもしれない。