数日前のニューズウィークのWebサイトに掲載されていた、プーチン氏がウクライナにこだわる理由についての考察記事が、とても興味深かった。
News Week:プーチンの異常なウクライナ「執着」の源・・・1000年に及ぶ歴史から完全解説
まずこの記事を読んで最初に思い浮かんだのは、世界を震撼とさせたIS国の事だった。
IS国の指導者は、「オスマントルコ」のような領土と自分たちにとって都合の良い解釈に基づいた、イスラム国家をつくることを目論んでいた。
「オスマントルコ」は、14世紀ごろトルコ系イスラム教徒が作り上げた、中近東から欧州に及ぶ巨大な国だった。
それだけではなく「オスマントルコ」という国そのものは、1922年まで続いた「大帝国」であった。
そのような、イスラム教徒の大国家をつくることを、目的としていると、言われてきた。
そして、彼らがどのようなことを行ったのかは、ご存じの通りだ。
同じように、プーチン氏にとっては、旧ソ連邦から独立した旧東ヨーロッパ諸国は、「もともと自国であり独立などありえない!」という考えを、潜在的に持っていたとすると、まさにIS国の指導者そっくりのような気がするのだ。
しかもプーチン氏の中では、「現ロシア>旧ソ連邦から独立した諸国」という考えを持っているようなのだ。
だからこそ、「NATOに入りたい」といっていたウクライナに対して、「気に食わん!」と殴りかかっても、罪悪感など無いのでは?と、考えてしまうのだ。
とすると、かつての「冷戦時代」とは考え方が全く違う、ということを踏まえた交渉が必要ということになる。
上述したことから、西側諸国の外交交渉によって、プーチン氏がどれだけ歩み寄ることができるのか?と考えると、疑問に感じている。
何故なら、ウクライナをはじめとする旧ソ連邦から独立した国々は、「大ロシア」の中にある地方であって、独立国ではないと考えているだろうし、「大ロシア」の一地方都市であるウクライナが、敵対しているNATOに加入できるはずもない。
そんな「駄々っ子のようなことをいうなら、力づくで(ウクライナに)いうことを聞かせなくてはならない」という、感覚なのだと思う。
そのため、西側諸国が「けしからん!」と怒っている感覚がわからないのでは?と、想像するのだ。
何となくだが、このような感覚を持っているのは、中国も同じなのでは?という、気がしている。
中国の場合は、「モンゴル帝国」ということになるだろう。
そして、現中国が「新疆ウイグル自治区」や「チベット」で行っていることと、共通するモノがあるようにも感じる。
このように考えると、ロシアと中国の関係が深くなるのは、どこかしら「似ている感覚を持っている」からなのでは?という、気がしている。
ただ「その似た者同士」であっても、自分の利益や目的を阻害する相手となった時は、容赦しない態度に出るだろう。
それは歴史を見ればわかることだ。
インターネットで世界がつながるような現代であっても、「14世紀ごろの帝国に君臨する王」になりたい、という指導者がまだいる、ということにも驚くのだ。